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第一章 スキルと従者と本の世界
八
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「そういえば、定期契約の人はどんな人だったの?」
僕とレイカがいるのは今日泊る予定の宿だ。
その宿の食堂で夕食を注文したところである。
最初は、お金を使うことに抵抗があったけど、レイカの説得という名の笑顔で頷かざるを得なかった。一泊で銀貨一枚だなんて思ってもみなかったんだ。しょうがない。
とりあえずお任せメニューを頼んでいるけど何が出てくるんだろう。
料理が出てくる間に、僕は気になったことを聞いてみた。
「あの方は、街の中央で飲食店を開いている人だったみたいです。毎日十個。まずは、現物と引き賭けにお金を払い、しばらくして信用できると思ったら前払いでもいいといってくれましたよ。色々な人に聞いたところ、しっかりとしたお店みたいでしたから。これが契約書です」
「そっか。色々とありがとね。僕じゃ、わからないことも多いから」
「全て一人でやれる必要はありません。エンド様にできないところを手伝うのも、私の役目です」
「これからもよろしくね、レイカ」
「はい、エンド様」
言葉を交わしていると、料理が運ばれてくる。
「し、信じられない」
目の前には、こんもりと盛られた白いパンと焼かれた肉がある。
今までの食事は固いパンとせいぜい薄いスープがついてくればよかったのに。それが、今では夢にすら出てこないくらい豪華な食事が、目の前にある。
「なんだ、この豪華なご飯は!!」
僕の叫びを店員さんが聞いていたのか、笑いながら背中をたたく。
「何言ってんだい! お世辞言ってる暇があったらさっさと食べちまいな! こんなんでよければいつでも用意しておくさ!」
その言葉に驚いた僕だったが、目の前にいるレイカは穏やかに口を開く。
「では食べましょう?」
「い、いいのかな? あとで誰かにつかまったりなんか」
「そんなことありませんよ。エンド様の力で得たお金なんですから。むしろ、私が一緒に食べても大丈夫なのですか?」
「もちろん! レイカのお陰でもらえた力なんだから!」
「……本当に。助けてもらったのはこちらもなんですよ?」
「ん?」
レイカの表情が少しだけ曇りなにやら呟いていたけどよく聞こえない。
とりあえず、目の前にある肉汁滴る塊に視線はくぎ付けだ。
「じゃあ、い、いただきます!! んんぅ! んふぅ!!!」
噛みしめると口の中に旨味があふれ出る。
生まれてこのかた、感じたことのない美味しさに、不思議と涙が流れた。
それを夢中でかみしめると、再び肉へとかぶりつく。
「う、うま! うまい!」
その様子を見ていたレイカだが、心底嬉しそうにほほ笑んでいた。
「本当に……エンド様のおかげですから」
誰に聞かれるでもなく呟いていたレイカは、僕が食べる様子を見ながら自らもそっと食事を始めたのだった。
僕とレイカがいるのは今日泊る予定の宿だ。
その宿の食堂で夕食を注文したところである。
最初は、お金を使うことに抵抗があったけど、レイカの説得という名の笑顔で頷かざるを得なかった。一泊で銀貨一枚だなんて思ってもみなかったんだ。しょうがない。
とりあえずお任せメニューを頼んでいるけど何が出てくるんだろう。
料理が出てくる間に、僕は気になったことを聞いてみた。
「あの方は、街の中央で飲食店を開いている人だったみたいです。毎日十個。まずは、現物と引き賭けにお金を払い、しばらくして信用できると思ったら前払いでもいいといってくれましたよ。色々な人に聞いたところ、しっかりとしたお店みたいでしたから。これが契約書です」
「そっか。色々とありがとね。僕じゃ、わからないことも多いから」
「全て一人でやれる必要はありません。エンド様にできないところを手伝うのも、私の役目です」
「これからもよろしくね、レイカ」
「はい、エンド様」
言葉を交わしていると、料理が運ばれてくる。
「し、信じられない」
目の前には、こんもりと盛られた白いパンと焼かれた肉がある。
今までの食事は固いパンとせいぜい薄いスープがついてくればよかったのに。それが、今では夢にすら出てこないくらい豪華な食事が、目の前にある。
「なんだ、この豪華なご飯は!!」
僕の叫びを店員さんが聞いていたのか、笑いながら背中をたたく。
「何言ってんだい! お世辞言ってる暇があったらさっさと食べちまいな! こんなんでよければいつでも用意しておくさ!」
その言葉に驚いた僕だったが、目の前にいるレイカは穏やかに口を開く。
「では食べましょう?」
「い、いいのかな? あとで誰かにつかまったりなんか」
「そんなことありませんよ。エンド様の力で得たお金なんですから。むしろ、私が一緒に食べても大丈夫なのですか?」
「もちろん! レイカのお陰でもらえた力なんだから!」
「……本当に。助けてもらったのはこちらもなんですよ?」
「ん?」
レイカの表情が少しだけ曇りなにやら呟いていたけどよく聞こえない。
とりあえず、目の前にある肉汁滴る塊に視線はくぎ付けだ。
「じゃあ、い、いただきます!! んんぅ! んふぅ!!!」
噛みしめると口の中に旨味があふれ出る。
生まれてこのかた、感じたことのない美味しさに、不思議と涙が流れた。
それを夢中でかみしめると、再び肉へとかぶりつく。
「う、うま! うまい!」
その様子を見ていたレイカだが、心底嬉しそうにほほ笑んでいた。
「本当に……エンド様のおかげですから」
誰に聞かれるでもなく呟いていたレイカは、僕が食べる様子を見ながら自らもそっと食事を始めたのだった。
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