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第三章 スキルの力と金策と裏切り
十一
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彼の話はこうだ。
元々、狐人族は他の獣人族と交流があったらしい。
あるとき、その狐人族が忽然と姿を消していたのを妙に思った彼らは、彼らの特性を活かして彼らの行方を探そうということになったらしいのだ。
だが、見つからない。
森の中に匂いは残っているけれど、消息がわからない。
そこで見つけたのが僕やレイカだったという。
狐人族の匂いを感じた僕らを追っていれば見つかると思ったらしい。
そう思って僕らをつけていたそうだが、どうしても弧人族の行方はわからなかったそうだ。蝙蝠族の彼がここの入り口を見つけるまでは。
その尾行の最中に、僕の知り合いのオリアーナが話していたこと聞いたそうだ。
その内容は、貴族との契約は金貨十枚ではなく百枚だということ。
「それが本当なら、エンド様の取り分はもっと多いのではないか?」
村長さんが驚いた様子で問いかける。
対する蝙蝠族の彼――ドロフェイというらしい――は大きく頷いた。
「彼女は、エンド様からできるだけ絞りとるようなことも言っておりました」
「そうか……オリアーナが」
すこしばかり悲しくなったが、元々予想していたことだ。
しょうがないと思っていると、横でレイカが炎にまみれていた。いや、そういう風に僕には見えてしまった。
「ふふふ……エンド様を騙そうとするなんて、あの女。生きていることを後悔させてやりましょう」
「まって! レイカ! 落ち着くんだ!」
今にも飛び出してオリアーナの元に向かっていきそうな彼女を押さえつけながら、僕はドロフェイに視線を向け声をかける。
「あ、ドロフェイさん。そしたら、皆さんに来てもらえると一度に話ができていいかもしれません。んーと、そうだな。何日くらいあればここまでこれそうですか?」
「あ、はい……そうですね。全ての集落に連絡をしてこちらに来るまでですから……一週間もあれば」
「そしたら、一週間後にまた会いましょう。その時は、こちらにそのまま入ってきていいですから」
「はい。それで……商人のことはどうしましょうか? こちらで始末することもできますが」
ドロフェイからの物騒な提案に僕は首を振る。
「大丈夫ですよ。とりあえず一週間後、よろしくお願いします」
「はい。本当にありがとうございます」
村長さんは謝罪を、ドロフェイさんは感謝を述べ去っていった。
その後ろ姿を見守っていると、レイカはそっと横に立ち小声で話しかけてくる。
「オリアーナ様のこと。いかがなされますか? それこそ、ドロフェイ様が言う様に処分してもよさそうですが」
「レイカもそう思う?」
「それは……エンド様をだましているんですよ?」
「そっか。たしかにそういうのはあるかもね」
僕がそう答えると、レイカは首をかしげている。
「エンド様はどのようにお考えですか?」
「うーんと、僕はね。オリアーナのことは凄いと思ってるんだ」
「凄い? ですか?」
「うん。だって、本当は金貨百枚の契約をとってきたんだよ? 僕らじゃできない。絶対に」
「それはまぁ、そうですが」
わかってくれたようだ。
僕は小さく頷くと話を続ける。
「騙そうっていっても、お金を全く僕らに渡さないわけじゃない。それだけでも十分に助かっている。なら、考えなきゃいけないことはさ。オリアーナにどうやって僕らの協力者になってもらうかってことかなって思うんだ」
僕は両手を握りしめた。
「悪い奴もいればいいやつもいる。それはどこに行ったって同じだから。なら、少しでも凄い人が僕に協力してくれたらそれはそれでいいのかなってね。ちょっとくらい僕が損をしても。まあ、今はそれよりも一週間後に他の獣人さん達がくるほうが大事じゃないかな? 準備、手伝ってくれるかな?」
「は、はい! それはもちろんです、エンド様!」
「なら今日は眠ろうか。色々あって疲れちゃったよ」
僕はそういいながら、満天の星空の下、ごろりと寝ころんだ。
大きく息を吸い込むと、湿った草と土のにおいが入り込んでくる。
