私のしあわせ

ぱる@あいけん風ねこ

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番外篇

いつの間にか 修司side

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これは、まだ京輔くんと梨恵ちゃんが付き合ってることを知らなかった俺の話。



今日は珍しく遅番で、出勤時間15分前にお店に到着した。
裏口から入って、更衣室に繋がってる事務所に入ろうとしたら、後ろから悦子さんに引き止められた。




「修司くん!」
「え?あ、悦子さん、おはよ…うわっ!」
「今はダメなの!」
「は?」




腕引っ張られて、悦子さんに「今はダメ!ダメなの!」と言われて、そのまま厨房に連れてかれた。

何が何だか分からないまま厨房に連れて行かれ、何処か興奮してる悦子さんと、その悦子さんを見て若干呆れ顔の正行さんがいた。




「え、ダメなの?なんで?」
「なんでもよ!」
「はぁ?」




いやいや、俺もうすぐで出勤時間なんですけど?!と思いながら事務所に行かせてくれない悦子さん。
行かせてくれない理由も教えてもらえず、とにかく今はダメと言われる。




「いや、もう出勤の時間…」
「…そうね。じゃあ、あと10分は我慢して」
「はぁ…?」




仕方なく10分間だけ行くのを我慢した。
何故だ?と言うか、京輔くんと梨恵ちゃんいないな。
もしかして、事務所で大事な話とかしてるのかな?だから入っちゃダメとか?

そんなこと考えながら10分経ってて、流石にあと5分で着替えてタイムカード押すとか、かなりギリギリだったから、悦子さんの静止を振り切って事務所に向かった。

ちょっと急足で向かって事務所のドアを開けたら、そこには信じられない光景があった。




「………え?」
「しぃーっ」




ドアを開けたその先には、京輔くんの肩に頭を乗せて眠ってる梨恵ちゃんがいて、京輔くんは俺を見た瞬間、口に指を当てて「しぃー」のポーズ。
またもや何が何だか分からないまま、取り敢えず梨恵ちゃんを起こさないように静かに歩いて、更衣室に入った。

着替えてる最中考えるのは、さっきの光景。
京輔くんの肩に頭預けて寝てる梨恵ちゃん。
そんな梨恵ちゃんに寄り添ってる京輔くん。
どう言うこと?何があったの?え、どう言うこと?!
と、頭の中はパニック状態。

もしかして…2人は付き合ってるのか…?いやでも、梨恵ちゃんって、高校生だよな…?京輔くんの年齢は…俺の3つ下だから22歳。ギリセーフなのか?いやでも梨恵ちゃんって、まだ17歳だよな…?
そんな事考えながら着替えて、結局タイムカード押したのは、出勤時間1分前だった。
因みに、着替えて事務所に出たら誰もいなかった。




それから数日後。今日はお店が1か月に一度ある休みの日で、朝から暇してたから久しぶりに買い物行くかーと街に出た。

周りはカップルだったり家族連れだったりで賑わってる。
俺は1人寂しく買い物。

そんな時、少し前に見知った人がいた。
そう、京輔くんと梨恵ちゃんだ。
何人か挟んで見える2人は、距離が近くてやっぱ付き合ってんのかな?と思いながらじーっと見てたら、目の前にいた人が曲がって2人の背中がはっきり見えた。
その時、2人の手元を見たら繋がれてて、それでようやく確信した。付き合ってるんだって。

別に、付き合い始めた事は言う必要もないし、多分きっと、言いづらいんだと思う。
でもちょっと寂しい。
別に、梨恵ちゃんの事好きとかそう言うのじゃなくて、俺的には梨恵ちゃんは妹みたいな感じだったから、妹が取られた感じ。
実際、俺妹いないけど。弟いるけど。

でも、チラッと見えた2人の顔は、幸せそうで、すごく笑顔で、ああよかったなって。




「あー…俺も彼女欲しい…恋愛したい…」




1人寂しくゴチて、2人とは違う方向に向かった。




後日、出勤した時に京輔くんに「梨恵ちゃんと付き合ってるんだな」と言ったら、めちゃくちゃ真っ赤な顔してびっくりしてた。でも、すっごい幸せそうな顔して「うん」と言った京輔くんに、心から祝福の言葉を贈った。



ちくしょう。俺はまだまだ独り身だよ。寂しいよ…誰か俺と付き合って…!!



その数年後、最愛の彼女が出来ることは、この時の俺はまだ知らない。




END






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