シュガーサマー ビターライフ ── Sugar Summer Bitter Life ──

四章 藍色 ── インディゴ・ブルー ──

幕間 ──

　学校生活──
　日本では誰もが人生の内に一度は通る道であり、その中で最も輝かがやかしい時間として明るいイメージを持つ人も多い。
　かけがえのない友達、クラスメイト、はたまた彼氏彼女。文化祭や体育祭などの思い出。煌びやかな青春の一枚が大切な時間を思い出させる。
　しかし、明るいイメージだけが学校ではない。
　社会から閉鎖された空間で陰湿に行われるいじめ。家庭内で行われる虐待。様々な要因によって、必ずしも誰もが幸せな時間になるとは限らない。
　今日も何処かでは、残酷な悲劇を受けながらも、その先にある一筋の希望を目指してひたすら生きる子どもがいる。現代社会の闇に溺れた子どもが小さく照らす光を目指して足掻く。だが、光を見失い闇に飲まれる者も少なからずいるのである。


　平成二十九年度、生徒児童の自殺率。
　小学生、十一名。
　中学生、一〇八名。
　高校生、二三八名。
（厚生労働省・警察庁　「平成29年中における自殺の状況」による)


　総数三五七名の若い蕾が現代社会の闇に溺れ自ら命の灯火を消している。例えば、一年を三六五日とすると、僅わずか九日分を除けば毎日一人が自殺している計算となる。
　時間は刻刻と過ぎる。
　大人共が現実に目を背けている間にも……
　また一つ若き蕾が命を絶った──