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名無し現パロ闇鍋。倫理が働かない
エルマー✕ナナシ パロディ 闇鍋※※※
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名無しの龍は愛されたい、パロディ
エルマー→龍の血を引く人間
ナナシ→エルマーとおなじ龍の血から作られた人造人間
小スカ、愛ある無理やり、攻めが当社比可愛いです。地雷ない方のみどうぞ
_________________________
きゃふん。情けない声がした。それは紛れもなく、先日。エルマーが攫ってきた青年のものだ。
攫ってきたと言っても、そもそもその青年に戸籍もなければ人権もないのだが。
三日前、とある組織が意図的に魔物を生み出すという、違法な実験をしているという話を耳にした。情報の出所は、製薬会社を名乗るADコーポレーション。
社長であるアロンダートの護衛としてエルマーが所属する会社の本当は、国家秘密組織、「魔女の鍋蓋」が秘密裏に管理する会社だ。
人間の欲によって生まれた厄介な魔物を綺麗にお掃除することが本来の仕事なのだが、どうやら水面下で魔物を作り、使役し、グレイシスによって統制された社会を転覆させようと考える大馬鹿者がいるらしい。
悪いものを社会的にないないして、またいつも通りの日常を続けていこうね。魔女の鍋蓋の理念はまさしくこれである。
グレイシスがおわす城の地下には、恐ろしい魔術師が眠っている。
それを起こさないように平和に暮らそうという話なのに、積極的に反逆されてはたまったもんじゃないというのが本音である。
だからエルマーは依頼という形で出された命令に従い、とある研究施設を物理的にお掃除してきた。
扉を開けて部屋に入る。そこにいた真っ白な青年に、エルマーは朝の挨拶をした。
「おはよお」
「おぁ、よ、お」
彼には名前がない。だから、エルマーが名無しという意味で青年の保護を伝えたのだが、気がつけばそれが名前になってしまった。
「おあ、よ、う」
「まーだ麻酔切れてねえんだなあ」
「う?」
白く透き通るような肌に、人間離れした美しい顔立ち。彼は不届きものの研究者たちの努力の結晶、魔力の最も高い竜種から生み出された人造人間だという。
とはいえど、拉致して持って帰ったサジの研究室で、麻酔で眠らされている間にしこたま調べ上げられた結果だ。
あのサイコパスサイエンティストがナナシの綺麗な肌にメスを入れようとしたので、エルマーはステンレス製のトレイで強かに殴って気絶させ、そのままぐうぐう眠るナナシを抱き抱えて家に持って帰ってきた。
先ほどからビービーと通信端末がうるさいが、無視を決めこんいる。
エルマーはナナシの滑らかな頬に手を添えると、白い髪を優しく掻き上げて素顔を晒す。お揃いの金色の瞳には、不思議と惹きつけられる。
同じ竜種の血を引いているからかも知れない。エルマーもまた、この国では珍しい魔物の血を引く人間の一人だった。
「俺らにとっては世辞辛いこの世だけどよお、こうして番い見つけられた俺はラッキーなのかもなあ」
麻酔が抜けず、呂律の回らない口調が可哀想、けど、バカっぽくて少し可愛い。魔物の血を引く人間というのは、本能に実に忠実だ。
研究と称してナナシをエルマーから離そうとしたのも、手綱を握っておきたいからだろう。
手綱とは、まさしくつがいのことだ。アロンダートならサジ、レイガンならユミル、ジルバなら、グレイシスのように。
きちんとつがいの暴走を抑えられる、血が引き合わせる運命のことだ。
けれど、ナナシはあまりに幼すぎる。生まれたての人造人間だから、まだ生きるのが上手ではない。
無垢で、綺麗で、人間の欲を知らない真っ白な存在。
だからエルマーが侵入してきた時も、呑気にクレヨンでお絵描きをした絵を見せてきた。
可愛く笑って、見てみてとしてきた。
血まみれの手も厭わずに鼻先を近づけて、不思議そうに首を傾げていた。
血まみれの手で白い肌に触れても厭わない、絵を褒めれば嬉しそうに尾を揺らす。綺麗なものを汚すのがこんなにも背徳的であることを、あの夜、エルマーはナナシによって教えてもらったのだ。
結局我慢できずに、死臭のするあの研究室でぶち犯した。
本能のまま、ナナシが吐いても、漏らしても、気にせずにぶち犯した。
しこたま子種を注いで、腹を膨らませ、そうしてエルマーは、現場に送られた組織の人間を一人半殺しにして我に帰った。
「はしゃぎすぎたのかもなあ。お前もそう思うだろ?」
「う?」
「名前読んでみ、エルマーって」
「えう、まあ」
床に座り込むナナシと目線を合わせる。エルマーが両腕を広げれば、尾を揺らして嬉しそうに入り込む。
