初めての恋

ぱる@あいけん風ねこ

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02 野木崎side

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◇◆◇



俺には好きな人がいる。
相手はきっと、俺のことなんかなんとも思ってないと思うけど、と言うか俺認識されてるのかな?とすら思うような相手だけど、それでも好き。

彼女を好きになったのは1年の時。
同じ委員会で、1人で黙々と作業してて、下向いてる横顔がすごい綺麗だなって思った。
髪の毛は長くて顔にかかってるけど、その隙間から覗く顔はシュッとしてて綺麗で目が離せなくなった。

話してみたいって思った時にはもう声かけてて、1人黙々としてた作業を無理やり手伝った。
クラス違うから見かけたことはあったかも知れないけど、今日まで知らなかったことに少し後悔した。

話してみると、とても落ち着いてて声も柔らかくて聞き取りやすくて、雰囲気がふんわりしてて、好きになるのにそう時間はかからなかった。
人見知りなのか、ちょっと辿々しいけど、それでも話してくれることが嬉しくて、勝手に浮かれる。


2年になって、同じクラスで見かけた時は本当に嬉しかった。
2年、3年はクラス替えないから、これから2年間一緒にいれるんだって。
どうやって話しかけよう?俺のこと覚えてくれてるかな?とか色々考えてたら、気付いたらもうすぐ冬になる季節になってた。

夏休み前に、たまたま教室で友達と話してる会話が耳に入ってきた。
彼女は、地方の大学を受験するって。
ここからいなくなるって聞いて、内心焦った。
早く話しかけないと、少しでも俺の印象残さないと!って。

だから今日、美術部のある西棟にきて、美術部が終わる時間まで待ってた。

隣の教室の鍵をかける音が聞こえたから廊下に出たら、指で窓作って外を見てる彼女がいた。
片目を瞑って指の窓を覗き込む彼女が本当に綺麗で、見惚れてた。




(ハッ!声かけなきゃ!)




そう自分を奮い立たせて声をかける。
ちょっと声が上擦ったのは内緒。
しょうがないじゃん。好きな子を目の前にしたら緊張もするって。



色々話をして、まさか俺の名前知っててくれてる!ってちょっと舞い上がって。
去年に比べたら、辿々しい雰囲気もなく話が出来て本当に嬉しかった。

そして、やっぱり地方の大学を受験するって。
静岡なら…ここから2時間で行けるけど…うん、俺も静岡の大学行こうかな?
なんだっなら同じ大学にしてもいいよな…。
いやでも、美術が強い大学で、俺に合った教科はあるのかな?あとで調べよう。

そう思いながら、惣谷さんと廊下を歩く。
一歩後ろをついてくる惣谷さんを横目でチラチラ見ながら、このまま送って行くとか、ありかな?とかも考える。




「…惣谷さん」
「はい?」
「家って、近いの?」
「え?」
「いや、もう暗いから送るよ」
「え、わ、悪いよ」
「いや、女の子1人で帰らせる方が心配だから、送らせて?」
「でも…」
「ね?」
「………うん」




よしっ、第一段階クリア!
こうやって惣谷さんと話してて思ったのは、やっぱり俺、彼女のことが好きってこと。
突然言われたら引かれるかも知れないし、なんとも思ってない奴から言われても嬉しくないだろうけど、きっと今日告白しないとダメな気がしてる。
勇気出せ、俺!




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