ブックメイカー ~ゴミスキルを開花させた少年は、孤児から頂点へと成り上がる~

卯月 みつび

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第三章 スキルの力と金策と裏切り

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「エンド様がここに住まわせてくれているお陰で、安心して生活できます。本当にありがとうございます」

「そうだねぇ。あたしら老人も元気が湧きでてくるようでね」

「この前、おばあちゃん、こんなおっきい獲物を捕まえたんだよ! 本当にすごかったんだから!」

「病気もしないし、本当にここの食べ物は体にいいかもしれんねぇ」

「それより、むこうのじっさんもすごくなかったかぁ? あんな大型の獣、現役時代よりでも取れなかったしなぁ!」

「それよりもあたしは、突然じいさまが元気になってこっちの身がもたないよ!」



 みんなが僕に話してくれることを一つ一つ聞いていく。

 ちょっぴり大人な話もあったけど、おおむねみんな元気でいてくれているらしい。

 子供達もあんなに元気に過ごしてる。

 まあ、すばしっこさはレベルがあがった僕のステータスでもなかなか捕まえるのが難しかった。

 っていうか、久しぶりにステータスをみたら、あんなにあがってたんだなってびっくりした。



 こういう時お酒とかあると盛り上がるのかな? 今度、村長さんに相談してみよう。



 そんなことを思っていると、レイカとルルルが僕に近づいて隣に座ってくる。

 僕が視線を向けると、それに応えるようにほほ笑んでくれた



「レイカもルルルも楽しんでる?」

「はい。今日はあちらの方々に色々話を聞いていました」

「うん! おばちゃんたち、楽しそうだったよ!」



 そちらをみると、ご婦人方が楽しそうに盛り上がっている。

 ちょっと僕には入り込めない雰囲気だけど。



「エンド様。皆、笑っていますね」

「うん。よかったよ……でも、もっと、過ごしやすくなるといいんだけどね」

「焦らなくていいんですよ。今でもエンド様は十分にやってますから」 

「そっかな」

「そうですよ」



 レイカにそう言ってもらえると、元気が出てくる。

 うん。

 このまま家が建って、もっとみんなが過ごしやすくなればいい。



「ねぇ、エンド」

「どうした? ルルル」

「ルルルね。エンドのために何かしたいんだ」

「何か?」



 その言葉に僕は驚いた。

 まさかそんなことを考えてくれてるなんて。

 こんな僕に……って思うのは、もう失礼なんだろうな。



「どうしてそう思ったの?」

「みんな言ってるよ! エンドのために何かしたい。けど、何もできないのがつらいって。じいちゃん達もばあちゃん達もお母さんも、みんなエンドが好きなんだ。役に立ちたいんだって」

「先ほどのご婦人方もおっしゃっていましたよ? もらうばかりじゃ嫌だって。何人か、エンド様の愛人になりたいと思っておりましたがいかがなされます?」

「ばっ、愛人ってっ! レイカ! 変なこと言わないでよ!」

「ふふ。それだけ慕われてるってことですよ」



 みんながそう思ってくれてるって知ることができて、暖かい気持ちになる。

 そうなると、なんでも僕がやるのは違うのかもしれないな。



「そっかぁ。そうだね。例えばルルルは何をしたいの?」

「ルルル? えっとねぇ、ルルルはねー」



 楽しそうに体をくねくねさせたルルルは、何かを思いついたのか、大きい目をぱっちり開いて僕に顔を近づけた。



「エンドと同じ、冒険者になりたい!」

「冒険者に?」

「うん! それで、お母さんを守るんだ!」



 剣か何かで斬りつける真似をしながらルルルは、またどこかに遊びに行ってしまった。



「ルルルが冒険者ね」

「いいと思いますけどね。今日の身のこなしを見ていれば、きっとうまくやるのではないでしょうか」

「たしかに。ここの子達の動きは正直びっくりしたから」

「獣人の元々の能力を考えても……たしかに普通じゃないかも?」



 そんな話をしていると、徐々に夜も更けてくる。

 そろそろ寝る準備をしないとな。

 そんなことを考え始めたころ、村長さんがやってきた。

 なにやら隣には若い男性を引き連れて。



「エンド様……少し時間をよろしいですかな?」

「あ、村長さん。それはいいんだけど……」

「そちらの方は……」



 一緒に来ていた男をみると、見覚えのない人だった。

 そして、彼の身体の一部。

 ついそこに視線が集中するのは仕方のないことなのだろう。



「こう……もり?」



 そう。

 彼の背中からは黒い翼が生えていたのだ。
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