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第二十五話 拒否
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「……あれ? ねえ、待って、待って下さいっ!」
消えてしまいそうな直前の言葉からは一転し、焦燥に満ちた声を発するユニ。そんな彼女の反応に遅れて、俺もまた彼女が至ったであろう可能性に気が付いた。
「それならその新種が生きている可能性だってあるって事じゃないですか!?」
可能性? いや、それどころじゃない。グラが戻っていないつまり負けたのだとすれば高い可能性で新種とやらは生きているはずだ。
そんな都合良く相打ちしているとは思えない。そんなのは楽観的過ぎる。新種は生きているそう考えるべきだ。
「……否定はしない」
躊躇気味に言葉にするカユ。
それを認めてしまえば次の展開は予想出来る。最初の話に戻るんだ。
「それならやっぱり、戦力を求める理由は新種を迎え撃つために?」
「……そうだ」
ついに認めたか。
カユとしてはグラの妹であるユニには真実を伝えたかったのだろう。だけど、そこまで話してしまえば誤魔化す事は出来ない。
「それならあたしも!」
「ユニ——」
「駄目よ!」
カユの言葉を遮るように、いや、押し潰すかのように大きな声をあげるソラ。
それは今まで聞いた事がない強い言葉に俺は少し驚いた。
「どうして! どうしてそんな事を言うんですか! 相手は強大なんですよ! グラ姉さんでも勝てないほどの相手なんですよ!」
「だからこそよ! あたしはソラ姉さんの力になりたい! カユさんの手助けがしたい! それにグラお姉ちゃんの仇をあたしだって取りたいのよ!」
「駄目駄目駄目駄目っ! そんなの駄目! 絶対に駄目です!」
「お姉様……どうして……」
強い意志を見せるユニに対して、ソラのそれはあまりにも……言葉を失った。
「グラお姉様だけじゃないわ……マリン先輩だってあたしにとっては恩人よ! ソラお姉様と違ってあたしの炎は全然目覚めてくれない、媒体無しで炎を生み出す力を継承する西塔家の娘なのに全く炎が出せない。そんなあたしをマリン先輩は慰めてくれた。救ってくれた! マリン先輩の言葉があったから、だからあたしは剣の道を迷いなく進む事が出来たのよ! そんなマリン先輩が殺された! だからあたしは!」
「絶対にユニちゃんは参加させません! 何と言われようと! 何があろうと! 絶対に私は認めません!」
「……なんで……どうしてなの……」
ユニは今にも泣き出しそうな声をしていた。震えていて、弱々しくて……そんな声を聞いて俺はいつの間にか拳を強く握り締めていた。
「カユさん……あたしじゃ、役に立ちませんか? 足手まとい?」
「ユニ……済まない」
「——っ!」
僅かに嗚咽が聞こえた直後、中から走る音が聞こえた。荒々しく扉が開き勢い良く走り去るユニの姿があった。
彼女と目は合わなかった。だから向こうは俺に気が付かなかったようだ。だけど、俺は見てしまった。ユニが泣いているのを。
これは……放って置けないか。
「なあソラ、過保護にも限度があるんじゃないか?」
「……」
ユニが開きっぱなしにした扉を通りながらソラに声を掛けるものの彼女に反応はない。
多くの涙を孕んだ瞳をしたまま、彼女はまるで感情が抜け落ちてしまったかのような表情をしていた。
(その目、見覚えがある。それも最近だ。……確か、そうアンリだ)
前にユニを迎えに来た同じ一年の風紀委員。小柄で、絶望した目をしていた少女。
どうして? 何故お前がそんな目をしている? グラの事で負の感情が溜まっているのはわかる。だけど、どうしてそれほどまで深い闇を瞳に宿しているんだ?
