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39話 瘴気VS俺……?
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学院が始まって3カ月。
リク達も順調に勉強しているみたいで何よりだ。
俺の方は順調……ではないけどな!
でも第一関門を突破して、息抜き休日を貰ってしまったのだ。
久しぶりに3人と休みが重なって、今日は城下町を案内してくれるという。
「サフィ様、いつもの凛々しい制服姿も素敵ですが、今日の服もとてもかわいいですね」
「そ、そうか?ありがとう」
「背も少し伸びましたね。益々美しさが磨かれて眩しいくらいです」
「あはは、あ、うん、ありがとう」
お前ら1度、眼科行ってこい。
クリスにガッツリ怒られたという2人は、俺の許可が出るまで『待て』のできるいい子にはなったが、1日何十回と口説かれるようになった。
自分達の気持ちが冗談としてではなく本気と伝わるようにだと。
うん。
もう疑ってないからな。
毎日毎日口説かれて、ちょっと腹いっぱいだからな。
「あ、甘いもん買っていきたい。女子が喜びそうなの。日持ちするのってなんだろうな」
「ああ、兄さんの従業員っていう子達?」
「おう。男は菓子より肉だろうしなあ。酒はまだ早いし」
10代だって言ってたもんな。
「クッキーとか飴ならどうでしょう」
「お、それいいな」
「サリス様のお役に立てた♡」
「お、おお俺だって役に立つ!サフィ様、お菓子屋はあの赤い屋根の建物です!!」
「お、おう。助かるよ……」
はー、お前ら……まあいいけどさ。
なんだかガックリと項垂れる俺だ。
なのに少しだけ、少しだけ、嬉しかったりもする。
あー!!!ないないっ。
1軒目の買い物を終えて道に戻ろうとした時だった。
広場に悲鳴が響き渡った。
人々が逃げ惑うのが見える。
見れば大通りの端から土煙が近づいてきていた。
あれはっ!
「サフィ様!!」
「サリス様!!」
荷物をその場に捨て置き、考える前に俺は走った。この場所は買い物を楽しむ場所だ。女や子供が多い場所なのだ。
見えてきたのは、土煙の中に、暴走する、馬車。
そのまま走り続ければ、巻き込まれるのは周囲で逃げ回っている女や子供だ。
正義の味方ぶる気はねえけど、なんとかなるかもしれない力を持ちながらスルーするだけの精神力はない。
たくさん人が死んだら、後悔する。夢に見る。
それなら、やれるだけやればいい。
だって正面からぶつかっても、死ぬ気がしない。
シフォンが俺に結界を張ってくれてるから、気づかなかった1発目を結界が受け止めてくれるのだ。
気を抜いていて、ガツンとやられても1回目だけは回避できちまう。
結界が破られる頃にはシフォンが駆けつけてくれてるし、さすがに俺も戦闘モードになれてるはずだ。
さて、暴走車の目の前まで走ってきたが、馬車が急に止まれるわけもない。
無理に止めれば、馬が犠牲になるだろうな。
人も馬も、できればどちらも助けたい。
いや、どちらかを選択しなければならないとしたら、俺は人を選んでしまうけど。
うまくいかなかったらごめんな、馬。
パワーは最大限。
向かってくる馬車の接合部を蹴り飛ばすと、箱部分も同時に蹴った。
そしてそのまま馬に飛びついて押さえ込む。
あとから走ってきた3人も馬を押さえようとこちらに走ってきてくれている。
その横を接合部がちぎれ、馬から外れた箱部分が飛んで転がっていった。
そのまま2回転すると、なんとか箱の動きは止まったようだ。
走り寄る3人。
普通の人間なら馬に蹴られるから危険だと思う現状も、アイツらなら大丈夫だろうと思ってしまうぐらいには信用してる。
と思ったところで、馬の嘶きにハッとした。
馬車との接合部を蹴り飛ばした時に、馬に負荷をかけてしまったんだろう。
手に触るぬるりとした感触。
ごめん。ごめんな。
俺は慌てて治癒をかけた。
血は止まった。
痛みもないはずだ。
