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1巻
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しおりを挟むロマンティックに狙い撃ち
1
突き刺すような視線を感じて思わず振り返った。
そこには怪しい人影どころか、猫一匹すらいない。
嫌な汗が背中を流れた気がした。
都会の片隅、昼間なのにほとんど人の姿が見えないそこは、自分がいつも通る道だった。
平凡な毎日だと思っていた。
繰り返される単調な日々。でもそれは、今思えば幸せそのものだった。
いつからこんな風になってしまったの?
その視線に気づいてから、もう随分経つ。
最初は気にしていなかった。ただの気のせいだと。
振り返っても、あたりを見回しても誰もいない。
けれど、その視線が自分から外れることはなかった。
困惑が恐怖へと変わったきっかけは植木鉢だった。
突然目の前に落ちてきた、どこにでもあるような植木鉢。
大きな音を立てて割れ、破片が頬をかすった。
微かな痛みに手を当てる。そして、その指についた血をぼんやりと眺めた。
見上げた先には何もない。
すぐ隣に立つビルの窓はどこも閉まっていて、これがどこから落ちてきたのかわからなかった。
ああ、あの視線の人だ。
わたしは漠然とそう思った。
「……あっぶなぁ……」
自分の声でバッチリと目を開けた。
窓の外はすでに明るく、太陽が部屋の中の温度をじりじりと上げている。
けれどわたしのからだは冷や汗でじっとりと濡れているせいか、部屋の空気を少しひんやり感じた。
「夢だから、痛くはないけどさ……」
つぶやきながら、タオルケットをからだに巻きつける。
またこんな夢……
枕元に置いてあるのは昨夜眠る直前まで読んでいた恋愛小説で、内容もサスペンスには程遠い。なのに、こんな夢を見るなんて……。とはいえ、こういう夢を見るのは初めてではない。それどころか、実は結構多い。
毎回少しずつ違うけれど、共通していることは、命を狙われているってこと。こういう夢を見てしまう理由も何となくはわかっているので、回避すべく寝る前に色々試してはいるものの、その成果は五分五分という感じだ。
枕元に置いてある目覚まし時計を見ると、アラームが鳴る時間を五分ほど過ぎていた。
あれ? わたし、いつ止めたの?
そんなことを思っていると、階段をトントンと上がってくる音がして、部屋のドアがバタンと開いた。
「みく、いつまで寝てるの?」
すでに一度目の洗濯を終えたらしい母が洗濯かごを持って立っていた。
「んー……あともうちょっと」
夢の余韻のせいか、まだ起きる気になれなくてそう言うと、母はフンッと鼻を鳴らしてベランダへ行った。
もう、寝起きのこのウダウダした感じが気持ちいいんじゃない。
寝転がったまま天井を眺め、さっきまで見ていた夢を思い出した。
怖かったなぁ。ホラーもサスペンスも苦手なのに。
どうせ夢を見るのなら、もうちょっとロマンティックな夢にしてほしい。
まあ、ロマンティックなことなんて現実にほとんど経験していないから、夢に見ることも難しいのかしら?
でもそれを言ったら誰かに狙われることの方があり得ないよ……きっと。
二十五歳にもなって恋愛経験がほぼない……というのもどうかと思うけど。でもそれって仕方がないと思わない?
