アニンバイツ

第2章 邑楽支部編

12.猛者達

ここ、邑楽支部には今日、
化け物として  恐れられてきた 強者共が
地方から集っていた。

自動骨格操作型禁接人種の
目比 八女 (ムクイ  ヤメ)

絶対的歯弾型禁接人種の
鬼熊  統一 (オニグマ  トウイチ)

電撃鉄線展開型禁接人種の
酢漿草 籤  (カタバミ  クジ)

敷地展開可能凍結型禁接人種  の
十三階 死予(ジュウサンカイ  シニヨ)

近接戦闘系阿修羅型禁接人種 の
稲村  安楽城  (イナムラ  アラキ)

の五人である。


そして 
破滅的拍手音者型禁接人種の
勝呂 鞍馬  (スグロ  クラマ)

そしてその後輩の
生物変換系穴棍蛇型禁接人種の
二宮 神奈  (ニノミヤ カンナ)

も、到着した

勝呂は汗を掻きながら 車を降り  挨拶をした
『どうもどうも、  勝呂鞍馬といいます。』
そして  怪我が完全に完治した  神奈を急かした

走ってきた神奈は  フゥと  ため息にも似た息を漏らすと  営業スマイルを  炸裂させた

『すいません。遅れました。  二宮神奈と申します！』

汗で若干湿った紺色のドレスが肌に吸い付いていた。
それをみた  邑楽支部の  男性作業員達の目は
全員、 神奈に釘付けになっていた。
が、
それに気づいた  勝呂がすぐさま 上着を
神奈にかけた。
『風邪ひかれたら困るんでね』

神奈は喜びながら  その上着の袖に手を通した

『おいおい！  誰も着ろとは言ってないだろ！』
勝呂がそう言い終えた時には神奈は既に来てしまっていた。
そんな  会話と行動を見ていた  男性作業員達は つまらなそうな顔をして  各自戻って行った

『なんだい？遊びにきたんなら 帰りなよ
あんたら  ？』
そう言って神奈を睨んだのは



酢漿草(カタバミ)だった。
酢漿草は  黒いジャケットを肩にかけ、袖に手を通さず  胸元 が  見える タンクトップを下に一枚着て  背中にライフルを背負っていた。