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ガタガタと石畳の上を車輪が滑る。騎士団御用達のオンボロ馬車を、いい加減スプリングのついたものに変えろとは思ってはいたのだが、サディン自身自走したほうが早いので別に急がなくてもいいかと後回しにしていた。しかし。
「いてっ、…尻がいてえな…。」
「だから言ってんじゃん、俺ら戦地赴くのに送迎がこれじゃ本気が出せないって。」
同乗している部下がうんうんと頷く。そんなオンボロ馬車を珍しく味わうことになったサディンは、足元に転がって簀巻きにされているヨルとマルコを足置き代わりにして渋い顔をしていた。
「仕方ないよ、団長があのまま自走してみ?一気に露出狂扱いされて俺らが御用しなきゃいけない。」
「エルマーはパンツ一丁でジルバと外で大喧嘩したことあるがなあ。」
「言うなサジィ、あんときは俺も若かったんだあ。」
サディンの目の前で、召喚したマイコニドの出したきのこの上に腰を掛けて快適に過ごしているサジは、なんとも優雅に騎士団の者を肘置き代わりに使っている。もう変装は解いたようで、枯葉色の髪を下ろし、まるでローブのような薄絹を素肌にまとっただけである。
「…父さん、着替えは。」
「わり、忘れた。マ、騎士団つきゃパンイチでも気にしねえだろうよ、男しかいねえし。簀巻きならまだ残ってるけど。」
「…いや、いい。」
転化するからと脱ぎ捨てた服を取りに行きたいが、それも城までまもなくというところに来た今、もはや面倒くさい。サディンは仕方なく下着姿を晒したまま、ジキルが気を使って渡してきた外套を腰に巻きつけていた。なぜ腰か。それは、下がほぼ裸なのに外套なんか羽織ったら、それはただの変態になってしまうからだ。
「へっ、ぶし…っ」
「おいおい、風邪っぴきかあ?抱きしめてやろうか。」
「ぶふっ…、エルマーさん、それは絵面的にやばい。」
「そうかあ?」
親心だろうが。とか言っているが、弄っているに違いない。笑うシスの隣で大人しくしていたヨナハンが、ちらりとこちらに視線を向けると、肩にかけていた毛布を無言でサディンに差し出した。
「優しくしてくれてありがとう。これは俺じゃなくて、今はあなたに必要そうだ。」
「………。」
サディンは無言で受け取ると、ヨナハンはゆるく微笑んだ。その爽やかな笑みにサディンの目元がぴくりと動く。周りにいないタイプ過ぎて、どう接していいかわからない。珍しいサディンの反応をみて、シスが笑う。
「マリーもうちで保護してる。ヨナハンは一先ず騎士団で話を聞くから。」
「ユリ、君は潜入していたんだな。すごく慣れているから勘違いしていた。」
「ま、本性淫魔のハーフだしね。あと、個人的に色々。ミハエルもいるよ、彼は医術局なんだ。」
「ミハエル?」
「リンドウのこと。」
ヨナハンはシスの言葉に声を上げて驚くと、そうか…と、少しだけホッとしたような声で呟いた。
「彼は無理をしているような気がしていたから…、そうか、だから治癒術が得意だと言っていたんだな。」
「……。」
「ミハエル、彼にも会えるだろうか。ずっと気にかけていたんだ…、」
まるで懸想するように話すヨナハンに、サディンの眉間のシワが深くなる。車内の無言の視線がサディンに向くものだから、つい顔を歪めてあからさまに嫌な顔をしてしまった。
「あー‥、えーと…、何もなければ、すぐ会えるよ、多分。」
「そうか、それは良かった。」
やっべ。引き攣った笑みでシスがサディンに目線を向ける。明らかに苛立っているサディンは、ミハエルと付き合った今大人気なさの塊になっていることを失念していた。ガタンと音を立てて、馬車が止まる。どうやら騎士団の詰め所についたらしい。カインに言って医術局を手配してもらったので、馬車のコーチが開かれると、そこには白衣を纏ったミハエルがスタンバイしていた。
何というタイミング。シスは頭が痛そうにし、サジはワクワクとした顔をする。
「負傷者をこちらへ、皆様おつかれさまでした。」
マスクをし、垂らしている髪を一つにまとめたミハエルが、細い首を晒してぺこりと頭を下げる。部下によって運び出された今回の被疑者の状態をみても顔色一つ変えないミハエルは流石である。
シスも手伝うかと立ち上がろうとしたとき、ぎしぎしと音を立てながらサディンが馬車から降りる。腰に布を巻いただけの騎士団長がずかずかと近づいて来る様子に、周りの局員の戦慄した空気を感じ取ったらしい。ミハエルが顔を上げた。
「サディン、なんでふ、ーーーーーー!!!」
