こっち向いて、運命。-半神騎士と猪突猛進男子が幸せになるまでのお話-

だいきち

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 時計の針が静かに秒針を刻む。ゆっくりとしたサディンの呼吸音と、息をつめたミハエルの緊張の色が強い呼吸音が重なる。二人は今、先ほどの甘やかなひと時から一転して、向かい合う形に収まっていた。それも、まるで断罪を待つかのように、お互い膝を突き合わせてだ。
 
「ミハエル、その、してはもらいたいけど、まああまり無理はするな。しては、もらいたいけど。」
 
 大事なことだから2回ほどいう。だって、サディンだって男だ。好きなこのいやらしいところなんて、億万回見たい。金色の瞳が、緊張で不思議な顔色になったミハエルを見る。
 
 ミハエルは下世話なことからはかけ離れたイメージだ。数度体を重ねてわかったことは、快楽に弱いことと流されやすいということ。
 前後不覚になって無意識下で積極的になるという嬉しい誤算はあれど、こんな完全にシラフの状態で、まるで手練れの娼婦と同じような性技を期待するわけもない。
 もう一度ミハエルを見る。顔を見たこともない色に忙しなく染め上げながら、小さな喉仏がゆっくりと上下する。まるで親玉と向き合ったかのような顔をするじゃないか。サディンはなんとも言えない気持ちになりながら、ミハエルの手に握りしめられた己の愚息に眼を向ける。
 
「か、顔の角度を、ど…どうすれば。」
「顔の角度とか、そんなことは全然気にしなくていい。とりあえず、」
 
 とりあえず、そんな力いっぱい握られると困る。サディンは少しだけ冷や汗をかきながら、ミハエルが深呼吸をするのをドキドキしながら見つめる。先程までのいやらしい雰囲気は一体どこに消えてしまったのだろう。時折首を傾げては、悩むように口をつぐむ。もしかして首の角度で悩んでいるのだろうか。もはや気にせず上からいってほしい。男らしさを気にするミハエルに、多分今が男らしさを見せつけるところだぞというのは、野暮になるだろうか。
 
「あ、す、すご…わ…、」
「やめろ実況するな。恥ずかしくなってきたろうが。」
「す、すみません…」
 
 サディンの握りしめた性器は、こうしてまじまじと見ると随分とご立派であった。太い血管が幹に走り、反り返った部分がミハエルの中を気持ち良くしてくれる。サディンの肌は白い方なのに、こうして性器の色が同じ皮膚でもこんなに違うのだと思うと、なんだか面白い。先端の、丸みを帯びた部分がぱつんと張っている。なんだか口の中からじんわりと唾液が分泌さえて、ミハエルは溢れそうになったそれを飲み下す。
 
「う…、い、いきま…、す、」
「お、お願い、します。」
 
 なんだそれ、と思ったが、まるでミハエルがこれは処置だと言わんばかりに真剣な顔をして宣うものだから、サディンは思わずかしこまってしまった。
 ミハエルが長い髪を耳にかけて、ゆっくりと前屈みになる。まるでサディンの目の前で土下座をするかのような体制だ。頭が痛そうに眉間を押さえながら、サディンはこれ以上膨らませないようにと無言でサポートをしている。
 
「ふ、ん、んう…う…む…っ…」
「っ、」
「ん、んぐっ…むう、ぅ…っ…」
「ば、おま、そんなはなっから頑張んなくていいんだって!」

 温かい粘膜にいきなり包み込まれたサディンが、ぎょっとして下を向く。ミハエルの長い髪で表情は見えないが、初っ端からんぐぐっと喉の奥に入れようとするミハエルに、サディンは思わず頭を手で抑えて止める。かぽ、と顔を真っ赤にしたミハエルの口元から垂れた粘度の高い唾液が、サディンの性器と絡まって一繋がりになる。
 若干涙目になったミハエルが、頭に疑問符を浮かべながらサディンを見上げる顔は、乱れた髪と相まって酷く煽情的であった。