社会人になって三年目。それなりに仕事をしてそれなりに経験も積んできた。性格は自分で言うのもなんだけど、大人しくて真面目だ。
社会経験はそこそこだけど、恋愛の経験値は底なしに低い。
はっきり言って男性が苦手なのだ。これにはもちろん理由がある。
それを思い出すと、今でも心がギリギリするのだけれど。
小学生のとき、やたらとイジワルをしてくる男の子たちがいたのだ。工作を壊され、プリントに落書きされ、休み時間には追いかけられた。あの頃何度女子トイレに逃げ込んだことか。
一番最低だったのは、その中の一人に、わたし自身が淡い恋心を抱いていたってこと。好きな人にイジワルをされるのは、幼心にもとても辛かった。
親や先生に何度も泣きついた。先生が繰り返しその男の子に理由を聞き、最終的には「面白かったからやった」と言われたけれど、当時も今もその理由はまったく理解できない。
当然のことながらわたしの恋心は完膚なきまでに砕け散った。男の子に幻滅したのもそのときだ。
でも、そこで完全な男嫌いになったわけじゃない。
中高生の頃はサッカー部のキャプテンに憧れたし、大学時代にも格好良い男の子を見るとテンションが上がった。一度でいいからデートしてみたいとも思う。
それでも片想いが恋愛に発展することはなかった。理由は嫌になるくらい考えたけど、結局怖いのかな? と思う。
傷つくのが怖い。
好きになるのが怖かった。
もしまたイジワルされたら? 裏切られたら? それこそもう立ち直れない。
だからイマイチ踏み出せない。
いいなと思う人がいても、気の利いた行動もできず尻込みしてしまう。当然告白なんてしたこともないし、もちろんされたこともない。
容姿も普通だし、引っ込み思案だし、傷つくのを覚悟の上で異性に体当たりしようなんて思いもしなかった。
わたしの小さなトラウマはしこりのように胸の奥にあって、何年経ってもわたしを臆病にさせるのだ。
だから、現実では味わえないロマンティックな気分は本の中で楽しんだ。
一番好きなのは学生の頃に貪るように読んだ少女小説だ。設定が古い感じがするけれど、そこが逆に気に入っている。主人公はたいてい何のとりえもない普通の女の子で、現実にはなかなかいそうにない最高に格好良い男の子がその子に甘い言葉をささやく。どこをどうしたらそうなるのか、突っ込みどころは満載だけど、本の中のヒロインに自分を重ねて、様々な男の子たちとロマンスを楽しんでいる。
小説は必ずハッピーエンドだし、わたしを決して傷つけない。
現実の経験不足を本で補うのもどうかと思うけど、今のところそれがわたしのストレス解消法だった。まあ、そのシチュエーションが夢に出てこないのは残念だけどさ。
ただ一つ問題なのは、本で得た知識は何の意味もないということ。現実に素敵な人がいても、わたしはきっと何もできない。少女小説のヒロインみたいに男の子の前で顔を赤らめることも、わざとらしくすっ転ぶこともできない。
わたしのロマンスは常に頭の中だけで、だからわたしの恋愛経験値は一向に増えないのだ。
永野みく、二十五歳。
仕事は順調。一般的な女性と比べるとロマンスは足りてないけど、恋がなくても人生ってそれなりに楽しめるんじゃないかと、悲しいかな、最近思い始めている。
社会人になれば世界が広がるだろうと思っていた。もしかしたら小説に出てくるような素敵な人が現れて、嘘みたいに自分が変われるんじゃないかと。
でも現実は難しくて、格好良い人がいてもそこまでする気もおきない。
しかし、そんな「お話の中の人」みたいな人は滅多にいないと思っていたのに……いるものなのねぇ。わたしの期待とは全然違うけれど、ある意味「お話の中の人」のような人が。
でも系統がちょっと違うのよ……
だからきっとこんな夢を見るんだろう。
「もうっ、いい加減に起きなさいっっ」
部屋のドアが大きな音を立てて開いた。母の怒鳴り声で慌てて飛び起きたら、その勢いでベッドから落ちてしまう。
「……嫁入り前の娘が……」
母の呆れた声が段々と遠ざかっていく。
「……イテテ」
強打した腕をさすりつつ、朝からこんなギャグ漫画みたいなことしていたら、確実にロマンティックが遠ざかるわと、しみじみと思った。
2
都心にある会社までは自宅から電車で一時間ちょっと。満員電車には毎日うんざりするけれど、それを短縮しようと思ったら一人暮らしをするしかない。
できないわけじゃないけれど、やっぱりまだちょっと……と甘えたことを考えている。