なつかれたものだ。きっと、構ってもらえることが嬉しいんだと思う。
あの白い部屋で、ずっとひとりぼっちだったから。
ビイビイとうるさい端末を、片手で操作する。ナナシが興味深そうに手を伸ばしてきたのを窘めると、端末からサジの声が飛んできた。
『エルマー‼︎ サジの頭にたんこぶできたぞ‼︎ どうしてくれる‼︎』
「声でっか。いや普通につがい傷つけられそうになりゃそうなるべ」
『つがい? つがいだとう⁉︎ てことはあの名無しはお前と同じ竜種の血を引いているのか⁉︎』
「なあ、いつになったら子宮できっかな。まだ発情期くる予兆ねえんだけど」
『予兆もなにも、お前が発情を煽られたからぶち犯したのだろう? つまり名無しはお前を雄と認めたってこったろう。あーあ、これだから竜種は面倒臭いんだ』
手にもつ端末に頬を寄せて、興味深そうにサジの声を聞いている。
白い頬がエルマーの節ばった手に押し付けられて、桜色の唇がムニリと突き出ていた。
「じゃあ俺、まだ発情煽られてんのかなあ」
『だから巣篭もりしたんだろ。全く、お前は自分の体のこともわからんのか、木偶の坊めが!』
「有給よろしく。あと、休み明けナナシ連れてくから、妊娠検査してくれ」
『くー‼︎ サジは産婦人科医なんかではなっ』
みなまで聞く前に、端末の電源を落とした。
なるほど、つまりエルマーは発情期を誘発された側らしい。
雌の体の準備が整うまでは、竜種はいくらでも耐えて待つ。けれど出会った時にはすでに大人の体として生まれ落ちていたと考えれば、合点はいく。
要するに、追いついていないのはナナシの中身だけ。体は最初から、いつでも、エルマーを待っていたということか。
「何それえっちじゃん」
「えち?」
「お前、そんな綺麗で無垢なのに、やらしいのな」
「やらし?」
柔らかな頬を両手で包むように持ち上げる。突き出た唇を軽く啄めば、ナナシの尾がパタパタと揺れた。
「ん、むう」
「キスは無抵抗なんだよなあ」
「は、ぁう……」
ちゅ、ちゅ、可愛い音を立てて、優しく口づけをする。エルマーの舌がベロリと唇を舐め上げれば、ナナシもまた真似をするように、唇をぺしょりと舐める。
ここまではいい。
けれど、大きな手がナナシの柔らかな尻に回れば、ブワリと尾を膨らます。
「や!」
「なんでだあ」
「くうし、おなかぽんぽん、やらなの」
「ゲロ吐くから?」
問いかけに尾を揺らす。どうやら、最初に犯した時、吐いたことが怖かったらしい。
ナナシの薄い腹がぼこんと膨らむくらい、奥まで犯した。けれどそれは孕ませるためには必要なことだったので、当然エルマーに反省はない。
むくれるナナシの首筋に、ぐりぐりと頭を押し付ける。
ごめんね、でも入れさせて欲しい。そんな気持ちを込めて、無言でご機嫌を伺った。
「あう……」
雌の首筋に擦り寄るのは、雄のおねだり方法のひとつだ。
性欲により本能が強く出たエルマーの眼は爛々と輝き、今だけは雌のご機嫌伺いに必死になる。
「なあ、頼むよ。挿れてえの、お前の腹ん中に」
「やあ」
「ぜってえいい子にするから。入れたら馴染むまで動かねえし、酷くしねえから、お願い」
「きゅう……っ」
あぐ、首筋を甘く噛んで、ベロリと舐める。ナナシの薄い腹がかすかに震えて、エルマーにしかわからない甘い香りが鼻腔をくすぐる。
こんなに体は準備しているのに、なんでお預けなんて酷いことするの。
エルマーの唇が首筋に、頬に、そして大きな獣の耳に降ってくる。
先ほどから、うるうると雄の甘え鳴きまで披露しているというのに。こんな必死な姿、他のものに見られたら確実に殺してしまう。
「ナナシ、交尾しようぜ、な?」
「あう、ぅう……っ」
ガジガジと耳を甘噛みしながら、ゆっくりと、ゆっくりと床に押し倒す。ナナシは頭が弱いので、組み敷かれたことにも気づかないだろう。
ただ、エルマーの匂いが濃くなって、昂った布越しの雄を、むき出しの性器に押し付けられているだけ。きっと、それだけしか思っていない。
「ナナシ」
「はぅ……」
「お前の腹ん中、準備できてんじゃねえの……だってお前から甘い匂いすんぞ、なあ」
雌の発情の匂い、雄を揺さぶる、フェロモンの匂い。
他の選択肢なんて最初から与えてやるつもりなどないから、出会った瞬間に犯したのだ。
まだ無知で、何もわからない。そのはずなのに、ナナシはぺしょりとエルマーの唇を舐めた。
雌からのお許しと同等のそれに、エルマーは目をわずかに見張ると、それはもう治安の悪い顔でニヤリと笑った。
緩い抵抗を見せる薄い手に五指を絡ませる。ナナシの体の下には纏っていた布が溜まり、その上に白い体を投げ出していた。
あぐりと犬歯を喉元に突き立て、抵抗する気力を奪う。上下関係を教え込むそれも、刺激された本能による無意識だからタチが悪い。
