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第七章 俺様、南方へ行く
19、お米だー!
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幸いにして、俺が食堂に入ってもペット(モンスター)お断りとは言われなかった。
俺が大人しくルシアちゃんに抱かれていたからだろうか?
一応他の客の目もあるので大人しくルシアちゃんの膝の上でそわそわしながら料理を待っている。
「あら、可愛らしい」
良い匂いのする料理皿を両手に、テーブルの間を忙しく歩いていたエプロン姿の女性が俺に気付いてウィンクする。そう、今の俺は可愛いペット……。
受付の女性に面影が似ている。親子なのだろうか?
胸は少々小ぶりだが美人なお姉さんを目で追っていると、ルシアちゃんの俺を抱く力が強まった。ぐぇっ。やめて、実が出ちゃう。すいません、料理皿の匂いに釣られていただけです。浮気じゃないです。
『ルシア、何を頼んだのだ?』
「アルベルト様がこの宿のお勧めを人数分と。勿論リージェ様の分もありますよ」
美味しそうな香りで楽しみだな、と言うとやっと腕を緩めてくれた。
そうこうしいていると、木の皿に乗ったサラダが運ばれてきた。レタスのような葉物野菜の上に、色とりどりの豆がたくさん載っている。
「綺麗な盛り付けですね」
緑や黄、赤紫、黒とたくさんの色が目に楽しい。
豆類は一度塩ゆでしてあるようで、少し濃いめの味つけだが葉物野菜と共に食べると塩辛さが中和されて美味だ。
『うむ、美味いな』
「ありがとうございます! この辺りでは豆類が名産で、保存も利くし成長が早くて頻繁に取れるので飢饉知らずなんですよ」
次の皿を運んできたお姉さんが、美味しい美味しいとサラダをかき込む俺達を見て嬉しそうに微笑みながらそう教えてくれる。
豆が名産ねぇ。あれ? 米は?
「あとは、これ、リーゾも名産ですね。こっちも長期保存が利くので積極的に作られています。今は収穫したばかりの一番いい時期ですよ」
そう言って目の前に置かれた皿は、白一色だった。
なんて言うの? オートミール? エミーリオが言っていた通りべちゃべちゃした正直食欲のわかない食べ物。
恐らくは、一度米粉にしてそれをミルクで煮たのだろう。野営でよく作っていたパン粥に似ているので食べるのに抵抗はないのだが、せっかく宿に来ていたので違うものが食べたかった感が強い。
「あ、でもこれ甘味が強くて美味しいです」
一口掬って口に入れたルシアちゃんがそう言って褒めるので、勇者達も俺もゆっくりと口に入れる。
瞬間口に広がったのはミルクとチーズの味。それから、ほんの微かだが塩と胡椒。後味に米の仄かな甘み。
うん、リゾットっぽい。美味い。
胡椒は高級品らしいが、わずかとはいえ料理に使えるのはそれだけこの宿が流行っている、或いは貴族も利用するということか。
後から運ばれてきた骨付きのリブステーキも味つけは塩のみだったが、ちょうど良い味つけだった。
「料理はお口に合いましたか?」
「ええ、とても美味しかったです」
食堂から出ると、受付にいた中年女性に声をかけられた。やはり中でウェイトレスをしていたお姉さんと似ている。
美味しかったと口々に伝える声に、女性は嬉しそうな笑顔になる。
『とても気に入った。原料のリーゾが保存が利くと聞いたので旅の糧食に購入したいのだが、どこで手に入る? できれば製粉前のものが良いのだが』
「製粉前ですって? 製粉は自分達でやるって事ですか?」
『いや、この子達の故郷で製粉せずに調理していたコメという植物に味が似ていたのでな』
製粉前の物が欲しいと言ったら常識外れのおかしなことを言い出す人を見る目で見られてしまったので、慌てて製粉前の実物を見てみたいのだと言い繕う。
この反応からして、粉に挽いて食べるのが一般的のようだ。そのまま調理した方が楽だろうに、やはり小麦粉の代用品として広まったのだろうか?
製粉せずに食べていたという言葉に驚きを隠せない女性は、そういう事なら、と粉や豆の売っている商店と、そこに挽いた粉を卸している農家を紹介してくれた。
翌朝。
朝食に米粉のパンに似た白いもちもちとしたパンと豆のスープに舌鼓を打つと、早速教えてもらった農家に行く。
商店は商店で気になるが、先に米だ。
「え? 粉にする前のリーゾが欲しいって? まぁあることはあるが」
教えられた農家は、昨日宿に向かう途中で手を振ってくれていたお爺さんの家だった。
宿屋に紹介されてきたと言ったら、そんな物どうするんだという顔をしながらも人ひとり入れそうな大きさの麻袋を一つ持ってきてくれた。
「これで良いかい」
「お米だー!」
『これだ! これ、あるだけくれ』
麻袋に入っていたのは、精米される前の籾殻つきではあるが良く見知った米だった。
あるだけ持って行かれたら困る、と結局二袋しか買えなかったが。
『1号、脱穀と精米の仕方を調べてくれ』
「了解!」
ああ、これで久しぶりに米が食える。楽しみだなぁ。楽しみだなぁ。
農家の爺ちゃんに言い値で銀貨を渡したら、落花生っぽい豆をおまけしてくれた。
一応商店でも米粉と豆を購入。割高だが胡椒も買えた。食材がこれでまた豊かになった。
米粉はどうするかな。ビーフンもどきでも作ってもらうかな? パンも良いなぁ。
俺達はこれからの食事に想いを馳せながら、夢見心地で出立した。
俺が大人しくルシアちゃんに抱かれていたからだろうか?