けれど馬は止まらない。暴れるのを押さえ込みながら様子を伺うと、ソレが目の前をよぎった。
「くそっ、瘴気か!馬アレが嫌なんだな」
『ヒヒン』
助けてやると声をかけても、言葉が通じるわけもなく、馬も本能で暴れるのを止められないらしい。
馬を押さえるのと、瘴気を浄化するのと、両方は無理だ。
俺の後を追ってきた3人が一緒に馬を押さえ込もうとして、けれど彼らに俺の言葉は届いていたらしい。
「サリス様、瘴気が問題なのですね」
「そうだっ」
「瘴気を引き離してみます。『闇手』!」
馬に取り憑こうとしていた黒い塊が、グボリと引き剥がされていく。
「お前、そんなことできたのかよ。すげえな」
「サリス様をお守りするためなら、なんでもやりますよ!ただ、固まった実体ではないからか、もちません……逃げられます!」
「ならば閉じ込めてみましょう。『凍水』!」
「リク!」
リクから出る水が、形を変え黒い塊を囲み出す。完全に周囲を囲ったところで、水が凍り始めた。
「まあ、閉じ込めることができただけですけどね」
「それでもすごいよ!」
だって、瘴気は水を汚染するんだぞ、普通なら。
それなのに完全に閉じ込めるとか、ほんとすごいって。
リクから出た水はまだ少しも汚染されてない。
「はあ、じゃあ最後は浄化かな」
「あ、うんもうちょい待ってな。この馬が落ち着いたらや……るし?」
「瘴気よ、消滅せよ。『炎浄』!」
わー……厨二っぽいー。
クリスが年相応に子供っぽいの、初めて感じたわー。
だってクリスって、日本人の意識あるんだよね?
それなのに『消滅せよ』とか言えちまうっていう。
そんなことを考えているうちには、クリスから飛び出た青い炎がジュッと音を立てて氷ごと瘴気を燃やし尽くしていた。
「兄さん、僕のことは褒めてくれないの?」
へ?褒めて欲しいの?
「す、すごいなー。凄すぎて、言葉が出てこなかったよ。ははは……はぁ」
最近、クリスが弟しようとするの、なんでだろう。
俺よりはるかにデカい、弟。
いや、いいんだけどさ。
瘴気が消えて馬も落ち着いた。
馬のお礼行為らしいが、ムシャムシャと髪を食まれて、なんかベタベタする。
馬の持ち主が真っ青な顔でやってきて、めっちゃペコペコしながら衛兵達と帰っていった。
「サリス様が置いていった荷物を取ってまいりました」
「あ、ありがとう」
忘れてたわ。
「帰ったらすぐお風呂ですね」
「うん。さすがに疲れたな」
砂埃すげえもんな。
「せっかくの休みだったのに、残念だったね」
さすがに今日はみんな店じまいし始めてるからな。
でもクリスが弟っぽくそんなこと言うから、慰めてやりたくなったじゃないか。
「俺はお前達の格好いいとこ見れてもうけ、みたいな?」
てな。
『ぐはっ』
『天使スマイル』
『格好いいとか』
ちょ、ちょいやめ!
く、苦しいから!!
抱きつくのはいいけど、締めすぎなんだよ!!
なんて思う反面、キュンとだなー。
あー、絆されたー!
男同士でどうすんだよ。
んで、どっちを選べっていうんだよ。
2人とも大事だから、どっちか1人なんて選べねえだろ。
「はあ」
俺はそのまま身体を預けたまま空を仰いだ。
「兄さん、どうしたの?」
「ん?いや、お前らモテるんだろうなーとか思って」
「は?!私はサリス様一筋ですよ!」
「お、俺も!サフィ様だけですからね!」
「おう。知ってる」
知ってるんだ。
でも、ダメだろ。
生産性もないこんな気持ちは。
時間が経てば、いつか今の気持ちが若気の至りだったと気づくだろう。
俺はこの2人が大人になって、ちゃんとかわいい女の子と結ばれるのを待てばいい。
それまで、それまででいい。
それまでの間、2人の気持ちを甘受したいんだ。
どちらかを選ぶのではなくて、2人共を好きでいたい。
そんなの不誠実だろ?
俺が1番嫌いな。
俺がすごく傷ついた、あのことと何が違うんだ?
だから俺から気持ちを伝えることは、してはいけない。
そうすれば、いずれアイツらも俺に見切りをつけられるだろうから。
リク達も順調に勉強しているみたいで何よりだ。
俺の方は順調……ではないけどな!
