旅して作ろう! 百合娘による女の子ハーレム ~異世界巡って、ご当地女の子集め~

白井よもぎ

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第四章

46話 詐欺露店

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 ベルガを発った凛達は、新たな街へと到着する。

 領都フェルシア。
 ビフレフトやベルガなど、これまで旅した町が所属する領の首都で、領内では最大の規模を誇る都市であった。
 ただ、領自体が辺境に位置している為、国全体としてはそれほどでもなく、
そこはかとなく素朴さを醸し出していた。

 街に入った凛は、一先ず商店街に入り、一人で食料や生活用品の買い出しを行う。
 また、いつ夜逃げすることになるかもわからなかったので、先に買い溜めすることにしたのだ。

「二回連続で夜逃げとか、普通にヤバいわね。よくよく考えてみると、夜逃げする原因の何割かは玖音にある気がするわ……」

 闇組織襲撃の際に派手に暴れたり、試験と称して殺害を指示したりと、玖音が夜逃げする原因の一端を担っていたことは間違いない。
 だが、基本的な物事の決定は凛が行っていたので、あまり文句を言うことはできなかった。

 凛がお店を見回しながら歩いていると、通り掛かった衣料品店の店頭で、可愛らしい子供服を見つける。

「あ、可愛い。この服いいわね」

 その服を手に取り、誰に一番似合うか妄想する。

(キュート系だから、ラピスちゃんかしら? シーナちゃんでもいいかもね。意外性でフラムちゃんもありかも。いや、クレアちゃんも捨てがたいわ)

 旅に同行してる女の子は、ファッションに対して無頓着な子が多かったので、着る服の大体は凛が選んでいた。
 文句も言われず、好きに自分好みに飾り付けられる為、衣服の買い物は、凛の密かな楽しみの一つであった。

(玖音にも着せたいけど、変身すると破れるからって着てくれないのよねー。この前は勝手なことしてくれたから、罰として一回、無理矢理着させてやろうかしら。うん、いい考えだわ)

 遊びでの着せ替えなら、常に身に着けている訳ではないので、問題ない。
 それに気付いた凛は、早速玖音に着せたい衣服を探し始める。

(どうせなら、着なさそうなのを着せるのもいいわね。ふふふ、滅茶苦茶子供っぽいパンツ履かせてやろっと)

 悪戯っぽい笑みを浮かべながら、玖音に着させる衣服を選んで行った。


 衣料品店で買い物を終えた後も、凛は引き続き商店街巡りを続けている。
 表通りから外れ、路地裏の方へと入ると、街並みが若干荒んだ感じに変わり、店舗よりも露店が多く立ち並ぶようになってきた。

(こっちは貧民区の商店街かしら? こういうところって、何だか掘り出し物がありそうな感じがするわね)

 露店に並べられていたのは、明らかに質の悪そうな物や、売り物とも思えないようなガラクタばかりだったが、だからこそ価値の知られていない掘り出し物がありそうな雰囲気があった。

 歩きながら品物を見る凛だが、女の子がいると、そちらにも目が行く。

(お、可愛い子発見)

 露店を見ている客の中に、荒んだ商店街には場違いの、小綺麗な恰好をしている犬耳の少女がいた。
 その子は露店の店主と何やら話しているようだった。

 近くを通りがかると、凛の耳に二人の会話が聞こえてくる。

「アーティファクトなのに、そんなに安いのですか」
「はい! 今だけ特別。期間限定九割り引きなんです! これを逃したら一生後悔しますよ」

 店主は豪華な装飾が付いた杖を見せながら、女の子にセールストークを行っていた。

 その様子を見た凛は眉を顰める。
 あのようなアーティファクトは凛の記憶にはない。
 それ以前に、異常な割引率や、何故こんな場所で売っているのかなど、おかしいところだらけだった。

「でも、流石にそれだけのお金をすぐに用意するのは、ちょっと……」
「ご心配なく! 今この場で契約していただけるなら、分割支払いも受け付けます。先に契約しておけば、誰かに買われることもなくなりますので、安心ですよ」
「そんなサービスまでしてくれるのですか。親切なお店ですね」
「うちは、お客様第一ですから。ほら、ここにサインと血判をどうぞ」
「はい」

 少女は言われるがまま、店主が差し出した書類にサインをしようとした為、凛は慌てて介入する。

「ちょ、ちょっと。それ買うの?」

 凛が口出しすると、その子と店主が振り向く。

「あ、はい。もしかして、貴方も買いたいのですか?」
「違う違う。それ、アーティファクトじゃないんだって。偽物を売りつけようとしてる詐欺よ」

 詐欺であることを指摘すると、少女は思いもしなかったことだったからか、きょとんとする。
 すると、店主が慌てて言う。

「何を言う! これは正真正銘、アーティファクトですぞ。失礼なことを言うのは止してくれ」

 慌てて反論した店主は、次に少女に向けて、にこやかな笑みで言う。

「お客様、違うのですよ。あの人は、このお得な商品を取られたくないから嘘をついてるだけです」
「んな訳ないでしょ。こんな子に偽物売りつけるなんて、恥ずかしくないの?」
「言いがかりも甚だしい! 商売の邪魔だ。さっさと、どっか行け!」
「言いがかりも何も、普通に考えておかしいじゃない。本物って言うなら、今ここで使ってみせなさいよ」

 凛が証明を要求すると、店主はニヤリと笑みを浮かべる。

「では、使って見せましょう。このアーティファクトの効力は、魔法効果の増幅と無限の魔力。ですから私のような商人でも、これを使えば……」

 店主は一歩後ろに下がり、握った杖を足元に向ける。
 すると、そこから火柱が上がった。
 一本だけでは終わらず、曲芸のように次々とひばりらが上がって行く。

「凄い……」

 少女は感銘を受けたように声を漏らす。
 火柱のパフォーマンスで、信じてしまったようだった。

「どうですか? こんなこと、普通の魔法使いでもできませんよ」

 店主は自信満々に言う。
 だが、凛は白けた顔で、火柱に手を突っ込んだ。
 凛の手が火に炙られるが、皮膚が焼けるような気配は一切ない。

「これ、幻影よね。しかも……」

 凛が身を乗り出して、店主のポケットに手を突っ込んでいた方の腕を掴んで、引き抜く。
 露わになったその手には、魔石が握られていた。

「魔力を補充しながらとか、やっぱり詐欺じゃないの」

 凛がネタ晴らしさせると、少女は漸く理解したようで、驚いた表情を見せる。

「き、貴様。よくも……」

 獲物を逃した店主は怒りの形相になるが、そこで凛が店主に向けて手を向ける。

「本当のアーティファクトってのはね」

 直後、店主の足元の地面が一気に隆起し、数多の尖った土柱が、店主を囲った。

「これぐらいできないと」

 針山のように沢山の棘に包囲された店主は、顔も身体もフリーズしていた。
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