服脱いでるんですか。と言葉を繋げようとした時である。公衆の面前で、手に応急処置用の道具を持ったまま、サディンによって無理くり顔を固定されたミハエルが、まるで食われるかのようにばくりと唇を奪われた。
「あ゛あーーーーーーー!!!!」
その場にいた、二人の関係を知らなかった医術局の面々が、そして知っていても見てみぬふりに徹していた騎士団の者が一斉に叫ぶ。ガシャン!と音を立ててミハエルが道具を落とし、シスは頭を抱え、サジとエルマーは指差し笑い、隣の馬車から降りてきたジキルとカルマは足を踏み外して転んだ。
ぬるり、と差し込まれた肉厚な舌に、びくんとミハエルが体をはねさせると、細い腕がゆるゆると持ち上がり、拳を作ってどんどんとサディンの胸板を叩く。まるで嗜めるようにそれを大きな手のひらで制すると、ミハエルの腰を支えたまま緩く舌を吸った。
「っ、ン…!」
サディンが角度を変えて口付けを深める。飲みきれなかった唾液を細い顎に伝わせると、ミハエルは震える手で小さく拳を握る。舌裏を舐め上げられ、甘く食まれる。力が抜けるような、そんなキスだ。かくん、と膝が崩れて唇が離れる。
「っ、っ…」
ミハエルが顔を真っ赤にして絶句しながらサディンを見上げると、その整った顔はいつになく不機嫌に染まっていた。ミハエルの瞳が揺れる。どうやら何かあったらしい。
「ゃ、だめ…ぁっ…!」
拒むまもなく首筋にきつく吸い付かれ、高い悲鳴を上げると、慌てて周りの眼が二人から逸らされた。なにか見てはいけない秘事を目の当たりにした気分だ。それだけ目元を赤らめ、濡れたミハエルの姿は目に毒だった。
細い首筋と、サディンの唇が銀糸で繋がる。ゆっくりとミハエルを抱きしめたまま振り向いたサディンは、まっすぐにヨナハンを見つめて口を開いた。
「やらん。他を当たれ。」
「ぶっは!!!!!」
耐えきれなくなって吹き出したサジの横で、エルマーも大笑いだ。それを見ていたヨナハンは、しばらく呆けていたのだが、サディンが投げた言葉が自分に向けられているのだと気がつくと、くしゃりと悔しそうに顔を歪めた。なんだこいつ。ヨナハンの心のなかで、サディンの心象が悪くなる。憧れの第一騎士団団長様として尊敬はしていたものの、己がうちに眠らせていた恋心を目の前で荒らされると腹も立つ。告白をする前から失恋させるなんて、と無言でサディンを見つめ返した。
「いてっ、…尻がいてえな…。」
「だから言ってんじゃん、俺ら戦地赴くのに送迎がこれじゃ本気が出せないって。」
同乗している部下がうんうんと頷く。そんなオンボロ馬車を珍しく味わうことになったサディンは、足元に転がって簀巻きにされているヨルとマルコを足置き代わりにして渋い顔をしていた。
「仕方ないよ、団長があのまま自走してみ?一気に露出狂扱いされて俺らが御用しなきゃいけない。」
「エルマーはパンツ一丁でジルバと外で大喧嘩したことあるがなあ。」
「言うなサジィ、あんときは俺も若かったんだあ。」
サディンの目の前で、召喚したマイコニドの出したきのこの上に腰を掛けて快適に過ごしているサジは、なんとも優雅に騎士団の者を肘置き代わりに使っている。もう変装は解いたようで、枯葉色の髪を下ろし、まるでローブのような薄絹を素肌にまとっただけである。
「…父さん、着替えは。」
「わり、忘れた。マ、騎士団つきゃパンイチでも気にしねえだろうよ、男しかいねえし。簀巻きならまだ残ってるけど。」
「…いや、いい。」
転化するからと脱ぎ捨てた服を取りに行きたいが、それも城までまもなくというところに来た今、もはや面倒くさい。サディンは仕方なく下着姿を晒したまま、ジキルが気を使って渡してきた外套を腰に巻きつけていた。なぜ腰か。それは、下がほぼ裸なのに外套なんか羽織ったら、それはただの変態になってしまうからだ。
「へっ、ぶし…っ」
「おいおい、風邪っぴきかあ?抱きしめてやろうか。」
「ぶふっ…、エルマーさん、それは絵面的にやばい。」
「そうかあ?」
親心だろうが。とか言っているが、弄っているに違いない。笑うシスの隣で大人しくしていたヨナハンが、ちらりとこちらに視線を向けると、肩にかけていた毛布を無言でサディンに差し出した。
「優しくしてくれてありがとう。これは俺じゃなくて、今はあなたに必要そうだ。」
「………。」
サディンは無言で受け取ると、ヨナハンはゆるく微笑んだ。その爽やかな笑みにサディンの目元がぴくりと動く。周りにいないタイプ過ぎて、どう接していいかわからない。珍しいサディンの反応をみて、シスが笑う。
