若き二つ名ハンターへの高額依頼は学院生活!?

狐隠リオ

文字の大きさ
21 / 45

第十九話 姉妹

しおりを挟む



 あらかじめフェイとそういう質問をされた場合、どうするかはシミュレーションしているからな。一切の迷いなく言えるぞ。

「俺は現役のハンターでな、ずっとソロでやってたんだが、そろそろ仲間が欲しいと思ったんだよ」
「……へ?」
「だから現役ハンターなんだよ。ずっとソロだった奴が今更仲間を求めても厳しいからな。俺ってまだまだ若いし、学院に入ってこいつだーって仲間を探そうと思ってさ」

 そう言ってニィッと笑みを浮かべるものの、当然嘘だ。
 仲間? いらん。邪魔。
 だって知ってるか? 受注者が増えても報酬は変わらないんだ。つまり、分け前が減るって事なんだぜ?
 俺には金が必要だ。将来のハーレムのため、少しでも多くの金が必要なんだ。
 なら仲間とか、邪魔……とまでは言わないけど、アレじゃん?
 ……いや、わかってる。わかってるぞ? 仲間がいれば戦力が上がる。戦力が上がればより良い依頼を受けて、より多くの報酬を得る事が出来る。となれば手取りが減る事はないどころか、むしろ増える可能性だってある。
 が、それってつまり博打だろ?
 自身以外の要因で失敗するかもしれない。一人なら俺がミスらなければ良いだけだ。リスクは一人分で済む。
 そもそもの話、他人と呼吸を合わせて一緒に戦うとか……むーりと。

「まっ、伊達にソロでやってきたわけじゃない。俺について来られる奴がいるとは限らないけどな」
「おおーおおーっ! そりゃすげぇ自信だな!」
「そりゃハンターなんて自信がなきゃ出来ねえよ。常に己の生命を晒してるんだからな」

 ハンターの仕事は訓練や模擬戦なんかと違って本当の戦いだ。
 どちらが敵の生命を奪い取るかの戦い。勝者は生き、敗者は死ぬ。単純な未来の奪い合い。
 勝てば官軍負ければ賊軍……とは違うか。

「けどハンターかー。あっ、て事はよ! モンスターと戦った事あるのか!?」
「あるぞー。既存生物の変異種である[魔獣]。過去の魔女たちが人工的に生み出し、野良化したとか言われてる[魔物]。結晶に覆われた異様に硬い[魔晶《ましょう》]とかな」

 モンスターは特徴によって様々な呼ばれ方で種類分けされているけど、由来が伝えられている通りなのかは不明瞭だ。
 ただもっとも身近なモンスターは断言出来る。それは最初に話した[魔獣]だ。

 既存生物の変異種だって説も濃厚らしく、数も最多だ。
 なんだろう。数が多くナチュラルにエンカウントする雑魚敵ポジションだな。種毎にも個体毎にも戦闘能力には差があるから、雑魚とは言えない雑魚ってパターンもあるけど、立場としてはそんな感じだ。

 続いて[魔物]についてだが……中ボスかな。
 決して弱くはない。一太刀で討滅するのは不可能と言って良い。だからといって苦戦するかと言われると、そこまでじゃないよなーって感じ。
 既存生物の変異種である[魔獣]とは違いその姿はとても生物とは思えない個体も多い。イメージしやすい例を出すならゴーレムやワイバーンとかだな。

 そして最後に[魔晶]だ。
 この流れから予測出来るだろうけど、こいつらは正しくボスだ。
 勿論全ての[魔晶]が凄まじい戦闘能力を秘めているわけではない。が、最低ランクでも相当の強さだ。
 数は多くないどころかレアと断言出来る。なんせ俺も今まで一度しか遭遇した事がないからな。
 ハンターになって間もない頃に遭遇した[魔晶]。当時の俺は今と比べればペーペーのぺーで、弱々の弱だった。だから余計に強く感じている? いや、今遭遇しても苦戦するのは必至だろう。それくらいに強かった。
 あの時は間違いなく、死は隣人よりも近く、すぐ側から手を伸ばしていた。

「それじゃあそろそろ俺の番で良いか?」
「へ? あっ悪い悪い! 続けて質問しちまった!」
「いいって、聞きたい事についてだけど、ズバリこいつの事だ」

 そう言いながら隣の席を親指で指した。
 今はそこにいないユニについて問い掛けると彼は苦笑した。

「……ああー、どんまいとしか言えねえな」

 励ますように俺の肩を軽く叩いた後、ロウタは続ける。

「まあ、アレアレだ。西塔姉妹は有名なんだよ」

 そりゃそうだろうな。
 美人で優秀そうな雰囲気を醸し出しながらも、ちょっと抜けているところもあって愛嬌まで兼ね備えている姉、ソラ。

 一見我儘で人の話を聞かないように見えて、落ち着けば常識人っぽい可愛い妹、ユニ。

 人気出るだろうし、話題も多そうだ。

「姉妹愛が強過ぎるって事で有名なんだ」
「強過ぎる姉妹愛? ……まさか義理の姉妹だったりするのか? それとも親戚とか?」
「いや違うぞ? 正真正銘実の姉妹だって話だぜ」

 どうしてそんな事を気にするんだと言いたげなロウタ。
 強過ぎる姉妹愛と聞いて、ついつい百合の花を幻視してしまったのだ。実の姉妹だとダメとは言わないけど……そうじゃない方が現実的かなと思いました、はい。

「特に末っ子のユニは姉愛が凄くてな。近付く男共みんなに牙を剥くんだぜ。まーまー、それはジョンスの方が身に染みてると思うけどよ」
「……だな」

 ソラの話になった途端暴走機関車みたいなとんでも思考回路だったもんな。なんとなくそんな事だろうと思ってたけど、姉妹愛ねえ。
 俺には家族がいないって話をしたと思うけど、確かにソラみたいな姉がいたら不安になったりするのかもしれないな。

 なんというか……うん、ソラって悪い男に騙されやすそうだもん。しっかりしているように見えて、実はポンコツ面が強いからな。主に己に対しての認識がさ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

優の異世界ごはん日記

風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。 ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。 未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。 彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。 モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

異世界国盗り物語 ~戦国日本のサムライ達が剣と魔法の世界で無双する~

和田真尚
ファンタジー
 戦国大名の若君・斎藤新九郎は大地震にあって崖から転落――――気付いた時には、剣と魔法が物を言い、魔物がはびこる異世界に飛ばされていた。 「これは神隠しか?」  戸惑いつつも日本へ帰る方法を探そうとする新九郎  ところが、今度は自分を追うように領地までが異世界転移してしまう。  家臣や領民を守るため、新九郎は異世界での生き残りを目指すが周囲は問題だらけ。  領地は魔物溢れる荒れ地のど真ん中に転移。  唯一頼れた貴族はお家騒動で没落寸前。  敵対勢力は圧倒的な戦力。  果たして苦境を脱する術はあるのか?  かつて、日本から様々なものが異世界転移した。  侍 = 刀一本で無双した。  自衛隊 = 現代兵器で無双した。  日本国 = 国力をあげて無双した。  では、戦国大名が家臣を引き連れ、領地丸ごと、剣と魔法の異世界へ転移したら――――? 【新九郎の解答】  国を盗って生き残るしかない!(必死) 【ちなみに異世界の人々の感想】  何なのこの狂戦士!? もう帰れよ!  戦国日本の侍達が生き残りを掛けて本気で戦った時、剣と魔法の異世界は勝てるのか?  これは、その疑問に答える物語。  異世界よ、戦国武士の本気を思い知れ――――。 ※「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも投稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...