一応他の客の目もあるので大人しくルシアちゃんの膝の上でそわそわしながら料理を待っている。
「あら、可愛らしい」
良い匂いのする料理皿を両手に、テーブルの間を忙しく歩いていたエプロン姿の女性が俺に気付いてウィンクする。そう、今の俺は可愛いペット……。
受付の女性に面影が似ている。親子なのだろうか?
胸は少々小ぶりだが美人なお姉さんを目で追っていると、ルシアちゃんの俺を抱く力が強まった。ぐぇっ。やめて、実が出ちゃう。すいません、料理皿の匂いに釣られていただけです。浮気じゃないです。
『ルシア、何を頼んだのだ?』
「アルベルト様がこの宿のお勧めを人数分と。勿論リージェ様の分もありますよ」
美味しそうな香りで楽しみだな、と言うとやっと腕を緩めてくれた。
そうこうしいていると、木の皿に乗ったサラダが運ばれてきた。レタスのような葉物野菜の上に、色とりどりの豆がたくさん載っている。
「綺麗な盛り付けですね」
緑や黄、赤紫、黒とたくさんの色が目に楽しい。
豆類は一度塩ゆでしてあるようで、少し濃いめの味つけだが葉物野菜と共に食べると塩辛さが中和されて美味だ。
『うむ、美味いな』
「ありがとうございます! この辺りでは豆類が名産で、保存も利くし成長が早くて頻繁に取れるので飢饉知らずなんですよ」
次の皿を運んできたお姉さんが、美味しい美味しいとサラダをかき込む俺達を見て嬉しそうに微笑みながらそう教えてくれる。
豆が名産ねぇ。あれ? 米は?
「あとは、これ、リーゾも名産ですね。こっちも長期保存が利くので積極的に作られています。今は収穫したばかりの一番いい時期ですよ」
そう言って目の前に置かれた皿は、白一色だった。
なんて言うの? オートミール? エミーリオが言っていた通りべちゃべちゃした正直食欲のわかない食べ物。
恐らくは、一度米粉にしてそれをミルクで煮たのだろう。野営でよく作っていたパン粥に似ているので食べるのに抵抗はないのだが、せっかく宿に来ていたので違うものが食べたかった感が強い。
「あ、でもこれ甘味が強くて美味しいです」
一口掬って口に入れたルシアちゃんがそう言って褒めるので、勇者達も俺もゆっくりと口に入れる。
瞬間口に広がったのはミルクとチーズの味。それから、ほんの微かだが塩と胡椒。後味に米の仄かな甘み。
うん、リゾットっぽい。美味い。
胡椒は高級品らしいが、わずかとはいえ料理に使えるのはそれだけこの宿が流行っている、或いは貴族も利用するということか。
後から運ばれてきた骨付きのリブステーキも味つけは塩のみだったが、ちょうど良い味つけだった。
「料理はお口に合いましたか?」
「ええ、とても美味しかったです」
食堂から出ると、受付にいた中年女性に声をかけられた。やはり中でウェイトレスをしていたお姉さんと似ている。
美味しかったと口々に伝える声に、女性は嬉しそうな笑顔になる。
『とても気に入った。原料のリーゾが保存が利くと聞いたので旅の糧食に購入したいのだが、どこで手に入る? できれば製粉前のものが良いのだが』
「製粉前ですって? 製粉は自分達でやるって事ですか?」
『いや、この子達の故郷で製粉せずに調理していたコメという植物に味が似ていたのでな』
製粉前の物が欲しいと言ったら常識外れのおかしなことを言い出す人を見る目で見られてしまったので、慌てて製粉前の実物を見てみたいのだと言い繕う。
この反応からして、粉に挽いて食べるのが一般的のようだ。そのまま調理した方が楽だろうに、やはり小麦粉の代用品として広まったのだろうか?
製粉せずに食べていたという言葉に驚きを隠せない女性は、そういう事なら、と粉や豆の売っている商店と、そこに挽いた粉を卸している農家を紹介してくれた。
翌朝。
朝食に米粉のパンに似た白いもちもちとしたパンと豆のスープに舌鼓を打つと、早速教えてもらった農家に行く。
商店は商店で気になるが、先に米だ。
「え? 粉にする前のリーゾが欲しいって? まぁあることはあるが」
教えられた農家は、昨日宿に向かう途中で手を振ってくれていたお爺さんの家だった。
宿屋に紹介されてきたと言ったら、そんな物どうするんだという顔をしながらも人ひとり入れそうな大きさの麻袋を一つ持ってきてくれた。
「これで良いかい」
「お米だー!」
『これだ! これ、あるだけくれ』
麻袋に入っていたのは、精米される前の籾殻つきではあるが良く見知った米だった。
あるだけ持って行かれたら困る、と結局二袋しか買えなかったが。
『1号、脱穀と精米の仕方を調べてくれ』
「了解!」
ああ、これで久しぶりに米が食える。楽しみだなぁ。楽しみだなぁ。
農家の爺ちゃんに言い値で銀貨を渡したら、落花生っぽい豆をおまけしてくれた。
一応商店でも米粉と豆を購入。割高だが胡椒も買えた。食材がこれでまた豊かになった。
米粉はどうするかな。ビーフンもどきでも作ってもらうかな? パンも良いなぁ。
俺達はこれからの食事に想いを馳せながら、夢見心地で出立した。
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