お前にはまだ、ユニがいるだろう? その一線を越えるのは早いだろ。
「ジョンス殿、あまりソラを追い詰めないでくれ。どうしてもユニには参加させられない事情があるのだ」
「事情? なんだそれ——」
ユニの想いを全て無視し、涙を流させた事を仕方がないとする理由。それを問い正そうとした時だった。
町に異常を知らせる鐘の音が鳴り響いた。
消えてしまいそうな直前の言葉からは一転し、焦燥に満ちた声を発するユニ。そんな彼女の反応に遅れて、俺もまた彼女が至ったであろう可能性に気が付いた。
「それならその新種が生きている可能性だってあるって事じゃないですか!?」
可能性? いや、それどころじゃない。グラが戻っていないつまり負けたのだとすれば高い可能性で新種とやらは生きているはずだ。
そんな都合良く相打ちしているとは思えない。そんなのは楽観的過ぎる。新種は生きているそう考えるべきだ。
「……否定はしない」
躊躇気味に言葉にするカユ。
それを認めてしまえば次の展開は予想出来る。最初の話に戻るんだ。
「それならやっぱり、戦力を求める理由は新種を迎え撃つために?」
「……そうだ」
ついに認めたか。
カユとしてはグラの妹であるユニには真実を伝えたかったのだろう。だけど、そこまで話してしまえば誤魔化す事は出来ない。
「それならあたしも!」
「ユニ——」
「駄目よ!」
カユの言葉を遮るように、いや、押し潰すかのように大きな声をあげるソラ。
それは今まで聞いた事がない強い言葉に俺は少し驚いた。
「どうして! どうしてそんな事を言うんですか! 相手は強大なんですよ! グラ姉さんでも勝てないほどの相手なんですよ!」
「だからこそよ! あたしはソラ姉さんの力になりたい! カユさんの手助けがしたい! それにグラお姉ちゃんの仇をあたしだって取りたいのよ!」
「駄目駄目駄目駄目っ! そんなの駄目! 絶対に駄目です!」
「お姉様……どうして……」
強い意志を見せるユニに対して、ソラのそれはあまりにも……言葉を失った。
「グラお姉様だけじゃないわ……マリン先輩だってあたしにとっては恩人よ! ソラお姉様と違ってあたしの炎は全然目覚めてくれない、媒体無しで炎を生み出す力を継承する西塔家の娘なのに全く炎が出せない。そんなあたしをマリン先輩は慰めてくれた。救ってくれた! マリン先輩の言葉があったから、だからあたしは剣の道を迷いなく進む事が出来たのよ! そんなマリン先輩が殺された! だからあたしは!」
「絶対にユニちゃんは参加させません! 何と言われようと! 何があろうと! 絶対に私は認めません!」
「……なんで……どうしてなの……」
ユニは今にも泣き出しそうな声をしていた。震えていて、弱々しくて……そんな声を聞いて俺はいつの間にか拳を強く握り締めていた。
「カユさん……あたしじゃ、役に立ちませんか? 足手まとい?」
「ユニ……済まない」
「——っ!」
僅かに嗚咽が聞こえた直後、中から走る音が聞こえた。荒々しく扉が開き勢い良く走り去るユニの姿があった。
彼女と目は合わなかった。だから向こうは俺に気が付かなかったようだ。だけど、俺は見てしまった。ユニが泣いているのを。
これは……放って置けないか。
「なあソラ、過保護にも限度があるんじゃないか?」
「……」
ユニが開きっぱなしにした扉を通りながらソラに声を掛けるものの彼女に反応はない。
多くの涙を孕んだ瞳をしたまま、彼女はまるで感情が抜け落ちてしまったかのような表情をしていた。
(その目、見覚えがある。それも最近だ。……確か、そうアンリだ)
前にユニを迎えに来た同じ一年の風紀委員。小柄で、絶望した目をしていた少女。
どうして? 何故お前がそんな目をしている? グラの事で負の感情が溜まっているのはわかる。だけど、どうしてそれほどまで深い闇を瞳に宿しているんだ?
お前にはまだ、ユニがいるだろう? その一線を越えるのは早いだろ。
「ジョンス殿、あまりソラを追い詰めないでくれ。どうしてもユニには参加させられない事情があるのだ」
「事情? なんだそれ——」
ユニの想いを全て無視し、涙を流させた事を仕方がないとする理由。それを問い正そうとした時だった。
町に異常を知らせる鐘の音が鳴り響いた。
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