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四章 藍色 ── インディゴ・ブルー ──
二 ──
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引きこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、六か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」のことを言う。
その対策は一向に思いつかない。
引きこもりに対する施設は七つの都道府県に設置されているようだが愛知県にはない。顧問が調べているものの、施設などの利用は難しいようだ。
「やはり僕達でも何とかするしかないと思うんです」
「そうですけど、その方法が分からないので」
意見を挙げても、すぐに欠点が浮き彫りとなり消えていく。
少し困り果ててきた。
ピコンという閃きとともに武馬文香は静まっていく部屋の中で声を上げた。「一緒に遊ぶなんてどうかなー」
書記の近見夢は埃を隠した黒板に「一緒に遊ぶ」と書いていった。
賛成なら頷き、反対なら無言。結局、その部屋は無音に戻った。
発言者は自由奔放すぎるせいか、こういう真面目な場での発言に対する信頼が薄い。正直、ふざけているのだろうと思ってしまいかねない。
頷き終えた先輩が無音を壊す。
「なるほどな。一見すると見当違いに思えるが、引きこもりのその子の塞がれた心には、遊びという童心に戻れる楽しいことで触れ合いながら、人や外との交流を促していく。俺はいいと思うな」
なるほど、という雰囲気が広がった。
「しかしながら、出雲さんが馬鹿馬鹿しく思って逆効果かもしれません」
反対意見はとても痛い所を突いてきた。
「どうなるかなんて分からない。反対に、遊びとかけ離れたことを行って、人や社会との交流する意図が丸見えなら、それこそ逆効果かも知れない。どんな意見でも最悪の可能性はある。それを恐れるべきじゃないと俺は思う。俺はこの意見に賛成する」
長く続く意見発案とそれに対する反対と意見切り捨て。勝呂は我慢の糸が切れたのかバッサリと言い切った。
その言葉の流れに逆らう者はいなかった。
反対意見はでなかった。続いて、他の意見も募集したが何もでなかった。遊びを上回るものがなかったのだろう。「一応、遊びの案で話を進めていきます」こうして、最初の話し合いは終わった。
明日となり、今度は透、ヨッシー、出雲家の母と姉の四人による話し合いが行われた。
「本当にありがとうございます。何とかしたくても私の力じゃ無理だったので、ほんとに助かります。ほんとは私がヒーちゃんをどうにかしないといけないのに……」
悲哀が込み上げている。
所々で仕事を休んだり早めに切り上げて何とかしようとしたが手遅れだったらしい。どうにもできないまま日にちだけが過ぎていく。
「それで、あなた達はどんなことをするつもりですか」
期待を込めた目で見つめている。
「僕らは一緒に遊んでいこうと考えてます」
「遊ぶとはどういうことですか」
彼女らは疑問に包まれている。それもそうだ。引きこもりという重々しいものに対して、遊びというワードはあまりにも軽々しい。
「まだ、詳しくは決めてないけどね、徐々に遊んでいってみんなと一緒って楽しいなって思わせようって考えてます!」
ヨッシーの快活な声が期待を持たせていく。
「面白そうですね。期待しています」
ヒガナの母はクラボラ部に良さげな印象を持っているように見えた。
いい追い風が吹いている。安堵が沸き立っていきそうだった。
しかし、桜が下を向きながら話していくことで、それらは消えた。
「桜も遊ぶのいいと思う。けど、一つだけお願いがあって──」
「お願い?」
「七月十七日までにはヒーちゃん、桜の妹を救って欲しいの」
「どうして?」
不穏な空気が流れている気がする。
「ヒーちゃんの誕生日は七月十七日で、自殺ぬとしたらきっとその日だと思うんだ。それまでに救わないと──」
タイムリミットが彼女を、そして、それを聞いているクラボラ部を不安にさせていく。
のんびりしている暇なんてなかった。
強い意志を整える覚悟。その日は、それを固めて終わった。
出雲家含めた四人で話し合ったことを伝えていく。
すぐに話題は何を遊ぶのかに移る。「タイムリミットがあるんだ。今まで通りの慎重さも必要だが、それ以上に決断力も求められるな。まあ、そんなこと最初からか」
黒板に綴られる文字。