とはいえ、一時間をぎゅうぎゅうの電車の中で過ごすのはかなり辛い。雑誌を読んだり携帯ゲームをしたりしている人もいるけれど、わたしの場合一点に意識を集中させると気持ち悪くなってしまうのでできない。
そこで頼りになるのはやっぱり妄想だった。
基本はまず好みのシチュエーションを思い浮かべる。大人の恋愛は経験がないから想像があまりできないので、もっぱら学生モノが多い。お気に入りの小説をそのまま自分に置き換えたり、ちょっとアレンジしてみたりする。
わたしの好みはいわゆる委員長というか生徒会長というか、つまりメガネの似合うインテリだ。小説に出てくる彼らは勉強もできて運動神経も抜群で、しかもイケメンだったりする。実際には、まあ、お目にかかったことがないけれど……多分いるところにはいるんだろう。
そういえば、中学のときに憧れたサッカー部のキャプテンは授業中だけメガネをかけてたなぁ。インテリというか、リーダーシップの取れる人が好きなのかもしれない。
まあ、いいや。
わたしの立ち位置はどこにでもいる普通の女の子で、学級委員長に片想いをしている、としよう。学校での様々なイベントの中で、少しずつ接触を重ねていく。
文化祭や体育祭ではお手伝いを買って出たり、別の委員になってちょこっとした会話をするようになったり……
『いつも手伝ってくれてありがとう』
夕焼けに染まる教室の中。文化祭を明日に控えているのに、まだ終わらない教室の飾り付けを二人だけでしていた。窓の上の方に飾りを貼り付けるため、彼が昇った脚立を支えていると、頭の上から彼の声がした。
見上げると、微笑んでいる彼の顔があった。
心臓がドキンと大きく鳴る。
『う、ううん。わたし帰宅部だし、暇だから……』
彼が脚立をゆっくりと降りてくる。床に両足がついても、わたしの手は脚立から離れなかった。だって、何も持っていなかったら倒れそうなんだもん。
『……手伝ってくれる理由は、暇だから、だけ?』
わたしの目の前に立った彼が小首をかしげ、少し楽しそうな口元をして言った。メガネに夕焼けが反射して、表情がよくわからない。
『……え。それは……』
脚立を握り締めたまま言葉が続かないわたしの手に、彼の手が重なった。突然の温もりに思わず心臓が止まりそうになる。
『自惚れていたのはぼくだけ……かな?』
重なった手がわたしの手を包むように動いた。
身動きのできないわたしを見て、彼がふふっと笑う。
『文化祭の前日に、誰もいないのはどうしてだと思う?』
『……え』
『君と二人だけになりたかった、と言ったら?』
彼の言葉の意味が上手く呑み込めない。
目の前にいる彼が、いつもの穏やかな学級委員長ではないような気がして、思わず一歩退いた。
『ダメだよ。ぼくをその気にさせた責任は取らなくっちゃ』
普段の彼からは考えられないような強い力で一気に引き寄せられ、あっという間に抱きしめられた。
『覚悟してね』
わたしの耳元で甘くささやきながら、彼は教室のカーテンを閉めた。
……ムフフフフ……いいんじゃない?
流行の草食系かと思いきや、実は肉食系……みたいな。
やっぱりちょっと強引なのがいいんだよねぇ……なんて、思わずニヤニヤしていたら、目の前にいたおじさんにものすごい顔をされてしまった。
ヤバイ。
満員電車の中での妄想は危険だわ。下手すると変態に間違えられかねない。
やっぱりいつか絶対引っ越そう。
まだ訝しげな顔でわたしを見ているおじさんの視線を避けつつ、そう固く決意した。
都心の大きな駅で降り、十分ほど歩いた多くのオフィスビルが立ち並ぶ一角にわたしの職場はある。
仕事は日用雑貨の企画・製作・販売で、今わたしが所属しているのは企画部だ。女性向けの雑貨が主で、とてもやりがいがある。入社当初は営業事務の仕事をしていたのだけれど、前々から希望していた企画部に去年ようやく異動できたのだ。
自分が携わった商品が実際に店頭に並んでいるのを見るのはとても嬉しいし、感動的だ。成果が目に見えるとやる気も当然出てくる。
今一番の望みは自分で考えた雑貨を商品化することだ。まあ、それにはかなりの才能と努力が必要だから、そのためにもやはり現実のロマンスは封印すべきかもしれない。
なんて、言い訳ばかりしている間はやっぱりダメなんだろうね。
「永野さん、サンプル届いてるから持っていってくれる?」
「あ、はい」
企画部の入り口近くで、ちょうど来た総務の人にビニール袋を渡された。渡されたサンプルは二つあって、一つは鮮やかな花柄のミトン。もう一つはカントリー風の小花が散ったカトラリーケースだった。