抵抗がゆるくなったことに気がつくと、エルマーの手は白い肌を撫で上げるように胸元へと這わされた。
薄桃色の胸の粒を親指のはらで押し潰され、ぐりぐりと刺激を与えられる。それだけで柔らかで頼りない足がふるふると震え、エルマーの腰の横ではねる。
滑る舌と熱い呼気で愛撫するように胸の粒に刺激を与えられれば、腹の奥がくちくなってくる。そのまま、カサついた手のひらが確かな欲を伴って、茂みもないつるりとした小ぶりな性器を握り込む。
「ぅ、うあ、ひぅ、うー……っ」
ナナシはというと、ぐるぐるとご機嫌に喉を鳴らしながら愛撫するエルマーを、濡れた瞳で見つめていた。
なんの凹凸もない薄い胸に甘く吸い付かれるだけで、細胞が震えてしまう。これから先の刺激に、期待してしまう。
頭を撫でられるのが好きなナナシだが、この触れ合いはどうしていいかわからなかった。
それでも、目の前の上等な雄がナナシのせいでコロコロと感情を忙しなくさせるのは嬉しかったし、求められている事実が何よりも心を満たした。
大きな手のひらで隠れてしまった性器は、くちくちと濡れた音を立てていた。粗相とは違う、透明でぬるぬるした体液がエルマーの指の隙間から溢れてくる。その度に違うものが出てしまいそうで、腰が勝手に暴れてしまう。
「う、ぅあ、や、やだ、ぁ」
「呂律、治ってきたなあ」
「で、でひゃ、ぅ、っ」
「出せよ、俺が喜ぶ」
だなんて、また犬歯を見せつけるように笑みを見せる。
獰猛な笑みなはずなのに、征服されるのが心地よく感じてしまうのだから始末に追えない。
性器から溢れた体液が、柔らかな尻の間を伝って窄まりを濡らす。ぬるつくそこが気持ち悪くてひっくと喉を鳴らせば、宥めるように額が重なる。
「どした、辛い?」
「ぬ、ぬるぬる、やあ、だ、っ」
鼻先が触れ合って、情けない声が漏れた。キラキラの金色は真っ直ぐにナナシを見下ろして、その熱で焼かれてしまいそうだ。
「大丈夫だあ、そのまま力抜いてな」
「ん、ふ、っ」
吸い付くような口づけをされ、ナナシが体の力を抜く。その時、太い指先が窄まりをくすぐり、最初の一本がゆっくりと腹の中に沈み込む。
三日前、初めての蹂躙の時から、腹の中の具合がおかしい。そのことを伝えたいのに、唇を開けば熱い舌が入り込んでくるので、それどころではない。
そのうち、酸欠も相まって、正常な判断力が奪われる。元々大した頭の容量もないので、ナナシはすぐにきゅうきゅうと喉を鳴らしてしまった。
「甘え泣きしてくれんのかあ……はは、俺なんかに?」
「ふ、きゅ……っぅあ、ゆ、ゅび、ぁう、うっ」
「なんも知らねえ体勝手に開いて、ひでえことしてんのに」
「ぁ、ぁ、ぁっ、く、ひゃ、ぅう、っ」
「お前は俺の指で、可愛くなってくれんのかあ」
こめかみに血管を浮かび上がらせているくせに、エルマーは怒るでもなく、ただ苦しそうに宣った。
全身の産毛が逆立つほどに危険な気配を察知している。それなのに、ナナシの両腕はエルマーの背中に回されて、下手くそに腰を揺らしてしまう。
それをするだけで、目の前の上等な雄が嬉しそうに目を細めて、貪るような口付けに、労りが混じる。
飲みきれない唾液をこぼしても頬を撫でてくれるし、何度も可愛いを繰り返す。
ナナシよりも強い雄なのに、バカみたいに同じ言葉ばかりを繰り返す。
気がつけば三本の指を上手に飲み込んだナナシの窄まりは、指が抜けてもはくはくと呼吸を繰り返していた。
こうなってくると、今度は奥が寂しくて仕方がない。
震える手が、エルマーの長い赤髪を緩く引く。猛獣の尾を引くようで危険極まりないはずなのに、エルマーはナナシを特別扱いするかのようにそれを許した。
「なんだあ」
興奮を隠しきれていない、掠れた声だ。
ナナシの大きなお耳はふるふると震えて、ぺしょっと伏せてしまう。
「言って、ナナシ。何が欲しい」
「は、ぁう……っ」
「ナナシ」
穏やかな声なのに、金色には獰猛さが混じっている。エルマーの指は、先ほどからひくつくそこにいたずらに指を含ませたり、硬く張り詰めた熱の塊を太ももに押し付けてくる。
ナナシは、それで気持ちよくなることを学ばされてしまった。
やらしいことなんて知らなかったはずなのに、エルマーの手でいらない知識をつけられた。
はしたなくさせたのは、間違いなく目の前の男だった。
体温が高まったことで色づいた指先が、エルマーの唇に触れた。手は小さく震えている。
見せつけるように、鋭い犬歯で指先に歯を立てられた、その時。
「きゅ、う、っ……」
「あ?」
エルマーの着ていたシャツの下腹部に、じわじわと熱が広がっていく。
お揃いの金色が、ゆっくりとナナシと重なる腹へと目を向けると、小さな性器から放たれた薄黄色のそれがピチャピチャと腹を濡らしていた。
「ひっく、う、ぅえ、え……んっ……っ」
「ナナシ、お前これ」
