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レイヴン8
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屋敷近くの温室へ向かうとガルシア家のメイド達がテーブルの準備をしている。
少し早かったか、と思い、レイヴンはメイド達に「花を見ていますね」と声をかけ、室内の花を見てまわる。
ふと温室内に設置された水路の近くに、沢山の小さな銀色の花を下向きに咲かせた植物がレイヴンの目に留まる。近寄ってよく見るとその花弁は青みを帯びた淡い灰色をし、持ち上げた花の中には赤い花粉が見える。
(あの子みたい…)
「それは可愛らしく見えますが毒を持っています、ですが口に入らなければ大丈夫ですので後で手を洗ってくださいね」
気配は感じていたが声をかけられるとは思わず、レイヴンが振り向くとキーラが嬉しそうにレイヴンが持つ花を覗き込んでいた。花を傷つけないように、そっと手を離すと改めてキーラへと身体を向けた。
「レイラ様、お待たせして申し訳ありませ……」
先程まで、令嬢らしい振る舞いをしていたキーラがレイヴンを見ると突然目を見開き、固まる。
まずい…男だとバレたか?
レイヴンは内心焦りながら今も固まるキーラの顔色を伺う。
「……キーラ様?」
「あ、いえ…あっ、えっとごめんなさい、オホホホ、お茶の準備が出来ておりますので」
「え?……はい、ありがとうございます」
顔を赤くして取り乱している様子は変わらないが、男だとバレてはいないようだ。
「レイラ様、申し訳ないのですが、実は急な客人の訪問がありまして…その方も御一緒して構いませんか?」
用意されたテーブルに座ると幾分か落ち着いたキーラは早速、王子の相席の相談を持ちかけてくる。
「構いませんが…お邪魔になりませんか?」
「い、いいえ?むしろ大歓迎です!呼んでまいりますわねっ」
何故か大興奮のキーラにレイヴンは気味悪さを感じて、背筋が冷える。
暫く花を眺めていると温室に冷たい風が入り込んでくる。
そちらを見れば、見事なプラチナブロンドの髪に晴天の空のような明るい青色の瞳をした少年がキーラの後ろから現れた。目が合うと、その少年の唇は綺麗に弧を描く。
「レイ…ラ様、こちらはこの国の」
「キーラありがとう、僕はヘリオスだ。貴方の名前を伺っても?」
キーラからの紹介を止めたヘリオスはレイヴンの前へ立ち、手を出すと微笑んだ。
なるほど…「王子」と言うのは明かしてはくれないんだな…
「……レイラです」
「レイラ嬢か、素敵な名前だね、キーラから話は少し聞いているよ、友人の友人だ、僕とも仲良くしてくれると嬉しいよ」
「……立ち話もなんですし座りましょ?」
その後、お茶会は緩やかに問題もなく終了した。その中で得たものは大きかった。
キーラが何故かヘリオスとレイヴンに今後の交流を持たせようとすることや、二人を見てニヤけるのが意味不明ではあったが、その口から禁呪の話題が出た。
「レイラ様は帝国の方でいらっしゃいますでしょう?禁呪のことはご存知でいらっしゃいますか?その…こちらの国では「聖女」の信仰が強く、精霊はあまり知られていないもので…帝国は呪術に関する解析が進んでいる、とお聞きしました」
キーラは精霊や呪術に興味があるように見える。もう少し聞き出したいところだったが、王子の前で言えるようなことでは無い。
「呪術は…そうですね、軽く触れてはならないものですので…」
「あっ、ごめんなさい私ったら…」
「僕はキーラがいつも精霊の本を読んでるのを見てるから気になるのも分かるけどね…それより今度のパーティの話をしない?」
キーラにはもう少し、詳しく聞く必要がありそうだ。その後は平民と貴族の仲良しパーティの話を聞かされウンザリした。平民に財を見せびらかして何が楽しいのだろうか…
だけど、あの子も来るかもしれないと思えば、笑顔を崩さないで居られた。
少し早かったか、と思い、レイヴンはメイド達に「花を見ていますね」と声をかけ、室内の花を見てまわる。
ふと温室内に設置された水路の近くに、沢山の小さな銀色の花を下向きに咲かせた植物がレイヴンの目に留まる。近寄ってよく見るとその花弁は青みを帯びた淡い灰色をし、持ち上げた花の中には赤い花粉が見える。
(あの子みたい…)
「それは可愛らしく見えますが毒を持っています、ですが口に入らなければ大丈夫ですので後で手を洗ってくださいね」
気配は感じていたが声をかけられるとは思わず、レイヴンが振り向くとキーラが嬉しそうにレイヴンが持つ花を覗き込んでいた。花を傷つけないように、そっと手を離すと改めてキーラへと身体を向けた。
「レイラ様、お待たせして申し訳ありませ……」
先程まで、令嬢らしい振る舞いをしていたキーラがレイヴンを見ると突然目を見開き、固まる。
まずい…男だとバレたか?