議論が続いていく。重い雰囲気が空気中に広がっている。
一から企画を考えて実行するボランティアは高度な知識と相応の熱意、全体の一致団結が求められていた。それに応えようと真剣に当たっていく。
「外遊びなんてのはどう。みんなで鬼ごっこでもやってみようよ」
「うーん、いきなり外に出て鬼ごっこはハードルが高くないか」
求められるのは部屋の中にこもった女の子をどう外に引き出すか。下手に動けばさらに部屋の中に閉じこもってしまう。
「ネットやネットゲームはやってないとなると、それをやって貰うだけで自殺は食い止められると思います」
「いや、それは反対だな。ネットの使用で逆に傷ついて自殺に近づく可能性もある。自殺は食い止められたとしてもゲーム中毒になり取り返しにつかないこともある」「僕も反対かな。わざわざクラボラ部でやることじゃないと思うから」
コンシューマーゲームやネットゲームの導入は容易く折れた。こうしたやわな矢ではすぐ折れる。
「ボードゲームとかはどうですか。家の中でできるので手を出しやすいと思いますよ。それに、人との交流に慣れてきたら人数を増やしたゲームにしていけます」
ボードゲームという矢。それを折ろうとする勢力は現れなかった。
「じゃあ、保留にしますね」
そう言って、黒板上のボードゲームの文字付近に印がつけられた。
他にも打たれる矢。
「みんなで一緒に何か作るのはどうですか」「それなら、みんなで料理作りはどうですか」
工作や料理も折れることなく黒板に突き刺さる。
その部屋に霧がかかってきたみたいだ。埃が舞い上がっては光を遮っていく。
「クイズはどうですか。出題者以外で競い合ったりとか」
最近、クイズが人気となってきている。子どもの知識で解けるものの、頭の閃きが必要で、子ども大人関係なく頭の柔らかさが求められる。
「最近、流行ってきてるよねー」
「あれなら気軽にできる。あの子は参加しやすく、こちら側は負担も少なそうだな」
意外と好評であり矢はみるみるうちに太くなっていく。
工作も料理もそれぞれの矢を吹き飛ばし中核へと刺さった。意見はクイズに偏っていった。
「人の少ない所でさー。宝探しなんてするのはどうかなー。絶対に楽しいと思うよ」
文香は諦めずに外遊びを勧める。
「楽しそうだね。外に少し慣れたらさ、それやってみようよ。きっと楽しんでやると思うよ」
「まあ、部屋から出た後、第二ステージとしてやるには充分良いと思うな」
良い意見が矢を強くしていく。
「でしょー。宝探しで必死に探してると無邪気になれると思うんだー」
矢は撃ち落とされることも壊されることもなく黒板に強く刺さった。
黒板に書かれるのは七つの候補。鬼ごっこ、ネットゲーム、ボードゲーム、工作、料理、クイズ、宝探し。「多数決を取りたいと思います」紙を渡して一つを選んで書く。その結果を黒板に移していった。
一票目はクイズ。
二票目は宝探し。
三票目は宝探し。
四票目はボードゲーム。
残るは仕切っている透と書記の夢の票のみ。
五票目はクイズ。
宝探しかクイズか。激しい争いが黒板の中で繰り広げられていた。紙を広げて読み上げる。最後の票は「その他、交換日記」だった。
まさかの意表を突く意見。それが二つの対立を虚しく終わらせた。
「これは夢の案なんですけど、交換日記を使えば少しずつ分かり合えて外に出ようと思うと考えたので書きました。勝手にごめんなさい」
いきなりの第三勢力に口をあんぐりさせてしまった。
しかし、それは一票でしかない。結局、宝探しかクイズの論争へと変わり果てた。
宝探しだと敷居が高すぎる。しかし、クイズだと軽々しすぎる。その論争はまさに戦争のように見えてきた。そして、その戦争に終止符を打ったのが透だった。
「クイズと宝探しを合わせてみたらどうですか。クイズをしながらヒントを見つけていくのは──」
その意見に賛同が集まった。対立し合う二つ矢は一つに融合しさらに強く太い矢となった。
「じゃあさ、まずは本命の宝探しクイズを進めていこうよ」
話はまとまり、宝探しクイズのために一丸となっていった。
前座である長い長い戦いは幕を閉じたようだ。
突然、響いていくメロディー。帰りの時間を報せる音色だ。もうこんなにも時間が過ぎていたのか。時間は速く過ぎると秒針に文句を言った。
夕焼け空の下を歩いていく。
その下でヨッシーはスマホを動かしていく。
「桜っちに今日のこと伝えたよ」「ありがとう」
段々と橙色は黒んずんでいった。
日を改めて、出雲家のチャイムを鳴らした。
桜に導かれて部屋へと入る。オーソドックスな部屋の中で今後の計画について話していった。
