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第二十四話 確認
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どうやら俺の予測は合っていたらしい。
「カユ会長! 答えて下さい! どうしてあいつとメイラを呼び寄せたんですか!」
ドアノブを回そうとした瞬間、扉が開くよりも先にユニの怒鳴り声が聞こえた。
……今入るのはやめておこう。咄嗟にそう思った俺はドアノブから手を離すと、扉のすぐ隣の壁に背中を預けた。
「あいつ? それは一体誰の事だ?」
「ジョンスの事よ! メイラから聞いたわ。あいつはハンターだって」
「……ほう、彼女が? 何故知っているのだ?」
「カユ会長、それはあいつがハンターだって認めるって事ですよね」
「あっ、駄目ですよユニちゃん。カユちゃんにかまかけるなんて事をしては」
「ソラお姉ちゃん……」
どうやらいるのはユニとカユ、それからソラの三人みたいだな。生徒会のツートップに突撃するなんて、いくら一人が姉妹だとしてもユニの行動力は凄いな。
「いいえ、かま掛けじゃないです。メイラはハンターとして活動しているあいつと関わりがあったのよ。それがどういう縁かまでは言えないけど。ともかく、あいつはハンター、実力だってこの身で経験したからわかる。あいつは強い、そして推薦されたメイラの存在。……カユ会長、答えて下さい、会長は戦力を集めているんじゃないですか?」
「私が戦力を集める? どうしてそんな事をする必要があると言うんだい?」
「はぐらかさないで下さい! そんなの……そんなのグラお姉ちゃんの復讐しかないじゃないですか!?」
「「——っ!」」
ドア越しだからユニの悲鳴にも似た叫びしか聞こえなかったけれど、二人の反応が聞こえないって事は、言葉を失っているって事だろうか。
グラ、それが生徒会の定期国外遠征でモンスターに殺されてしまったユニとソラの姉、西塔三姉妹長女の名前なのか。
「国外遠征で敵勢力と遭遇し戦闘となった。その戦いの中で三年生の二人が殺され、二年生の二人が無事に帰還した。全体報告ではモンスターに襲われたって聞いたわ。でも……本当にそうなの!?」
「そうだ。私たちはモンスターの群れに遭遇し、戦闘となった。敵の数は多く私たちは徐々に劣勢となったのだ。ユニならばわかるだろう? 数が時に質を上回るという事を」
「……ええ、数は力、それはわかります。……でも納得出来ない! カユ先輩とソラお姉ちゃんの強さをあたしは知ってるわ! それにマリン副会長だって防衛戦が得意な人だった。戦いの犠牲を減らす、安全な道をすぐに見つける事が出来る生徒会の策士だった……そして、グラお姉ちゃんの強さは圧倒的だった。それはソラお姉ちゃんだって良く知ってるでしょ!?」
「……うん、そうですね。グラ姉さんはとても、とても強い人でした。だからこそ、わたしたちを守るために殿を引き受けてくれたんですよ」
「グラお姉ちゃんが殿?」
殿か。撤退時に最後尾を担当し、仲間を守る大切なポジションだ。……当然、最も危険な立ち位置だ。
「そうだ。公式の報告では余計な混乱を呼ぶ可能性があり、そしてマリン前副会長の名誉を傷付ける事にもなりかねないために伏せていたが、ユニはグラ前会長の妹、家族だ。ならば知る権利がある」
「知る……権利?」
「私たちが遭遇したモンスターは……新種だったのだ」
新種のモンスター。
モンスターと一括りにしているがその系統は以前にも話したように多数ある。その上で新種だと表現したという事は……第四の種族という事か?
「灰色のヒビ割れた皮膚に、獣のような爪と牙。最初は魔獣だと思われていたのだが、その戦闘能力は私たちの想像を遥かに超えていたのだ」
「カユ会長? それは一体何の話ですか?」
ユニとしてはグラについて聞きたいだろうに、どうして新種のモンスターの話を?
