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03 - 一学年 二学期 冬 -
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しおりを挟む気のせいなのは分かってるけど、あのカーディガン事件(俺の中ではすでに事件だ)の後から、大倉の距離感が可笑しい気がする。
この前は、珍しくお昼に呼び出しされなかった大倉も一緒にご飯食べてたんだけど、いきなり大倉が俺に箸を突き出してきて「食べる?」って言いながら卵焼きを口元に持ってきたり(所謂あーんだ)、違う日には、俺のお気に入りスポットで一人ぼーっとしてたら大倉が来て、何も言わずに隣に座って(しかも腕が触れる距離だ)、大倉も一緒にぼーっとしてたり。
とにかく可笑しいんだ。
仲良くなったんだと思えば良い事だと思う。
俺も、大倉と仲良くなれたんだと思ったら嬉しいし、多分友達って心から言えるし。
でも、どうしても友達の距離とは思えない時もあって、心が落ち着かない。
残りの仕事も片付けて、図書室の最終点検も終わって図書室から出る。
鍵は俺たちで片付けるから、山本さんには先に帰ってもらった。
まだ17時だと言っても、今の時期は陽が落ちるのが早くて外はもう薄暗くなってる。
流石に女の子をこれ以上遅く帰らせるのは忍びないから、まだ少し明るいうちに早めに帰した。
「んー…っ!はぁ…。大倉、帰ろう」
「うん。…な、相澤」
「んー?」
「変な事、お願いしてもええ?」
「変な事?なに?」
「………」
「大倉?」
何だか緊張してるような、ソワソワしてるような顔しながらじーっと見られてる。
何。え、何?
多分時間にして数秒しか目を合わせてないんだけど、その大倉の目を見て俺も何故かソワソワしてきた。
じーっと見つめられて、俺も何故か目が離せなくて大倉をじーっと見て。 やっぱイケメンだな、大倉って。
「…手、貸して」
「は?手?」
「うん」
「どうぞ…?」
手を差し出したら、恐る恐ると言った感じで俺の手をぎゅってされた。
何。え、何?(リターンズ)
「お、大倉…?」
「……ちょっとだけ、繋いでてもええ?」
「え、あ…い、いいけど…」
何だろう。なんか、なんか…心臓痛い。
すごくぎゅってする。
ぎゅってされた俺の手は、大倉の大きな手に覆われて、その暖かさに何故か涙が出そうになった。
それと同時に、俺の心臓も泣きそうになった。
雪が降りそうな、泣きそうな空を背に、俺は大倉の温もりを感じていた。
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