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それぞれの好奇心
しおりを挟む花色に事情を聞いた次の日、食事処『よろず屋』の午後の休憩時間に、勝色が巴屋に出向いた。
女主人を呼んでもらうと、慌てるようにして女主人が奥から出てきた。
勝色が昨日の経緯を尋ねると、花色への謝罪を述べた後、聞いた内容とほぼ同様の返答が戻ってきた。ますます興味を抱いた勝色が、その用心棒の事を尋ねた。
「昨日は花色様には大変申し訳ないことを致しました。
えっ、あの者ですか?
彼は見た目は確かに宝飾品を付けて、なんだか軽薄そうなんですが、意外にも根は真面目なんですよ。
それに上背もあって元々が男前ですから、女郎屋の女たちからも夜のお相手にと誘いが耐えないんですけど、誰の誘いにも乗らない程の堅物でして。
なんでも十年以上も前の初恋の人を探すためにこの町に来て、その人に会うまでは、って操立てしてるというのはこの辺じゃ誰もが知っている程有名な話ですよ」
女将の話を聞いた勝色が「ふーん。なるほど、ね」と呟くと巴屋を後にした。
勝色が巴屋を出て行く姿を偶然に見かけた剛が、驚きのあまりすぐさま中に飛び込んだ。
「おや、剛さんじゃないか」
女主人がのんきな声を出した。
「女将、い、今しがたの男は何をしに来たのだ?」
「ああ、昨晩、柔さんがちょいと揉め事起こしましてな…」
女将の言葉に弟の柔が剛の頭をチラついた。
(柔と揉めたのが、あの…)
「名は、その者の名はなんと申す?」
剛の剣幕に女主人が「は、花色様ですよ」と伝えた。
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