「ふぇ、えっ、あ、ぁあ……っ」
情けない声でにゃあにゃあ泣いてしまった。何せ、ナナシだって何が起きたかわからなかったのだ。
突然体が震えたかと思えば、下腹部の奥にずっと溜まっていた尿意が勝手に解消されていた。
つまり、漏らした。しかも、完全に意識の外でだ。
エルマーのシャツ越しに腹を濡らしていく。失禁は数分で止まったが、ナナシ真っ赤になった顔を背けることで逃げた。
驚いたやら、恥ずかしいやら。腰の下が冷たくて、怒られるだろう予測に怯えた。それなのに。
「興奮する」
エルマーのぼそりと呟いた言葉を脳が認識するよりも早く、ナナシは腰を掴まれると同時に体を貫かれた。
「ぅあ、っ」
「っはは、んだよお、そうやって、雄喜ばして……っ」
「あ、あぐ、ぅ、うう、ふ、っや、あ、っあっ」
「そんなんどこで覚えてきた、ああ、知らねえか、だって」
お前の初めては、俺が食っちまったんだもんなあ。
そうやって、エルマーは喜んで、先ほどまでの優しさなんてどこへ放り投げたのか。そんな具合に、ナナシの腹を蹂躙する。
ぱちゃぱちゃという音と、ぬかるんだ体液を纏い、内壁が喜ぶ粘着音。ナナシのお腹は上手にエルマーの性器を喜ばせて、性感に泣きながら乱れる様子で目も楽しませる。
白銀色の髪が汗で張り付く。エルマーは腰を打ち付けながら器用に着ていたシャツの前をくつろげると、濡れたシャツを脱ぎ捨てる。
晒された、見事なまでに鍛え抜かれた上等な雄の体だ。
薄っぺらの腹とは大違い。
律動に合わせて跳ねるしかできない小さな性器はというと、エルマーの割れた腹に体液を散らしては、断続的にもれる潮で洗い流した。
「う、ぅう、う、うっ」
「かぁいくて、食っちまいそ、っ」
「っは、はふ、っ、ぁ、ぁあ、ひ、ひや、ぁっ」
「はは、まーた呂律回ってねえんだもんなあ、っ」
知らない奥の奥まで性器は入り込み、ゴリゴリと先端を擦り付けられる。そのたびに体がとろめくほど気持ちよくて、背中に爪をたて、肩に噛みつき、そうやってしがみつきながら、なんでも酸欠で意識を飛ばしかけた。
「ぁ、は……っ」
「ぁあ、あ、あ──── 」
最後にナナシが見たものは、嬉しそうに笑うエルマーだった。
そのあとは、夥しい量の精液を腹の中に流し込まれ、ナナシはまた、ケポリと胃液を吐いた。
それでも、大きな体に包まれて、ここが住処だと安心したのも事実だった。
「やあああああ!」
「やああじゃない! 馬鹿者、文句を言うならお前のつがいに言えというに!」
ドタバタとした二人分の足音が響く中、エルマーはアロンダートによってこってり絞られた。
つがいが見つかったことはひとまずおめでとう。そう、褐色の肌を保つ美丈夫は微笑みかけた後、サジにたんこぶを作ったことで死ぬほど、それはもうえらい目に遭わされた。
危うくアロンダートのかぎ爪でエルマーの性器が一生ないないするところだったのだ。
「える、まあ! サジ、わるいするうううう!」
「あんまいじめんなよオメー」
「いじめてなんかない! フルチンで走るなって言うとるのだ!」
「見えてねえからいいじゃねえか」
「サジだって我慢してパンツ履いてるのに‼︎」
「そうなのか?」
エルマーの背後に回ったかと思えば、サジに向けてむううと頬を膨らませる。そういえば出会った時から下着はつけていなかった。与えられなかったと言う方が正しいが。
「ナナシ、君は大丈夫なのか、こんな乱暴な男と一緒にいて」
「おいこら」
アロンダートの大きな手のひらが、素直な髪をワシワシと撫でる。今日だけで、職員からのほとんどの「可愛い」を頭で受け止めたナナシはというと。
「ぱんつないの、えるよろこぶよう」
だなんて、エルマーの沽券に関わることを言ってのける。
「変態」
「変態だな」
「へん、なあに?」
「お前は覚えなくていい言葉だなあ!」
大きなお耳を両手で塞いで、エルマーが叫ぶ。まさかナナシの口から性癖を暴露されるとは思わない。
エルマーは羽織っていたシャツを枚掛けのようにナナシの腰に巻きつけると、ナナシが元々着ていた白いチュニックをまくり、薄い腹を晒す。
「ほれ、検査」
「そんなすぐに妊娠するわけなかろうが馬鹿者めが」
「クソがよ~~‼︎」
「うんち?」
「ナナシ、そんな言葉は覚えなくていい」
大きなお耳をひくんとさせて、すぐに覚えた言葉を使いたがる。
オッポをパタパタ揺らしながら、ウリウリと項垂れるエルマーの頬に頭を押し付けては、「なあにい!」と言葉を覚えたがる。
「孕んだら産んでくれよな、俺の子」
「あかちゃん?」
「全く、嫌な時は断れよナナシ」
「だーから余計なこと教えんなって」
宝物を腕に仕舞い込む子供のように、ナナシを抱き込むエルマーの腕のなか。
ひとぼっちの白くて広い部屋よりも、狭くて苦しいこの腕のなかが、ナナシにとっての幸せだ。