「その宝探し以前にボードゲームってのも難しいと思うな。家族である私達ですら出会ってくれないし。多分、それ以前の問題なんじゃないのかな」
それらの計画は否定的だった。
一応。と言われ、階段の上へと導かれた。階段を登り終え右側に向かって二つ目の扉の前に立つ。その中にはヒガナがいてその扉を支配しているのだ。勝手にその扉を開けてはいけなかった。壊せばきっと心の距離は永遠に離れ離れとなる。
「こんにちは。僕は桜さんの知り合いの大田透です。日向高校のボランティア部みんなと友達になって、一緒に遊びたいと思って誘いにきました」
扉の先には何があるのか。何も無い暗闇の空間が広がっているイメージしか湧かない。無に向かって言葉を放っているみたいだ。話せば話すほど独り言のように感じられて虚しくなっていく。
扉はまさに断崖絶壁の岩壁。それを見上げるだけで向こう側の景色を見ることはできない。
「またお話しにきますね」
単なる独り言。反応なんてものは何も無い。
寂しく階段を降りていく。
杞憂だった。まずはどう宝探しクイズに繋げるのか、その前にボードゲームに繋げるのか。
二日後、再びこの家へとやってきた。
「あの後、桜からもクラボラ部と一緒に遊んで欲しいって話したんだけど……。やっぱり反応なかったんだ」
どこかやるせなくなっていく姿。疲れ果て諦めたいという思いが滲み出ていた。
階段を上がって扉の前で話しかける。
やはり何も反応がなかった。当然だった。壁と対話しているのだから。
今日も虚しく家を離れた。
たった二回なのに心が折れかけていく。
「どうしたらいいんだろう」淡くなっていく空に呟く。
ふと夢の投票用紙を思い出した。「その他、交換日記」との文字。藁にもすがる思いで、それを利用しようと考えた。
気分転換に少し遠くまで出かけよう。自転車で遠くまで漕いでホームセンターへと辿り着いた。棚からノートを取り出した。
突然、肩に手が乗っかかる。
「ねぇ、ヨッシーの友達だよね?」
そこにいたのは、喫茶店で話した時にいた女の子だった。彼女のバイト先はここだったようだ。
「学校の近くにもホームセンターあるのに何でわざわざここを選んだん。あっ、それ、普通のノートじゃなくて小学生が使うようなノートじゃん」
「気分転換も兼ねて敢えてここにノートを買いにきたんだ。これを交換日記にしようと思ってるんだけど」
日記帳。小学生の頃によく見るノートである。
緑色のシンプルチックな枠組みが幼いイメージを与える。
「えー、それを使うのは流石にないわー。最低でも普通のノートで充分だよ。ここに専用の売ってないし……。これでいいんじゃない」
ノートが渡される。元々持っていたノートを棚に戻した。薄いピンク色が印象的なシンプルなチェック柄のノート。
家に帰ると早速ノートを机の上に置いた。
黒く「交換日記」と書く。その付近にそれよりも小さな文字で「ヒガナとクラボラ部の交流ノート」と描いた。
一枚開き、最初のページにルールを書いた。
一日二ページ。左がクラボラ部で右がヒガナのスペース。左側のスペースを六つに区切っていった。
「上手くいって欲しいな」そんな独り言を呟いた。
赴くままに最初のページを埋めていった。
ヒガナへの説得が始まった。その一方では、宝探しクイズのために動いていた。
部室の中で話し合いを繰り広げていく。
主な内容は、三つのクイズをそれぞれ解いて宝のヒントを入手していき、全て集めると宝が埋まる場所が分かり、その宝が見つかれば終わりという遊びだ。
「やっぱり誰かいると恥ずかしいから人のいない所でやるのが一番だよね。けど、そんな場所ってあるのかな」
「一つ思いつく場所が。黄瀬神社って所があるんだけど、そのすぐ横にある公園がうってつけだと思います」
いつもの通学路の通りにある神社の公園は人が少ない。人がいない時間帯も多い。その場所がまさにうってつけだった。
早々と実行場所が決まる。
「クイズは自分に任せてくれませんか。こういうの考えるの得意なので──」
クイズの中身は翔哉が請け負った。
「ヒントの紙とか、書く系は夢に任せて下さい」
クラボラ部書記であり、現役美術部部員の夢が書くことになった。
一年組の二人が中核を担うことになった。
「それじゃあ、俺らは二人のサポートと、宝やヒントの穴埋め係だな」
こうして、宝探しクイズに向かって一直線に進んでいった。
今日の部活は終わった。
帰り際、学校付近のコンビニに寄り道をして時間を潰す。時間となって出雲家を訪ねた。
例の扉の前に立った。
