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FPとの出会い(1時限目)
しおりを挟む僕は火災保険を調べた。でも築20年以上の家が入れそうなものはなかなかヒットしない。
「はあー」
僕は溜息をつく。そして、あまり気が進まないが全国ネットで一斉資料送付を試みた。
その日のうちにオペレーターの女性から連絡が入り、僕は聞かれるがままに答えた。
「最後になりますが、伊織さまのお住まいの担当が直にお伺いしてもよろしいでしょうか?」
やった、助かる。資料だけじゃ加入するのも、加入したあとも不安だったんだ。
僕は心の中でガッツポーズをした。
約束した日のジャストオンタイムでその人はやって来た。
チャイムの音に僕は来た!と身構えた。
ただ成績の為に売りに来るような人だったらどうしようかと不安がよぎった。
その人は代々木さんと名乗った。代々木さんは僕の要望、不安をすべて聞くと、国内の火災保険を勧めてくれた。そして僕の話した内容でいくつか保険会社に加入できるかの確認が必要だと言った。僕は次回のアポを取り付けた。
僕たちの話はそこで終わりのはずだった。
僕はふと代々木さんの胸につけているバッジに気がついた。あれは・・・。
「代々木さん、FPの資格お持ちなんですね」
「わたしがFPの資格を取ろうと思うまで3年掛かりました。内容はよくわからないし」
僕はそんなに代々木さんに関心を持ったわけではない。
保険屋は売って何ぼの商売だ。この人だって同じ。だから火災保険に加入したらそれでお終いにするつもりだった。
ところが代々木さんは話好きなのか色々な話題で僕の関心を擽り、警戒心を持っていた僕はなぜか自分の親族との関係や相続の話までしてしまっていた。
「すみません。火災保険に関係ないのに」
僕は本気でそう思った。ところが・・・。
「FPはお金に関する様々なことを学ぶんです。何でも相談してください」
その一言に、僕は安心感を覚えた。
あれよあれよと言う間にそれから2時間も僕は代々木さんと話をしていた。
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