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12 - 二学年 三学期 冬 -
04
しおりを挟む「ごめんな?航」
「うん… いいよ…うん…」
大倉も一緒に夕飯食べて、ちょっとゆったりして大倉の帰る時間になった。
若葉公園まででいいよって言われたから、そこまで大倉のお見送り。
手を繋いで若葉公園までゆっくり歩く。
雪は降ってないけど、かなり寒い。
吐く息が白くて、それ見てるだけでも寒いんだけど、繋いでる手はずっとあったかくて、なんだかしあわせ。
「ええ人やね、お姉さん」
「うん。歳が離れてるから、多分いまだに俺のこと子供だと思ってるんだと思う」
8歳も離れてたら、そりゃいつまで経っても子供扱いなんだろうな。
でも、姉ちゃんも陽介さんも、受け入れてくれてよかった。
自分の弟が同性好きとか、例え家族でも受け入れるのってつらいと思うんだ。
そう考えたら父さんも母さんもすごい。
こんな親不孝な息子のこと受け入れてくれてるんだから。
「…あんな、航」
「ん?」
「一個だけ、航に謝らないとあかんことあんねん」
「へ?」
「…俺な、どうしても航のこと離してあげられへんねん」
「う、うん?」
「でな、いっそのこと、周り固めてしまえって思ってん」
「………ん?」
「周り固めたら、俺から離れられへんやん?」
「……は?」
「だから、亜希子さんとか明人さんとかに好かれるように頑張って」
「…………」
「今日も、お姉さんに直接言うたら、逃げられへんやん?」
「………は、」
「やから、ごめんな?」
「何言って…、」
「絶対に、離してあげられへんから」
「おおくら、」
「…重くて、ごめんな」
「…………」
正直何言われたのか理解するのに頭使ってるけど、でも心がすっごい喜んでるのは分かる。
確かに、大倉の気持ちは重いと、思う。
でも、嫌かと言われたら嫌じゃない。
嬉しいの気持ちの方が勝ってる。
自分で言うのも恥ずかしいけど、それだけ俺のこと好きで居てくれてるってことでしょ?
そんなの、嬉しいに決まってる。
「…太史」
「うん?」
「…好きだ」
「…んふふ。うん。俺も」
繋いでる手に力を込めて、真っ直ぐ大倉の目を見て、大倉の目を見たら、さらに好きの気持ちが増えていって、どちらがともなく、唇が触れ合った。
寒い寒い冬の夜、俺たちはさらにお互いを好きになった。
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