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レイヴン父
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メアと想いが通じ合った日から、メアと会う回数を増やし、公爵邸にも招いた。
ケイルは何かの研究に没頭して家を空けることが多く、父も領地の仕事の合間に帰宅しても横目に見るだけだった。
「うーん、他には…」
「ゆっくりでいいよ」
必死に机に向き合うメアに声をかける。
公爵邸の自身の執務室にメアを招いたクレインは、ダンスや文字の読み書き、淑女のマナーを教え、代わりに知っている古代文字を教えてもらっている。
「父はもっと知ってるよ」
「うん、俺もこないだ少し教わった」
クレインはメアの隣に座り、机の上にある紙の端に古代文字で《精霊》と書いた。
「ねえ、クレイン」
「ん?どうした」
「精霊の森に行きたいの?」
「えっ、あー…いや、そういう訳じゃないが」
「皇太子様がいつも言ってるでしょ?」
「……あれは忘れてくれ」
メアは返事をせずに考え込む。
「メア…頼むから一人で危ないことはしないでくれよ」
「………父には内緒の話、聞いてくれる?」
「ん?あぁ…誰にも言わない」
メアが話してくれたのは子供の頃の話だった。
大人達に近づいてはいけないと言われる洞窟に兄妹3人で入ったことがある
そこを抜けると森があって最初は吹き抜けだと思っていたが空の色も木や植物も見た事のないものばかりだった
怖くなって引き返そうとしたけど、一番年上のお兄ちゃんが石の建造物を見つけて中に入るから、それについて行った
建物内の壁には知らない文字が所狭しと書かれていたが、見た事のある文字もあった
今思いだせばそれは古代文字だという
奥に進むと祭壇のような場所があり、お兄ちゃんは、メアと妹よりも文字が読めるため、興味深く石碑を見ていた
いつまでも変わらないピンク色の空と発光する植物に現実とかけ離れた世界から出られなくなるのでは、という不安にかられて、そろそろ出ようとした時にお兄ちゃんが突然輝いて空に浮いた
お兄ちゃんは楽しそうに笑っていたけど、それが恐ろしくて二人で逃げた
妹を引っ張って家に帰ったら、部族の誰もお兄ちゃんのことを覚えていなかった、知らないと言った
怖くなって洞窟に行ったことを父に話したら怒られて、「そのことは誰にも話すな」と言われた
妹はそれ以来塞ぎ込んで、程なくして熱病でこの世を去った
「兄は…その日から発見されていないのか?…ご遺体とか」
「父に言う前は2人で探したの、石の建物には入らなかったけど……今は洞窟に行く道が落岩で塞がってるから」
正直それがメアじゃなくて良かった、と思ってしまい、彼女の落ち込む顔を見て複雑な気持ちになる。
「それでね、お兄ちゃんが愛し子?ってやつなんじゃないかなって私は思うの」
「それは…」
「精霊さまに好かれて連れていかれちゃったのかなって」
精霊は未知の領域だ。だが子供の悪戯のような呪術があるのを見る限り、メアの言っていることにも納得してしまう。
「だから兄が見つかったら…」
「今のところ、帝国側で解明されてなかった古代文字の一部をメアのおかげで発見できた、という皇太子からの感謝状もあるんだ」
「でも…」
「焦るものでもない…言っただろう?俺は諦めないと」
メアを抱き寄せ、額に唇を落とす。
「俺はメアと結婚したいんだ」
「クレイン…」
その日に買った本を抱えるメアをゲストルームまで送った後、クレインは呼び出された公爵の執務室へと向かう。
ケイルは何かの研究に没頭して家を空けることが多く、父も領地の仕事の合間に帰宅しても横目に見るだけだった。
「うーん、他には…」
「ゆっくりでいいよ」
必死に机に向き合うメアに声をかける。
公爵邸の自身の執務室にメアを招いたクレインは、ダンスや文字の読み書き、淑女のマナーを教え、代わりに知っている古代文字を教えてもらっている。
「父はもっと知ってるよ」
「うん、俺もこないだ少し教わった」
クレインはメアの隣に座り、机の上にある紙の端に古代文字で《精霊》と書いた。
「ねえ、クレイン」
「ん?どうした」
「精霊の森に行きたいの?」
「えっ、あー…いや、そういう訳じゃないが」
「皇太子様がいつも言ってるでしょ?」
「……あれは忘れてくれ」
メアは返事をせずに考え込む。
「メア…頼むから一人で危ないことはしないでくれよ」
「………父には内緒の話、聞いてくれる?」
「ん?あぁ…誰にも言わない」
メアが話してくれたのは子供の頃の話だった。
大人達に近づいてはいけないと言われる洞窟に兄妹3人で入ったことがある
そこを抜けると森があって最初は吹き抜けだと思っていたが空の色も木や植物も見た事のないものばかりだった
怖くなって引き返そうとしたけど、一番年上のお兄ちゃんが石の建造物を見つけて中に入るから、それについて行った
建物内の壁には知らない文字が所狭しと書かれていたが、見た事のある文字もあった
今思いだせばそれは古代文字だという
奥に進むと祭壇のような場所があり、お兄ちゃんは、メアと妹よりも文字が読めるため、興味深く石碑を見ていた
いつまでも変わらないピンク色の空と発光する植物に現実とかけ離れた世界から出られなくなるのでは、という不安にかられて、そろそろ出ようとした時にお兄ちゃんが突然輝いて空に浮いた
お兄ちゃんは楽しそうに笑っていたけど、それが恐ろしくて二人で逃げた
妹を引っ張って家に帰ったら、部族の誰もお兄ちゃんのことを覚えていなかった、知らないと言った
怖くなって洞窟に行ったことを父に話したら怒られて、「そのことは誰にも話すな」と言われた
妹はそれ以来塞ぎ込んで、程なくして熱病でこの世を去った
「兄は…その日から発見されていないのか?…ご遺体とか」
「父に言う前は2人で探したの、石の建物には入らなかったけど……今は洞窟に行く道が落岩で塞がってるから」
正直それがメアじゃなくて良かった、と思ってしまい、彼女の落ち込む顔を見て複雑な気持ちになる。
「それでね、お兄ちゃんが愛し子?ってやつなんじゃないかなって私は思うの」
「それは…」
「精霊さまに好かれて連れていかれちゃったのかなって」
精霊は未知の領域だ。だが子供の悪戯のような呪術があるのを見る限り、メアの言っていることにも納得してしまう。
「だから兄が見つかったら…」
「今のところ、帝国側で解明されてなかった古代文字の一部をメアのおかげで発見できた、という皇太子からの感謝状もあるんだ」
「でも…」
「焦るものでもない…言っただろう?俺は諦めないと」
メアを抱き寄せ、額に唇を落とす。
「俺はメアと結婚したいんだ」
「クレイン…」
その日に買った本を抱えるメアをゲストルームまで送った後、クレインは呼び出された公爵の執務室へと向かう。
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