「こんにちは。今日も来ました。速く友達になりたくて、これから日記で話し合おうとノートを作りました。良ければ書いて見てください」
崖の前にノートを置いた。
上手くいくように。無言で呟いてその場を去った。
下手に刺激してしまったのではないか。そんな不安が体の中で湧き上がる。それと同時に、書いてくれるはず。そんな期待が同じように湧き上がる。不安と期待で体がそわそわする。
学校で桜から渡されるノート。
期待を胸に開いていった。そこには文字が書かれていたが、何度も消された跡が邪魔して読みにくい文字。かろうじて見ていく。「よろしくお願いいします」その文字が確認できた。
不安が払拭された。
靄の消えた心で部室へと入っていく。
「ヒガナさんと話していく方法として交換日記を使いたいと思います。皆も協力お願いします」
一つのノートに囲む六人の高校生。
一人ずつ筆を取り自己紹介をしていった。
楽しいことが一番と書いた武馬文香。スポーツや体を動かすことが大好きな金治好美、あだ名はヨッシー。自己紹介が大人の印象を与える勝呂勝。文字よりも絵が枠を埋めている近見夢。超真面目すぎる金治翔哉。
それぞれが個性的な文字で自分を伝えていった。
各々の気持ちが詰まるノートを桜に託した。
手元にないノート。手元に残ったのは期待のみだった。
返ってきたノートには自己紹介が書かれていた。
このままやり取りが続くのだと思っていた。
だが、すぐに右側のページは空白が続いた。続いていく空白が心を抉っていく。すぐに一日二ベージから三日二ページとなる。それを繰り返している内に、いつの間にか夢がノートから離れていた。
いつの間にか宝探しクイズの準備はほぼ終わった。しかしながら、当の本人との距離は一向に縮まらず、実行以前の問題が残っていた。
太陽が昇り沈み、代わりに月が昇り沈み。それを繰り返していく。
そうこうしている間に六月に入った。それでも大田は諦めずに続ける決意をした。
文香と翔哉は、他のボランティアに専念していく内に交換日記から脱落した。
学校で待ち受ける中間テスト。
三年である勝呂はテストに専念するために脱落した。
残った二人で交換日記を続いていく。全てはヒガナと一緒に遊んで、それで彼女を救うため。その一心でノートを書き続けた。しかし、右側のノートは空白が目立っていた。
テストが終わり、解答用紙が配られる。
その結果は今までの自分と比べて良くもなく悪くもなかった。
けど、ヨッシーはそうはいかなかった。「ごめんね。うちさ、赤点とっちゃって、これ以上、続けられなくなっちゃった」
「分かった。ボランティアって、自分の余裕があってこそだと思ってるんだ。だからさ、これは仕方ないし気に止めることでもないから、一心に補習頑張ってね」
こうしてヨッシーが脱落し、一人でノートを書き続けることになった。
やはり、彼女にとっては一度も目を合わしたことのない他人。未だに心を閉ざしたままだった。
ノートのペースも相当遅くなっている。一週間に二ページ。その内一ページは白紙ということがざらにあった。
もう心もズタボロだった。諦めるのにきっかけがないだけで、きっときっかけがあればすぐにでも脱落しそうだ。
きっと今回もノートには白紙なのだろうと開いてみた。「なぜノートを書き続けるのですか?」と小さく、そして丁寧に書かれた一行。全体的にみたらほとんどが白紙なのだが、この時は白紙いっぱいに黒の文字が並んでいるように見えていた。
嬉しさを原動力に机に座ってシャーペンを手に取った。
なぜノートを書き続けるのか……。すぐにシャーペンは動かなくなった。
ヨッシーや桜に頼まれて、ヒガナを救いたいと思った。それ以下でもそれ以上でもない。しかし、それをそのまま書くことはできなかった。
あれこれ三十分経っていた。
ようやくシャーペンを動かしたのだが、書いたのは「ヒガナさんと友達になりたいから」という短い言葉。
それ以上考えることが出来ずにノートを閉じた。
が、後からきた罪悪感が再び机に座らせる。
シャーペンでその下に添い書きする。「その理由は僕自身にもよく分からないけど、きっとボランティア精神がノートを書き続けさせてるんだと思う」
先走って書いてしまった。
それを受け取ってどう感じるのか。それを思うとすぐに消してしまいそうだから、書いたことを思い出さないように早めに布団の中にくるまった。
朝早く起きて学校に行く。
早く行っても何かある訳でもない。
ありふれた元気を授業で紛らわせながら午後となった。桜に交換日記を託したのだが、興奮は何故か収まらない。
日が落ちて暗闇に包まれた部屋の中。
