思いつきで書き始めたら面白くなって来た物語

飲杉田楽

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デミグラス#2

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※加筆修正済み



母親の声が返ってくる筈だった。
聞き慣れたあの声が耳に届く筈だった
しかし実際に返ってきたその声は今まで聞いたことのない声だった。

『え?母さん? 誰だ?』
母さんではない。肉親の声くらいわかる
何よりも若い声だった。少しも老いを感じさせないよもや少女にすら近い少し高い声のような感じさえした
しかしそうだとわかっていても問いかけてしまった

おれはわかっていながら判断を間違えたのかもしれない
出来れば聞きたくない。
母親でない可能性が高いが
その可能性を確定させてしまう答えなど知りたくもない
否、実際を知りたいのだろうがもし現実が待っていた答え出ない時の場合の措置が未だに見出せないからこそ知ることを拒もうとさえしていた

人としての甘えがここでは命取りなのだと認識するチャンスだった
しかし俺は安易に敵の処遇もなにも知ることなくテリトリーへ侵入してしまった

1秒ずつ時間が経過していくたびにひしひしと伝わってくるのは恐怖。
それはあまりにもおびただしい数の邪気のようなもの、しかしそれは確実に匂いとして俺の鼻腔を襲って来た。

デミグラスソースとはかすりさえもしないような独特な臭み
これをどう間違えればデミグラスソースだと言えようかと自分の鼻を疑うが
先程までたしかに デミグラスソースだと断言出来てしまうオイニーだったことには違いはない。

しかしながら難しいのはこの匂いが俺しかわからないということだ
周りに俺のようなオイニストがいれば話は別だが、 今はそのような人物の気配はない。

というのは嘘だろう。
嘘をついた

目の前で母親のフリをする謎の女こそ俺の唯一の武器でもあるオイニーを判別する鼻を自らのオイニーによって追い詰めた確固たるオイニーを操るオイニストに他ならないのだから
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