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3 おかえり、ヨウちゃん。
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しおりを挟む胸がドキドキすごいことになっちゃって、あたし、まな板の上のタイ。
ききたくないけど、ききたい。でも、ききたくない!
「……綾は、おまえのカノジョだろ?」
ヨウちゃんは、顔をあげずにつぶやいた。
「それ、どういう意味? オレのカノジョだから、なに? オレは言ったよ。和泉が葉児のことを好きだって知ってたときも、和泉に『好き』って伝えたよ! 葉児はオレに言ったよね? 和泉のこと『いつでも取っていいからな』って。『取るって言うんだったら、やってみろ』って。
葉児、まさかオレが、和泉を人に取られるのをビビってると思ってる?」
「……誠……」
ヨウちゃんが顔をあげた。目のふちが赤い。
誠は、ほうきの柄の先を、すっと前にのばした。
まるで、剣先を相手の胸に突きつけるように。
「和泉は、いつでも取っていいからな。取るって言うんだったら、やってみろ!」
あたしは、自分の胸にぎゅっとこぶしを置いた。
……誠。
誠って、いつのまに、あんなに背が高くなったんだろう。
ヨウちゃんと、肩が数センチしかかわらない。
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