いつもは夢の中に落ちているはずなのに、この日は全く落ちる気配がしない。夢の中に落ちたいのに落ちられない自分。それに耐えきれず近くにあったスマホに触れた。
真っ暗闇の中でスマホの光だけが輝いていた。
その対策は一向に思いつかない。
引きこもりに対する施設は七つの都道府県に設置されているようだが愛知県にはない。顧問が調べているものの、施設などの利用は難しいようだ。
「やはり僕達でも何とかするしかないと思うんです」
「そうですけど、その方法が分からないので」
意見を挙げても、すぐに欠点が浮き彫りとなり消えていく。
少し困り果ててきた。
ピコンという閃きとともに武馬文香は静まっていく部屋の中で声を上げた。「一緒に遊ぶなんてどうかなー」
書記の近見夢は埃を隠した黒板に「一緒に遊ぶ」と書いていった。
賛成なら頷き、反対なら無言。結局、その部屋は無音に戻った。
発言者は自由奔放すぎるせいか、こういう真面目な場での発言に対する信頼が薄い。正直、ふざけているのだろうと思ってしまいかねない。
頷き終えた先輩が無音を壊す。
「なるほどな。一見すると見当違いに思えるが、引きこもりのその子の塞がれた心には、遊びという童心に戻れる楽しいことで触れ合いながら、人や外との交流を促していく。俺はいいと思うな」
なるほど、という雰囲気が広がった。
「しかしながら、出雲さんが馬鹿馬鹿しく思って逆効果かもしれません」
反対意見はとても痛い所を突いてきた。
「どうなるかなんて分からない。反対に、遊びとかけ離れたことを行って、人や社会との交流する意図が丸見えなら、それこそ逆効果かも知れない。どんな意見でも最悪の可能性はある。それを恐れるべきじゃないと俺は思う。俺はこの意見に賛成する」
長く続く意見発案とそれに対する反対と意見切り捨て。勝呂は我慢の糸が切れたのかバッサリと言い切った。
その言葉の流れに逆らう者はいなかった。
反対意見はでなかった。続いて、他の意見も募集したが何もでなかった。遊びを上回るものがなかったのだろう。「一応、遊びの案で話を進めていきます」こうして、最初の話し合いは終わった。
明日となり、今度は透、ヨッシー、出雲家の母と姉の四人による話し合いが行われた。
「本当にありがとうございます。何とかしたくても私の力じゃ無理だったので、ほんとに助かります。ほんとは私がヒーちゃんをどうにかしないといけないのに……」
悲哀が込み上げている。
所々で仕事を休んだり早めに切り上げて何とかしようとしたが手遅れだったらしい。どうにもできないまま日にちだけが過ぎていく。
「それで、あなた達はどんなことをするつもりですか」
期待を込めた目で見つめている。
「僕らは一緒に遊んでいこうと考えてます」
「遊ぶとはどういうことですか」
彼女らは疑問に包まれている。それもそうだ。引きこもりという重々しいものに対して、遊びというワードはあまりにも軽々しい。
「まだ、詳しくは決めてないけどね、徐々に遊んでいってみんなと一緒って楽しいなって思わせようって考えてます!」
ヨッシーの快活な声が期待を持たせていく。
「面白そうですね。期待しています」
ヒガナの母はクラボラ部に良さげな印象を持っているように見えた。
いい追い風が吹いている。安堵が沸き立っていきそうだった。
しかし、桜が下を向きながら話していくことで、それらは消えた。
「桜も遊ぶのいいと思う。けど、一つだけお願いがあって──」
「お願い?」
「七月十七日までにはヒーちゃん、桜の妹を救って欲しいの」
「どうして?」
不穏な空気が流れている気がする。
「ヒーちゃんの誕生日は七月十七日で、自殺ぬとしたらきっとその日だと思うんだ。それまでに救わないと──」
タイムリミットが彼女を、そして、それを聞いているクラボラ部を不安にさせていく。
のんびりしている暇なんてなかった。
強い意志を整える覚悟。その日は、それを固めて終わった。
出雲家含めた四人で話し合ったことを伝えていく。
すぐに話題は何を遊ぶのかに移る。「タイムリミットがあるんだ。今まで通りの慎重さも必要だが、それ以上に決断力も求められるな。まあ、そんなこと最初からか」
黒板に綴られる文字。
議論が続いていく。重い雰囲気が空気中に広がっている。
一から企画を考えて実行するボランティアは高度な知識と相応の熱意、全体の一致団結が求められていた。それに応えようと真剣に当たっていく。
「外遊びなんてのはどう。みんなで鬼ごっこでもやってみようよ」
「うーん、いきなり外に出て鬼ごっこはハードルが高くないか」
