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25話
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あの後さらに訓練を続けるらしいヴィリス殿下と別れ、私は飲み物をいただくためにマルファさんの下へ向かっていた。
あれほどまでに攻撃魔法を乱発したのは初めての経験だ。
慣れないことをしたのでそれなりに疲労が溜まった気がする。
しかし私って身の危険を感じるとあそこまで冷静さを失ってしまうのだなと少し驚いた。
そりゃあ明確な攻撃意志を持って刃物を向けられたのは初めてだし、ヴィリス殿下の迫力が想像の倍以上に凄まじかったというのもあるけれど……
なんというか、私にもちゃんと生への執着みたいなものがあったことにちょっとだけ安心した。
「うーん、どうしよ……困ったなぁ……」
「マルファさんすみません。何か飲み物をいただけませんか?」
「あっ、はいはい! すぐ用意しますね!」
私が声をかけると、マルファさんは手早く冷たいお茶が入ったコップを持ってきてくれた。
それを受け取って喉に流し込むと、体に活力が戻るような感覚を得る。
私は暖かい飲み物の方が好みだけれど、こうして体を動かした後は冷たい飲み物の方が感動は大きい。
ところで、何故か部屋が随分散らかっている気がする。
机の上には棚に入っていたであろうあらゆるものが置かれ、その棚は普段の位置から少しずらされている。
他にもいろいろなところを引っ掻き回した跡が見えた。
「ひょっとして何か探し物でもしていたんですか?」
「そうなんですよぉ! 昨日の朝まであったはずのあたしの大切なものがどこかに行っちゃって……探してるんですけど全然見つからないんですよね……」
「それは大変ですね……私でよければ探すの手伝いますよ」
「ほんとですか! ありがとうございます!」
マルファさんには世話になりっぱなしなのでこれくらいは当然だ。
しかしマルファさんの大切なモノっていったい何なのだろうか。
それに興味があるのも正直否定できない。
「あたしが探しているのは貝殻で作られたペンダントです。楕円形で透き通った水色のものなんですけど、普段は普段は白いケースに入れて持ち歩いているんです」
「なるほど、白いケースに入った貝殻のペンダントですか……ちなみに落としたのはこの屋敷の中ですか?」
「まだ屋敷内は探しきれていないので分からないですけど、昨日は町に買い出しに出たのでその時落としちゃったのかなって気はしてます……」
なるほど、城下町のどこかに落としてしまった可能性もあるのか。
そうなると見つけ出すのは簡単ではなさそうだ。
「一応後でまた町に出て昨日歩いたルートをあたってみるつもりなんですけどね。でも誰かに持っていかれちゃってるかもしれないしダメかもなぁ……」
珍しく、マルファさんがかなり落ち込んでいる。
それはよっぽど大切なものなのだろう。
しかしそんな状況ならば私は多分役に立てると思う。
「マルファさん。私にいい考えがあります。二人で探したとしても見つけるのは中名骨が折れると思うので、もっと多くの目で探しましょう」
「……? リシアさん、いったい何をする気ですか?」
「妖精さんの手を借ります。私、彼らと友達なので」
「えっ……?」
マルファさんは何を言っているのかよく分からないと言った様子だけど、私はお構いなしで魔法を扱う要領で妖精たちに語り掛ける。
妖精は人間と違って言葉を用いない。
魔力のやり取りをする際に己の意思を乗せて対話を試みるのが基本だ。
私はこの国に存在する妖精たちに声を届け、ここに集まってもらうよう要求した。
すると赤、青、緑、黄色、ピンクに紫と、多種多様な色の小さな光が部屋に満ちる。
その光景は部屋の中でありながら幻想的な美しさを生み出していた。
「わ、綺麗……これが妖精さん、ですか?」
「はい。私は昔から妖精さん達と心を通わせることが出来るんです。だからこの子たちにマルファさんの大切なものを探してきてもらおうかなと」
妖精とは、精霊の一種だ。
精霊は知性を持たない純粋精霊と、知性を持つ妖精の二種類に分けられる。
魔法を扱う際に人間が利用するのは純粋精霊の方だ。
