18 / 32
第11話 お、お前ら!!もしかして俺の貞操を……
しおりを挟む
「なら、これならどうだ? レーウィンは俺たちのパーティーで監視する、おかしな真似はさせないと約束しよう」
「うむ……いや、しかし……」
それでもまだ渋るギルドマスターだったが、俺の一言で余裕の表情が変わる。
「そうか、じゃあ俺たちは冒険者をやめるしかないな……別に魔物退治は冒険者じゃなくてもできるし金には困っていない、国王に報告するならすればいい」
「目をつけられたのならさっきまでレーウィンを擬態させていたように、姿をくらませれば済む話だしな」
俺が余裕たっぷりにそう言うと更に取り乱し、慌てて引き止めようとしてきた。
ここまで来たら流れはこちらに傾く、あとは適当に流すだけだ。
「ま、待ってくれ!! Aランク冒険者がいなくなった穴はそう簡単には埋められない!!」
「貴方が抜ければギルドにとって……いや国にとって損失だ! どうかやめないでくれ! この件については、ここだけの秘密にする!」
少し強引だったが結果としては上々か。
まあ、聖剣を使うのは、少しズルかったかもしれないが。
「よし、じゃあレーウィンを俺たちのパーティーに入れて監視すると言うことで交渉成立だな! これからもよろしく頼む」
「君には負けたよ……これは報酬だ、問題を解決してくれてありがとう」
「一つ聞いていいかな? 君は何者なんだ? 魔族を仲間にしてしまうなんて……」
帰ろうと思いレーウィンの擬態をかけ直しているとギルドマスターはそんな疑問を投げかけてきた。
「言っただろ? 俺は平和に暮らしたいだけのただの冒険者だよ」
「二人とも先に一階に行っててくれ、トラブルは起こすなよ?」
セレナとレーウィンが部屋から出るよう促すと二人は出て行った。
「ああ、分かったお前も早く来いよ?」
静かにドアが閉まると静まり返った部屋にいるのは俺とギルドマスターだけ。
「なんか聞きたいことがあるんだろ?」
「君は面倒事を嫌うのになぜレーウィン君を助けたんだい? 君にメリットはなかったはずだ」
「まぁ、レーウィンの前じゃ絶対に言わないがアイツはいい奴だよ……だから助けた……多少の面倒は覚悟の上でな」
ギルドマスターは声こそ出さなかったが目を見開き驚いてる。
「最後にひとつ……人類の敵でもかい?」
「関係ないさ、人間でも悪い奴はいるし魔族でもいい奴はいる」
「フフッ……そうか、これからの活躍期待しているよ」
何やらスッキリした顔のギルドマスターに背を向け俺は部屋を後にする。
久々に真面目な話をしたから疲れたな……。
ドアを閉めると夕飯時ということもあり、一階の酒場はかなり賑わっているようだ。
その中で一際大きい声が聞こえる……聞き覚えのある声だ。
「果汁ジュースと串焼きをおかわり! あとこのステーキを持ってきてくれ!」
「な、なあ、セレナ……いいのか? 勝手に頼んで、ノエルに怒られるんじゃ……」
まさかとは思うがアイツら自分の金も持ってないのに、好き勝手に注文してるんじゃないだろうな!?。
そのあとは結局、全額を俺が払うことになった……ご満悦そうな顔のセレナと少しもじもじしているレーウィンを引き連れ宿屋に帰ってきたが、ここでトラブルが発生した。
「ごめんねぇ、今夜は満員でもう空いてる部屋がないんだけど、どうなさる?」
「そうか、しょーがないから私はノエルの部屋でいいぞ? 本当にしょうがないけど! 空いていないんだったら仕方がないもんな~」
「わ、私だって! べ、別に相部屋だってかまわない……ぞ?」
なぜか耳を少し赤らめたセレナと顔全体を真っ赤にしたレーウィンが後ろで言い合いを始めたがそんなことはどうでもいい!。
「お前ら! 俺に何をするつもりだ! 貞操だけは守って見せる!」
「「何もしねぇよ!! 勝手に守ってろ!!」」
コイツら本人の前で押し付け合うなんていい度胸しているじゃないか……こうなったらこちらにも考えがある!。
「女将、コイツら2人とも俺の部屋で寝かせるからセレナの部屋は他の人に譲ってくれ」
「「えっ!!?」」
ギャイギャイ騒ぐと思ったら思いのほか大人しく部屋まで着いてきた2人と同じベットで寝ている状況なんだが、まったく寝れない!