求められるのは部屋の中にこもった女の子をどう外に引き出すか。下手に動けばさらに部屋の中に閉じこもってしまう。
「ネットやネットゲームはやってないとなると、それをやって貰うだけで自殺は食い止められると思います」
「いや、それは反対だな。ネットの使用で逆に傷ついて自殺に近づく可能性もある。自殺は食い止められたとしてもゲーム中毒になり取り返しにつかないこともある」「僕も反対かな。わざわざクラボラ部でやることじゃないと思うから」
コンシューマーゲームやネットゲームの導入は容易く折れた。こうしたやわな矢ではすぐ折れる。
「ボードゲームとかはどうですか。家の中でできるので手を出しやすいと思いますよ。それに、人との交流に慣れてきたら人数を増やしたゲームにしていけます」
ボードゲームという矢。それを折ろうとする勢力は現れなかった。
「じゃあ、保留にしますね」
そう言って、黒板上のボードゲームの文字付近に印がつけられた。
他にも打たれる矢。
「みんなで一緒に何か作るのはどうですか」「それなら、みんなで料理作りはどうですか」
工作や料理も折れることなく黒板に突き刺さる。
その部屋に霧がかかってきたみたいだ。埃が舞い上がっては光を遮っていく。
「クイズはどうですか。出題者以外で競い合ったりとか」
最近、クイズが人気となってきている。子どもの知識で解けるものの、頭の閃きが必要で、子ども大人関係なく頭の柔らかさが求められる。
「最近、流行ってきてるよねー」
「あれなら気軽にできる。あの子は参加しやすく、こちら側は負担も少なそうだな」
意外と好評であり矢はみるみるうちに太くなっていく。
工作も料理もそれぞれの矢を吹き飛ばし中核へと刺さった。意見はクイズに偏っていった。
「人の少ない所でさー。宝探しなんてするのはどうかなー。絶対に楽しいと思うよ」
文香は諦めずに外遊びを勧める。
「楽しそうだね。外に少し慣れたらさ、それやってみようよ。きっと楽しんでやると思うよ」
「まあ、部屋から出た後、第二ステージとしてやるには充分良いと思うな」
良い意見が矢を強くしていく。
「でしょー。宝探しで必死に探してると無邪気になれると思うんだー」
矢は撃ち落とされることも壊されることもなく黒板に強く刺さった。
黒板に書かれるのは七つの候補。鬼ごっこ、ネットゲーム、ボードゲーム、工作、料理、クイズ、宝探し。「多数決を取りたいと思います」紙を渡して一つを選んで書く。その結果を黒板に移していった。
一票目はクイズ。
二票目は宝探し。
三票目は宝探し。
四票目はボードゲーム。
残るは仕切っている透と書記の夢の票のみ。
五票目はクイズ。
宝探しかクイズか。激しい争いが黒板の中で繰り広げられていた。紙を広げて読み上げる。最後の票は「その他、交換日記」だった。
まさかの意表を突く意見。それが二つの対立を虚しく終わらせた。
「これは夢の案なんですけど、交換日記を使えば少しずつ分かり合えて外に出ようと思うと考えたので書きました。勝手にごめんなさい」
いきなりの第三勢力に口をあんぐりさせてしまった。
しかし、それは一票でしかない。結局、宝探しかクイズの論争へと変わり果てた。
宝探しだと敷居が高すぎる。しかし、クイズだと軽々しすぎる。その論争はまさに戦争のように見えてきた。そして、その戦争に終止符を打ったのが透だった。
「クイズと宝探しを合わせてみたらどうですか。クイズをしながらヒントを見つけていくのは──」
その意見に賛同が集まった。対立し合う二つ矢は一つに融合しさらに強く太い矢となった。
「じゃあさ、まずは本命の宝探しクイズを進めていこうよ」
話はまとまり、宝探しクイズのために一丸となっていった。
前座である長い長い戦いは幕を閉じたようだ。
突然、響いていくメロディー。帰りの時間を報せる音色だ。もうこんなにも時間が過ぎていたのか。時間は速く過ぎると秒針に文句を言った。
夕焼け空の下を歩いていく。
その下でヨッシーはスマホを動かしていく。
「桜っちに今日のこと伝えたよ」「ありがとう」
段々と橙色は黒んずんでいった。
日を改めて、出雲家のチャイムを鳴らした。
桜に導かれて部屋へと入る。オーソドックスな部屋の中で今後の計画について話していった。
「その宝探し以前にボードゲームってのも難しいと思うな。家族である私達ですら出会ってくれないし。多分、それ以前の問題なんじゃないのかな」
それらの計画は否定的だった。
一応。と言われ、階段の上へと導かれた。階段を登り終え右側に向かって二つ目の扉の前に立つ。その中にはヒガナがいてその扉を支配しているのだ。勝手にその扉を開けてはいけなかった。壊せばきっと心の距離は永遠に離れ離れとなる。