「教えるから、言われた通りにできるか?」
「は、はい…」

 きゅうっとサディンのそれを握りながら、申し訳無さそうな顔をする。そんな様子に苦笑いをして、ぺろりと口端の唾液を舐め取る。サディンの大きな手が、ゆっくりとミハエルの後頭部に回ると、促すようにゆっくりと頭を下げさせる。再び目の前にきたサディンの性器は、てらてらとミハエルの唾液で濡れていた。

「最初は全部口に入れなくていいから。口開けて、俺がミハエルにするみたいにやってみて。」
「ぼ、僕に?」

 ぶわっと顔を赤く染め上げたミハエルに、サディンが小さく頷く。ミハエルは意を決したように小さく頷くと、サディンの幹を柔柔と握りしめたかと思えば、おもむろに袋に舌を這わせようとして、今度はサディンがぎょっとした。

「まてまてまてまて!」
「ふぇ、っ」
「そんな、手練れな感じでやってたか!?」

 顔を真っ赤にしたサディンが、慌てた様子でミハエルの手を制止させる。恐ろしい事に、ミハエルはサディンに下肢を攻められるイコール袋を舐めながら指を入れたほうがいいのかと思ったと宣って、サディンは白目を剥きそうになった。まさかそんな攻め方をするつもりだったのかと知ると、サディンはがしりとミハエルの体を抱き寄せると、くるりと後ろを向かせて足の間に寝転んだ。

「実地する。俺の貞操のためにも同じことして。」
「え、お、おな、ひぁっ!」
「これなら、ミハエルだけが恥ずかしいとかないだろ。」
「うぁ、や、やだあ!それやです!」
「ん、」

 ぐっ、と腰を押されてミハエルの下肢がサディンの顔に降ろされる。まさか自分がサディンの顔に跨るだなんてと、羞恥に内股を震わせれば、ぬるりとした熱い舌がミハエルのこぶりな性器に這わされた。

「あ、っン!」
「俺がする通りにシて。」
「ぅ、うー…」

 サディンに裏筋を舐められながら、ミハエルが小さく声を漏らす。熱く反り立つ性器は、先端からぷくんと先走りを浮かばせてミハエルを待っている。それを拭うように、意を決したようにぺしょりとひと舐め。それが呼び水となって、ミハエルは顔を横向きにすると、舐めやすいところからぺしょぺしょと舌で刺激する。

「っ、んとは…顔見てえけど、」
「ふぇ、っ」
「ん、なんでもないよ。」
「んぅ、ふっ…」

 ミハエルのちいさなおくちが自分の性器に這わされるだけでも興奮するのに、サディンが見ることのできる視界はミハエルのまろい尻と薄桃色の性器である。想像の余地を残したこの体位は、思ってたより悪くないかもしれない。

「んむ、ぅ…あ、あっ!」
「ン…っ、ほら、がんばれ…」
「ひっ、んぅ、ぁ、あっゃ、やめ、っ」

 ミハエルの体がヘナヘナと崩れる。サディンの性器に頬をくっつけるかのようにへたりこんでしまうと、時折身を震わしてひぅひぅと鳴く。
 サディンは意地悪にも、ミハエルの柔らかな双璧を割り開き、ふくりとした熟れた蕾にねとりと舌を這わしたのだ。

「ゃ、ゃあ…も、っ…そ、そんなとこ、なめない、でっ…」
「ミハエルも…、ほら。もっときもちくして、舐めるだけじゃなくて、吸って。」
「は、い…っ、んゃ、う、ぅ…!」

 蕾の粘膜と舌を唾液の糸で繋ぐ。まるで急かすように柔らかな尻に軽く歯を立てれば、ミハエルは再びゆっくりと先端を口に含む。吐息が熱い。舌の表面でこそげ取るかのように先走りを舐め取ると、ミハエルはちぅちぅと下手くそに吸い付いた。まったく、初々しいくせにけしからん。
 サディンは教えるかのようにミハエルの性器を舌で舐め上げるかのように口に含む。びくん!と内股が震えて、情けなく脚が開いてしまうミハエルの敏感な反応がひどく愛おしい。