俺は床で寝て2人にはベットで寝てもらう予定だったのだが何かを勘違いしたらしいコイツらは俺をベットに引き摺り込んだ。
「な、なあ、ノエル……一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
騒ぐかと思いきや割とすぐに寝てしまったセレナを間に挟みながらレーウィンが話しかけてきた。
「なんだ、お前も便所か? まったくいい歳なんだから1人で行けるようになれよ?」
「ち、違う! ……真面目な話だ」
「なんだよ」
冗談を言っていると、急に真面目な顔になってレーウィンが話し始めた。
「うむ……いや、しかし……」
それでもまだ渋るギルドマスターだったが、俺の一言で余裕の表情が変わる。
「そうか、じゃあ俺たちは冒険者をやめるしかないな……別に魔物退治は冒険者じゃなくてもできるし金には困っていない、国王に報告するならすればいい」
「目をつけられたのならさっきまでレーウィンを擬態させていたように、姿をくらませれば済む話だしな」
俺が余裕たっぷりにそう言うと更に取り乱し、慌てて引き止めようとしてきた。
ここまで来たら流れはこちらに傾く、あとは適当に流すだけだ。
「ま、待ってくれ!! Aランク冒険者がいなくなった穴はそう簡単には埋められない!!」
「貴方が抜ければギルドにとって……いや国にとって損失だ! どうかやめないでくれ! この件については、ここだけの秘密にする!」
少し強引だったが結果としては上々か。
まあ、聖剣を使うのは、少しズルかったかもしれないが。
「よし、じゃあレーウィンを俺たちのパーティーに入れて監視すると言うことで交渉成立だな! これからもよろしく頼む」
「君には負けたよ……これは報酬だ、問題を解決してくれてありがとう」
「一つ聞いていいかな? 君は何者なんだ? 魔族を仲間にしてしまうなんて……」
帰ろうと思いレーウィンの擬態をかけ直しているとギルドマスターはそんな疑問を投げかけてきた。
「言っただろ? 俺は平和に暮らしたいだけのただの冒険者だよ」
「二人とも先に一階に行っててくれ、トラブルは起こすなよ?」
セレナとレーウィンが部屋から出るよう促すと二人は出て行った。
「ああ、分かったお前も早く来いよ?」
静かにドアが閉まると静まり返った部屋にいるのは俺とギルドマスターだけ。
「なんか聞きたいことがあるんだろ?」
「君は面倒事を嫌うのになぜレーウィン君を助けたんだい? 君にメリットはなかったはずだ」
「まぁ、レーウィンの前じゃ絶対に言わないがアイツはいい奴だよ……だから助けた……多少の面倒は覚悟の上でな」
ギルドマスターは声こそ出さなかったが目を見開き驚いてる。
「最後にひとつ……人類の敵でもかい?」
「関係ないさ、人間でも悪い奴はいるし魔族でもいい奴はいる」
「フフッ……そうか、これからの活躍期待しているよ」
何やらスッキリした顔のギルドマスターに背を向け俺は部屋を後にする。
久々に真面目な話をしたから疲れたな……。
ドアを閉めると夕飯時ということもあり、一階の酒場はかなり賑わっているようだ。
その中で一際大きい声が聞こえる……聞き覚えのある声だ。
「果汁ジュースと串焼きをおかわり! あとこのステーキを持ってきてくれ!」
「な、なあ、セレナ……いいのか? 勝手に頼んで、ノエルに怒られるんじゃ……」
まさかとは思うがアイツら自分の金も持ってないのに、好き勝手に注文してるんじゃないだろうな!?。
そのあとは結局、全額を俺が払うことになった……ご満悦そうな顔のセレナと少しもじもじしているレーウィンを引き連れ宿屋に帰ってきたが、ここでトラブルが発生した。
「ごめんねぇ、今夜は満員でもう空いてる部屋がないんだけど、どうなさる?」
「そうか、しょーがないから私はノエルの部屋でいいぞ? 本当にしょうがないけど! 空いていないんだったら仕方がないもんな~」
「わ、私だって! べ、別に相部屋だってかまわない……ぞ?」
なぜか耳を少し赤らめたセレナと顔全体を真っ赤にしたレーウィンが後ろで言い合いを始めたがそんなことはどうでもいい!。
「お前ら! 俺に何をするつもりだ! 貞操だけは守って見せる!」
「「何もしねぇよ!! 勝手に守ってろ!!」」
コイツら本人の前で押し付け合うなんていい度胸しているじゃないか……こうなったらこちらにも考えがある!。
「女将、コイツら2人とも俺の部屋で寝かせるからセレナの部屋は他の人に譲ってくれ」
「「えっ!!?」」
ギャイギャイ騒ぐと思ったら思いのほか大人しく部屋まで着いてきた2人と同じベットで寝ている状況なんだが、まったく寝れない!
俺は床で寝て2人にはベットで寝てもらう予定だったのだが何かを勘違いしたらしいコイツらは俺をベットに引き摺り込んだ。
「な、なあ、ノエル……一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」
騒ぐかと思いきや割とすぐに寝てしまったセレナを間に挟みながらレーウィンが話しかけてきた。
「なんだ、お前も便所か? まったくいい歳なんだから1人で行けるようになれよ?」
「ち、違う! ……真面目な話だ」
「なんだよ」
冗談を言っていると、急に真面目な顔になってレーウィンが話し始めた。
83
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる