私のしあわせ

ぱる@あいけん風ねこ

文字の大きさ
15 / 26
season 2

07

しおりを挟む



◇◆◇



京輔さんと久しぶりにしたデートは、思ってた以上に楽しかった。
まぁ…同級生に会ったのは予想外だったけど。その時の京輔さんかっこよかったから…うん。

それから、次の休みはお義母さんとお買い物に行った。
京輔さんは本当に車出して荷物持ちと化してた。

それからさらに数日。
いつものように楽しくお仕事してたら、呼んでもない人がやってきた。




「梨恵ちゃん!」
「え、はい?」
「梨恵ちゃんにお客さんなんだけど…」
「え?」




血相を変えた顔して悦子さんがバックヤードに入ってきて、私にお客さんだと。え、誰?




「梨恵にお客さん?」
「あ、京輔くん!そうなのよ!」
「どんな人?」
「女の人なんだけどね、キツイ言葉で「梨恵いないの?!」って言ってるのよ」 
「……あー」




それ聞いただけで誰だかわかった。
多分…というか絶対に姉の茉莉絵だ。
いまさら何しにきたの…?




「梨恵」
「うん…?」
「俺も一緒に行く」
「…うん」




京輔さんと共にお店に出たら、いまだに怒鳴ってる声が聞こえてきた。
よくないけどよかったのは、お客さんがいないこと。




「…お姉ちゃん」
「梨恵!早く出てきなさいよね!」
「…何しにきたの?」
「何その態度!ムカつくわね!」
「………、」




いや、ムカつくのこっちなんだけど。
私たち、もう関係ないんだよ。あの時に終わったんだよ。本当にいまさらなんなの。




「で、何しにきたの?」
「あんたの旦那、私にくれない?」
「は…?」
「いいじゃない。あんたのものは私のものでしょ?」
「何言ってんの…?」
「友達に彼氏いるって言っちゃってさぁ、あんたの旦那かっこいいからちょうだいよ」
「っ………」




なんなんだ、こいつ…なんなんだこいつ!!
京輔さんはものじゃないし、あげるとかあげないとかじゃないし、そうやって人のもの奪おうとしないでよ…!!




「マジでうぜぇ…」
「っ…京輔さん?」
「あんたなんなの?さっきから」
「っ、あ…ちょうどいるじゃない!」
「…ほんと、信じらんねぇ」
「ねぇ、私にしない?私の方がっ…!」
「うるせぇんだよ、お前」 
「っひ、!」




隣にいた京輔さんが、いつもと違う声でいつもと違う態度で姉に掴み掛かった。
姉は、その迫力に怖くなって足がガクガクしてる。




「梨恵がお前になにした?お前に迷惑かけたの?」
「ひっ、やめっ…」
「誰がお前みたいなやつに靡くかよ。ふざけんなよ、マジで」
「ごめっ、なさ…っ!」
「二度と梨恵に近づくなよ」
「はっ、ぃ…」




その後、姉は無理やり外に出されて、京輔さんが「悦子さん塩巻いといて!」って言ってそのまま私の手を掴んでバックヤードに引っ込んだ。
みんなが気を使ってか、バックヤードには私たちだけ。




「梨恵…ごめん…怖かったよね?ごめん」
「だい、じょうぶ…」
「ごめん…」
「京輔さん…大丈夫だから」
「うん…っ」
「ありがとう、かっこよかったよ」
「ほ、ほんと…?俺…怒ると口悪くなるし、血が上ると周り見えなくなるし…」
「大丈夫。大丈夫だから」
「うん…」




あんな京輔さん初めて見たけど、確かに怖いって一瞬思っちゃったけど、でもそれは私を守るための怒りであって、怖さはすぐになくなった。

私多分可笑しいんだ。
どんな京輔さんを見てもかっこいいって思うし、すごく愛おしいって思う。




「京輔さん」
「ん…?」
「大好きですよ」
「っ…!!梨恵ー!!」
「あははっ、くすぐったいよ」
「うぅーっ、好きちょー好き大好き愛してる!!」
「うん。私も』




怒ってても泣いてても笑っててもどんな京輔さんも大好きだし愛おしい。

ほんと、どれだけ私のこと虜にすればいいんだろう、この人は。

やっぱり私のしあわせは、京輔さんの隣にあるんだなって、再確認した。






それからの日々は平和。
平和すぎるぐらい平和。

多絵さんがお休みの日に1人息子の智慧(ちえ)くん連れできてくれたり、修司さんや坂本さんが彼女さん連れてきてくれたり、京輔さんのお兄さんが様子見に来てくれたり。
あと相変わらず朝限定の常連の雄三さんとまったりしたりしたりして、いつも通りの日常。




「今日あったかいねぇ」
「そうだね」
「お花見したいねぇ」
「お弁当作って今度行こうか?」
「いいねぇ。サンドイッチがいいなぁ」
「京輔さんの好きなのいっぱい作ろうね」
「梨恵の好きなのもね?」
「うん」
「梨恵大好きだよ?」
「ふふ。私も大好きだよ?」
「くぅっ…!かわいい!何その首こてんってして言うの!狙ってる!?狙ってるよね?!」
「あはは、なにそれ」
「はぅっ!梨恵かわいすぎてダメ!その笑顔俺以外に見せちゃダメだからね?!」
「はいはい」




家のベランダに置いてるベンチに2人で腰掛けて日向ぼっこ。
気づいたら季節は春になってた。
もうそろそろ結婚して3年目。
私たちは、いまだに仲良しだし、いまだに好き同士で、こらからもずっとそうでありたいと思います。




END




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

こんなはずじゃなかったのに。思わぬ恋のその先は。

あい
恋愛
課長と部下の思いもよらない恋の始まり。 少女漫画好きの初心者が描いている会話を中心とした「漫画風小説」です。 温かく見守って頂けると嬉しいです。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。 五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。 ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。 年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。 慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。 二人の恋の行方は……

俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛

ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎 潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。 大学卒業後、海外に留学した。 過去の恋愛にトラウマを抱えていた。 そんな時、気になる女性社員と巡り会う。 八神あやか 村藤コーポレーション社員の四十歳。 過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。 恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。 そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に...... 八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

〖完結〗終着駅のパッセージ

苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。 彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。 王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは振り返る。 夫と婚姻してから三年という長い時間。 その間に夫が帰宅したのは数えるほどだった。 ※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。

遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜

小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。 でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。 就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。 そこには玲央がいる。 それなのに、私は玲央に選ばれない…… そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。 瀬川真冬 25歳 一ノ瀬玲央 25歳 ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。 表紙は簡単表紙メーカーにて作成。 アルファポリス公開日 2024/10/21 作品の無断転載はご遠慮ください。

処理中です...