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第三章 スキルの力と金策と裏切り
十二
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「はい! これが今週の分ね!」
オリアーナはそういいながら、僕に売り上げを渡してくれる。
その額は相当のものであり、本当に騙されているのか疑問に思うほどの金額だった。
「ありがとう、オリアーナ。君のお陰だよ。ようやく家を作ることに着工できたんだ」
「まあね! こっちもお陰様で儲けさせてもらってるわよ! お貴族様のご機嫌もすこぶるいいみたいだし!」
「とりあえず、渡す果物も量もあれくらいでいい?」
「ええ。今度もラフランスとマスカット、マンゴーをお願いね! じゃあ、また来週ここで」
オリアーナはそういうと、ここから立ち去ろうとしている。
だが、僕はそんな彼女を呼び止める。
「あ、オリアーナ。ちょっといい?」
「ん? いいけど……どうしたの」
座りなおしてくれたオリアーナは怪訝な表情だ。
僕は、できるだけ笑顔で話しかけた。
「唐突だけど……僕とオリアーナは持ちつ持たれつだと思ってるんだ」
「う、うん。そりゃね。パートナーみたいなもんだし」
「だからね。僕は何かあったらお互いに助け合いたいって思うよ?」
「なんの話よ。そんなことを話したいなら、私行くわよ」
やや呆れの混じった視線を向けられた僕だったけど、一応は伝えておかないとな。後ろにいるレイカから感じる空気がやたらと冷たいのは気にしないようにしよう。
「僕はオリアーナに本当の協力者になってほしいんだ」
立ち上がった彼女は、鋭い視線で僕を一瞥する。
その視線にまけることなく、僕は言葉を続ける。
「今の契約が不満ってこと?」
「いいや、そうじゃない。お互いに誠実にってことだよ」
今度こそ、オリアーナは苛立ちをあらわにする。
「私が誠実じゃないって言いたいわけね」
僕はその質問には答えず、表情をそのままに保つよう意識する。
「僕は少し特殊な友人がいてね。その人がいろいろと教えてくれるんだ。例えば――」
オリアーナの住んでいる場所のこと。
決まって食べる朝ご飯のこと。
オリアーナの言うお父さんとの接触が最近みられないこと。
などだ。
僕がそれらを伝え終わると、オリアーナの顔は真っ青になっていた。
たしかに色々言われて怖いと思うけど、僕は脅したいわけではない。
「ここまで伝えれば僕が何を言いたいかわかると思うんだ。けど、誤解しないで欲しいのは、脅してるわけじゃないってこと。僕はもしオリアーナが困ってたら助けたいって思ってる。だから、お互いに隠し事はなしにして、協力してやっていきたい。それを伝えたいって思ったんだよ」
オリアーナは固まっている。
しかし、僕は言いたいことを伝えられた。
ゆっくり立ち上がりレイカに視線を送り、僕はその場を後にした。
◆
一体なんなんだ、あいつは!
たしかに不思議な奴だと思ってた。
普通じゃないともおもってた。
けど、どうして私の住んでいる場所とかそんなことまで知ってるのよ! それってつまり、私がいろいろとごまかしていることも把握してるかもしれないってことだよね。
普通なら、そのお金を徴収したり、だまされたといって衛兵達に突き出したりされるだろうに。
でも、エンドはそんなことしなかった。
本当かわからないけど、協力者になりたい、困ってることがあったら助けたいって。
意味がわからない。
「……なによ。ここでお金を返すとかできるわけないじゃない! どこに自分のやってる罪をさらけ出す馬鹿がいるのよ!」
でも、逃げるっていう選択肢もあり得ない。
エンドがどこで見てるかわからない。
なら私はどうすればいい?
どうすれば、私は――。
あいつが去った後、しばらくして私はようやく動き出すことができた。
私は私の目的を投げ出すことはできない。
それだけは、曲げないと心に誓いながら。
オリアーナはそういいながら、僕に売り上げを渡してくれる。
その額は相当のものであり、本当に騙されているのか疑問に思うほどの金額だった。
「ありがとう、オリアーナ。君のお陰だよ。ようやく家を作ることに着工できたんだ」
「まあね! こっちもお陰様で儲けさせてもらってるわよ! お貴族様のご機嫌もすこぶるいいみたいだし!」
「とりあえず、渡す果物も量もあれくらいでいい?」
「ええ。今度もラフランスとマスカット、マンゴーをお願いね! じゃあ、また来週ここで」
オリアーナはそういうと、ここから立ち去ろうとしている。
だが、僕はそんな彼女を呼び止める。
「あ、オリアーナ。ちょっといい?」
「ん? いいけど……どうしたの」
座りなおしてくれたオリアーナは怪訝な表情だ。
僕は、できるだけ笑顔で話しかけた。
「唐突だけど……僕とオリアーナは持ちつ持たれつだと思ってるんだ」
「う、うん。そりゃね。パートナーみたいなもんだし」
「だからね。僕は何かあったらお互いに助け合いたいって思うよ?」
「なんの話よ。そんなことを話したいなら、私行くわよ」
やや呆れの混じった視線を向けられた僕だったけど、一応は伝えておかないとな。後ろにいるレイカから感じる空気がやたらと冷たいのは気にしないようにしよう。
「僕はオリアーナに本当の協力者になってほしいんだ」
立ち上がった彼女は、鋭い視線で僕を一瞥する。
その視線にまけることなく、僕は言葉を続ける。
「今の契約が不満ってこと?」
「いいや、そうじゃない。お互いに誠実にってことだよ」
今度こそ、オリアーナは苛立ちをあらわにする。
「私が誠実じゃないって言いたいわけね」
僕はその質問には答えず、表情をそのままに保つよう意識する。
「僕は少し特殊な友人がいてね。その人がいろいろと教えてくれるんだ。例えば――」
オリアーナの住んでいる場所のこと。
決まって食べる朝ご飯のこと。
オリアーナの言うお父さんとの接触が最近みられないこと。
などだ。
僕がそれらを伝え終わると、オリアーナの顔は真っ青になっていた。
たしかに色々言われて怖いと思うけど、僕は脅したいわけではない。
「ここまで伝えれば僕が何を言いたいかわかると思うんだ。けど、誤解しないで欲しいのは、脅してるわけじゃないってこと。僕はもしオリアーナが困ってたら助けたいって思ってる。だから、お互いに隠し事はなしにして、協力してやっていきたい。それを伝えたいって思ったんだよ」
オリアーナは固まっている。
しかし、僕は言いたいことを伝えられた。
ゆっくり立ち上がりレイカに視線を送り、僕はその場を後にした。
◆
一体なんなんだ、あいつは!
たしかに不思議な奴だと思ってた。
普通じゃないともおもってた。
けど、どうして私の住んでいる場所とかそんなことまで知ってるのよ! それってつまり、私がいろいろとごまかしていることも把握してるかもしれないってことだよね。
普通なら、そのお金を徴収したり、だまされたといって衛兵達に突き出したりされるだろうに。
でも、エンドはそんなことしなかった。
本当かわからないけど、協力者になりたい、困ってることがあったら助けたいって。
意味がわからない。
「……なによ。ここでお金を返すとかできるわけないじゃない! どこに自分のやってる罪をさらけ出す馬鹿がいるのよ!」
でも、逃げるっていう選択肢もあり得ない。
エンドがどこで見てるかわからない。
なら私はどうすればいい?
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それだけは、曲げないと心に誓いながら。
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