でも第一関門を突破して、息抜き休日を貰ってしまったのだ。
久しぶりに3人と休みが重なって、今日は城下町を案内してくれるという。
「サフィ様、いつもの凛々しい制服姿も素敵ですが、今日の服もとてもかわいいですね」
「そ、そうか?ありがとう」
「背も少し伸びましたね。益々美しさが磨かれて眩しいくらいです」
「あはは、あ、うん、ありがとう」
お前ら1度、眼科行ってこい。
クリスにガッツリ怒られたという2人は、俺の許可が出るまで『待て』のできるいい子にはなったが、1日何十回と口説かれるようになった。
自分達の気持ちが冗談としてではなく本気と伝わるようにだと。
うん。
もう疑ってないからな。
毎日毎日口説かれて、ちょっと腹いっぱいだからな。
「あ、甘いもん買っていきたい。女子が喜びそうなの。日持ちするのってなんだろうな」
「ああ、兄さんの従業員っていう子達?」
「おう。男は菓子より肉だろうしなあ。酒はまだ早いし」
10代だって言ってたもんな。
「クッキーとか飴ならどうでしょう」
「お、それいいな」
「サリス様のお役に立てた♡」
「お、おお俺だって役に立つ!サフィ様、お菓子屋はあの赤い屋根の建物です!!」
「お、おう。助かるよ……」
はー、お前ら……まあいいけどさ。
なんだかガックリと項垂れる俺だ。
なのに少しだけ、少しだけ、嬉しかったりもする。
あー!!!ないないっ。
1軒目の買い物を終えて道に戻ろうとした時だった。
広場に悲鳴が響き渡った。
人々が逃げ惑うのが見える。
見れば大通りの端から土煙が近づいてきていた。
あれはっ!
「サフィ様!!」
「サリス様!!」
荷物をその場に捨て置き、考える前に俺は走った。この場所は買い物を楽しむ場所だ。女や子供が多い場所なのだ。
見えてきたのは、土煙の中に、暴走する、馬車。
そのまま走り続ければ、巻き込まれるのは周囲で逃げ回っている女や子供だ。
正義の味方ぶる気はねえけど、なんとかなるかもしれない力を持ちながらスルーするだけの精神力はない。
たくさん人が死んだら、後悔する。夢に見る。
それなら、やれるだけやればいい。
だって正面からぶつかっても、死ぬ気がしない。
シフォンが俺に結界を張ってくれてるから、気づかなかった1発目を結界が受け止めてくれるのだ。
気を抜いていて、ガツンとやられても1回目だけは回避できちまう。
結界が破られる頃にはシフォンが駆けつけてくれてるし、さすがに俺も戦闘モードになれてるはずだ。
さて、暴走車の目の前まで走ってきたが、馬車が急に止まれるわけもない。
無理に止めれば、馬が犠牲になるだろうな。
人も馬も、できればどちらも助けたい。
いや、どちらかを選択しなければならないとしたら、俺は人を選んでしまうけど。
うまくいかなかったらごめんな、馬。
パワーは最大限。
向かってくる馬車の接合部を蹴り飛ばすと、箱部分も同時に蹴った。
そしてそのまま馬に飛びついて押さえ込む。
あとから走ってきた3人も馬を押さえようとこちらに走ってきてくれている。
その横を接合部がちぎれ、馬から外れた箱部分が飛んで転がっていった。
そのまま2回転すると、なんとか箱の動きは止まったようだ。
走り寄る3人。
普通の人間なら馬に蹴られるから危険だと思う現状も、アイツらなら大丈夫だろうと思ってしまうぐらいには信用してる。
と思ったところで、馬の嘶きにハッとした。
馬車との接合部を蹴り飛ばした時に、馬に負荷をかけてしまったんだろう。
手に触るぬるりとした感触。
ごめん。ごめんな。
俺は慌てて治癒をかけた。
血は止まった。
痛みもないはずだ。
けれど馬は止まらない。暴れるのを押さえ込みながら様子を伺うと、ソレが目の前をよぎった。
「くそっ、瘴気か!馬アレが嫌なんだな」
『ヒヒン』
助けてやると声をかけても、言葉が通じるわけもなく、馬も本能で暴れるのを止められないらしい。
馬を押さえるのと、瘴気を浄化するのと、両方は無理だ。
俺の後を追ってきた3人が一緒に馬を押さえ込もうとして、けれど彼らに俺の言葉は届いていたらしい。
