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この荒れ果てた世界の内側で
エピローグ
しおりを挟む思っていた通り、キュロスは裏路地にいた。
私はバイクを止めて、缶を持ち上げて、向かっていく。
キュロス達は無垢な表情を浮かべて、私を試すように見つめている。
私は指で銃の形を作り、その内の一体に向けて撃つ素振りを作る。「バーン」と私が言うと、その一体は怯えた声で鳴き、路地の奥へと逃げていった。
私は笑って、缶の蓋を開けて、中に入っているパンを取り出す。
期待に満ちた眼差しを送ってくるキュロス達の前に、私はちぎったパンを丁寧な動作で落としてやる。
キュロス達は、猜疑心に満ちた目で目の前に落ちたパン屑を見つめ、それからやがて、一体がそれに近づき、噛んだ。
一体の様子を見て、他の一体がそれを真似て、噛む。
そうして、その路地にいたキュロス達が皆次々に集まってきて、私が撒いているパンを食べていった。
パンを嬉しそうに食べているキュロス達は、もう、光ってはいなかった。
ふと、私は天を見上げる。
路地裏の形に切り取られた空は、その身に宿していた筈の重苦しい雲の鎧を脱ぎ捨てて、柔らかな暖かい日差しを、その懐から世界に向けて、静かに放ち始めていた。
FIN.
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