腹天のまま、されるがまま。暖かいエルマーの体温にくっつきながら、ナナシはきゃふんとひとつあくびをしたのであった。
エルマー→龍の血を引く人間
ナナシ→エルマーとおなじ龍の血から作られた人造人間
小スカ、愛ある無理やり、攻めが当社比可愛いです。地雷ない方のみどうぞ
_________________________
きゃふん。情けない声がした。それは紛れもなく、先日。エルマーが攫ってきた青年のものだ。
攫ってきたと言っても、そもそもその青年に戸籍もなければ人権もないのだが。
三日前、とある組織が意図的に魔物を生み出すという、違法な実験をしているという話を耳にした。情報の出所は、製薬会社を名乗るADコーポレーション。
社長であるアロンダートの護衛としてエルマーが所属する会社の本当は、国家秘密組織、「魔女の鍋蓋」が秘密裏に管理する会社だ。
人間の欲によって生まれた厄介な魔物を綺麗にお掃除することが本来の仕事なのだが、どうやら水面下で魔物を作り、使役し、グレイシスによって統制された社会を転覆させようと考える大馬鹿者がいるらしい。
悪いものを社会的にないないして、またいつも通りの日常を続けていこうね。魔女の鍋蓋の理念はまさしくこれである。
グレイシスがおわす城の地下には、恐ろしい魔術師が眠っている。
それを起こさないように平和に暮らそうという話なのに、積極的に反逆されてはたまったもんじゃないというのが本音である。
だからエルマーは依頼という形で出された命令に従い、とある研究施設を物理的にお掃除してきた。
扉を開けて部屋に入る。そこにいた真っ白な青年に、エルマーは朝の挨拶をした。
「おはよお」
「おぁ、よ、お」
彼には名前がない。だから、エルマーが名無しという意味で青年の保護を伝えたのだが、気がつけばそれが名前になってしまった。
「おあ、よ、う」
「まーだ麻酔切れてねえんだなあ」
「う?」
白く透き通るような肌に、人間離れした美しい顔立ち。彼は不届きものの研究者たちの努力の結晶、魔力の最も高い竜種から生み出された人造人間だという。
とはいえど、拉致して持って帰ったサジの研究室で、麻酔で眠らされている間にしこたま調べ上げられた結果だ。
あのサイコパスサイエンティストがナナシの綺麗な肌にメスを入れようとしたので、エルマーはステンレス製のトレイで強かに殴って気絶させ、そのままぐうぐう眠るナナシを抱き抱えて家に持って帰ってきた。
先ほどからビービーと通信端末がうるさいが、無視を決めこんいる。
エルマーはナナシの滑らかな頬に手を添えると、白い髪を優しく掻き上げて素顔を晒す。お揃いの金色の瞳には、不思議と惹きつけられる。
同じ竜種の血を引いているからかも知れない。エルマーもまた、この国では珍しい魔物の血を引く人間の一人だった。
「俺らにとっては世辞辛いこの世だけどよお、こうして番い見つけられた俺はラッキーなのかもなあ」
麻酔が抜けず、呂律の回らない口調が可哀想、けど、バカっぽくて少し可愛い。魔物の血を引く人間というのは、本能に実に忠実だ。
研究と称してナナシをエルマーから離そうとしたのも、手綱を握っておきたいからだろう。
手綱とは、まさしくつがいのことだ。アロンダートならサジ、レイガンならユミル、ジルバなら、グレイシスのように。
きちんとつがいの暴走を抑えられる、血が引き合わせる運命のことだ。
けれど、ナナシはあまりに幼すぎる。生まれたての人造人間だから、まだ生きるのが上手ではない。
無垢で、綺麗で、人間の欲を知らない真っ白な存在。
だからエルマーが侵入してきた時も、呑気にクレヨンでお絵描きをした絵を見せてきた。
可愛く笑って、見てみてとしてきた。
血まみれの手も厭わずに鼻先を近づけて、不思議そうに首を傾げていた。
血まみれの手で白い肌に触れても厭わない、絵を褒めれば嬉しそうに尾を揺らす。綺麗なものを汚すのがこんなにも背徳的であることを、あの夜、エルマーはナナシによって教えてもらったのだ。
結局我慢できずに、死臭のするあの研究室でぶち犯した。
本能のまま、ナナシが吐いても、漏らしても、気にせずにぶち犯した。
しこたま子種を注いで、腹を膨らませ、そうしてエルマーは、現場に送られた組織の人間を一人半殺しにして我に帰った。
「はしゃぎすぎたのかもなあ。お前もそう思うだろ?」
「う?」
「名前読んでみ、エルマーって」
「えう、まあ」
床に座り込むナナシと目線を合わせる。エルマーが両腕を広げれば、尾を揺らして嬉しそうに入り込む。
なつかれたものだ。きっと、構ってもらえることが嬉しいんだと思う。
あの白い部屋で、ずっとひとりぼっちだったから。
ビイビイとうるさい端末を、片手で操作する。ナナシが興味深そうに手を伸ばしてきたのを窘めると、端末からサジの声が飛んできた。