「サリス様、瘴気が問題なのですね」
「そうだっ」
「瘴気を引き離してみます。『闇手』!」
馬に取り憑こうとしていた黒い塊が、グボリと引き剥がされていく。
「お前、そんなことできたのかよ。すげえな」
「サリス様をお守りするためなら、なんでもやりますよ!ただ、固まった実体ではないからか、もちません……逃げられます!」
「ならば閉じ込めてみましょう。『凍水』!」
「リク!」
リクから出る水が、形を変え黒い塊を囲み出す。完全に周囲を囲ったところで、水が凍り始めた。
「まあ、閉じ込めることができただけですけどね」
「それでもすごいよ!」
だって、瘴気は水を汚染するんだぞ、普通なら。
それなのに完全に閉じ込めるとか、ほんとすごいって。
リクから出た水はまだ少しも汚染されてない。
「はあ、じゃあ最後は浄化かな」
「あ、うんもうちょい待ってな。この馬が落ち着いたらや……るし?」
「瘴気よ、消滅せよ。『炎浄』!」
わー……厨二っぽいー。
クリスが年相応に子供っぽいの、初めて感じたわー。
だってクリスって、日本人の意識あるんだよね?
それなのに『消滅せよ』とか言えちまうっていう。
そんなことを考えているうちには、クリスから飛び出た青い炎がジュッと音を立てて氷ごと瘴気を燃やし尽くしていた。
「兄さん、僕のことは褒めてくれないの?」
へ?褒めて欲しいの?
「す、すごいなー。凄すぎて、言葉が出てこなかったよ。ははは……はぁ」
最近、クリスが弟しようとするの、なんでだろう。
俺よりはるかにデカい、弟。
いや、いいんだけどさ。
瘴気が消えて馬も落ち着いた。
馬のお礼行為らしいが、ムシャムシャと髪を食まれて、なんかベタベタする。
馬の持ち主が真っ青な顔でやってきて、めっちゃペコペコしながら衛兵達と帰っていった。
「サリス様が置いていった荷物を取ってまいりました」
「あ、ありがとう」
忘れてたわ。
「帰ったらすぐお風呂ですね」
「うん。さすがに疲れたな」
砂埃すげえもんな。
「せっかくの休みだったのに、残念だったね」
さすがに今日はみんな店じまいし始めてるからな。
でもクリスが弟っぽくそんなこと言うから、慰めてやりたくなったじゃないか。
「俺はお前達の格好いいとこ見れてもうけ、みたいな?」
てな。
『ぐはっ』
『天使スマイル』
『格好いいとか』
ちょ、ちょいやめ!
く、苦しいから!!
抱きつくのはいいけど、締めすぎなんだよ!!
なんて思う反面、キュンとだなー。
あー、絆されたー!
男同士でどうすんだよ。
んで、どっちを選べっていうんだよ。
2人とも大事だから、どっちか1人なんて選べねえだろ。
「はあ」
俺はそのまま身体を預けたまま空を仰いだ。
「兄さん、どうしたの?」
「ん?いや、お前らモテるんだろうなーとか思って」
「は?!私はサリス様一筋ですよ!」
「お、俺も!サフィ様だけですからね!」
「おう。知ってる」
知ってるんだ。
でも、ダメだろ。
生産性もないこんな気持ちは。
時間が経てば、いつか今の気持ちが若気の至りだったと気づくだろう。
俺はこの2人が大人になって、ちゃんとかわいい女の子と結ばれるのを待てばいい。
それまで、それまででいい。
それまでの間、2人の気持ちを甘受したいんだ。
どちらかを選ぶのではなくて、2人共を好きでいたい。
そんなの不誠実だろ?
俺が1番嫌いな。
俺がすごく傷ついた、あのことと何が違うんだ?
だから俺から気持ちを伝えることは、してはいけない。
そうすれば、いずれアイツらも俺に見切りをつけられるだろうから。
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弟のリアムの婚約発表のお茶会で、エリアにも番が出来たと報告しようという話になったが、当日、エリアの目を盗んで侯爵令嬢ベイリーの本性が剥き出しとなる。
お茶会の会場で下民扱いを受けた茉優だったが……。
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