「こんにちは。僕は桜さんの知り合いの大田透です。日向高校のボランティア部みんなと友達になって、一緒に遊びたいと思って誘いにきました」
扉の先には何があるのか。何も無い暗闇の空間が広がっているイメージしか湧かない。無に向かって言葉を放っているみたいだ。話せば話すほど独り言のように感じられて虚しくなっていく。
扉はまさに断崖絶壁の岩壁。それを見上げるだけで向こう側の景色を見ることはできない。
「またお話しにきますね」
単なる独り言。反応なんてものは何も無い。
寂しく階段を降りていく。
杞憂だった。まずはどう宝探しクイズに繋げるのか、その前にボードゲームに繋げるのか。
二日後、再びこの家へとやってきた。
「あの後、桜からもクラボラ部と一緒に遊んで欲しいって話したんだけど……。やっぱり反応なかったんだ」
どこかやるせなくなっていく姿。疲れ果て諦めたいという思いが滲み出ていた。
階段を上がって扉の前で話しかける。
やはり何も反応がなかった。当然だった。壁と対話しているのだから。
今日も虚しく家を離れた。
たった二回なのに心が折れかけていく。
「どうしたらいいんだろう」淡くなっていく空に呟く。
ふと夢の投票用紙を思い出した。「その他、交換日記」との文字。藁にもすがる思いで、それを利用しようと考えた。
気分転換に少し遠くまで出かけよう。自転車で遠くまで漕いでホームセンターへと辿り着いた。棚からノートを取り出した。
突然、肩に手が乗っかかる。
「ねぇ、ヨッシーの友達だよね?」
そこにいたのは、喫茶店で話した時にいた女の子だった。彼女のバイト先はここだったようだ。
「学校の近くにもホームセンターあるのに何でわざわざここを選んだん。あっ、それ、普通のノートじゃなくて小学生が使うようなノートじゃん」
「気分転換も兼ねて敢えてここにノートを買いにきたんだ。これを交換日記にしようと思ってるんだけど」
日記帳。小学生の頃によく見るノートである。
緑色のシンプルチックな枠組みが幼いイメージを与える。
「えー、それを使うのは流石にないわー。最低でも普通のノートで充分だよ。ここに専用の売ってないし……。これでいいんじゃない」
ノートが渡される。元々持っていたノートを棚に戻した。薄いピンク色が印象的なシンプルなチェック柄のノート。
家に帰ると早速ノートを机の上に置いた。
黒く「交換日記」と書く。その付近にそれよりも小さな文字で「ヒガナとクラボラ部の交流ノート」と描いた。
一枚開き、最初のページにルールを書いた。
一日二ページ。左がクラボラ部で右がヒガナのスペース。左側のスペースを六つに区切っていった。
「上手くいって欲しいな」そんな独り言を呟いた。
赴くままに最初のページを埋めていった。
ヒガナへの説得が始まった。その一方では、宝探しクイズのために動いていた。
部室の中で話し合いを繰り広げていく。
主な内容は、三つのクイズをそれぞれ解いて宝のヒントを入手していき、全て集めると宝が埋まる場所が分かり、その宝が見つかれば終わりという遊びだ。
「やっぱり誰かいると恥ずかしいから人のいない所でやるのが一番だよね。けど、そんな場所ってあるのかな」
「一つ思いつく場所が。黄瀬神社って所があるんだけど、そのすぐ横にある公園がうってつけだと思います」
いつもの通学路の通りにある神社の公園は人が少ない。人がいない時間帯も多い。その場所がまさにうってつけだった。
早々と実行場所が決まる。
「クイズは自分に任せてくれませんか。こういうの考えるの得意なので──」
クイズの中身は翔哉が請け負った。
「ヒントの紙とか、書く系は夢に任せて下さい」
クラボラ部書記であり、現役美術部部員の夢が書くことになった。
一年組の二人が中核を担うことになった。
「それじゃあ、俺らは二人のサポートと、宝やヒントの穴埋め係だな」
こうして、宝探しクイズに向かって一直線に進んでいった。
今日の部活は終わった。
帰り際、学校付近のコンビニに寄り道をして時間を潰す。時間となって出雲家を訪ねた。
例の扉の前に立った。
「こんにちは。今日も来ました。速く友達になりたくて、これから日記で話し合おうとノートを作りました。良ければ書いて見てください」
崖の前にノートを置いた。
上手くいくように。無言で呟いてその場を去った。
下手に刺激してしまったのではないか。そんな不安が体の中で湧き上がる。それと同時に、書いてくれるはず。そんな期待が同じように湧き上がる。不安と期待で体がそわそわする。