レイヴンは内心焦りながら今も固まるキーラの顔色を伺う。
「……キーラ様?」
「あ、いえ…あっ、えっとごめんなさい、オホホホ、お茶の準備が出来ておりますので」
「え?……はい、ありがとうございます」
顔を赤くして取り乱している様子は変わらないが、男だとバレてはいないようだ。
「レイラ様、申し訳ないのですが、実は急な客人の訪問がありまして…その方も御一緒して構いませんか?」
用意されたテーブルに座ると幾分か落ち着いたキーラは早速、王子の相席の相談を持ちかけてくる。
「構いませんが…お邪魔になりませんか?」
「い、いいえ?むしろ大歓迎です!呼んでまいりますわねっ」
何故か大興奮のキーラにレイヴンは気味悪さを感じて、背筋が冷える。
暫く花を眺めていると温室に冷たい風が入り込んでくる。
そちらを見れば、見事なプラチナブロンドの髪に晴天の空のような明るい青色の瞳をした少年がキーラの後ろから現れた。目が合うと、その少年の唇は綺麗に弧を描く。
「レイ…ラ様、こちらはこの国の」
「キーラありがとう、僕はヘリオスだ。貴方の名前を伺っても?」
キーラからの紹介を止めたヘリオスはレイヴンの前へ立ち、手を出すと微笑んだ。
なるほど…「王子」と言うのは明かしてはくれないんだな…
「……レイラです」
「レイラ嬢か、素敵な名前だね、キーラから話は少し聞いているよ、友人の友人だ、僕とも仲良くしてくれると嬉しいよ」
「……立ち話もなんですし座りましょ?」
その後、お茶会は緩やかに問題もなく終了した。その中で得たものは大きかった。
キーラが何故かヘリオスとレイヴンに今後の交流を持たせようとすることや、二人を見てニヤけるのが意味不明ではあったが、その口から禁呪の話題が出た。
「レイラ様は帝国の方でいらっしゃいますでしょう?禁呪のことはご存知でいらっしゃいますか?その…こちらの国では「聖女」の信仰が強く、精霊はあまり知られていないもので…帝国は呪術に関する解析が進んでいる、とお聞きしました」
キーラは精霊や呪術に興味があるように見える。もう少し聞き出したいところだったが、王子の前で言えるようなことでは無い。
「呪術は…そうですね、軽く触れてはならないものですので…」
「あっ、ごめんなさい私ったら…」
「僕はキーラがいつも精霊の本を読んでるのを見てるから気になるのも分かるけどね…それより今度のパーティの話をしない?」
キーラにはもう少し、詳しく聞く必要がありそうだ。その後は平民と貴族の仲良しパーティの話を聞かされウンザリした。平民に財を見せびらかして何が楽しいのだろうか…
だけど、あの子も来るかもしれないと思えば、笑顔を崩さないで居られた。
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