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11 - 二学年 二学期 冬 -
08
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「ただいまぁ」
「お邪魔します」
あの後、おみくじを引きに行って、2人で引いたら、大倉は吉、俺は中吉を引いた。
2人とも去年よりは良かったから満足。
「風呂は?入るか?」
「んー、朝入らしてもらう」
「おっけー。俺もそうする」
「うん。…航、こっちきて」
「あ、うん…」
俺の部屋に来たら、大倉の分の布団がちゃんと敷いてあった。
去年と違ってちゃんと伝えてたからだな、うん。母さん、ありがとう。
用意してあった布団に胡坐かいて座ってる大倉の足の上に、後ろ向きで座らされて、そのままぎゅってされてる。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
だから逆に良かったかも…今大倉の顔見れない。し、俺も見せられない。絶対顔真っ赤だ。
「…航」
「っ、な、に…」
「…好きやで」
「ぅ、うん…」
いや、これはこれでやばいかも。
耳元で大倉のちょっと掠れた声が響いてやばいかも。
声までイケメンとかほんと、ずるい。なんなんだよ、大倉!
「…航はさ」
「う、ん?」
「……進路、どうするん?」
「え、進路?」
「うん」
「いきなりだな…」
いや、甘ったるい声でいきなり進路の話ですか。拍子抜けしたじゃねぇか。
でも、進路か…進路なぁ…。
「大倉は、どうすんの?」
「あ、質問を質問で返したらあかんねんで」
「え、」
「あと、名前、呼んでくれへんの?」
「え?」
「時間」
「……あ」
そう言われて部屋にある時計に目をやったら、去年大倉に告白された時間になってて、ちょうど大倉と付き合って1年になった。
ああ…そっか、1年になったのか。凄いな、1年も一緒に大倉といるのか。そっか。
「ふふっ」
「なんで笑うん?」
「いや…凄いなって」
「なにが」
「こうやって大倉と……太史、と一緒にいることが」
「っ……あかん」
「へ?」
「不意打ちの名前呼びはあかんっ!」
「ええええ…?」
んな、理不足な。
呼んでって言ったの大倉…じゃなかった、太史なのに。
「わがまま言うてもええ?」
「え、なに?」
「…あのな、名前呼びはずっとして欲しかったし、これからもして欲しいねん」
「うん?」
「でもな、たまに大倉って呼ばれたい願望もあんねん」
「はぁ?」
「航だけやねん。俺のこと大倉って呼び捨てすんの」
「え、そうだったの?」
「うん。大体は大倉くんって呼ぶから」
「あー…確かに」
確かに、大倉の周りにいる奴は大体大倉くんって呼んでたな。
真琴ですら大倉くんって呼んでるしな。
え、じゃあ大倉呼びでもよくね?え、ダメなの?
「矛盾してるんは分かってるんやけどな、でもやっぱ名前呼びもされたいねん」
「そっか」
「あかん…?」
「んはっ。いいよ、分かった。頑張って使い分けてみる」
「んふふふ。ありがと」
「おう」
頑張る。でも、どう頑張っていいのかは分かんない。
使い分けるって言ったけど…どうやって?どんな場面で大倉って呼べばいいんだ?学校でだったら大倉呼びのままでもいいのか?いやでも、太史呼びもちょっとしたいかなぁ?とか思ってるし…むずかしい…。
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