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第五話 貴族の娘
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朝から旅に出る最低限の準備を済ませると、管理人の部屋に向かった。
俺が住んでいるのはフェイが住んでいるような一軒家じゃない。集合住宅の一室を借りている状態だ。
楽園という夢のためにいずれは大豪邸を用意するつもりではいるけど、今は一人だし仮宿で十分だ。
ここには長らく住んでいたけど、今回の依頼の件で一年は戻る事がない。その事を管理人に説明しないとだな。
「一年ほど戻れないという話は聞きました。置いてある荷物についてはこちらでお預かりしておきますよ」
「えっ、いいのか?」
宿の管理人である園倉《そのくら》さんに話をしたところ、笑顔でそう返された。
「はいっ、ジョンス様は長く住んで下さっていますし、お仕事の都合であれば仕方がない事ですので、お部屋は私が責任を持って管理させて頂きますので、どうかご安心して下さい」
笑顔で優しい言葉を掛けてくれる園倉さん。
ここの管理人をしている園倉さんは、本当の宿主から雇われている雇われの管理人をしている女性だ。
ウェーブした長い茶髪をしていて、優しげな目元のお姉さん。管理人としては随分と若いけれど、雇われだって聞いて納得した。
そんな園倉さんだが、管理人としてはというか、相当良い人だ。
今の発言だって、俺がいない間に部屋の掃除なども定期的にしてくれるって意味なんだと思う。
荷物のある部屋を残しておいてくれるだけでもありがたいのに、そこまでしてくれる。それが園倉さんという美女お姉さんなんだ。
えっ? 年上じゃ興奮しない? そんな事ないね。ハーレムに年齢など関係ないのだよ!
「ありがとな! 戻ったらお礼に食事でも奢らせてくれるか?」
「本当ですか? ふふっありがとうございます。楽しみに待っていますね」
手を合わせて嬉しそうに笑みを浮かべてくれる園倉さん。
おや? いつも親切だなーとは思ってたけど……もしかして、可能性、あるのか?
「それじゃよろしくな!」
「はいっ、また元気な姿を見せて下さいね!」
ちょっと名残惜しく思いながらも、一年経てばまた会えるんだ、それも会えない時間が良いスパイスとなって最高の再会になるはずだ。
最低限の荷物を持って宿を出た後、まっすぐとギルドへと向かった。
いつもなら真っ直ぐと美人だけど素っ気無い受付嬢の元に向かうのだが、今日は約束があるからな。一階の居酒屋エリアに向かった。
「あれ、随分と早いんだな」
居酒屋エリアに到着すると、そこには昼から会う事になっていた少女、カユの姿があった。
「貴方こそ随分と早いのだな」
声を掛けると口に付けていたグラスを置いて立ち上がるカユ。
「昼間から酒か?」
「ふふっこれはただの果実水だ。さて、約束の時間までまだあるが、その顔、決意は固いみたいだな」
「ああ、依頼の件なら受けるぞ。そっちの準備は終わったのか?」
「勿論だ。馬車の用意も済ませている」
「それじゃあ約束の時間より早いけど出発するか?」
「その前に、その貴方は食事は済ませたのか?」
「いや、まだだな」
「そうか! ならば出発はここで食事をしてからにしないか!?」
「お、おお。俺はそれでも良いけど」
えーと、なんでそんなに興奮してんだ? 完全にヤバい奴の目になってるけど。
「さ、さあ座るのだ! 勿論支払いは私がする! 遠慮せず注文すると良いぞ!」
「そうか? そりゃごちそうさん」
なんか昨日から奢ってもらってばっかりだな。ラッキー。さーてと、何にするかな。
ふと顔を上げカユの様子を伺ってみると、何やら真剣な眼差しでメニュー表と睨めっこをしていた。
「むー、どれにするか。ここはシンプルに塩か? いや、タレも捨て難い……くっ、私はどうすれば良いんだっ」
