なんだか泣きたくなってきた

金大吉珠9/12商業商業bL発売

文字の大きさ
164 / 273
2章

内なる獣 *

しおりを挟む
「ひぁ、っ…んやぁ…あ、ぁふ…っ…」
「っ、すこし、だまれ…」
「ンぅ、ん…っ…」

末永と学が。互いに高めあっていたこの部屋で、今行われているのは背徳の行為だ。
学校や、生徒の為に取り組んだ様々なことを生み出したこの机の上で、学は細い体を震わせながら、末永の張り詰めた性器をその薄い腹に飲み込んでいた。

「ふ…、っ…」
「ゃ、んぅー‥、よ、よぅ…へ…くぅ、ひ…っ…」

まるで手負いの獣のように荒っぽくその身を暴かれ、痛みこそないものの腹の中側の熱は今にも中を溶かしてしまいそうなくらいだった。
好きにしていいとアピールこそしたものの、まさかここまでワイルドに抱かれることになろうとは思わなかった。それほどまでに、今までの末永の手付きは紳士のように優しく、それでいて丁寧だったのだ。

「ぁ、ふ…」
「ん…、馴染んできたか…」
「んゃ、ぁー‥っ…」

内壁の具合を確かめるように、ゆるりと腰を揺らめかせて性器を中に擦り付ける。学の内側の媚肉は、まるで甘えるかのように絡みついてくる。
片手で数えられるほどでしか抱いていないにもかかわらず、随分と中がこなれてきたなと思う。
一重に快感を受け取りやすい従順な体と、末永の執拗な愛撫の賜物なのだが、これも才能と読んで差し支えはないだろう。
それくらい、目の前の学は快楽にその身を溶かされ、まるで幼児退行をしたかのように泣いて甘えていた。

「やぅ、う…っ…よ、ぅへ…やぁあ…」
「嘘つけ、ここすきなくせに。学は嘘つきの悪い子か?」
「ぁ、っ…ちが、ぅ…きもひぃ…ふぇ、っ…」
「ならどうするんだ、学。」

ぐじゅぐじゅと断続的な刺激に甘く蕾を収縮させながら、末永の頬を撫でる手の指先をちゅうちゅうと吸う。おねだりが苦手な学の無言のアピールだ。もっと気持ちよくしてほしい。そんな蕩けた目で見つめられると、結合部を広げてしまうくらいに性器をふくらませる。

「ぉなか…、くぅ、し…擦ってぇ…」
「動いてほしいのか?なら力を抜くんだ。できるだろ?ほら、きっと気持ちいい。」
「んやぁ!ぁ、ぁ、ぁ、だ、だめぇ、えっ…ひゃ、ぁ、ぁんっ…」

ぬぱぬぱと学の内壁が末永の律動を助けるかのように滑りを良くする。性器に絡みつく粘液は酷くとろけて、抜差しを繰り返すたびにポタポタと机を汚した。
学の細い腕が必死にその背にしがみつき、プラプラと投げ出された両足は、末永の腰の動きに合わせてゆれる。
学は熱に浮かされたぼやけた思考で足の間を陣取る末永を見ると、その小さい手を自身の性器へ伸ばしてその手で握りしめると、ちゅこちゅこと先走りを塗りつけるようにして末永の興奮を誘う。
ぽろぽろと気持ちよさで涙をこぼしながら、恥じらうように口元を隠し、その小さな尻を柔柔と締め付けながらの自慰をみて、末永の血管は切れそうなくらい興奮した。

「そのまま、一人で遊んでいろ。」
「ぁ、あ!っ、ひぃ、う、ぁ、あっあっあっ!」
「好きなだけ、乱れてしまえ…っ、」
「ひぃ、んっ!ゃらぁ、ぁン!っ、きもひぃ、っ…もっとぉ、っ…しん、じゃぅうっ!!」

びゅく、ぶぷっ、ぐちゅ、握りしめたままの学の性器からは先走りが恥ずかしい音を立てて吹き出す。汚さないようにと脱いだ白磁の素肌を薄桃色に染め上げながら、きもちいいと泣く。熱に浮かされた末永も、その細腰をがしりと掴むとその先端を奥深くまで食い込ませる様にして押し付けた。

「きゃ、ぅ…や、やめ…っ、」
「この、深い…ここに、っ…」
「ぉく、こわぃよぉ…っ…や、やらぁ…っ…」
「入れさせてくれないか、っ…学…」
「ひ、ぅ…」

互いの吐息が重なるほど近くから、興奮じみた目で真っ直ぐに見つめられる。あの冷静な男が学の前でしか見せない、獰猛な一面だ。お伺いを立てるように聞いてくる癖に、その先端は容赦なくぐりぐりと奥を刺激する。