「っん、んっんっ、ンぅ、ふ…ゃ、っ」
「んー…、」
「っぁ、あっだ、だめ、だ、めっ…ぅあ、や、で、できな、ひぅ、っ!」

 かぽっと口が開いて、唾液まみれのサディンの性器がミハエルの口から離れる。サディンがミハエルの腰を掴んで引き降ろすから、自分の性器がサディンに丸呑みされてしまうのかと思っておどろいたのだ。袋を少しだけ持ち上げるかのように当てられるサディンの高い鼻に、ミハエルはパニックになってしまって、ついサディンの性器にぴとりと顔をくっつけたままぐすぐすと泣き出した。

「や、ゃあ、だっ…ひぅ、っ…やー…!」
「ん、っ、らひて、」
「ゃだ、ゃだやだっあ、あぁ、あっすわな、っ」
「っふ、ほら、はやくだせって、」
「や、や、や、っ、っま、っでっ」

 ぢゅ、っと強く吸い付かれ、下腹部に凝った張り詰めた感覚が出口を求めて集まってくる。このままサディンは口に出せと言っているようで、ミハエルがやだやだと泣いても離してはくれない。その癖ミハエルも男の子らしく、泣きながら感じ入っていやだと言う割には、へこりと情けなく腰が跳ねてしまうのだから始末に負えない。

「ミハエル、出せ。」
「ゃ、だあ…っ」
「口に出さないならもっと恥ずかしいことさせるぞ。」
「それも、ゃだ…っ」

 泣いて嫌だと言うたびに、サディンの意地悪は募っていく。もっとこの顔が見たいという我儘でミハエルを振り回すのだ。大人気ない。でもミハエルは泣きながら、こんなに夢中になって楽しんでくれているのなら、それは本望だなあという頭のおかしい喜びをほのかに感じている。
 二人して頭がおかしい、きっと同じ脳内麻薬が分泌されて、一つになる前から二人は同じ胸の高鳴りを共有する。


「ならずっとそこで泣いてろ、俺はやりたいことをやる。」

 泣いているのに、可哀想とは思わない。サディンのミハエルが、自分を高めるための表情を素直に見せれて偉いね。そんな具合に褒めそやす声色で、仄暗い欲を吐き出すのだ。ミハエルは、そんな素直で我儘なサディンが可愛い。二人は歪で、歪だからこそかちりとハマった。
 歪で幸せ。二人はそれを愛という。

「ひぅ、あっ!」

 意地悪に笑ったサディンが、再びミハエルの性器を口に含む。ぐっ、と割り開くように蕾にまで指が插入されると、内側に指を曲げられて弱いところを押し潰すかのように刺激する。

「ああ、あっ!あっや、やだっや、やぅ、っれ、れぅっ、れひゃうらか、ぁっ!」

 襲ってくる射精感に腰を震わせる。このままじゃサディンの口に出してしまうから嫌なのに、サディンはミハエルの一滴すらも無駄にしないと言わんばかりに深く咥える。根本を柔らかく刺激するように唇で揉み込むと、唾液を絡ませたミハエルの性器の先端を、じゅるりとはしたない音を立てて吸い上げた。

「ーーーーーーっぁ、」
「んっ、」

 ばちんと目の前の光の玉がいくつも弾けて、ミハエルは情けなく腰を震わせながらぴくんっと尻を跳ねさせた。腹に凝った欲の奔流が、機能を果たさない精液になってサディンの口の中にどぷどぷと流れこむ。排尿感にも似たそれは、だらしなくミハエルの足を開いて、そしてサディンによって解された蕾を綻ばせる。

「ぁ、ぁ、っ…ぁー…」

 睫毛を涙で濡らして、へこ、と腰を跳ねさせた。とろとろになって、膝すらまともに立てられない。サディンは口いっぱいに流し込まれた精液をごくんと飲み込むと、目の前にで収縮をするいやらしいミハエルの蕾にゆっくりと指を含ませた。
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