ブツブツと小さく呪文を唱えているカユ。
「なあカユ、何をそんなに悩んでんだ?」
「えっ? いや、何、ギルドで食事をするのは初めてなのだ。それで迷ってしまってな」
そういえばカユって貴族の娘なんだっけか? 態度を改めるつもりなんてミジンコ分もないけど。
「せっかくの機会なんだし気になったの全部頼めば? 金は掛かるけどさ」
「しかし、それでは残ってしまうではないか」
「そーなったら他の奴らにやれば良いんだよ。たまにフェイとかやるぞ?」
酔った勢いで大量注文し、食べ切れないからと他の客に分ける。人の食べかけなんて嫌だって思う奴もいるだろうし俺もそうだけど、むしろフェイの食べかけって事で群がる男どもがいるのも事実なんだよなー。
フェイって美少女みたいな見た目だけど男だって事は公言してるし、みんな知ってるはずなんだけど……やっぱり信じてないんだろうなー。あの見た目じゃ仕方ないと思うけど。
それともまさか……いや、やめておこう。これ以上は考えるのダメ。色々と怒られそうだ。
「し、しかしそれはあまりにも失礼では」
「平気平気、むしろカユの食べ残しなら喜んで欲しがると思うぞ」
可愛い系のフェイとは違い、カユは綺麗系の美人だ。
どちらにせよ男からすれば魅力的な女性だからな。是非とも間接キスがしたいと思う紳士の皆様は多いだろう。……いやフェイは男だけど……うん。
「ななっ!」
何やら顔を赤くして動揺しているご様子のカユお嬢様。
こりゃあれだな。お嬢様だからそういう耐性が全くないんだな。となれば揶揄い甲斐があるって事になるわけだが……まあ、やめておくか。
「気になるならその都度別皿によそって食べれば良いだろ? カユスパイスはなくなっても十分喜ぶだろうよ」
「か、カユスパイス?」
困惑しているご様子のお嬢様。まあ、意味が通じなくても仕方がないと思うぞ。こんなのわかるのフェイくらいだろうからな。
「ほらほら、金あるものは消費する事で経済を回す義務がある。権力者なら尚更そう思わないか?」
「……権力者か。ふふっ私自身にそんなものは——」
「ああ、うるさい。グダグダ言わずに頼め! 食べたいものを我慢するなんて馬鹿がする事だぞ。金は使われるために存在してるんだからな!」
今、一瞬だけ悲しそうな顔をしていたな。
フェイが言うにはカユの親はこの国のトップファイブの一人。そんな大貴族の娘、それも頂上ならば色々と大変な事もあるんだろうな。
具体的には想像出来ないけど、人間関係って複雑でクソ面倒だからな。貴族社会となるとより一層ダルそうだ。
怪しさ満点の依頼だけど、安心して良いならそうとう美味しい依頼だし、その主たるカユの心象を良くしておくのはプラスになるだろう。
せめて出来る程度の気遣いはしてやんよ。
ハッキリと言い切った俺の言葉に心揺れてるみたいだけど「しかし……」とか、まだまだ悩んでるみたいだなこりゃ。
しゃーない。ならばこうしようではないか。
「なあカユ。奢ってくれるんだよな?」
「あ、ああ。先に言った通りそのつもりだが?」
「おけ、なら勝手に注文するな。おーい、注文良いかー?」
店員のお姉さんに手を上げて声を掛けると、これでもかってくらいに頼んだ。ええ、ええ、自重? 何それ自分の体重とか興味ありませんよって事で、頼みまくった。
「お待たせいたしました!」
元気な声と共に続々と料理を運ぶウエイトレスたち。
「こ、これはその……頼み過ぎなのではないか?」
「ん? もしかして支払いやばい感じ?」
「そういうわけではないが……」
「なら追加だな」
「追加っ!?」
驚いているカユをスルーして勝手に追加を注文した。
「ななっ」
テーブルいっぱいに置かれる大量の料理。いやー、我ながら頼み過ぎたな。確実に二、三十人前くらいはあるだろう。
「ほらほら、早く食べてみろって。俺もいただきまーすと」