一方で妖精は生物の一種として分類されており、意思と実体を持つ。
とはいえ基本的には人間の目に見えないので、私が呼び出したときはこうしてわざわざ光を放って存在を主張してもらっている形になる。
この世界のどこかには妖精たちの国なんてものが存在するらしいけれど、今ここにいるのは野生の妖精たちだ。
「す、すごいです! 妖精さんとお話しできる人なんて聞いたことないですよ!?」
「ええ。なので私とマルファさんだけの秘密です。なるべく他の人には言わないでくださいね?」
「は、はいっ! 秘密にしておきます!」
別にバレたところで何か大きな問題が起こるとは思えないけれど、あまり大っぴらにはしたくないのでマルファさんには口止めをしておく。
彼女のことは信用しているので、こうやってお願いしておけば不用意に言いふらしたりすることは無いだろうと思っている。
さて、では早速お願いしてみよう。
「マルファさん。頭の中でその大切なものの外見を強くイメージしてみてください。なるべく詳細に、どんな見た目をしているのかを」
「分かりました。ええと、見た目はっと――」
私が指示を出すと、マルファさんは目を瞑った。
きっと頭の中でイメージを浮かべてくれていることだろう。
私は妖精さんたちに、マルファさんのイメージを読み取ってそれと同じものを探してくるようにお願いする。
どういう訳かこの世界に住む妖精さん達は私のことを主と認識しているらしく、基本的にお願いしたことには忠実に従ってくれる。
この国に来た当初もこうやって妖精さんたちに声をかけてみたのだが、やはりディグランスの妖精と同様の扱いをされたのを覚えている。
やがて私のお願いを受け入れたのか、多種多様な光はあらゆる方角へと散って言った。
さあ、後は報告待ちだ。
「お花や果実を美しく育てることが出来るってお話は聞いていましたが、リシアさんってやっぱりいろいろな不思議な力が使えるんですね!」
「そんな大層なことは出来ませんが、いろいろと便利な力を生まれ持ったなとは思ってます」
「いいなぁ……あたしも何かそういう特別な力があればなって、ちょっと憧れちゃいます!」
「私としてはマルファさんの家事スキルの方が凄いとは思いますけどね」
「あはは……リシアさん家事はてんでダメでしたもんね……」
自分で口にしておいてなんだが、あの苦い記憶がよみがえる。
今回マルファさんの前で妖精さんたちを呼び出したのは、その苦い記憶を少しでも薄めるため――否、無能と言うイメージを少しでも取っ払いたかったという下心もあった。
あまり自分のスキルを見せびらかすのは美しい行為ではないけれど、もとより私は綺麗な人間じゃないのでこれくらいは良いだろうと自分に言い聞かせる。
そして散らかった部屋を片付けながらしばらく待っていると、一匹の妖精が部屋へと帰ってきた。
探し物は見つかったのかと問いかけてみると、どうやらそれっぽいのがあったらしい。
「マルファさん、どうやらそれらしきものが見つかったらしいですよ!」
「ほんとですか! わぁ、嬉しいですっ!」
「今から町に行って取ってくるので少し待っていてくださいね」
「何から何まで本当にありがとうございます!」
まあこんなことを言っておいてなんだけど、妖精さんたちに探し物を頼むとたまに違うものを見つけ出してくることがある。
その場合は別の妖精さんからも報告が入ると思うので、歩きながら待つとしよう。
そんなことを想いながら辿り着いたのは、私が最初に城下町を歩いた際に訪れたヴィリス殿下お気に入りのパン屋だった。
店主曰く店に落ちていた白ケース入りのペンダントをお客さんが拾って預かっていたらしく、事情を話すとすぐに手渡してくれた。
中を見るとマルファさんが言っていた特徴通りのペンダントが入っていて一安心した。
もう少し手間がかかると思っていたので、あっさりことが片付いて一安心だ。
――それ、すごいちからがこもってるね
「え?」
ふと、いつの間にか集まってきた妖精さんたちがそんな事を言ってきた。
どういうことかと問い返すと、よく分からないけれど自分たちに近しい力を感じるとだけ言ってさっさと帰って行ってしまった。
意味がよく分からなかったけれど、悪い意味ではなさそうだったので記憶の片隅に置いておこう。
