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61.発表
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正装は、少し窮屈だった。
鏡に映る自分を見て、リュカは小さく息を吸う。
いつもの動きやすい服とは違う。
でも、逃げる気にはならなかった。
(……今日は、逃げない)
扉が開く。
先に部屋を出たリュカの隣に、ゼファールが立った。
堂々とした佇まい。
変わらない、いつものゼファール。
それだけで、少しだけ肩の力が抜けた気がした。
「行くぞ」
「あ、ああ」
声が裏返りそうになるのを、必死でこらえる。
リュカはゼファールと並んで、王城の廊下を歩いた。
謁見の間には、すでに人が揃っていた。
カリオン。
アルド。
ガイ。
騎士団長、各部族の代表。
前に立ったゼファールに、視線が、一斉に集まる。
リュカは思わず背筋を伸ばす。
ゼファールの半歩後ろ――
けれど、すぐに気づいて、並ぶ位置に立ち直った。
(……隣、だ)
ゼファールは一歩前に出て、短く告げた。
「集まってもらったのは、報告がある」
空気が引き締まる。
「俺は、リュカを正式に伴侶として迎える」
その言葉が落ちた瞬間、リュカの耳が、かすかに震えた。
ざわめきは、すぐに静まる。
ゼファールは続ける。
「すでに本人の同意は得ている。
今後、この地の未来を――俺と共に担う存在だ」
肩に、そっと手が置かれた。
触れているだけなのに、
胸の奥が熱くなる。
(……本当に、言った)
逃げ道はない。
でも、不思議と怖くなかった。
そのときだった。
最初に、カリオンが片膝をついた。
続いて、アルド。
ガイも、少し照れたようにしながら、同じように。
騎士たち、重臣たちが、次々とひざまずく。
――自分に、リュカにむかって、だ。
リュカは、一瞬、息を忘れた。
いつも軽口を叩いてきた人たち。
稽古で容赦なく打ち合った相手。
背中を押してくれた大人たち。
その全員が、
伴侶としての自分を認める姿勢を取っている。
(……これが、伴侶、なんだ)
守られるだけじゃない。
甘やかされるだけでもない。
ゼファールの隣に立ち、同じ責任を負うということ。
胸が、ぎゅっと締めつけられる。
でも、逃げたくはならなかった。
リュカは、ゼファールの横で、しっかりと立ったまま、言った。
「……顔を、上げてください」
声は少し震えたが、それでも、はっきりと喋った。
「僕は……ゼファの隣に立ちます。
それだけは、変わりません」
一瞬、静寂。
それから、誰かが小さく笑った。
ガイだ。
「まったく……」
そう言って立ち上がり、
「立派になったな、リュカ」
その言葉に、胸の奥がいっぱいになる。
ゼファールの手が、そっと握られた。
強くて、あたたかい。
リュカは、もう一度だけ、心の中で呟く。
(……大丈夫だ、僕は、ここに立つんだ)
ぽつぽつ、と拍手が起こっていった。
鏡に映る自分を見て、リュカは小さく息を吸う。
いつもの動きやすい服とは違う。
でも、逃げる気にはならなかった。
(……今日は、逃げない)
扉が開く。
先に部屋を出たリュカの隣に、ゼファールが立った。
堂々とした佇まい。
変わらない、いつものゼファール。
それだけで、少しだけ肩の力が抜けた気がした。
「行くぞ」
「あ、ああ」
声が裏返りそうになるのを、必死でこらえる。
リュカはゼファールと並んで、王城の廊下を歩いた。
謁見の間には、すでに人が揃っていた。
カリオン。
アルド。
ガイ。
騎士団長、各部族の代表。
前に立ったゼファールに、視線が、一斉に集まる。
リュカは思わず背筋を伸ばす。
ゼファールの半歩後ろ――
けれど、すぐに気づいて、並ぶ位置に立ち直った。
(……隣、だ)
ゼファールは一歩前に出て、短く告げた。
「集まってもらったのは、報告がある」
空気が引き締まる。
「俺は、リュカを正式に伴侶として迎える」
その言葉が落ちた瞬間、リュカの耳が、かすかに震えた。
ざわめきは、すぐに静まる。
ゼファールは続ける。
「すでに本人の同意は得ている。
今後、この地の未来を――俺と共に担う存在だ」
肩に、そっと手が置かれた。
触れているだけなのに、
胸の奥が熱くなる。
(……本当に、言った)
逃げ道はない。
でも、不思議と怖くなかった。
そのときだった。
最初に、カリオンが片膝をついた。
続いて、アルド。
ガイも、少し照れたようにしながら、同じように。
騎士たち、重臣たちが、次々とひざまずく。
――自分に、リュカにむかって、だ。
リュカは、一瞬、息を忘れた。
いつも軽口を叩いてきた人たち。
稽古で容赦なく打ち合った相手。
背中を押してくれた大人たち。
その全員が、
伴侶としての自分を認める姿勢を取っている。
(……これが、伴侶、なんだ)
守られるだけじゃない。
甘やかされるだけでもない。
ゼファールの隣に立ち、同じ責任を負うということ。
胸が、ぎゅっと締めつけられる。
でも、逃げたくはならなかった。
リュカは、ゼファールの横で、しっかりと立ったまま、言った。
「……顔を、上げてください」
声は少し震えたが、それでも、はっきりと喋った。
「僕は……ゼファの隣に立ちます。
それだけは、変わりません」
一瞬、静寂。
それから、誰かが小さく笑った。
ガイだ。
「まったく……」
そう言って立ち上がり、
「立派になったな、リュカ」
その言葉に、胸の奥がいっぱいになる。
ゼファールの手が、そっと握られた。
強くて、あたたかい。
リュカは、もう一度だけ、心の中で呟く。
(……大丈夫だ、僕は、ここに立つんだ)
ぽつぽつ、と拍手が起こっていった。
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