カユがどう思うかわからないからな、取り皿によそってから食べ始めた。そんな俺を見て覚悟が出来たのか、恐る恐るといった風に料理に手を伸ばすカユ。
「なるほど、これがハンター料理というものか。少々味が濃いようにも思えるが、ふふっ、これが戦いのための活力になるのだな」
柔らかな笑みを浮かべ、食べる速度を上げるカユ。どうやら気に入ったみたいだな。
「ハムッ、アムッ、なるほど、なるほどっ」
次々と料理を口に運ぶカユ。……えーと、よく食べるんだな。なんというか既に三人前はいってると思うぞ? それでもスピードは変わってないし、まあ、美味しそうにたくさん食べる女子、良いと思います。
「ご馳走様でした。ふふっ、少々食べ過ぎてしまったな」
手を合わせた後そうして満足そうに笑うカユ。
少々、だと? 十人前くらいはいったぞ? よくもまあその身体にそれだけ入るもんだな。
あっ、そっか。その分の栄養が全部胸に蓄えられているって事か。納得。
「良い食べっぷりだったな」
女の子にそんな事を言うもんじゃない? いいやそんな事ないね。そもそも食べるのが恥ずかしいって思う前提がおかしいんだ。
「い、いや……その」
俺に言われ、ハッとしたように恥らうカユ。
「なんで照れるんだ? 食べるのは生きるって事だ。生物として当然の行いだろ」
「そ、それはそうかもしれないが」
「それにお前みたいな美人があんな美味しそうに沢山食べる姿は、見てて気持ち良かったぞ。ギャップもあってグッと来たし、私少食なのとか言って無駄に我慢する奴なんかより数倍好きだな」
「ななっ」
さっきとは違う意味で照れてるご様子のカユお嬢様。
なんだろう。こういうのに弱いのか? なんというか……チョロ……ごほんごほん。
「それじゃあ腹ごしらえも済んだし、行くとするか」
「あ、ああ。そうだな」
まだ頬を赤らめた状態のまま頷くカユ。
カユが支払いをしている間に近くの客にさっきの話をしておいた。その瞬間に激しい歓声が湧き上がった事で、カユの肩がビクッとなるのを俺は見逃さなかった。
なんだろう。カユって喋り方のせいでお堅いイメージがあるけど、実際は結構普通の女の子だよな。
俺が住んでいるのはフェイが住んでいるような一軒家じゃない。集合住宅の一室を借りている状態だ。
楽園という夢のためにいずれは大豪邸を用意するつもりではいるけど、今は一人だし仮宿で十分だ。
ここには長らく住んでいたけど、今回の依頼の件で一年は戻る事がない。その事を管理人に説明しないとだな。
「一年ほど戻れないという話は聞きました。置いてある荷物についてはこちらでお預かりしておきますよ」
「えっ、いいのか?」
宿の管理人である園倉《そのくら》さんに話をしたところ、笑顔でそう返された。
「はいっ、ジョンス様は長く住んで下さっていますし、お仕事の都合であれば仕方がない事ですので、お部屋は私が責任を持って管理させて頂きますので、どうかご安心して下さい」
笑顔で優しい言葉を掛けてくれる園倉さん。
ここの管理人をしている園倉さんは、本当の宿主から雇われている雇われの管理人をしている女性だ。
ウェーブした長い茶髪をしていて、優しげな目元のお姉さん。管理人としては随分と若いけれど、雇われだって聞いて納得した。
そんな園倉さんだが、管理人としてはというか、相当良い人だ。
今の発言だって、俺がいない間に部屋の掃除なども定期的にしてくれるって意味なんだと思う。
荷物のある部屋を残しておいてくれるだけでもありがたいのに、そこまでしてくれる。それが園倉さんという美女お姉さんなんだ。
えっ? 年上じゃ興奮しない? そんな事ないね。ハーレムに年齢など関係ないのだよ!
「ありがとな! 戻ったらお礼に食事でも奢らせてくれるか?」
「本当ですか? ふふっありがとうございます。楽しみに待っていますね」
手を合わせて嬉しそうに笑みを浮かべてくれる園倉さん。
おや? いつも親切だなーとは思ってたけど……もしかして、可能性、あるのか?