屋敷に戻り、ついでに買ってきたパンと一緒にマルファさんにペンダントを手渡すと、彼女はいつもの笑顔を取り戻して感謝の言葉を述べてくれた。
やっぱり人のために行動すると気分が良いな、と改めて感じた。
あれほどまでに攻撃魔法を乱発したのは初めての経験だ。
慣れないことをしたのでそれなりに疲労が溜まった気がする。
しかし私って身の危険を感じるとあそこまで冷静さを失ってしまうのだなと少し驚いた。
そりゃあ明確な攻撃意志を持って刃物を向けられたのは初めてだし、ヴィリス殿下の迫力が想像の倍以上に凄まじかったというのもあるけれど……
なんというか、私にもちゃんと生への執着みたいなものがあったことにちょっとだけ安心した。
「うーん、どうしよ……困ったなぁ……」
「マルファさんすみません。何か飲み物をいただけませんか?」
「あっ、はいはい! すぐ用意しますね!」
私が声をかけると、マルファさんは手早く冷たいお茶が入ったコップを持ってきてくれた。
それを受け取って喉に流し込むと、体に活力が戻るような感覚を得る。
私は暖かい飲み物の方が好みだけれど、こうして体を動かした後は冷たい飲み物の方が感動は大きい。
ところで、何故か部屋が随分散らかっている気がする。
机の上には棚に入っていたであろうあらゆるものが置かれ、その棚は普段の位置から少しずらされている。
他にもいろいろなところを引っ掻き回した跡が見えた。
「ひょっとして何か探し物でもしていたんですか?」
「そうなんですよぉ! 昨日の朝まであったはずのあたしの大切なものがどこかに行っちゃって……探してるんですけど全然見つからないんですよね……」
「それは大変ですね……私でよければ探すの手伝いますよ」
「ほんとですか! ありがとうございます!」
マルファさんには世話になりっぱなしなのでこれくらいは当然だ。
しかしマルファさんの大切なモノっていったい何なのだろうか。
それに興味があるのも正直否定できない。
「あたしが探しているのは貝殻で作られたペンダントです。楕円形で透き通った水色のものなんですけど、普段は普段は白いケースに入れて持ち歩いているんです」
「なるほど、白いケースに入った貝殻のペンダントですか……ちなみに落としたのはこの屋敷の中ですか?」
「まだ屋敷内は探しきれていないので分からないですけど、昨日は町に買い出しに出たのでその時落としちゃったのかなって気はしてます……」
なるほど、城下町のどこかに落としてしまった可能性もあるのか。
そうなると見つけ出すのは簡単ではなさそうだ。
「一応後でまた町に出て昨日歩いたルートをあたってみるつもりなんですけどね。でも誰かに持っていかれちゃってるかもしれないしダメかもなぁ……」
珍しく、マルファさんがかなり落ち込んでいる。
それはよっぽど大切なものなのだろう。
しかしそんな状況ならば私は多分役に立てると思う。
「マルファさん。私にいい考えがあります。二人で探したとしても見つけるのは中名骨が折れると思うので、もっと多くの目で探しましょう」
「……? リシアさん、いったい何をする気ですか?」
「妖精さんの手を借ります。私、彼らと友達なので」
「えっ……?」
マルファさんは何を言っているのかよく分からないと言った様子だけど、私はお構いなしで魔法を扱う要領で妖精たちに語り掛ける。
妖精は人間と違って言葉を用いない。
魔力のやり取りをする際に己の意思を乗せて対話を試みるのが基本だ。
私はこの国に存在する妖精たちに声を届け、ここに集まってもらうよう要求した。
すると赤、青、緑、黄色、ピンクに紫と、多種多様な色の小さな光が部屋に満ちる。
その光景は部屋の中でありながら幻想的な美しさを生み出していた。
「わ、綺麗……これが妖精さん、ですか?」
「はい。私は昔から妖精さん達と心を通わせることが出来るんです。だからこの子たちにマルファさんの大切なものを探してきてもらおうかなと」
妖精とは、精霊の一種だ。
精霊は知性を持たない純粋精霊と、知性を持つ妖精の二種類に分けられる。
魔法を扱う際に人間が利用するのは純粋精霊の方だ。
一方で妖精は生物の一種として分類されており、意思と実体を持つ。
とはいえ基本的には人間の目に見えないので、私が呼び出したときはこうしてわざわざ光を放って存在を主張してもらっている形になる。