学校で桜から渡されるノート。
期待を胸に開いていった。そこには文字が書かれていたが、何度も消された跡が邪魔して読みにくい文字。かろうじて見ていく。「よろしくお願いいします」その文字が確認できた。
不安が払拭された。
靄の消えた心で部室へと入っていく。
「ヒガナさんと話していく方法として交換日記を使いたいと思います。皆も協力お願いします」
一つのノートに囲む六人の高校生。
一人ずつ筆を取り自己紹介をしていった。
楽しいことが一番と書いた武馬文香。スポーツや体を動かすことが大好きな金治好美、あだ名はヨッシー。自己紹介が大人の印象を与える勝呂勝。文字よりも絵が枠を埋めている近見夢。超真面目すぎる金治翔哉。
それぞれが個性的な文字で自分を伝えていった。
各々の気持ちが詰まるノートを桜に託した。
手元にないノート。手元に残ったのは期待のみだった。
返ってきたノートには自己紹介が書かれていた。
このままやり取りが続くのだと思っていた。
だが、すぐに右側のページは空白が続いた。続いていく空白が心を抉っていく。すぐに一日二ベージから三日二ページとなる。それを繰り返している内に、いつの間にか夢がノートから離れていた。
いつの間にか宝探しクイズの準備はほぼ終わった。しかしながら、当の本人との距離は一向に縮まらず、実行以前の問題が残っていた。
太陽が昇り沈み、代わりに月が昇り沈み。それを繰り返していく。
そうこうしている間に六月に入った。それでも大田は諦めずに続ける決意をした。
文香と翔哉は、他のボランティアに専念していく内に交換日記から脱落した。
学校で待ち受ける中間テスト。
三年である勝呂はテストに専念するために脱落した。
残った二人で交換日記を続いていく。全てはヒガナと一緒に遊んで、それで彼女を救うため。その一心でノートを書き続けた。しかし、右側のノートは空白が目立っていた。
テストが終わり、解答用紙が配られる。
その結果は今までの自分と比べて良くもなく悪くもなかった。
けど、ヨッシーはそうはいかなかった。「ごめんね。うちさ、赤点とっちゃって、これ以上、続けられなくなっちゃった」
「分かった。ボランティアって、自分の余裕があってこそだと思ってるんだ。だからさ、これは仕方ないし気に止めることでもないから、一心に補習頑張ってね」
こうしてヨッシーが脱落し、一人でノートを書き続けることになった。
やはり、彼女にとっては一度も目を合わしたことのない他人。未だに心を閉ざしたままだった。
ノートのペースも相当遅くなっている。一週間に二ページ。その内一ページは白紙ということがざらにあった。
もう心もズタボロだった。諦めるのにきっかけがないだけで、きっときっかけがあればすぐにでも脱落しそうだ。
きっと今回もノートには白紙なのだろうと開いてみた。「なぜノートを書き続けるのですか?」と小さく、そして丁寧に書かれた一行。全体的にみたらほとんどが白紙なのだが、この時は白紙いっぱいに黒の文字が並んでいるように見えていた。
嬉しさを原動力に机に座ってシャーペンを手に取った。
なぜノートを書き続けるのか……。すぐにシャーペンは動かなくなった。
ヨッシーや桜に頼まれて、ヒガナを救いたいと思った。それ以下でもそれ以上でもない。しかし、それをそのまま書くことはできなかった。
あれこれ三十分経っていた。
ようやくシャーペンを動かしたのだが、書いたのは「ヒガナさんと友達になりたいから」という短い言葉。
それ以上考えることが出来ずにノートを閉じた。
が、後からきた罪悪感が再び机に座らせる。
シャーペンでその下に添い書きする。「その理由は僕自身にもよく分からないけど、きっとボランティア精神がノートを書き続けさせてるんだと思う」
先走って書いてしまった。
それを受け取ってどう感じるのか。それを思うとすぐに消してしまいそうだから、書いたことを思い出さないように早めに布団の中にくるまった。
朝早く起きて学校に行く。
早く行っても何かある訳でもない。
ありふれた元気を授業で紛らわせながら午後となった。桜に交換日記を託したのだが、興奮は何故か収まらない。
日が落ちて暗闇に包まれた部屋の中。
いつもは夢の中に落ちているはずなのに、この日は全く落ちる気配がしない。夢の中に落ちたいのに落ちられない自分。それに耐えきれず近くにあったスマホに触れた。
真っ暗闇の中でスマホの光だけが輝いていた。
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