「それじゃよろしくな!」
「はいっ、また元気な姿を見せて下さいね!」
ちょっと名残惜しく思いながらも、一年経てばまた会えるんだ、それも会えない時間が良いスパイスとなって最高の再会になるはずだ。
最低限の荷物を持って宿を出た後、まっすぐとギルドへと向かった。
いつもなら真っ直ぐと美人だけど素っ気無い受付嬢の元に向かうのだが、今日は約束があるからな。一階の居酒屋エリアに向かった。
「あれ、随分と早いんだな」
居酒屋エリアに到着すると、そこには昼から会う事になっていた少女、カユの姿があった。
「貴方こそ随分と早いのだな」
声を掛けると口に付けていたグラスを置いて立ち上がるカユ。
「昼間から酒か?」
「ふふっこれはただの果実水だ。さて、約束の時間までまだあるが、その顔、決意は固いみたいだな」
「ああ、依頼の件なら受けるぞ。そっちの準備は終わったのか?」
「勿論だ。馬車の用意も済ませている」
「それじゃあ約束の時間より早いけど出発するか?」
「その前に、その貴方は食事は済ませたのか?」
「いや、まだだな」
「そうか! ならば出発はここで食事をしてからにしないか!?」
「お、おお。俺はそれでも良いけど」
えーと、なんでそんなに興奮してんだ? 完全にヤバい奴の目になってるけど。
「さ、さあ座るのだ! 勿論支払いは私がする! 遠慮せず注文すると良いぞ!」
「そうか? そりゃごちそうさん」
なんか昨日から奢ってもらってばっかりだな。ラッキー。さーてと、何にするかな。
ふと顔を上げカユの様子を伺ってみると、何やら真剣な眼差しでメニュー表と睨めっこをしていた。
「むー、どれにするか。ここはシンプルに塩か? いや、タレも捨て難い……くっ、私はどうすれば良いんだっ」
ブツブツと小さく呪文を唱えているカユ。
「なあカユ、何をそんなに悩んでんだ?」
「えっ? いや、何、ギルドで食事をするのは初めてなのだ。それで迷ってしまってな」
そういえばカユって貴族の娘なんだっけか? 態度を改めるつもりなんてミジンコ分もないけど。
「せっかくの機会なんだし気になったの全部頼めば? 金は掛かるけどさ」
「しかし、それでは残ってしまうではないか」
「そーなったら他の奴らにやれば良いんだよ。たまにフェイとかやるぞ?」
酔った勢いで大量注文し、食べ切れないからと他の客に分ける。人の食べかけなんて嫌だって思う奴もいるだろうし俺もそうだけど、むしろフェイの食べかけって事で群がる男どもがいるのも事実なんだよなー。
フェイって美少女みたいな見た目だけど男だって事は公言してるし、みんな知ってるはずなんだけど……やっぱり信じてないんだろうなー。あの見た目じゃ仕方ないと思うけど。
それともまさか……いや、やめておこう。これ以上は考えるのダメ。色々と怒られそうだ。
「し、しかしそれはあまりにも失礼では」
「平気平気、むしろカユの食べ残しなら喜んで欲しがると思うぞ」
可愛い系のフェイとは違い、カユは綺麗系の美人だ。
どちらにせよ男からすれば魅力的な女性だからな。是非とも間接キスがしたいと思う紳士の皆様は多いだろう。……いやフェイは男だけど……うん。
「ななっ!」
何やら顔を赤くして動揺しているご様子のカユお嬢様。
こりゃあれだな。お嬢様だからそういう耐性が全くないんだな。となれば揶揄い甲斐があるって事になるわけだが……まあ、やめておくか。
「気になるならその都度別皿によそって食べれば良いだろ? カユスパイスはなくなっても十分喜ぶだろうよ」
「か、カユスパイス?」
困惑しているご様子のお嬢様。まあ、意味が通じなくても仕方がないと思うぞ。こんなのわかるのフェイくらいだろうからな。
「ほらほら、金あるものは消費する事で経済を回す義務がある。権力者なら尚更そう思わないか?」
「……権力者か。ふふっ私自身にそんなものは——」