この世界のどこかには妖精たちの国なんてものが存在するらしいけれど、今ここにいるのは野生の妖精たちだ。
「す、すごいです! 妖精さんとお話しできる人なんて聞いたことないですよ!?」
「ええ。なので私とマルファさんだけの秘密です。なるべく他の人には言わないでくださいね?」
「は、はいっ! 秘密にしておきます!」
別にバレたところで何か大きな問題が起こるとは思えないけれど、あまり大っぴらにはしたくないのでマルファさんには口止めをしておく。
彼女のことは信用しているので、こうやってお願いしておけば不用意に言いふらしたりすることは無いだろうと思っている。
さて、では早速お願いしてみよう。
「マルファさん。頭の中でその大切なものの外見を強くイメージしてみてください。なるべく詳細に、どんな見た目をしているのかを」
「分かりました。ええと、見た目はっと――」
私が指示を出すと、マルファさんは目を瞑った。
きっと頭の中でイメージを浮かべてくれていることだろう。
私は妖精さんたちに、マルファさんのイメージを読み取ってそれと同じものを探してくるようにお願いする。
どういう訳かこの世界に住む妖精さん達は私のことを主と認識しているらしく、基本的にお願いしたことには忠実に従ってくれる。
この国に来た当初もこうやって妖精さんたちに声をかけてみたのだが、やはりディグランスの妖精と同様の扱いをされたのを覚えている。
やがて私のお願いを受け入れたのか、多種多様な光はあらゆる方角へと散って言った。
さあ、後は報告待ちだ。
「お花や果実を美しく育てることが出来るってお話は聞いていましたが、リシアさんってやっぱりいろいろな不思議な力が使えるんですね!」
「そんな大層なことは出来ませんが、いろいろと便利な力を生まれ持ったなとは思ってます」
「いいなぁ……あたしも何かそういう特別な力があればなって、ちょっと憧れちゃいます!」
「私としてはマルファさんの家事スキルの方が凄いとは思いますけどね」
「あはは……リシアさん家事はてんでダメでしたもんね……」
自分で口にしておいてなんだが、あの苦い記憶がよみがえる。
今回マルファさんの前で妖精さんたちを呼び出したのは、その苦い記憶を少しでも薄めるため――否、無能と言うイメージを少しでも取っ払いたかったという下心もあった。
あまり自分のスキルを見せびらかすのは美しい行為ではないけれど、もとより私は綺麗な人間じゃないのでこれくらいは良いだろうと自分に言い聞かせる。
そして散らかった部屋を片付けながらしばらく待っていると、一匹の妖精が部屋へと帰ってきた。
探し物は見つかったのかと問いかけてみると、どうやらそれっぽいのがあったらしい。
「マルファさん、どうやらそれらしきものが見つかったらしいですよ!」
「ほんとですか! わぁ、嬉しいですっ!」
「今から町に行って取ってくるので少し待っていてくださいね」
「何から何まで本当にありがとうございます!」
まあこんなことを言っておいてなんだけど、妖精さんたちに探し物を頼むとたまに違うものを見つけ出してくることがある。
その場合は別の妖精さんからも報告が入ると思うので、歩きながら待つとしよう。
そんなことを想いながら辿り着いたのは、私が最初に城下町を歩いた際に訪れたヴィリス殿下お気に入りのパン屋だった。
店主曰く店に落ちていた白ケース入りのペンダントをお客さんが拾って預かっていたらしく、事情を話すとすぐに手渡してくれた。
中を見るとマルファさんが言っていた特徴通りのペンダントが入っていて一安心した。
もう少し手間がかかると思っていたので、あっさりことが片付いて一安心だ。
――それ、すごいちからがこもってるね
「え?」
ふと、いつの間にか集まってきた妖精さんたちがそんな事を言ってきた。
どういうことかと問い返すと、よく分からないけれど自分たちに近しい力を感じるとだけ言ってさっさと帰って行ってしまった。
意味がよく分からなかったけれど、悪い意味ではなさそうだったので記憶の片隅に置いておこう。
屋敷に戻り、ついでに買ってきたパンと一緒にマルファさんにペンダントを手渡すと、彼女はいつもの笑顔を取り戻して感謝の言葉を述べてくれた。
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