寤寐思服(gobi-shihuku) 会いたくて会いたくて

伊織 蒼司

文字の大きさ
40 / 42

キョウモ ハカナイ ユメ ヲミル【おめえ、自己開発は怠らなかったって言ったよなR18】

しおりを挟む



 「テツさん、一緒に。一緒に」
 騎乗位で主導権を握るあんが、腰を振りながらテツの胸に手を伸ばした。
 喘ぎを堪えるために奥歯をギリリと噛み締めたテツが、突如として初めてあんの性器を触り始めた。

 「ああ、ああっ。テツさんはそんなことする必要なんてありません」
 「やられっぱなしじゃ、カッコ付かねえだろ」
 テツが唸り声のように呟いた。

 「だめっああ、出る、出ちゃう」
 テツに触れられたことで、いつも冷静な口調のあんが余裕なく啼き始めた。
 「テツさん、もうだめ、出ちゃう。一緒が良い」
 あんが強請るように啼きながらも、テツの胸からは手を離さなかった。

 「テツさんを汚しちゃう」
 あんが大きく叫んでテツの手に快楽の証を吐き出した。そして、テツもあんの胎内で果てた。


 暫くして「ふーっ」と息を吐いたあんがいつもの冷静さを取り戻した。
 「テツさんは俺が気持ちよくしたいんです。俺のことは良いんですよ」
 あんがテツを拒絶するかのような発言をした。
 「そんな風に言うなよ、俺だってあんに触りてえって思ったっていいだろ」
 拗ねた口調のテツが起き上がってあんの両肩に手を置いたかと思うと、繋がったままあんを押し倒した。

 「えっ?」
 あんが驚きの表情を見せた。
 「やられっぱなしは性に合わねえんだよ。おめえ、自己開発は怠らなかったって言ったよな」
 そう言うと、テツがあんの胸を弄り始めた。突然のテツの逆襲にあんも反撃を試みるが、テツが下肢を揺らし始めたことで体の力が抜けたように大人しくなった。

 「だめ、テツさん。胸と奥突くの一緒にされたら俺」
 あんが涙目になりながらテツに懇願した。
 「気持ちよさそうにだめって言われちゃあ、もっとしたくなるのが男ってもんだろ」
 ゆっくりだった下肢の動きが次第に早さを増していき、パンパンと音を立ててあんの胎内を突き始めた。

 「ああ、ああっ、だめ。すぐ出ちゃう、から」
 あんの被っていた冷静さの仮面が壊れ始めた。
 「ああん、テツさん、溶けちゃう、溶けちゃう」
 テツの手によって愛され、あんが喜びに啼く。
 「ああ、溶けちまえ。今のおめえは可愛いぜ。
 これから俺の一生かけて可愛がってやるから、俺の腕の中でそうして甘えてろ」
 二人が、同時に体を震わせた。

 お互いの息が落ち着くのを待って、テツがあんの耳元に顔を近づけた。

 「もう一遍、俺のために可愛く啼いてくれや、あん。
 おめえのおかげで久しく忘れてたもん、思い出しちまった」
 そう言うと、あんの胸をテツが口と手で愛し始め、力強く下肢を打ちつけると、あんが喜びに打ち震えながらテツの背に手を回した。


 「あん、胸触りながら銜えんな」
 朝の恒例になったあんの口淫と同時に胸の刺激を受けたテツがあっけなく果てた。そしてあんがいつものようにそれを嚥下した。

 「胸を触るとテツさんの息子の反応がすこぶる良いんです。ビクビクして。テツさんも気持ち良いんでしょ」
 昨晩のあんから一転して冷静なあんが答えた。
 「昨晩はあんなに可愛く「溶けちゃうー」て叫んでたのにな」
 図星を突かれたテツがあんに切返した。
 「昨日は不覚を取ってしまっただけです」
 あんが照れ隠しのように口を尖らせたが、テツの横にこてんと添い寝をしてテツにしがみ付くと、テツが腕を回してあんの体を抱き寄せた。

 「すっぽんって凄いんですね。あんなテツさん見れるなんて思いませんでした」
 あんがしみじと口にした。
 「抜かずの三戦なんて夕ともしたことねえんだ。夕はもともと体が丈夫なほうじゃなかったからな」
 テツも昔を思い出してしみじみと口にした。

 「俺はその点大丈夫です。頑丈なので。また、花色を使って清吉からすっぽんを貰いましょうね」
 あんが悪巧みをする顔をした。

 「んなことしなくったって、買えば良いだろ。
 ハナちゃんが可愛そうじゃねえか」
 テツがそこまで口にして、自分が失態を犯したことにはたと気がついて口元に手を当てた。
 恐ろしくてあんの顔を見れずにいるテツに、あんが抑揚の無い口調で詰問した。

 「浮気もの」
 てっきり尻を抓られると覚悟を決めたテツだったが、意外なことにあんがプイッと拗ねたようにテツに背を向けて寝返りをうった。

 テツが柔らかく微笑みを讃えてあんを覆い被さるように後ろから抱きしめた。
 「拗ねてるとこも可愛いな。いろんな表情を見せてくれ、俺には。
 嫁は亭主に甘やかされて何ぼ、なんだぜ」
 テツの言葉にあんが顔を隠したままに耳を赤くした。
 「テツさんの隣にいるのを許されただけでも一生の贅沢なのに、これ以上一つでも、甘えてしまったら、歯止めが利かなくなります。きっと。
 甘えるの、慣れてないから」
 あんの震える告白に「それこそ望むところだ。紅のお墨付きなんだぜ、俺は。だから俺が死ぬ間際までおめえは甘えてりゃ良いんだよ」と、テツがあんを丸ごと包み込む覚悟がある事を伝えると、押し殺したような小声で静かにすすり泣くあんの声が部屋を包み始めた。

 テツがあんを抱きしめる腕に一層力を込め、あんが泣きやむまで沈黙を貫いた。



 キョウモ ハカナイ ユメ ヲミル これにて終了です。お読みいただきありがとうございます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

処理中です...