「マリーもうちで保護してる。ヨナハンは一先ず騎士団で話を聞くから。」
「ユリ、君は潜入していたんだな。すごく慣れているから勘違いしていた。」
「ま、本性淫魔のハーフだしね。あと、個人的に色々。ミハエルもいるよ、彼は医術局なんだ。」
「ミハエル?」
「リンドウのこと。」
ヨナハンはシスの言葉に声を上げて驚くと、そうか…と、少しだけホッとしたような声で呟いた。
「彼は無理をしているような気がしていたから…、そうか、だから治癒術が得意だと言っていたんだな。」
「……。」
「ミハエル、彼にも会えるだろうか。ずっと気にかけていたんだ…、」
まるで懸想するように話すヨナハンに、サディンの眉間のシワが深くなる。車内の無言の視線がサディンに向くものだから、つい顔を歪めてあからさまに嫌な顔をしてしまった。
「あー‥、えーと…、何もなければ、すぐ会えるよ、多分。」
「そうか、それは良かった。」
やっべ。引き攣った笑みでシスがサディンに目線を向ける。明らかに苛立っているサディンは、ミハエルと付き合った今大人気なさの塊になっていることを失念していた。ガタンと音を立てて、馬車が止まる。どうやら騎士団の詰め所についたらしい。カインに言って医術局を手配してもらったので、馬車のコーチが開かれると、そこには白衣を纏ったミハエルがスタンバイしていた。
何というタイミング。シスは頭が痛そうにし、サジはワクワクとした顔をする。
「負傷者をこちらへ、皆様おつかれさまでした。」
マスクをし、垂らしている髪を一つにまとめたミハエルが、細い首を晒してぺこりと頭を下げる。部下によって運び出された今回の被疑者の状態をみても顔色一つ変えないミハエルは流石である。
シスも手伝うかと立ち上がろうとしたとき、ぎしぎしと音を立てながらサディンが馬車から降りる。腰に布を巻いただけの騎士団長がずかずかと近づいて来る様子に、周りの局員の戦慄した空気を感じ取ったらしい。ミハエルが顔を上げた。
「サディン、なんでふ、ーーーーーー!!!」
服脱いでるんですか。と言葉を繋げようとした時である。公衆の面前で、手に応急処置用の道具を持ったまま、サディンによって無理くり顔を固定されたミハエルが、まるで食われるかのようにばくりと唇を奪われた。
「あ゛あーーーーーーー!!!!」
その場にいた、二人の関係を知らなかった医術局の面々が、そして知っていても見てみぬふりに徹していた騎士団の者が一斉に叫ぶ。ガシャン!と音を立ててミハエルが道具を落とし、シスは頭を抱え、サジとエルマーは指差し笑い、隣の馬車から降りてきたジキルとカルマは足を踏み外して転んだ。
ぬるり、と差し込まれた肉厚な舌に、びくんとミハエルが体をはねさせると、細い腕がゆるゆると持ち上がり、拳を作ってどんどんとサディンの胸板を叩く。まるで嗜めるようにそれを大きな手のひらで制すると、ミハエルの腰を支えたまま緩く舌を吸った。
「っ、ン…!」
サディンが角度を変えて口付けを深める。飲みきれなかった唾液を細い顎に伝わせると、ミハエルは震える手で小さく拳を握る。舌裏を舐め上げられ、甘く食まれる。力が抜けるような、そんなキスだ。かくん、と膝が崩れて唇が離れる。
「っ、っ…」
ミハエルが顔を真っ赤にして絶句しながらサディンを見上げると、その整った顔はいつになく不機嫌に染まっていた。ミハエルの瞳が揺れる。どうやら何かあったらしい。
「ゃ、だめ…ぁっ…!」
拒むまもなく首筋にきつく吸い付かれ、高い悲鳴を上げると、慌てて周りの眼が二人から逸らされた。なにか見てはいけない秘事を目の当たりにした気分だ。それだけ目元を赤らめ、濡れたミハエルの姿は目に毒だった。
細い首筋と、サディンの唇が銀糸で繋がる。ゆっくりとミハエルを抱きしめたまま振り向いたサディンは、まっすぐにヨナハンを見つめて口を開いた。
「やらん。他を当たれ。」
「ぶっは!!!!!」
耐えきれなくなって吹き出したサジの横で、エルマーも大笑いだ。それを見ていたヨナハンは、しばらく呆けていたのだが、サディンが投げた言葉が自分に向けられているのだと気がつくと、くしゃりと悔しそうに顔を歪めた。なんだこいつ。ヨナハンの心のなかで、サディンの心象が悪くなる。憧れの第一騎士団団長様として尊敬はしていたものの、己がうちに眠らせていた恋心を目の前で荒らされると腹も立つ。告白をする前から失恋させるなんて、と無言でサディンを見つめ返した。
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