「私たちが遭遇したのは無数のモンスターではない。ただ一体の新種だ」
「……え? で、でもっ——」
「報告はフェイクだ。私たち生徒会が一体のモンスターによって半壊したとなれば、混乱の種にしかならないだろう」
「そんな……そ、そんなわけないわ!」
「あったんですよユニちゃん」
動揺を露わにし感情的なユニに冷静な、聞き方によっては冷たい声を掛けるソラ。
「突然現れた新種の一撃によって、マリン先輩は首を落とされました」
「……ぇぇ? く、びを?」
「そうです。わたしたちは何も出来ませんでした。……そしてグラ姉さんは撤退を決定しました。己の身を盾として、わたしたちに逃げろと」
それで殿か。
「そ、それならグラお姉ちゃんが生きている可能性だって——」
「それはまずない」
グラが死ぬ姿を直接見たわけではない。ならばと期待に満ちた声をあげるユニの希望を、カユは即座に否定した。
「ど、どうしてですか!」
「ユニちゃん、あれから何日経っているかわかってるでしょう?」
「数日ならまだしも一ヶ月以上だ。グラ先輩の実力ならば戻って来られるはずだ。しかし、戻っていないのだ」
「……そんな……そんな……」
絶望に染まった表情を浮かべ、パタリとユニがその場に座り込む音が聞こえた。
「カユ会長! 答えて下さい! どうしてあいつとメイラを呼び寄せたんですか!」
ドアノブを回そうとした瞬間、扉が開くよりも先にユニの怒鳴り声が聞こえた。
……今入るのはやめておこう。咄嗟にそう思った俺はドアノブから手を離すと、扉のすぐ隣の壁に背中を預けた。
「あいつ? それは一体誰の事だ?」
「ジョンスの事よ! メイラから聞いたわ。あいつはハンターだって」
「……ほう、彼女が? 何故知っているのだ?」
「カユ会長、それはあいつがハンターだって認めるって事ですよね」
「あっ、駄目ですよユニちゃん。カユちゃんにかまかけるなんて事をしては」
「ソラお姉ちゃん……」
どうやらいるのはユニとカユ、それからソラの三人みたいだな。生徒会のツートップに突撃するなんて、いくら一人が姉妹だとしてもユニの行動力は凄いな。
「いいえ、かま掛けじゃないです。メイラはハンターとして活動しているあいつと関わりがあったのよ。それがどういう縁かまでは言えないけど。ともかく、あいつはハンター、実力だってこの身で経験したからわかる。あいつは強い、そして推薦されたメイラの存在。……カユ会長、答えて下さい、会長は戦力を集めているんじゃないですか?」
「私が戦力を集める? どうしてそんな事をする必要があると言うんだい?」
「はぐらかさないで下さい! そんなの……そんなのグラお姉ちゃんの復讐しかないじゃないですか!?」
「「——っ!」」
ドア越しだからユニの悲鳴にも似た叫びしか聞こえなかったけれど、二人の反応が聞こえないって事は、言葉を失っているって事だろうか。
グラ、それが生徒会の定期国外遠征でモンスターに殺されてしまったユニとソラの姉、西塔三姉妹長女の名前なのか。
「国外遠征で敵勢力と遭遇し戦闘となった。その戦いの中で三年生の二人が殺され、二年生の二人が無事に帰還した。全体報告ではモンスターに襲われたって聞いたわ。でも……本当にそうなの!?」
「そうだ。私たちはモンスターの群れに遭遇し、戦闘となった。敵の数は多く私たちは徐々に劣勢となったのだ。ユニならばわかるだろう? 数が時に質を上回るという事を」
「……ええ、数は力、それはわかります。……でも納得出来ない! カユ先輩とソラお姉ちゃんの強さをあたしは知ってるわ! それにマリン副会長だって防衛戦が得意な人だった。戦いの犠牲を減らす、安全な道をすぐに見つける事が出来る生徒会の策士だった……そして、グラお姉ちゃんの強さは圧倒的だった。それはソラお姉ちゃんだって良く知ってるでしょ!?」
「……うん、そうですね。グラ姉さんはとても、とても強い人でした。だからこそ、わたしたちを守るために殿を引き受けてくれたんですよ」
「グラお姉ちゃんが殿?」
殿か。撤退時に最後尾を担当し、仲間を守る大切なポジションだ。……当然、最も危険な立ち位置だ。
「そうだ。公式の報告では余計な混乱を呼ぶ可能性があり、そしてマリン前副会長の名誉を傷付ける事にもなりかねないために伏せていたが、ユニはグラ前会長の妹、家族だ。ならば知る権利がある」
「知る……権利?」
「私たちが遭遇したモンスターは……新種だったのだ」
新種のモンスター。
モンスターと一括りにしているがその系統は以前にも話したように多数ある。その上で新種だと表現したという事は……第四の種族という事か?
「灰色のヒビ割れた皮膚に、獣のような爪と牙。最初は魔獣だと思われていたのだが、その戦闘能力は私たちの想像を遥かに超えていたのだ」
「カユ会長? それは一体何の話ですか?」
ユニとしてはグラについて聞きたいだろうに、どうして新種のモンスターの話を?
「私たちが遭遇したのは無数のモンスターではない。ただ一体の新種だ」
「……え? で、でもっ——」
「報告はフェイクだ。私たち生徒会が一体のモンスターによって半壊したとなれば、混乱の種にしかならないだろう」
「そんな……そ、そんなわけないわ!」
「あったんですよユニちゃん」
動揺を露わにし感情的なユニに冷静な、聞き方によっては冷たい声を掛けるソラ。
「突然現れた新種の一撃によって、マリン先輩は首を落とされました」
「……ぇぇ? く、びを?」
「そうです。わたしたちは何も出来ませんでした。……そしてグラ姉さんは撤退を決定しました。己の身を盾として、わたしたちに逃げろと」
それで殿か。
「そ、それならグラお姉ちゃんが生きている可能性だって——」
「それはまずない」
グラが死ぬ姿を直接見たわけではない。ならばと期待に満ちた声をあげるユニの希望を、カユは即座に否定した。
「ど、どうしてですか!」
「ユニちゃん、あれから何日経っているかわかってるでしょう?」
「数日ならまだしも一ヶ月以上だ。グラ先輩の実力ならば戻って来られるはずだ。しかし、戻っていないのだ」
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