実力を隠して勇者パーティーの荷物持ちをしていた【聖剣コレクター】の俺は貧弱勇者に【追放】されるがせっかくなので、のんびり暮らそうと思います

jester

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第10話 こ、このままでは俺の財布がっ!!

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「そ、それは……言葉のあやというか、何というか……ひっ! ま、待ってくれ! 」

「せっかくカッコいいところもあるじゃないかと感心したのに、まったく残念なヤツだな……」

 俺が冗談でニヤけながら近づくと怯えた顔で悲鳴をあげながら必死に束縛から逃れようとするレーウィンと、俺の横で一言余計な事を言うセレナ。

 セレナに一言いいたい事がある……お前だけには残念とか言われたくない!!。

「お前だけには残念とか言われたくない!!」

「あ? なんだと?」

 口に出てた……。

 破裂音が響き渡ったあと、腫れた頬を押さえながら拘束を解くとレーウィンは複雑そうな顔をしながら。

「お前らが一緒に行動していることが謎で仕方がないんだが……仲間……だよな?」

「一応仲間だ、見た目を変えてやったんだから約束は守れよ? 冒険者になるってほうだけでいいからさ」

 レーウィンはコクリと頷くと立ち上がり真面目な顔で。

「私は……レーウィン・アルバルト、高貴な血筋であるアルバルト家の娘だこれからよろしく頼む」

 キリッとした顔で自己紹介をするレーウィンだったが。

「俺はノエル・ハーヴィンだ今更カッコつけても遅いけどな」

「私はセレナだ! よろしくな! 今更カッコつけても遅いけど!」

 先程の醜態を指摘されたのがよほどこたえたのか、顔を真っ赤にしながらプルプル震え噴火まで一歩手前と言った感じになっている……なんか既視感を感じる。

 そして現在、顔を真っ赤にして喋らなくなったレーウィンのとなりを歩くセレナが気持ちは分かる、などと俺の愚痴を永遠とこぼしている。

 そして街に着く頃には二人とも仲良くなっていた、主に俺に対する印象で意気投合したようだ。

 俺からしてみたらいつか手を組んで復讐されるかもしれないと思うと、気が気ではないのだが……。

「ほう、これが人間の街か……初めて入ったが意外と栄えているじゃないか!」

「そうだろう! 私も初めて入った時は驚いたんだ! この街は串焼きが美味いんだぞ」

 レーウィンが見つめる先にはセレナが指差した屋台がある。

「ゴクリ……た、確かに美味しそうだな」

「私に任せておけ! いいか? 私と一緒に……(コソコソ)」

 コノヤロウ、俺にいつまでも泣き落としが効くと思うなよ! 口を開いたら間を置かずに断ってやる!

 ニコニコと不気味に笑うセレナと少し恥ずかしそうなレーウィンがてくてくと歩み寄ってくる、来るならこい!!。

「「ご主人様ぁ~私たちに串焼きを恵んでにゃん♪」」

 何とか死線を潜り抜けギルドに着くとちょうどギルドマスターが出迎えてくれた。

「やあ! ノエル君……ど、どうしたのかね? そんな暗い顔をして……まさか!?」

「ああ……負けたよ……」

 まさか串焼きを10本買わせられるとは……泣き落としと見せかけて媚を売ってくるなんてな……。

 俺が擬態させたとはいえあんな美人のお姉さんにあんなことを言われたらな……セレナはともかく。

「君でも倒せないとなるとその魔族は相当強かったのかい? でも見た感じ傷もないようだし……」

「強いなんてもんじゃない、あれはマズイ……早急に対策を考えないと俺の財布が持たない!」

 それまで真剣な顔をしていたギルドマスターは気の抜けたような顔をして聞き返してきた。

「その……魔族の話では? あと気になっていたのだけど君の仲間が増えているような気がするのだが……」

 そうだ! ここには報告に来たんだった。

「そのことについて話がある、ここでは何だ場所を変えたいのだが」

「分かった、こちらへ来てくれ……詳しい話を聞こう」

 急に真面目な話をした俺を見て顔を引き締めたギルドマスターが、執務室へと案内をしてくれた。

 さて、ここからは交渉の時間だ。

「ここで大丈夫かい? 遺跡に住み着いた魔族はどうなったのかな?」

「正直に言おう、レーウィンこっちに来てくれ」

 レーウィンはセレナの相手を一旦やめて緊張しながらギルドマスターの正面まで歩いてくる。

 これからしようと思っている事を察したらしく俺に向かって小さく頷く。

「この子がどうかした……」

 俺は聖剣の能力を解除しレーウィンを本来の姿に戻すと、ギルドマスターは口を大きく開けたまま固まった。

「こういうことだ、コイツとは顔見知りでね」

「魔界から追い出されて遺跡に住み着いていた」

「ちょ、ちょっと待ってくれ! なぜ君は彼女をここに連れてきたんだ? 」

 普通なら情報量が多すぎて思考が止まるところだが、伊達にギルドマスターを名乗ってはいないらしい。

 思考が回らないうちに話を有利に進めるつもりだったんだが。

 こうなっては仕方がない正攻法でいくしかないか。

「彼女は魔界にも帰れず、人間界で暮らすのも不可能だ、でも森で食料に困り人間に手を出すしかない状況にするのはマズイだろ?」

「だから、人間に擬態させてこの街で冒険者をさせようと思って連れてきた、そのためにあなたに許可をもらいたい」

「大体の話は理解したよ、でもそれはできない……ギルドにとってリスクが多すぎる」

 当然そうくるよな……ここからどう言いくるめるか。
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