『エルマー‼︎ サジの頭にたんこぶできたぞ‼︎ どうしてくれる‼︎』
「声でっか。いや普通につがい傷つけられそうになりゃそうなるべ」
『つがい? つがいだとう⁉︎ てことはあの名無しはお前と同じ竜種の血を引いているのか⁉︎』
「なあ、いつになったら子宮できっかな。まだ発情期くる予兆ねえんだけど」
『予兆もなにも、お前が発情を煽られたからぶち犯したのだろう? つまり名無しはお前を雄と認めたってこったろう。あーあ、これだから竜種は面倒臭いんだ』
手にもつ端末に頬を寄せて、興味深そうにサジの声を聞いている。
白い頬がエルマーの節ばった手に押し付けられて、桜色の唇がムニリと突き出ていた。
「じゃあ俺、まだ発情煽られてんのかなあ」
『だから巣篭もりしたんだろ。全く、お前は自分の体のこともわからんのか、木偶の坊めが!』
「有給よろしく。あと、休み明けナナシ連れてくから、妊娠検査してくれ」
『くー‼︎ サジは産婦人科医なんかではなっ』
みなまで聞く前に、端末の電源を落とした。
なるほど、つまりエルマーは発情期を誘発された側らしい。
雌の体の準備が整うまでは、竜種はいくらでも耐えて待つ。けれど出会った時にはすでに大人の体として生まれ落ちていたと考えれば、合点はいく。
要するに、追いついていないのはナナシの中身だけ。体は最初から、いつでも、エルマーを待っていたということか。
「何それえっちじゃん」
「えち?」
「お前、そんな綺麗で無垢なのに、やらしいのな」
「やらし?」
柔らかな頬を両手で包むように持ち上げる。突き出た唇を軽く啄めば、ナナシの尾がパタパタと揺れた。
「ん、むう」
「キスは無抵抗なんだよなあ」
「は、ぁう……」
ちゅ、ちゅ、可愛い音を立てて、優しく口づけをする。エルマーの舌がベロリと唇を舐め上げれば、ナナシもまた真似をするように、唇をぺしょりと舐める。
ここまではいい。
けれど、大きな手がナナシの柔らかな尻に回れば、ブワリと尾を膨らます。
「や!」
「なんでだあ」
「くうし、おなかぽんぽん、やらなの」
「ゲロ吐くから?」
問いかけに尾を揺らす。どうやら、最初に犯した時、吐いたことが怖かったらしい。
ナナシの薄い腹がぼこんと膨らむくらい、奥まで犯した。けれどそれは孕ませるためには必要なことだったので、当然エルマーに反省はない。
むくれるナナシの首筋に、ぐりぐりと頭を押し付ける。
ごめんね、でも入れさせて欲しい。そんな気持ちを込めて、無言でご機嫌を伺った。
「あう……」
雌の首筋に擦り寄るのは、雄のおねだり方法のひとつだ。
性欲により本能が強く出たエルマーの眼は爛々と輝き、今だけは雌のご機嫌伺いに必死になる。
「なあ、頼むよ。挿れてえの、お前の腹ん中に」
「やあ」
「ぜってえいい子にするから。入れたら馴染むまで動かねえし、酷くしねえから、お願い」
「きゅう……っ」
あぐ、首筋を甘く噛んで、ベロリと舐める。ナナシの薄い腹がかすかに震えて、エルマーにしかわからない甘い香りが鼻腔をくすぐる。
こんなに体は準備しているのに、なんでお預けなんて酷いことするの。
エルマーの唇が首筋に、頬に、そして大きな獣の耳に降ってくる。
先ほどから、うるうると雄の甘え鳴きまで披露しているというのに。こんな必死な姿、他のものに見られたら確実に殺してしまう。
「ナナシ、交尾しようぜ、な?」
「あう、ぅう……っ」
ガジガジと耳を甘噛みしながら、ゆっくりと、ゆっくりと床に押し倒す。ナナシは頭が弱いので、組み敷かれたことにも気づかないだろう。
ただ、エルマーの匂いが濃くなって、昂った布越しの雄を、むき出しの性器に押し付けられているだけ。きっと、それだけしか思っていない。
「ナナシ」
「はぅ……」
「お前の腹ん中、準備できてんじゃねえの……だってお前から甘い匂いすんぞ、なあ」
雌の発情の匂い、雄を揺さぶる、フェロモンの匂い。
他の選択肢なんて最初から与えてやるつもりなどないから、出会った瞬間に犯したのだ。
まだ無知で、何もわからない。そのはずなのに、ナナシはぺしょりとエルマーの唇を舐めた。
雌からのお許しと同等のそれに、エルマーは目をわずかに見張ると、それはもう治安の悪い顔でニヤリと笑った。
緩い抵抗を見せる薄い手に五指を絡ませる。ナナシの体の下には纏っていた布が溜まり、その上に白い体を投げ出していた。
あぐりと犬歯を喉元に突き立て、抵抗する気力を奪う。上下関係を教え込むそれも、刺激された本能による無意識だからタチが悪い。
抵抗がゆるくなったことに気がつくと、エルマーの手は白い肌を撫で上げるように胸元へと這わされた。
薄桃色の胸の粒を親指のはらで押し潰され、ぐりぐりと刺激を与えられる。それだけで柔らかで頼りない足がふるふると震え、エルマーの腰の横ではねる。
