25 / 26
番外篇
プレゼント 京輔side
しおりを挟むまだ、梨恵とお付き合いをする前の話。
「ねぇ、悦子さん」
「なに?」
「梨恵ちゃんって、何が好きなのかなぁ」
「え?」
半年前にアルバイトで雇い始めた神崎 梨恵ちゃん。
歳は17歳、現役の高校生。
10代にしては大人しい子で、クールビューティって言葉が似合うような女の子。
最近は仕事にも慣れてきてくれて、1人でホールも任せられるようになった。
ただ、酔っ払い酒ぶっかけ事件があったから、なるべく俺もホールに出るようにしてるけど。
あの時の梨恵ちゃん…可愛かったんだよなぁ…。
本人には絶対に言えないし、こんな気持ち不謹慎だし。
でも、本当に可愛かったんだよなぁ。
守りたいって、一緒にいたいって本気で思ってさ。
俺、もう22なのに、17歳の女の子に恋するとか…ないよなぁ、とは思うんだけどこの気持ちを蔑ろに出来ないくらいに惚れちゃってるんだよなぁ。
「…え、まさか」
「…うん」
「…梨恵ちゃん、高校生よ?」
「知ってるよ」
「…犯罪でしょ」
「だよねぇ…」
こんなこと、悦子さんにしか相談出来ないんだよ。
両親に言ってもいいけど、絶対に白い目で見られるだろうし…。
でも、好きなんだよなぁ、本当に。
「何きっかけよ」
「…この前の酔っ払い酒ぶっかけ事件」
「え…?」
「あの時さ、梨恵ちゃん震えてたじゃん」
「そうね…怖かっただろうからね」
「それ見たらさ…守ってあげたいって思って、一緒にいたいって思って、あー好きだってなった」
「まぁ…」
多分、俺性癖可笑しいんだと思う。
すげぇ心配もしたけど、それ以上にかわいい好き付き合いたい一緒にいたいの気持ちが強かった。
こんなこと初めてで、正直自分の気持ちに戸惑ったけど、それでもやっぱ好きの気持ちが強い。
「宗治さんには言うの?」
「まだ言わないよ」
「そう」
「絶対に白い目で見られるもん」
「そうかしら?」
「そうだよ。22の男が17の女の子に恋してるんだよ?こいつやばいって思われるよ、絶対に」
「そうかしら…?」
あー…早く梨恵ちゃん来ないかなぁ。
今日も遅番だから、来るのまだ5時間もあるし。
今日は雨降ってるからお店暇だし。
会いたいなぁ、梨恵ちゃんに。
「で、何かプレゼントしたいの?」
「ん?うん。仕事頑張ってくれてるからさ、それで」
「まぁね。案外このお店大変だもんね」
「うん。あ、悦子さんにも何かあげるからね?」
「ふふ。いいわよ、私は」
「そうもいかないよ。悦子さんにもあげないと梨恵ちゃんに変に思われる」
「…そういうこと」
「うん」
何が好きなのかな?と言うか、最近の高校生には何が流行ってるんだ?よく分からん。
アクセサリーは、絶対にダメだ。重すぎる。
ぬいぐるみ…とかはきっと梨恵ちゃんのキャラじゃない。
無難に文房具系とかの方がいいのかな…学校でも使えるだろうし。
でも…働いてるお店の上司からもらって嬉しかったりするのか?迷惑になりそうな気がするな…あー、どうしよう…でも何かプレゼントしたいんだよなぁ…。
今は俺のこと何にも意識してないだろうし、なんだったらただの雇い主だし。
あー…どうしよう?
◇◆◇
「梨恵ー?」
「んー?」
「何してんの?」
「お義母さんにお手紙書いてる」
「手紙?なんで?」
「ん?お手紙くれたから」
「そっか。…あ、それ」
「ん?あ、これ?」
「うん。まだ持ってたんだ?」
「うん。ずっと使ってる」
「そっか」
「うん」
あの時、梨恵に何かプレゼントしたいと思ってた時、結局買ったのはずっと使える万年筆だった。
学校で使えなくても、社会に出たら使えるかな?と思って。
梨恵とお付き合い出来なくても、もしかしたらそれで俺のこと思い出してくれるかな?とか思ってプレゼントした。
それを今も使ってくれてる梨恵。
やばい、愛しい気持ちが溢れてきた。
「わっ…。なに?」
「んーん。梨恵好きだなぁって」
「ふふ。なに、いきなり?」
「好きだよ、梨恵」
「うん。私も好きだよ」
「へへ」
また、新しいモノプレゼントしようかな。
今度は、俺とお揃いのアクセサリーとか、いいんじゃない?
END
0
あなたにおすすめの小説
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
こんなはずじゃなかったのに。思わぬ恋のその先は。
あい
恋愛
課長と部下の思いもよらない恋の始まり。
少女漫画好きの初心者が描いている会話を中心とした「漫画風小説」です。
温かく見守って頂けると嬉しいです。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。
五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。
ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。
年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。
慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。
二人の恋の行方は……
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。
彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。
王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは振り返る。
夫と婚姻してから三年という長い時間。
その間に夫が帰宅したのは数えるほどだった。
※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる