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山芋とアスパラガスは仲良くなれない#3
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とある少年が遺体で見つかった
その遺体はひどく損傷していた
それから数日後ある老人が遺体安置所へやってきてその遺体をなんらかの方法で引き取ったらしい。
のち、その遺体は解体されつぎはぎされて綺麗な肌を再構築するようになり、
肉体改造を施されて、全く別の人間となりうる。
そして少年は青年となった。
そして今その青年は片手にアスパラガスで出来た刀を、持ち無精髭を生やした小太りのタンクトップオヤジと剣戟を交わしていた。
『答えてくれ!パラオ! たしかにおれは昨夜お前のことを風呂場に置き去りにしてしまった! それは申し訳なかった!
ただ、 それはもう済んだ話だろう?
おまえだって 姉ちゃんと一緒に入ることができたんだろう? おれのおかげっていうかおれの手柄じゃねえか? てか羨ましいかぎりだよ?!おいおい なに混浴かましてんだよ?!そこは主人公のおれが行き当たりばったりで風呂場で義姉と鉢合わせって展開が燃えるだろうよ! なのになんでだ! なぜそこまでして心を閉ざすんだ!? 今一番危ないのはおまえ自身なんだよパラオ! 山田アンソニー太郎の刀はただの刃物じゃねえんだ!おまえのその硬い刃先をボロボロに削ってる!
今にも朽ちてしまいそうなその刃先をおれは救いたいっ!けど けどおれは弱いしおまえ見たく刀じゃないんだ!守りたいけどおれも守ってほしい!矛盾してるよな?わかってるさ! 間違ってるよ!
助けたい相手を盾にしてる人間が偉そうにものを言うなって思うよな?おもってんだろ? けどよぉ!今はそんなこと言ってられねえんだよ!!ぁぁぁぁあくそ!
答えてくれよ! 読者もそろそろおれのヒトリガタリで終わるんじゃねえのかって飽きてきてるじゃねえかよ!頼むから返事を…』
その時だった。 青年の両腕が小刻みに振動しパラオが宙を舞った
華麗に踊ってるかのようなそのパラオの舞いを瞳に映しながら青年の胸は斜めに斬られた。
電光が走ったかのような痛みが身体中に駆け巡り肌焼けるような感覚と冷たくて思い刃先が肌をえぐる感覚が青年を襲った。
紅蓮が踊り狂う。 それが綺麗な赤ではなく自らの心のように黒く汚れているように見えて 青年は安堵した。
『あぁ、、これ おれの…血か、、よ』
青年は覚悟した。
死を受け入れた。
しかしながら後悔が邪魔をした。
山田アンソニーの背後に移る1人の少女の目を見て後悔した。
『た、、タケオっ…』
先ほどまで正気の沙汰では無かったはずの少女が叫んだ。
たしかにその目には涙が生まれていた
『やっと、、名前…呼ん…ぇ』
青年は血反吐を吐きながら笑った。
彼女が理性を取り戻し自分の名を呼んでくれたこと。
それが何よりも嬉しくて、そんな状況を心から喜べないくらいの傷を負ってここで生を終えるのかと後悔した。
山田アンソニーは倒れゆく青年の体にもう一撃を喰らわせようと山芋刀カユミを天高く上げて構えた。
しかし その一瞬、大きく開いた足にタケオの血液が微量ながら付着し、足を滑らした。
鋭い眼光がアンソニーの視界を暗くした。
瞬きをしたくらいの時間だ。
光景が一変するはずがない。だがしかし
アンソニーの腕はコンクリート床にへばりついており、
目線を下に下ろすと綺麗に左腕が切断されていた。
『がっ、、ぁぁぁあっ』
思わず喘ぐアンソニーを横に死んだはずの青年は妙にうるさい咀嚼を繰り返しながら折れたはずのパラオを片手に持ちアンソニーへその切っ先を向けた。
『パラオ。 ありがとうな。答えは出ていたんだな。 おまえはマヨでもドレッシングでもない。そのままのおまえを味わって欲しかったんだな。おまえが折れておれは焦って初めてそこでおまえを口にした。鉄の味しかしなかった口の中で妙に滑らかな青草さとさわやかな甘みがしたよ。 これぞアスパラガス。 有り難え旨味だ。 』
タケオの受けたはずの傷はすっかり塞がっており。黒い髪は逆立ちまるでアスパラのように青々と染まっていた。
折れたはずのパラオも図太く変形しておりそれはそれは巨獣の首も、一太刀で飛びそうなほどの立派な太刀と成っていた。
タケオは口角をゆっくりとあげると
目をギラつかせてアンソニーを凝視した
『さあて 決着つけようぜ。不審者山芋ジジイ。 おれの初恋相手を洗脳させた罪は償ってもらうからな。』
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