心地いいな。
穏やかな気持になりながら、僕は眠りの世界へと意識を放り投げたのだった。
元々、狐人族は他の獣人族と交流があったらしい。
あるとき、その狐人族が忽然と姿を消していたのを妙に思った彼らは、彼らの特性を活かして彼らの行方を探そうということになったらしいのだ。
だが、見つからない。
森の中に匂いは残っているけれど、消息がわからない。
そこで見つけたのが僕やレイカだったという。
狐人族の匂いを感じた僕らを追っていれば見つかると思ったらしい。
そう思って僕らをつけていたそうだが、どうしても弧人族の行方はわからなかったそうだ。蝙蝠族の彼がここの入り口を見つけるまでは。
その尾行の最中に、僕の知り合いのオリアーナが話していたこと聞いたそうだ。
その内容は、貴族との契約は金貨十枚ではなく百枚だということ。
「それが本当なら、エンド様の取り分はもっと多いのではないか?」
村長さんが驚いた様子で問いかける。
対する蝙蝠族の彼――ドロフェイというらしい――は大きく頷いた。
「彼女は、エンド様からできるだけ絞りとるようなことも言っておりました」
「そうか……オリアーナが」
すこしばかり悲しくなったが、元々予想していたことだ。
しょうがないと思っていると、横でレイカが炎にまみれていた。いや、そういう風に僕には見えてしまった。
「ふふふ……エンド様を騙そうとするなんて、あの女。生きていることを後悔させてやりましょう」
「まって! レイカ! 落ち着くんだ!」
今にも飛び出してオリアーナの元に向かっていきそうな彼女を押さえつけながら、僕はドロフェイに視線を向け声をかける。
「あ、ドロフェイさん。そしたら、皆さんに来てもらえると一度に話ができていいかもしれません。んーと、そうだな。何日くらいあればここまでこれそうですか?」
「あ、はい……そうですね。全ての集落に連絡をしてこちらに来るまでですから……一週間もあれば」
「そしたら、一週間後にまた会いましょう。その時は、こちらにそのまま入ってきていいですから」
「はい。それで……商人のことはどうしましょうか? こちらで始末することもできますが」
ドロフェイからの物騒な提案に僕は首を振る。
「大丈夫ですよ。とりあえず一週間後、よろしくお願いします」
「はい。本当にありがとうございます」
村長さんは謝罪を、ドロフェイさんは感謝を述べ去っていった。
その後ろ姿を見守っていると、レイカはそっと横に立ち小声で話しかけてくる。
「オリアーナ様のこと。いかがなされますか? それこそ、ドロフェイ様が言う様に処分してもよさそうですが」
「レイカもそう思う?」
「それは……エンド様をだましているんですよ?」
「そっか。たしかにそういうのはあるかもね」
僕がそう答えると、レイカは首をかしげている。
「エンド様はどのようにお考えですか?」
「うーんと、僕はね。オリアーナのことは凄いと思ってるんだ」
「凄い? ですか?」
「うん。だって、本当は金貨百枚の契約をとってきたんだよ? 僕らじゃできない。絶対に」
「それはまぁ、そうですが」
わかってくれたようだ。
僕は小さく頷くと話を続ける。
「騙そうっていっても、お金を全く僕らに渡さないわけじゃない。それだけでも十分に助かっている。なら、考えなきゃいけないことはさ。オリアーナにどうやって僕らの協力者になってもらうかってことかなって思うんだ」
僕は両手を握りしめた。
「悪い奴もいればいいやつもいる。それはどこに行ったって同じだから。なら、少しでも凄い人が僕に協力してくれたらそれはそれでいいのかなってね。ちょっとくらい僕が損をしても。まあ、今はそれよりも一週間後に他の獣人さん達がくるほうが大事じゃないかな? 準備、手伝ってくれるかな?」
「は、はい! それはもちろんです、エンド様!」
「なら今日は眠ろうか。色々あって疲れちゃったよ」
僕はそういいながら、満天の星空の下、ごろりと寝ころんだ。
大きく息を吸い込むと、湿った草と土のにおいが入り込んでくる。
心地いいな。
穏やかな気持になりながら、僕は眠りの世界へと意識を放り投げたのだった。
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