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第三章
39話 宣戦布告
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「さぁ、やって参りました久々の飛び入り挑戦者。入場してもらいましょう。選手・玖音と調教師の篠崎凛!」
凛と神獣姿の玖音が会場に入場してくる。
普段は盛り上がるところであったが、玖音の神々しいまでの美しい姿を受け、観客からはどよめきが起こる。
「彼女が選んだのは、なんと勝ち抜きランカー戦! 久々の参加者は、道場破りだった!? 一体、彼女らは、我々にどんな戦いを見せてくれるのでしょうか」
MCが紹介を行うと、ワンテンポ遅れて会場が沸き上がる。
怖ろしくも美しいモンスターが道場破りとのことで、観客達の期待指数は爆上がりであった。
対戦相手である熊のモンスター・ブラッドベアが入場し、最初の試合が始まる。
「実に美しいモンスターですね。見たことない種類のモンスターですが、如何見ますか?」
「実力は完全に未知数ですね。どこの協会にも所属していなかったとのことで、モンスターバトルの選手としては素人のようですが。あの出で立ち、ただ者ではないでしょう」
解説者達が話す中、ブラッドベアが玖音へと飛び掛かって来る。
食らいつこうとしたその瞬間、玖音が振り払うように素早く爪で引っ掻くと、ブラッドベアの巨体が吹っ飛んだ。
大きく飛ばされ、場外に倒れる。
あっという間の決着であった。
一瞬で決着が着き、会場は静まり返る。
僅かな静寂が続いたところで、審判が判定を告げると、会場全体が一気に沸き上がった。
クールに佇んで歓声を浴びる玖音だが、その表情は満更でもない様子だった。
その後も玖音は、順調に勝ち進んで行く。
「やっぱり余裕ね。優勝賞金、結構高額だし、これからはモンスターバトルで稼ぐのもいいかも」
試合の合間、凛達は控室で休憩していた。
「出るのは今回限りじゃ」
「えー、こんなに割がいいのに?」
「今回は卑劣な輩が許せぬから出ただけで、これもある意味不正じゃぞ?」
「そりゃ、そうだけどねー」
雑談をしていると、施設側の扉が開いた為、神獣姿の玖音は慌てて口を閉じる。
入って来たのは、ベルガモンスターバトル協会の会長だった。
凛達は身構え、緊張した空気となるが、会長はニコニコとした笑顔で手揉みをしながら話し始める。
「もー、凄腕のモンスターテイマーでしたのなら、先に言ってくださいよー。その若さで、こんなにも素晴らしいモンスターを従魔にしているなんて、さぞ名のあるテイマーなのでしょうね」
「……何しに来たのよ」
「それは勿論、先程の失礼な態度をお詫び致したいと思い、伺わせていただきました。先程は、誠に申し訳ありませんでした」
玖音の活躍を受け、清々しい程の掌返しをしてきた。
「それは八百長や工作を認めるってこと?」
「そうですね。お恥ずかしい限りですが、貴方の指摘通り、故意に勝敗を操作しておりました」
あっさりと認めた為、凛達は思わず面食らう。
だが、そんな凛達に会長は言葉を続けた。
「それで、ですね。凛様にお願いがあるのですが、勝ち抜き戦最後の試合で、負けて頂けないでしょうか」
「はぁ?」
「勿論、優勝賞金と同額の賞金はお渡しします」
会長の頼みとは、よりにもよって八百長の協力要請であった。
「馬鹿じゃないの。そんなのに協力する訳ないじゃない」
「では、賞金を更に二十パーセント、いえ、三十パーセント上乗せしましょう」
「どれだけ積まれてもお断りよ」
「ですよね……。では、勝っていただいて構いません。その代わり、このベルガの新たなスターとなっていただきたい」
「それも嫌よ。モンスターバトルの選手になる気はないわ。私が参加した理由は、貴方達のやったことが許せなかったから。貴方が手塩にかけて育てた無敗の王者を、ぎったんぎったんに叩きのめして、二度と八百長なんてしようと思わせないようにしてあげるわ」
凛が宣戦布告すると、笑顔だった会長の顔が怒りの形相に変わる。
「下手に出ていれば、調子に乗りおって! 後悔することになるぞ」
