前世を思い出したら超絶ドアマットヒロインになっていたんですが。

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レイヴン1

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彼女の居場所が誰にもバレないように小屋を飛び出し、迎えの来る場所へと向かった。
そこには見覚えのある大人が2人、黒い外套から覗くのは包帯で素肌がまったく見えない男か女かも分からない不気味な奴ら。
前までは近付くだけで全身に鳥肌が立つような気持ち悪さを纏っていたのに、今は特に何も感じない。

怪しい魔法陣の上に立たされると、空き家だった場所が一瞬にして忌々しい実験室に変わる。

「あっれー、気絶しなかったんだねぇ」

不気味に笑う男は机に持たれて紫色に発光する液体の入った小瓶を揺らしている。黒ずくめの大人達は隣で倒れ呻いていた。

「さすがにお隣の国は遠すぎだったねー」
「……」
「今まで何して……ふーん」

叔父の手が伸びてきて、その手を払う。

「触んな」
「面白いねー」

笑みを絶やさず、くるりと反転した叔父は早速と言わんばかりに魔法陣の準備をし始める。

「きみ、光魔法の匂いがぷんぷんする」
「隣国がそういうところだからだろ」
「うーん…まぁ、そういうことにしとこっか」


父のことも叔父のことも馬車や手紙、屋敷に描かれた紋章と帝国貴族の系図で何となく察していた僕は、何処にも乗っていない母と僕の存在を探した。

コンドラー公爵家の父と、シュエット伯爵家の叔父。

今の所分かるのはそれだけで、「父さん」ってあの時言っちゃったけど分からないふりをして過ごした。

2週間も会えなかったはずなのに、母さんは何も言わず僕に笑いかけてくれた。

実験室での拷問は無くなり、ナイフや罠の種類、影を使った魔法を教わるようになった。毒だけは「呑み込んで」と言われて辛い思いをした。
森での追いかけっこは、魔力操作を覚えて軽くなった身体ではカスりもしない。笑いながら首を傾げる叔父が本気で魔法をぶつけてくるようになったが、思ったよりも威力が弱くて、最初は手加減しているのだと思っていた。

母と夕食を済ませて、実験室へと向かう。暗闇を操る魔法陣を準備する叔父の背中が見えた。

「シュエット伯爵」
「あえー…知ってたんだぁ」
「シュエット伯爵家は暗殺部隊でも作ってるの?」
「……ちょっと違うかなぁ、まぁでもそういうのが得意な人が多いよね」
「じゃあコンドラー公爵は?」
「えー、自分で聞きなよ」

白衣姿の叔父のその背中を撫でる。這わせるようにゆっくりと首まで回した手で絞めると、その熱い息が手首に掛かって気持ちが悪い。

僕の少し寄った眉間を見て、顔を真っ赤にした叔父は瞳を潤わせてもなお笑っている。

「僕知ってるよ、叔父さんが〝こういうこと〟好きなの」

耳元で囁けば、熱い息がさらに広がるのを感じた。



******

またレイヴンsideに戻ってしまいました<(_ _)> 
なるべく端折りたいとは思っていますが、省略する文章力がなく、癖の塊の暴走をお許しいただけると幸いです、

お気に入りやしおり、いつもありがとうございます!
毎回不定期になっているのに読んでくださる方がいて、とても嬉しく思います。

お時間頂き、ありがとうございます。
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