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第三章 スキルの力と金策と裏切り
七
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「なんと! それは本当ですかな、エンド様!」
「うん! 持っていったお金でさっそく家を作り始めてくれるって話みたい」
「それは吉報ですな!! ですが……」
「えっと、どうしたの?」
せっかく家が作れるって話なのに。
どうして村長さんの顔が曇るんだろうか。
不思議に思っていると、レイカが助け船を出してくれる。
「この世界に人間が来ることが怖いですか?」
「そうですな……やはり、長年迫害されていた歴史があるからの。もちろん、エンド様とレイカ殿には感謝しているし怖くはないが……」
「そっか、そうだよね」
またもや問題発生だ。
いや、僕の考えが浅すぎたというのもあるだろう。
せっかく安全なところに住むことができているのに、僕自身が彼らの脅威を運び込むのはたしかに違う気がする。
僕は至らなさに申し訳なくなってしまった。
「ごめん。僕の考えが足りなかったね」
「いいえ! 儂らはうれしいのです! エンド様に色々と便宜を図ってもらえて」
「でも! 大工さんを呼ばないと家が――」
「その点はご安心ください、エンド様」
「え?」
僕が村長さんに謝っていると、レイカはどこか自信満々な表情で僕の肩に手を置いた。
「大工さんに相談してみたんですが、立てる作業は別にして、すぐに組み立てられるような材木を用意できないか相談してみたんです。そうしたら、なんとかできると。初めてのことだから不安はありそうでしたが、一緒に設計を考えましたのでおそらくは可能かと」
「つまり、組み立てはこっちでってこと?」
「はい。男手はあったほうがいいですが……、私達だけでも協力すればなんとかできるのではないかと思っています」
レイカの提案に、村長さんも乗り気のようだ。
「それならばできそうです! それに最近、調子がいいのですよ! こっちの世界の気候や食べ物がいいからですかな。すっかり痛かった腰も治ってしまいまして」
「それはよかったです」
「他の者たちも元気になったと言っているものは多いですからの。それもこれも、エンド様の陰ですじゃ」
そう言って笑う村長さんはとても嬉しそうだ。
これで、とりあえず家をたてる算段は整いそうだ。
ちかいうちにこうやって木陰で相談することもなくなるのかな。
そう思うとなにやら感慨深い。
心地よいそよ風を感じていると、突然背中になにかが飛びついてきた。
振り返ると、ルルルだった。
僕らがここに来る度に、彼女は僕にちょっかいを出しに来る。
「エンド! 話終わったか!? 遊べるか!?」
「うん、いいよ」
「いっつもあっちに帰らないで、今日は泊ってけばいい! な! レイカ!」
「そうですね。たまにはいいですね」
ルルルと話すときはレイカの表情も柔らかい。
僕はルルルに連れられて、子供達が集まっているところに向かっていく。
どんな遊びをするかと思ったら、鬼ごっこだ。
小さい子から大きい子も交えてのようだ。
「じゃあ、エンドが鬼ね! よーい、どん!」
「よし! 絶対みんなつかまえてやるからなぁ!!」
夜が更けるまで遊び続けると、今度は食事だ。
最近は、果物や木の実の群生地、狩りにむいている場所など徐々にわかってきているらしい。
とても家のない生活とはおもえないくらい豪華な食事を囲みながら、僕らは村の皆で食事をとった。
「うん! 持っていったお金でさっそく家を作り始めてくれるって話みたい」
「それは吉報ですな!! ですが……」
「えっと、どうしたの?」
せっかく家が作れるって話なのに。
どうして村長さんの顔が曇るんだろうか。
不思議に思っていると、レイカが助け船を出してくれる。
「この世界に人間が来ることが怖いですか?」
「そうですな……やはり、長年迫害されていた歴史があるからの。もちろん、エンド様とレイカ殿には感謝しているし怖くはないが……」
「そっか、そうだよね」
またもや問題発生だ。
いや、僕の考えが浅すぎたというのもあるだろう。
せっかく安全なところに住むことができているのに、僕自身が彼らの脅威を運び込むのはたしかに違う気がする。
僕は至らなさに申し訳なくなってしまった。
「ごめん。僕の考えが足りなかったね」
「いいえ! 儂らはうれしいのです! エンド様に色々と便宜を図ってもらえて」
「でも! 大工さんを呼ばないと家が――」
「その点はご安心ください、エンド様」
「え?」
僕が村長さんに謝っていると、レイカはどこか自信満々な表情で僕の肩に手を置いた。
「大工さんに相談してみたんですが、立てる作業は別にして、すぐに組み立てられるような材木を用意できないか相談してみたんです。そうしたら、なんとかできると。初めてのことだから不安はありそうでしたが、一緒に設計を考えましたのでおそらくは可能かと」
「つまり、組み立てはこっちでってこと?」
「はい。男手はあったほうがいいですが……、私達だけでも協力すればなんとかできるのではないかと思っています」
レイカの提案に、村長さんも乗り気のようだ。
「それならばできそうです! それに最近、調子がいいのですよ! こっちの世界の気候や食べ物がいいからですかな。すっかり痛かった腰も治ってしまいまして」
「それはよかったです」
「他の者たちも元気になったと言っているものは多いですからの。それもこれも、エンド様の陰ですじゃ」
そう言って笑う村長さんはとても嬉しそうだ。
これで、とりあえず家をたてる算段は整いそうだ。
ちかいうちにこうやって木陰で相談することもなくなるのかな。
そう思うとなにやら感慨深い。
心地よいそよ風を感じていると、突然背中になにかが飛びついてきた。
振り返ると、ルルルだった。
僕らがここに来る度に、彼女は僕にちょっかいを出しに来る。
「エンド! 話終わったか!? 遊べるか!?」
「うん、いいよ」
「いっつもあっちに帰らないで、今日は泊ってけばいい! な! レイカ!」
「そうですね。たまにはいいですね」
ルルルと話すときはレイカの表情も柔らかい。
僕はルルルに連れられて、子供達が集まっているところに向かっていく。
どんな遊びをするかと思ったら、鬼ごっこだ。
小さい子から大きい子も交えてのようだ。
「じゃあ、エンドが鬼ね! よーい、どん!」
「よし! 絶対みんなつかまえてやるからなぁ!!」
夜が更けるまで遊び続けると、今度は食事だ。
最近は、果物や木の実の群生地、狩りにむいている場所など徐々にわかってきているらしい。
とても家のない生活とはおもえないくらい豪華な食事を囲みながら、僕らは村の皆で食事をとった。
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