「ふふ。可愛い」
対照的な二つのデザインは、現在企画部で力を入れているキッチンシリーズだ。
こういった日用雑貨は新商品が常に出ている状態で、社内はサンプルで溢れている。企画部の社員は二十名ほどで、基本的には女性が多い。それでも室内は程よく散らかったままだ。
物で溢れた通路を進み、上司たちのデスクが集まっている場所まで行った。
「おはようございます。池田さん、サンプルです」
「おはよ、みくちゃん。サンキュ」
花柄ミトンのサンプルを受け取ったのはこの企画部の主任の一人、池田直樹さん。
池田さんはかなりのイケメンだ。なんというか、背中に大量の星とバラを背負っている感じがする人。要するにキラキラした人なのだ。年齢は確か三十四歳。
ハンサムで女慣れしてて、誰に対しても気さくに声をかけてくる。なので、社内外を問わずガールフレンドが多数いるという噂。個人的にはあんまり馴れ馴れしいのはちょっと胡散臭い……と思うんだけど、見目麗しいので見ている分には楽しい。
まさしく少女漫画に出てくるような人なんだよねぇ。しかもかなりのナルシストだと睨んでいる。
池田さんはビニールの中からサンプルを取り出すと天井のライトにかざすようにして眺めた。
「うん、いいね。やっぱりこのくらい華やかな色の方がキッチンに映えるよね」
池田さんはそう言うと、わたしを見てにっこりと笑った。
その鮮やかな花柄は池田さんによく似合っている。
……まあイケメンにミトンというのがちょっと笑えるところだけど。
池田さんには悪いけど、わたし的には派手目の花柄よりも、もう一つの方が好みだったりする。ただ、これを渡しに行くのはちょっと、躊躇するのだけれど……
池田さんのデスクと少し離れた席に、かの人はいた。日当たりのいいデスクの上には、今わたしが手にしているカトラリーケースと同じ柄の、小花の散ったデザイン画やサンプル、そしてカントリー調のステーショナリーグッズが綺麗に並べられている。
一見可愛らしいその場所に、恐ろしいほど不似合いな人物が座っていた。
「と、東堂さん、おはようございます。サ、サンプルです」
目が合った瞬間、わたしの寿命が三十分は縮んだ……と思う。
「……おはよう」
その後無言で差し出された大きな手の上に、わたしは震えながらカトラリーケースをそっと載せた。
企画部のもう一人の主任、東堂孝行さん。池田さんと同い年で、主にカントリー風のデザインの商品を担当している。
東堂さんは何というか、……恐ろしい人だ。仕事ぶりがということではない。見かけが。
はっきり言って堅気には絶対に見えない。一九〇センチ近い身長、がっちりした体格。オールバックの髪。眼光は鋭くて、もうおっかないことこの上ない。
そんなわけで、社内でこっそりとつけられたあだ名は「ゴルゴ」。いわずと知れた、某漫画の主人公で、スナイパーのあの人だ。
そう、ある意味お話の中の人……とはこの人のこと。
こんな強烈な印象の人はそういない。入社してしばらくは何も知らなかった。次第に噂話を聞くようになったけど、実際ここに移ってから本人を見たときのあの衝撃……
何もされていないけれど、思わず逃げ出したくなった。
副業で殺し屋をやっていると言われても驚かない。むしろやってない方がびっくり、そんな感じの人。
仕事は完璧なのだけれど、無口で何を考えているのかまったくわからない。声を荒らげることも決してない。
ミスをすれば撃たれるぞ……とこっそり言われているのはもちろん冗談で、本当は無言で、じっと見つめられるだけだ。男女問わず大抵の人はそれだけで涙目になる。
ある意味撃たれるより嫌かもしれない。視線だけで相手の心臓を三十秒くらいは確実に止められるとわたしは思っている。
ゴルゴはサンプルを手に取って、眉間に皺を寄せながらしげしげと眺めている。
気に入らないのかしら……
日の当たるデスクで、可愛いものに囲まれているゴルゴははっきり言ってものすごく異様に見える。彼がどうしてここで働いているのか本当に疑問だ。こういう雑貨が好きそうには、まるで見えない。
拳銃とかライフルとかを手入れしている方がしっくりくるのに……
軍人というより傭兵って感じがするのよね。一匹狼風だもん。
迷彩服とか着たりするのかしら? でも体格がデカすぎて隠れようがないわよねぇ。いや、でも意外と動きは静かで、一週間くらいは飲まず食わず寝ずで過ごせそうだし、音も立てずに敵に忍び寄ることもできそうだ。
というか、あのガタイで無言で忍び寄られたらサスペンスというよりもホラーじゃない?