「できるものなら、やってみなさい」
「覚悟しておけ!」
会長は激怒しながら控室から出て行った。
凛と神獣姿の玖音が会場に入場してくる。
普段は盛り上がるところであったが、玖音の神々しいまでの美しい姿を受け、観客からはどよめきが起こる。
「彼女が選んだのは、なんと勝ち抜きランカー戦! 久々の参加者は、道場破りだった!? 一体、彼女らは、我々にどんな戦いを見せてくれるのでしょうか」
MCが紹介を行うと、ワンテンポ遅れて会場が沸き上がる。
怖ろしくも美しいモンスターが道場破りとのことで、観客達の期待指数は爆上がりであった。
対戦相手である熊のモンスター・ブラッドベアが入場し、最初の試合が始まる。
「実に美しいモンスターですね。見たことない種類のモンスターですが、如何見ますか?」
「実力は完全に未知数ですね。どこの協会にも所属していなかったとのことで、モンスターバトルの選手としては素人のようですが。あの出で立ち、ただ者ではないでしょう」
解説者達が話す中、ブラッドベアが玖音へと飛び掛かって来る。
食らいつこうとしたその瞬間、玖音が振り払うように素早く爪で引っ掻くと、ブラッドベアの巨体が吹っ飛んだ。
大きく飛ばされ、場外に倒れる。
あっという間の決着であった。
一瞬で決着が着き、会場は静まり返る。
僅かな静寂が続いたところで、審判が判定を告げると、会場全体が一気に沸き上がった。
クールに佇んで歓声を浴びる玖音だが、その表情は満更でもない様子だった。
その後も玖音は、順調に勝ち進んで行く。
「やっぱり余裕ね。優勝賞金、結構高額だし、これからはモンスターバトルで稼ぐのもいいかも」
試合の合間、凛達は控室で休憩していた。
「出るのは今回限りじゃ」
「えー、こんなに割がいいのに?」
「今回は卑劣な輩が許せぬから出ただけで、これもある意味不正じゃぞ?」
「そりゃ、そうだけどねー」
雑談をしていると、施設側の扉が開いた為、神獣姿の玖音は慌てて口を閉じる。
入って来たのは、ベルガモンスターバトル協会の会長だった。
凛達は身構え、緊張した空気となるが、会長はニコニコとした笑顔で手揉みをしながら話し始める。
「もー、凄腕のモンスターテイマーでしたのなら、先に言ってくださいよー。その若さで、こんなにも素晴らしいモンスターを従魔にしているなんて、さぞ名のあるテイマーなのでしょうね」
「……何しに来たのよ」
「それは勿論、先程の失礼な態度をお詫び致したいと思い、伺わせていただきました。先程は、誠に申し訳ありませんでした」
玖音の活躍を受け、清々しい程の掌返しをしてきた。
「それは八百長や工作を認めるってこと?」
「そうですね。お恥ずかしい限りですが、貴方の指摘通り、故意に勝敗を操作しておりました」
あっさりと認めた為、凛達は思わず面食らう。
だが、そんな凛達に会長は言葉を続けた。
「それで、ですね。凛様にお願いがあるのですが、勝ち抜き戦最後の試合で、負けて頂けないでしょうか」
「はぁ?」
「勿論、優勝賞金と同額の賞金はお渡しします」
会長の頼みとは、よりにもよって八百長の協力要請であった。
「馬鹿じゃないの。そんなのに協力する訳ないじゃない」
「では、賞金を更に二十パーセント、いえ、三十パーセント上乗せしましょう」
「どれだけ積まれてもお断りよ」
「ですよね……。では、勝っていただいて構いません。その代わり、このベルガの新たなスターとなっていただきたい」
「それも嫌よ。モンスターバトルの選手になる気はないわ。私が参加した理由は、貴方達のやったことが許せなかったから。貴方が手塩にかけて育てた無敗の王者を、ぎったんぎったんに叩きのめして、二度と八百長なんてしようと思わせないようにしてあげるわ」
凛が宣戦布告すると、笑顔だった会長の顔が怒りの形相に変わる。
「下手に出ていれば、調子に乗りおって! 後悔することになるぞ」
「できるものなら、やってみなさい」
「覚悟しておけ!」
会長は激怒しながら控室から出て行った。
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