滑る舌と熱い呼気で愛撫するように胸の粒に刺激を与えられれば、腹の奥がくちくなってくる。そのまま、カサついた手のひらが確かな欲を伴って、茂みもないつるりとした小ぶりな性器を握り込む。
「ぅ、うあ、ひぅ、うー……っ」
ナナシはというと、ぐるぐるとご機嫌に喉を鳴らしながら愛撫するエルマーを、濡れた瞳で見つめていた。
なんの凹凸もない薄い胸に甘く吸い付かれるだけで、細胞が震えてしまう。これから先の刺激に、期待してしまう。
頭を撫でられるのが好きなナナシだが、この触れ合いはどうしていいかわからなかった。
それでも、目の前の上等な雄がナナシのせいでコロコロと感情を忙しなくさせるのは嬉しかったし、求められている事実が何よりも心を満たした。
大きな手のひらで隠れてしまった性器は、くちくちと濡れた音を立てていた。粗相とは違う、透明でぬるぬるした体液がエルマーの指の隙間から溢れてくる。その度に違うものが出てしまいそうで、腰が勝手に暴れてしまう。
「う、ぅあ、や、やだ、ぁ」
「呂律、治ってきたなあ」
「で、でひゃ、ぅ、っ」
「出せよ、俺が喜ぶ」
だなんて、また犬歯を見せつけるように笑みを見せる。
獰猛な笑みなはずなのに、征服されるのが心地よく感じてしまうのだから始末に追えない。
性器から溢れた体液が、柔らかな尻の間を伝って窄まりを濡らす。ぬるつくそこが気持ち悪くてひっくと喉を鳴らせば、宥めるように額が重なる。
「どした、辛い?」
「ぬ、ぬるぬる、やあ、だ、っ」
鼻先が触れ合って、情けない声が漏れた。キラキラの金色は真っ直ぐにナナシを見下ろして、その熱で焼かれてしまいそうだ。
「大丈夫だあ、そのまま力抜いてな」
「ん、ふ、っ」
吸い付くような口づけをされ、ナナシが体の力を抜く。その時、太い指先が窄まりをくすぐり、最初の一本がゆっくりと腹の中に沈み込む。
三日前、初めての蹂躙の時から、腹の中の具合がおかしい。そのことを伝えたいのに、唇を開けば熱い舌が入り込んでくるので、それどころではない。
そのうち、酸欠も相まって、正常な判断力が奪われる。元々大した頭の容量もないので、ナナシはすぐにきゅうきゅうと喉を鳴らしてしまった。
「甘え泣きしてくれんのかあ……はは、俺なんかに?」
「ふ、きゅ……っぅあ、ゆ、ゅび、ぁう、うっ」
「なんも知らねえ体勝手に開いて、ひでえことしてんのに」
「ぁ、ぁ、ぁっ、く、ひゃ、ぅう、っ」
「お前は俺の指で、可愛くなってくれんのかあ」
こめかみに血管を浮かび上がらせているくせに、エルマーは怒るでもなく、ただ苦しそうに宣った。
全身の産毛が逆立つほどに危険な気配を察知している。それなのに、ナナシの両腕はエルマーの背中に回されて、下手くそに腰を揺らしてしまう。
それをするだけで、目の前の上等な雄が嬉しそうに目を細めて、貪るような口付けに、労りが混じる。
飲みきれない唾液をこぼしても頬を撫でてくれるし、何度も可愛いを繰り返す。
ナナシよりも強い雄なのに、バカみたいに同じ言葉ばかりを繰り返す。
気がつけば三本の指を上手に飲み込んだナナシの窄まりは、指が抜けてもはくはくと呼吸を繰り返していた。
こうなってくると、今度は奥が寂しくて仕方がない。
震える手が、エルマーの長い赤髪を緩く引く。猛獣の尾を引くようで危険極まりないはずなのに、エルマーはナナシを特別扱いするかのようにそれを許した。
「なんだあ」
興奮を隠しきれていない、掠れた声だ。
ナナシの大きなお耳はふるふると震えて、ぺしょっと伏せてしまう。
「言って、ナナシ。何が欲しい」
「は、ぁう……っ」
「ナナシ」
穏やかな声なのに、金色には獰猛さが混じっている。エルマーの指は、先ほどからひくつくそこにいたずらに指を含ませたり、硬く張り詰めた熱の塊を太ももに押し付けてくる。
ナナシは、それで気持ちよくなることを学ばされてしまった。
やらしいことなんて知らなかったはずなのに、エルマーの手でいらない知識をつけられた。
はしたなくさせたのは、間違いなく目の前の男だった。
体温が高まったことで色づいた指先が、エルマーの唇に触れた。手は小さく震えている。
見せつけるように、鋭い犬歯で指先に歯を立てられた、その時。
「きゅ、う、っ……」
「あ?」
エルマーの着ていたシャツの下腹部に、じわじわと熱が広がっていく。
お揃いの金色が、ゆっくりとナナシと重なる腹へと目を向けると、小さな性器から放たれた薄黄色のそれがピチャピチャと腹を濡らしていた。
「ひっく、う、ぅえ、え……んっ……っ」
「ナナシ、お前これ」
「ふぇ、えっ、あ、ぁあ……っ」
情けない声でにゃあにゃあ泣いてしまった。何せ、ナナシだって何が起きたかわからなかったのだ。
突然体が震えたかと思えば、下腹部の奥にずっと溜まっていた尿意が勝手に解消されていた。