ここはだめだ、壊れてしまう。

学の本能が、直感的な危険信号を出す。ここを突破されたら、もう逃げられない。
きっと骨の髄までこの獣じみた愛しい男に食われるのだろう。そう思うと、涙が出るほど怖いのに、無理矢理にでも奪ってほしいという矛盾した思いが体を支配した。

「う、ぅ…やぁ、…」

ぐぐ、っと奥を押し上げてくる性器を離すまいと、言葉とは裏腹に学の足が末永の腰に絡まる。組み敷かれたまま、両手を胸を押さえるようにして組むと、服從するかのように体の力を抜いた瞬間、

「ふ、…いいこ、だ…っ!」
「ひぎ、っ…あ、あ、…?っ、ん…かは、っ…」  

末永が先端のみを残して腰を引き、勢いのままその内壁を削り取るかのように打ち付けた。
ごちん!と音がするかのごとく、今まで体験したことのないような衝撃が学の最奥を貫く。

「は、は…っ、はひ、っ…」
「っぁ、…すげ…」

末永がその男らしい顔を歪めて快感に息を呑む。学の性器からはぶしゅ、と白濁混じりのものが吹上げ、性器が壊れたかのようにぴゅるぴゅると零す。

じゅぽじゅぽと最奥は先端を飲み込むように収縮する内壁の感度はダイレクトに学に伝わるようで、背を弓なりにそらして強い感度を逃す中、差し出された薄桃色の乳首を唇で挟むと、ひくんと体を跳ねさせた。

「ぁ、ぁんっ…ふぁ、っ」
「ふ、ここすきだろう…」 
「ひゃ、や、やっ!い、いっしょはだめぇ!!んあ、あっ、ぁあ、あっ!!」

ぢぱ、と胸の尖りに何度も吸い付きながら、その華奢な体を容赦なく揺さぶった。
がたがたと抗議するように軋む机をお構いなしに、その太い幹で奥底まで何度も何度も摩擦する。
はじめのうちは抵抗を見せた学だったが、やがて快楽に飲まれたのか、その身を投げ出すかのように抵抗をやめ、熱に浮かされた顔でだらしなく唾液をこぼしながらガクガクと揺さぶりに身を任せていた。

「イ、ぅ…でひゃぅ…ふぇ、っ…ようへ、っ…イっちゃうよぉ、っぁ、あっ」
「イけ、上手にだしてみろ。出来るだろう学…っ、」
「い、ァ、ァあっあ、アンッらめぇ、えっい、イくっ…イくぅ、っ!っあ!!」

ぐぱりと奥深くまで全て飲み込んだ。末永の繁みが尻にぴたりとくっついて、待ち望んでいた瞬間に幹は大きく膨らんだ。学の限界を追うように、激しく腰を打ち付けた後、コンドームの中に量の多い精液を吐き出した。

「ぁ、ぁ、っ」
「く、っ…ぅあ、…」

ぶるり、と身を震わして最後の一滴まで飲み込ませると、泣き顔で放心状態の学の額に唇を寄せた。
ひくんひくんと震える薄い腹を撫でながら、再び末永は腰を揺らめかせた。

「ひ、っ…ぁ、あ、ま、また…っ、」
「誕生日、なんだろう…っ…」
「ぁ、あっ…も、もぅらめ、っ…ゅるしっ、」

許しての3文字を飲み込むように口付けると、学の細い腰を再び鷲掴んだ末永は、コンドームを変える余裕すらないまま再びばちゅばちゅと激しく揺さぶり始めた。

学の迂闊な一言で目覚めさせた獣は、まだ収まりそうにない。生徒会室のなかに、学のすすり泣く声と甘い吐息が静かに浸透していった。

しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

運命じゃない人

万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。 理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。

【運命】に捨てられ捨てたΩ

あまやどり
BL
「拓海さん、ごめんなさい」 秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。 「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」 秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。 【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。 なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。 右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。 前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。 ※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。 縦読みを推奨します。

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

獣人王と番の寵妃

沖田弥子
BL
オメガの天は舞手として、獣人王の後宮に参内する。だがそれは妃になるためではなく、幼い頃に翡翠の欠片を授けてくれた獣人を捜すためだった。宴で粗相をした天を、エドと名乗るアルファの獣人が庇ってくれた。彼に不埒な真似をされて戸惑うが、後日川辺でふたりは再会を果たす。以来、王以外の獣人と会うことは罪と知りながらも逢瀬を重ねる。エドに灯籠流しの夜に会おうと告げられ、それを最後にしようと決めるが、逢引きが告発されてしまう。天は懲罰として刑務庭送りになり――

処理中です...