「ああ、うるさい。グダグダ言わずに頼め! 食べたいものを我慢するなんて馬鹿がする事だぞ。金は使われるために存在してるんだからな!」
今、一瞬だけ悲しそうな顔をしていたな。
フェイが言うにはカユの親はこの国のトップファイブの一人。そんな大貴族の娘、それも頂上ならば色々と大変な事もあるんだろうな。
具体的には想像出来ないけど、人間関係って複雑でクソ面倒だからな。貴族社会となるとより一層ダルそうだ。
怪しさ満点の依頼だけど、安心して良いならそうとう美味しい依頼だし、その主たるカユの心象を良くしておくのはプラスになるだろう。
せめて出来る程度の気遣いはしてやんよ。
ハッキリと言い切った俺の言葉に心揺れてるみたいだけど「しかし……」とか、まだまだ悩んでるみたいだなこりゃ。
しゃーない。ならばこうしようではないか。
「なあカユ。奢ってくれるんだよな?」
「あ、ああ。先に言った通りそのつもりだが?」
「おけ、なら勝手に注文するな。おーい、注文良いかー?」
店員のお姉さんに手を上げて声を掛けると、これでもかってくらいに頼んだ。ええ、ええ、自重? 何それ自分の体重とか興味ありませんよって事で、頼みまくった。
「お待たせいたしました!」
元気な声と共に続々と料理を運ぶウエイトレスたち。
「こ、これはその……頼み過ぎなのではないか?」
「ん? もしかして支払いやばい感じ?」
「そういうわけではないが……」
「なら追加だな」
「追加っ!?」
驚いているカユをスルーして勝手に追加を注文した。
「ななっ」
テーブルいっぱいに置かれる大量の料理。いやー、我ながら頼み過ぎたな。確実に二、三十人前くらいはあるだろう。
「ほらほら、早く食べてみろって。俺もいただきまーすと」
カユがどう思うかわからないからな、取り皿によそってから食べ始めた。そんな俺を見て覚悟が出来たのか、恐る恐るといった風に料理に手を伸ばすカユ。
「なるほど、これがハンター料理というものか。少々味が濃いようにも思えるが、ふふっ、これが戦いのための活力になるのだな」
柔らかな笑みを浮かべ、食べる速度を上げるカユ。どうやら気に入ったみたいだな。
「ハムッ、アムッ、なるほど、なるほどっ」
次々と料理を口に運ぶカユ。……えーと、よく食べるんだな。なんというか既に三人前はいってると思うぞ? それでもスピードは変わってないし、まあ、美味しそうにたくさん食べる女子、良いと思います。
「ご馳走様でした。ふふっ、少々食べ過ぎてしまったな」
手を合わせた後そうして満足そうに笑うカユ。
少々、だと? 十人前くらいはいったぞ? よくもまあその身体にそれだけ入るもんだな。
あっ、そっか。その分の栄養が全部胸に蓄えられているって事か。納得。
「良い食べっぷりだったな」
女の子にそんな事を言うもんじゃない? いいやそんな事ないね。そもそも食べるのが恥ずかしいって思う前提がおかしいんだ。
「い、いや……その」
俺に言われ、ハッとしたように恥らうカユ。
「なんで照れるんだ? 食べるのは生きるって事だ。生物として当然の行いだろ」
「そ、それはそうかもしれないが」
「それにお前みたいな美人があんな美味しそうに沢山食べる姿は、見てて気持ち良かったぞ。ギャップもあってグッと来たし、私少食なのとか言って無駄に我慢する奴なんかより数倍好きだな」
「ななっ」
さっきとは違う意味で照れてるご様子のカユお嬢様。
なんだろう。こういうのに弱いのか? なんというか……チョロ……ごほんごほん。
「それじゃあ腹ごしらえも済んだし、行くとするか」
「あ、ああ。そうだな」
まだ頬を赤らめた状態のまま頷くカユ。
カユが支払いをしている間に近くの客にさっきの話をしておいた。その瞬間に激しい歓声が湧き上がった事で、カユの肩がビクッとなるのを俺は見逃さなかった。
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