つまり、漏らした。しかも、完全に意識の外でだ。
エルマーのシャツ越しに腹を濡らしていく。失禁は数分で止まったが、ナナシ真っ赤になった顔を背けることで逃げた。
驚いたやら、恥ずかしいやら。腰の下が冷たくて、怒られるだろう予測に怯えた。それなのに。
「興奮する」
エルマーのぼそりと呟いた言葉を脳が認識するよりも早く、ナナシは腰を掴まれると同時に体を貫かれた。
「ぅあ、っ」
「っはは、んだよお、そうやって、雄喜ばして……っ」
「あ、あぐ、ぅ、うう、ふ、っや、あ、っあっ」
「そんなんどこで覚えてきた、ああ、知らねえか、だって」
お前の初めては、俺が食っちまったんだもんなあ。
そうやって、エルマーは喜んで、先ほどまでの優しさなんてどこへ放り投げたのか。そんな具合に、ナナシの腹を蹂躙する。
ぱちゃぱちゃという音と、ぬかるんだ体液を纏い、内壁が喜ぶ粘着音。ナナシのお腹は上手にエルマーの性器を喜ばせて、性感に泣きながら乱れる様子で目も楽しませる。
白銀色の髪が汗で張り付く。エルマーは腰を打ち付けながら器用に着ていたシャツの前をくつろげると、濡れたシャツを脱ぎ捨てる。
晒された、見事なまでに鍛え抜かれた上等な雄の体だ。
薄っぺらの腹とは大違い。
律動に合わせて跳ねるしかできない小さな性器はというと、エルマーの割れた腹に体液を散らしては、断続的にもれる潮で洗い流した。
「う、ぅう、う、うっ」
「かぁいくて、食っちまいそ、っ」
「っは、はふ、っ、ぁ、ぁあ、ひ、ひや、ぁっ」
「はは、まーた呂律回ってねえんだもんなあ、っ」
知らない奥の奥まで性器は入り込み、ゴリゴリと先端を擦り付けられる。そのたびに体がとろめくほど気持ちよくて、背中に爪をたて、肩に噛みつき、そうやってしがみつきながら、なんでも酸欠で意識を飛ばしかけた。
「ぁ、は……っ」
「ぁあ、あ、あ──── 」
最後にナナシが見たものは、嬉しそうに笑うエルマーだった。
そのあとは、夥しい量の精液を腹の中に流し込まれ、ナナシはまた、ケポリと胃液を吐いた。
それでも、大きな体に包まれて、ここが住処だと安心したのも事実だった。
「やあああああ!」
「やああじゃない! 馬鹿者、文句を言うならお前のつがいに言えというに!」
ドタバタとした二人分の足音が響く中、エルマーはアロンダートによってこってり絞られた。
つがいが見つかったことはひとまずおめでとう。そう、褐色の肌を保つ美丈夫は微笑みかけた後、サジにたんこぶを作ったことで死ぬほど、それはもうえらい目に遭わされた。
危うくアロンダートのかぎ爪でエルマーの性器が一生ないないするところだったのだ。
「える、まあ! サジ、わるいするうううう!」
「あんまいじめんなよオメー」
「いじめてなんかない! フルチンで走るなって言うとるのだ!」
「見えてねえからいいじゃねえか」
「サジだって我慢してパンツ履いてるのに‼︎」
「そうなのか?」
エルマーの背後に回ったかと思えば、サジに向けてむううと頬を膨らませる。そういえば出会った時から下着はつけていなかった。与えられなかったと言う方が正しいが。
「ナナシ、君は大丈夫なのか、こんな乱暴な男と一緒にいて」
「おいこら」
アロンダートの大きな手のひらが、素直な髪をワシワシと撫でる。今日だけで、職員からのほとんどの「可愛い」を頭で受け止めたナナシはというと。
「ぱんつないの、えるよろこぶよう」
だなんて、エルマーの沽券に関わることを言ってのける。
「変態」
「変態だな」
「へん、なあに?」
「お前は覚えなくていい言葉だなあ!」
大きなお耳を両手で塞いで、エルマーが叫ぶ。まさかナナシの口から性癖を暴露されるとは思わない。
エルマーは羽織っていたシャツを枚掛けのようにナナシの腰に巻きつけると、ナナシが元々着ていた白いチュニックをまくり、薄い腹を晒す。
「ほれ、検査」
「そんなすぐに妊娠するわけなかろうが馬鹿者めが」
「クソがよ~~‼︎」
「うんち?」
「ナナシ、そんな言葉は覚えなくていい」
大きなお耳をひくんとさせて、すぐに覚えた言葉を使いたがる。
オッポをパタパタ揺らしながら、ウリウリと項垂れるエルマーの頬に頭を押し付けては、「なあにい!」と言葉を覚えたがる。
「孕んだら産んでくれよな、俺の子」
「あかちゃん?」
「全く、嫌な時は断れよナナシ」
「だーから余計なこと教えんなって」
宝物を腕に仕舞い込む子供のように、ナナシを抱き込むエルマーの腕のなか。
ひとぼっちの白くて広い部屋よりも、狭くて苦しいこの腕のなかが、ナナシにとっての幸せだ。
腹天のまま、されるがまま。暖かいエルマーの体温にくっつきながら、ナナシはきゃふんとひとつあくびをしたのであった。
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