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season 3
05
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それから1ヶ月後。
梨恵は最近体調があまり良くなくて、今日はひだまりはお休み。だから1人寂しく家に帰って来た。
夕飯は、叔父さんが作ってくれたから大丈夫。
俺も梨恵も大好物の生姜焼き。
叔父さんが作ってくれる生姜焼き本当に美味いんだよなぁ。
「ただいまぁー」
梨恵に早く会いたくて、ちょっと急足で家着いたらお迎えなし。
あれ?もしかして寝てる?と思いながらリビングに行ったら、ソファに座ってぼーっとしてる梨恵がいた。
「梨恵?どした?」
「っ、あ…お帰りなさい、京輔さん」
「うん?ただいま。どうした?」
「…………あのね」
「うん?」
「あの…、」
どこか緊張した顔してる梨恵。
隣に座って自分に引き寄せて顔を覗き込む。
「どした?なんかあった?」「あの、ね?」
「うん?」
「………、みたい」
「え?」
「赤ちゃん…出来た、みたい」
「…………まじで?」
「う、ん…」
体調があまり良くなくて、生理もきてなかったから情緒に問題があるのかと思って病院に行ったら、産婦人科に行かされて、やっぱ生理来ないのやばいよね?と思ったら、「おめでとうございます」って言われたって。
「っ………!!!!!梨恵!!」
「っ!」
「ありがとう…本当にありがとう…っ!嬉しい…嬉し過ぎてやばい…っ!」
「きょ、すけさ…っ」
「ありがとう…本当にありがとう…絶対大切にする…ずっとずっと一緒にいる。梨恵、ありがとう」
「うん…っうん…私も、ありがとう…っ」
それからはすごかった。
親父と母さんに連絡して、叔父さんと悦子さんにも連絡して、次の日の休みを無理やり取って、もう一度梨恵と産婦人科に行くことにした。
親父と母さんも、泣きながら喜んでくれて、叔父さんと悦子さんも喜んでくれた。
「すごいね…これ、赤ちゃんだよ」
「うん」
色々バタバタしてたら時間なんかあっという間に過ぎてって、気づいたら妊娠から3ヶ月経ってた。
何回か一緒に病院行って、今日初めてエコー写真もらった。
家帰ってきてから、2人でじっくり写真見たら、なんか神秘的過ぎて泣きそうになる。
「………」
「………」
梨恵のお腹に優しく触れて、まだそこまで目立たないお腹を撫でてみた。
ここにいるんだ、俺と梨恵の子供が。
「男の子かな、女の子かな?」
「どっちだろうね?」
「どっちでも、楽しみだなぁ…」
「そうだね」
そういえば、梨恵はあまり悪阻に悩まされなかった。
気持ち悪いって言ってた時期もあったし、パイナップルしか食べれなかったこともあったけど、そこまで辛そうにはしてなかった印象。でも辛かったのかな…どうなのかな…梨恵って自分から言ってくれないこと多いからな…。
俺がちゃんと気づかないとな…気をつけなきゃ。
今はだいぶ落ち着いてて、比較的穏やかに過ごせてる。
勿論、ひだまりに出勤は禁止してる。
梨恵は働きたいって言ってたけど、俺が気が気じゃないし気になりすぎて仕事どころじゃなくなるから頑張って説得した。
でも、動かないのもダメだから、俺の出勤が遅番の日は散歩したりしてる。
近くの公園に行ったり、スーパーまで一緒に行ったり。
正直、今まで梨恵に任せっきりだったから、なんかすごく新鮮で楽しくて、これからは俺も一緒に行ったり、家のこともっと手伝おうって思った。
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