森で熊に遭遇するよりびっくりだし、確実にやられちゃうわよ。
まあ、こんな感じで、普段少女小説しか読まないわたしでも、かなりハードボイルドっぽい想像をかき立てられる人なのだ。
「……もういいぞ」
低い声にハッと我に返ると、わたしをじっと見ているゴルゴと目が合ってしまった。
「は、はい。失礼しました」
お辞儀をしてからくるっと回れ右をして、急いで自分の席へ戻った。
ダメダメ、変な想像してたのがバレちゃうじゃない。
ああ、また寿命が縮んじゃうわ。
「みく。おはよー。ね、これどう思う?」
椅子に座るなり、目の前にデザイン画が現れた。振り返ると、同僚の柴田夏美が立っていた。夏美はわたしと同い年で、入社当初から企画部にいる。絵が上手で、自分で詳細なデザインを起こせる貴重な人材だ。
逆にわたしは絵心があまりないので、企画書を作るのには苦労している。今も次回の企画会議に向けて新しいデザインを考えているけれど、なかなか進んでいなかった。
夏美が見せてくれた紙には、同じデザインの食器が色々と描かれていた。
「おはよー。……可愛いねぇ、一式揃えたくなるよ」
「ありがと。企画が通ったらご馳走するね。ところで、ゴルゴがまたこっちを見てるけど何かしたの?」
「えっ」
その言葉に恐る恐る振り返ると、確かにゴルゴがわたしを見ていた。見ているというより睨んでいるという表現の方が的確だ。
バカな妄想をしていたのがやっぱりバレてたのかしら? と慌てて首を戻す。
「今日は何もしてないよ。サンプルを持っていっただけだもん」
今日はね、と頭の中で繰り返す。
なぜだかわからないけれど、ゴルゴに見つめられることが多い。見つめられるイコール怒られている……ようなものだから、全然嬉しくないのだけれど。
でも何が悪いのかよくわからない。ここに移ってきて約一年。自分なりに頑張っていると思う。
そりゃあ、ちょっとしたミスはある。コピーを逆にしたり、タイプミスをしたり。
でもそれってそんな撃たれるようなことじゃない……でしょ。大きなミスだってまだしていないはずなのに。
幸いなことにゴルゴは何も言ってこないので、もしかしたらただ単に気に入られていないだけかもしれない。それはそれで悲しい気もするけれど。
でもまあ、わたしもついついじっと見てしまうから、余計に目が合うのかも……
だって、仕方がないと思うの。怖いけど見たいものってあるでしょ?
もちろん面と向かって見るのは無理だから、こっそりなんだけど。
少女趣味な妄想をしやすい池田さんと違って、ゴルゴは少女小説というよりもハードボイルドかVシネマって感じだから、ゴルゴを見てるとついついそっち系の馬鹿げた妄想をしてしまう。それはそれで楽しいのだけれど、もしかしてそれがわたしの顔に出ているのかしら?
なるべく見ないよう気をつけた方がいいのかもしれない。
本当に撃たれたら嫌だしね。
そんなわけで、幸か不幸か今のわたしの生活はロマンスには程遠い。どちらかというとハードボイルドだ。怖いことは怖いけれど、この緊張感にも少しずつ慣れてきて、それなりに楽しんではいる……と思う。
願わくば、目が合っても寿命が縮まない程度には強くなりたい。
なんて、こんなことを考えてるなんて普通じゃないよね、やっぱり。
だからあんな夢ばかり見るのよ。
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