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プロローグ
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白い光が、礼拝堂の床に降りそそいでいた。
高い天窓から差し込むそれは、祈りの言葉よりも静かで、やさしい。
ルーシェは、ゆっくりと息を整えた。
胸の奥が、くすぐったいほどに軽い。
——今日から、新しい僕の居場所になる。
正面に立つのは、サイラス・ヴァルフォード。
冷徹無比で知られる公爵家の三男。
そう聞いていたはずなのに、今この場に立つ彼は、息をのむほど整って見えた。
茶色がかった金髪はきちんと結われ、鋭いはずの眼差しは伏せられている。
腐ってもアルファ、という言葉を、ルーシェはどこか他人事のように思った。
——きっと、僕は幸せになれる。
今、ルーシェはこのキラキラしたステンドグラスのように希望に満ち溢れている。
誓いの言葉が交わされる。
サイラスの抑えた声にドキッとしてしまう。
ルーシェは緊張してしまい、声が掠れてしまった。
そして、指輪がはめられる。
自分の指にはめられた、その重みを、ルーシェは確かに感じた。
司祭にうながされ、誓いの口づけ。
ドキドキしているルーシェの顎を軽く持ち上げ、サイラスから触れるか触れないかの口づけが落とされる。
——もう、大丈夫だ。
ルーシェはそう信じて、微笑んだ。
高い天窓から差し込むそれは、祈りの言葉よりも静かで、やさしい。
ルーシェは、ゆっくりと息を整えた。
胸の奥が、くすぐったいほどに軽い。
——今日から、新しい僕の居場所になる。
正面に立つのは、サイラス・ヴァルフォード。
冷徹無比で知られる公爵家の三男。
そう聞いていたはずなのに、今この場に立つ彼は、息をのむほど整って見えた。
茶色がかった金髪はきちんと結われ、鋭いはずの眼差しは伏せられている。
腐ってもアルファ、という言葉を、ルーシェはどこか他人事のように思った。
——きっと、僕は幸せになれる。
今、ルーシェはこのキラキラしたステンドグラスのように希望に満ち溢れている。
誓いの言葉が交わされる。
サイラスの抑えた声にドキッとしてしまう。
ルーシェは緊張してしまい、声が掠れてしまった。
そして、指輪がはめられる。
自分の指にはめられた、その重みを、ルーシェは確かに感じた。
司祭にうながされ、誓いの口づけ。
ドキドキしているルーシェの顎を軽く持ち上げ、サイラスから触れるか触れないかの口づけが落とされる。
——もう、大丈夫だ。
ルーシェはそう信じて、微笑んだ。
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