中二病ドラゴンさんは暗黒破壊神になりたい

禎祥

文字の大きさ
9 / 228
第一章 俺様、ドラゴンになる

8、え? 暗黒破壊神もういるの?

しおりを挟む
「リージェ様? 大丈夫ですか?」

 ステータスへのツッコミに夢中になってたら、心配そうにルシアちゃんが覗き込んできた。
 ので、俺は大丈夫だ、という事を伝えるために首をコクコクと縦に振る。

「無事にレベルアップできましたか?」
「!」

 再度コクコクと首を振る。ルシアちゃんの話を最後まで聞かずに燃やしてしまったが、合っていたようだ。

「先ほどの甕には、スカラファッジオが入っておりました。先代のディオ・リジェロ様が好んで召し上がっておられたのですが、リージェ様はお召しにならないようでしたので」
「食べるかあんなもん!」
「ならばリージェ様がより強く成長するための糧になれば、と」

 ルシアちゃんがニコリと笑う。そっか。ルシアちゃんがアレを食べるわけじゃなかったんだな。良かった。
 つか先代ってもしかして、俺の親? あれが主食とか、どんだけ悪食なの?

「リージェ様、私の言葉を理解されておりますよね?」

 ルシアちゃんが確信めいた聞き方をする。当然、何を言っているかはわかるので首を縦に振る。
 ホッとしたような笑顔が凄く可愛い。

「では、場所を移して少しお話を致しましょうか」

 ルシアちゃんに抱っこされて、寝室へと戻る。ルシアちゃんはベッドに腰かけると、1冊の絵本を取り出した。
 可愛らしい声で読み上げられるその本は、この世界の成り立ちを綴った神話でもあった。



 この世界を創ったのは、一対の男神と女神だった。
 二人はまず一つの大きな土地を造り、その上にどんどん様々な生物を創り出した。
 しかし、棲むものが雑多になれば争いが生まれる。

 神はそこでそれぞれ祝福を与えた。
 男神は大切な者を守るための戦う力を。女神は大切な者の命を守るための傷や病を癒す力を。
 長い年月を経て、いつしか生物は癒しの力ばかり求め女神ばかりを信仰するようになる。

 光が強まれば闇もまた強くなるというもの。
 元々は同じ役割、対等な関係であったのに見向きもされなくなった男神は黒く染まる。
 そうして、女神が創ったものを壊すための生き物を次々と創った。
 それがモンスターの誕生であり、男神が暗黒破壊神となった瞬間であった。

「! 暗黒破壊神、だと!?」

 暗黒破壊神と女神の力は同等。決着はつかず多くの命が失われた。
 そこで女神は異なる世界より力ある者を召喚し、長い戦いの果てに暗黒破壊神を滅ぼした。

 しかし、彼は一定の周期で復活し、世界を滅ぼさんとする。
 そこで女神が授けたのが、勇者召喚の魔法と、世界を守護する聖なる竜。

「何故この話をするかと言いますと、今がその暗黒破壊神の復活する年なのです」

 あ、ごめん。それ俺だわ。
 そうか、俺の役目はこの世界を壊す事か。
 でもそうするとルシアちゃんも殺すことになるのかな? 気が進まないなぁ。

「勇者と聖女、聖竜が揃わなければ、暗黒破壊神と闘うことはできません。そして、半年前、勇者を探しに行った聖竜と先代の聖女が暗黒破壊神に倒されてしまったのです」
「…………は?」

 え? 暗黒破壊神もういるの? 許せん!

「誰だそいつは! 俺様の名を騙る偽者など、俺様が倒してくれよう! 俺様こそが本物の暗黒破壊神なのだー!!」


 俺は途中から興奮してそう叫んだので、その間も何かルシアちゃんが言っていたがほぼ聞いていなかった。


「――から、共に強くなりましょうね、リージェ様」
「おう!」

 俺は強くなるぞ! 今暗黒破壊神を名乗る不届き者を倒し、真の暗黒破壊神が誰かを世に知らしめるのだ!!

 メラメラと野望に燃える俺。また一つ目標ができてしまったな。いや、やることは変わらないか。強くなる。今よりももっともっと。

 その後は食料確保も兼ねてメロン狩り。経験値を稼ぐために、わざとモンスター化させる方針をルシアちゃんが言い出した。強くなりたい俺に異論はない。
 因みに、あの巨大な芋虫もたまに畑にいた。

 衝撃だったのは、メロンはモンスターだが、芋虫もゴキも普通の生き物らしい。
 あの巨大さで普通の生き物とか。仰々しい名前は何なんだ。
 因みに、普通の生き物でも倒せば経験値にはなる。が、レベルが上がったからか、最初5貰っていた芋虫は、今はいくら倒しても1しか入らなくなった。

 メロンも最初にルシアちゃんを助けるときに倒した時は経験値10だったが、レベルが上がったからか5しか入らなかった。
 いくら成長が早いとはいえ、そうそうモンスター化するものはなく。今日はレベルアップは叶わなかった。

 因みに現在のステータスはこんな感じ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【ステータス】

名前   : リージェ    

レベル  : 8 
EXP  : 1016/1280

HP   : 90/580
MP   : 10/219
Atk  : 2034
Def  : 642

スキル  : タリ―語 Lv.1
       我が劫火に焼かれよLv.3

称号   : 中二病(笑)
       害虫キラー
 
しおりを挟む
感想 289

あなたにおすすめの小説

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...