中二病ドラゴンさんは暗黒破壊神になりたい

禎祥

文字の大きさ
2 / 228
第一章 俺様、ドラゴンになる

2、天使ですか? 天使ですね。わかります。

しおりを挟む
 チャプン、と温かい液体がかけられる。

「ふぁぁぁぁ、気持ちいいぃぃぃ」

 気の抜けるような快楽。
 熱すぎず、ぬるすぎず心地好い温度のお湯。鼻孔をくすぐる甘い花の香り。背中に触れるぽよんとした程好い弾力……ぽよん?

「んなっ?!」

 開いたら目に飛び込んできたのは、美少女のドアップ。
 唇に触れてしまいそうなほど近くに……いや、正確には抱き抱えられるようにして、風呂に入れられていた。
 そーっと視線を下に移すと、そこには形の良い双丘が。


 プッ


 自分の顔面から赤い液体が噴出するのを視界に写しながら、俺の意識は再び飛んだ。




「………はっ!」

 気が付くと、白いもこもこした布に包まれていた。温い。
 何だ、先ほどのは夢か。そうだよな。
 いやしかし、何だかとても良いものを見たような。

 そんなことを考えていると、布がもそもそと動く。
 俺の身体をやわやわと撫でるように。
 顔を覆っていた布がずれると、そこには優しく微笑む美少女がいた。



(イラスト:皆鈴(@minarin_narou)様)



 濡れたように輝くプラチナブロンドの髪。
 白いゆったりとした布を巻きつけたような、古代ローマ人を思わせるデザインの服。
 俺と視線を合わせるように屈んだ少女は、体型に似合わないたわわなメロンが丸見えで。


 天使ですか? 天使ですね。わかります。


 生まれて初めて見る母親以外の女性の裸体。しかも美少女。これ何のご褒美ですか?
 懸命に俺の身体を拭く度に揺れる、綺麗な双丘。
 ガン見せずにはいられないよね。うん、俺は悪くない。
 タラ、と鼻から何かが垂れる感触がするけど、魅惑のメロンから目が離せない。

「аХωφωπЁЛρ?!」


 は? 何て?

 外見からして外国人だろうなぁ、とは思ったけど少女の言葉がさっぱりわからない。
 慌てた様子で俺の顔に布を押し当てるもんだから、至福のメロンは隠されてしまった。


 グゥゥゥゥゥゥ……


 メロンが隠されてしまった途端、俺の腹が盛大に鳴る。
 そういや、起きてから何も食べてないなぁ。
 胃液まで全部吐いてしまったし。
 と、先ほどの紫色の芋虫が思い出してまた胃液が逆流してくる。
 もはや軽くトラウマレベルである。

「!! ШЭРПФΨΚΚヱζ!」

 メロンちゃん、もとい天使は慌てた様子でパタパタとどこかへ行ってしまった。
 急に一人になってしまったことに寂しさを覚えながら、しつこくグキュルルルと主張するこの空腹をどうするかとぼんやり考えていると。

 蓋付きの木の器を抱えた天使がパタパタと戻ってきた。
 菜箸のような二本の長い棒も持っている。

「おおっ!? 俺様の食事を用意してくれたのか。なかなか殊勝な心がけである」

 俺の目の前に器を置くと、天使が器の中身を箸で掴み上げる。

「え、ちょ、まさか、それを食べろとか言わないよね?」
「?? ……ЭРПФΨ♪」

 ニコニコと天使が俺の口元に持ってきた物。
 それはどう見ても――

 げんよう、
 おひさしね。
 できればお会いしたくなかったわ……――

 意識が遠のきかける俺の口に、わさわさと動く――口にするのもおぞましい――を口元に運ぼうとする天使。

「や、やめぬか! は断じて食べ物ではない!」

 だから、を俺の口に入れようとするのをやめてくれ!

「ЭРПФΨ♪」

 だんだん近づくが口の中に入らないよう口を慌てて閉じる。
 意地でも食うか!

「? ЭРПФΨ?」
「ええい、やめんか!」

 こちらが全力で拒否して首を振っているのに、俺の動きに合わせて口元に持ってこようとするものだから。
 バシッ、とそれを叩き落としてしまった。

 転がる箸。驚いた顔で俺を見る美少女。わさわさと俺に向かってくる

「ひぇぇぇぇぇぇ!!!」

 来るな! 来るな!


 追い払うつもりでバシバシとそれの進路をそらすように床を叩くうちに……


 グチャッ


 と素手で叩き潰してしまった。

「きぃぃぃぃああぁぁぁぁぁ!」

 えんがちょ! えんがちょ!

『――≪名もなき仔竜≫がスカラファッジオを倒しました。経験値5を倒しました――』
『――≪名もなき仔竜≫のレベルが2に上がりました――』


 何かが聞こえた気がするけれど、それどころじゃない。
 手の平についたの体液を、泣きながら布でゴシゴシ拭い去るのに必死だったからだ。

 相変わらず人外なその腕をゴシゴシ布になすりつけていると、ぼんやりと半透明な板が腕の上に浮かび上がる。

「は? 何だこれ?」

 よくよく見ると、何やら文字が書いてある。
 それには、こんな風に書かれていた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【ステータス】

名前   : ――    

レベル  : 2 
EXP  : 0/20

HP   : 100/100
MP   : 10/10
Atk  : 40
Def  : 20

スキル  : ――

称号   : 中二病(笑)

しおりを挟む
感想 289

あなたにおすすめの小説

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...