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第三章 スキルの力と金策と裏切り
十三
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僕は、オリアーナと別れた後、建物の片隅でそっと本を開く。
そして目をつぶり念じると、そこはもう本の世界だ。
鬱蒼と茂る森の中を歩いていると、僕が来たのを察したのだろう。ルルルが嬉しそうに飛びついてきた。
「エンド! もうみんな揃ってる!」
「本当? ずいぶん早いんだね」
「みんな、エンドのこと待ってる! ほら、早く! 早く!」
僕を一生懸命引っ張るルルルを見ていたレイカが、興奮した彼女をそっと諭した。
「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。エンド様が困ってるじゃないですか」
「え? 本当か? ルルル、困らせたか!?」
「大丈夫だよ、ルルル。待たせてるなら急がなくちゃね」
「うん! 行こう!」
はしゃぐルルルの後ろを、僕とレイカはゆっくりと追いかけていく。
今日は、蝙蝠族のドロフェイさんから庇護下に加わりたいと言われたあの日から一週間後。
つまり、他種族が集まる日だ。
不安と緊張をないまぜにしながらも、僕はなぜだか興奮しているようだ。
さっきから胸の高鳴りが止まらない。
そんな鼓動の音を抑えるかのように、僕は胸の前で拳を握りしめた。
「エンド様。この度は、我らを受け入れてくれると聞き、大変ありがたく思っております。我らは誇り高き犬人族。鼻の良さと足の速さには自信があります」
「エンド様っていうんだってね! うちらは猫人族だにゃ! すばしっこさなら負けないから、なんでも言ってくれていいにゃ」
「僕らは鼠人族なんだな。戦いは得意じゃないけど、小さいからどこへでも入り込めるんだな」
「僕たちはね、熊人族だよ。力仕事なら任せてね」
「我ら蝙蝠族はドロフェイから紹介がありました通り、夜と空を翔けることなら負けませぬ。他にも少数民族はおりますが、狐人族に加え、我らもエンド様の配下にしていただきたく思っております。何卒、よろしくおねがいいたします」
そういうと、砕けた言葉遣いの人たちも、跪き頭を下げてくれた。
本当に、種族毎に特徴があるんだなぁと思っていると、レイカは先日と同じような冷たい表情で彼らを見下ろしていた。
「誇り高き獣人の方々よ。エンド様はあなた方の来訪を心待ちにされていた。この世界はエンド様のスキルの力。飢えず、襲われず、安全と安寧をあなた方に与えるでしょう。エンド様が求めるのは信頼。その信頼を築くために、あなた方は何を示してくださいますか?」
レイカの言葉に、目の前に跪いていた長達は顔を上げた。
「犬人族は忠誠を。我ら一族の誇りを保てるならば、どんなことでもいたしましょう」
「うちらも同じ感じかにゃ? 楽しそうなことには協力するにゃ! なんなら、可愛い子もたくさんいるからそういうのもありかもしれないにゃ」
「僕らもできることならなんでもするんだな。細かいことと楽しいことが得意だから、何か作ったりしたら必ずもってくるんだな」
「僕たちもがんばるよ! 家を作りたいっていうから、木を切ったり、力仕事は全部やろうかなって思ってるよ」
「我ら蝙蝠族も、あなた方に忠誠を。もともと日陰の身。どんなに汚いことでもかならず成し遂げることを約束いたしましょう」
全員の言葉を聞き終えると、レイカは僕のほうへ振り向いた。
獣人族達とレイカの視線を受けた僕は、その迫力に気圧される。
が、今ここでひいては彼らに示しがつかない気がした。皮膚がびりびりするくらいの圧力に耐えながら、僕は一歩を踏み出し口を開く。
「ありがとう……。ここは僕のスキルがつくった世界……。でも、同時にここに住むみんなの世界でもあると思うんだ。虐げられ続けた僕らは、ここで安寧を得る……そのために協力していけたらいいと思っています。どうか……よろしくおねがいします!」
僕が頭を下げると、見えない向こうでレイカが笑ってくれた気がした。
照れくさくて顔を上げると、先ほどまでの緊張感は雲散し、ゆるい空気が流れていた。
「それではエンド様。狐人族の皆が宴の用意をしてくれています。今日はせっかく多くの種族が集まったんですから。一緒に楽しい時間をすごしましょう!」
レイカはそういうと、狐人族達がいる集落へと皆を案内していった。
そして目をつぶり念じると、そこはもう本の世界だ。
鬱蒼と茂る森の中を歩いていると、僕が来たのを察したのだろう。ルルルが嬉しそうに飛びついてきた。
「エンド! もうみんな揃ってる!」
「本当? ずいぶん早いんだね」
「みんな、エンドのこと待ってる! ほら、早く! 早く!」
僕を一生懸命引っ張るルルルを見ていたレイカが、興奮した彼女をそっと諭した。
「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。エンド様が困ってるじゃないですか」
「え? 本当か? ルルル、困らせたか!?」
「大丈夫だよ、ルルル。待たせてるなら急がなくちゃね」
「うん! 行こう!」
はしゃぐルルルの後ろを、僕とレイカはゆっくりと追いかけていく。
今日は、蝙蝠族のドロフェイさんから庇護下に加わりたいと言われたあの日から一週間後。
つまり、他種族が集まる日だ。
不安と緊張をないまぜにしながらも、僕はなぜだか興奮しているようだ。
さっきから胸の高鳴りが止まらない。
そんな鼓動の音を抑えるかのように、僕は胸の前で拳を握りしめた。
「エンド様。この度は、我らを受け入れてくれると聞き、大変ありがたく思っております。我らは誇り高き犬人族。鼻の良さと足の速さには自信があります」
「エンド様っていうんだってね! うちらは猫人族だにゃ! すばしっこさなら負けないから、なんでも言ってくれていいにゃ」
「僕らは鼠人族なんだな。戦いは得意じゃないけど、小さいからどこへでも入り込めるんだな」
「僕たちはね、熊人族だよ。力仕事なら任せてね」
「我ら蝙蝠族はドロフェイから紹介がありました通り、夜と空を翔けることなら負けませぬ。他にも少数民族はおりますが、狐人族に加え、我らもエンド様の配下にしていただきたく思っております。何卒、よろしくおねがいいたします」
そういうと、砕けた言葉遣いの人たちも、跪き頭を下げてくれた。
本当に、種族毎に特徴があるんだなぁと思っていると、レイカは先日と同じような冷たい表情で彼らを見下ろしていた。
「誇り高き獣人の方々よ。エンド様はあなた方の来訪を心待ちにされていた。この世界はエンド様のスキルの力。飢えず、襲われず、安全と安寧をあなた方に与えるでしょう。エンド様が求めるのは信頼。その信頼を築くために、あなた方は何を示してくださいますか?」
レイカの言葉に、目の前に跪いていた長達は顔を上げた。
「犬人族は忠誠を。我ら一族の誇りを保てるならば、どんなことでもいたしましょう」
「うちらも同じ感じかにゃ? 楽しそうなことには協力するにゃ! なんなら、可愛い子もたくさんいるからそういうのもありかもしれないにゃ」
「僕らもできることならなんでもするんだな。細かいことと楽しいことが得意だから、何か作ったりしたら必ずもってくるんだな」
「僕たちもがんばるよ! 家を作りたいっていうから、木を切ったり、力仕事は全部やろうかなって思ってるよ」
「我ら蝙蝠族も、あなた方に忠誠を。もともと日陰の身。どんなに汚いことでもかならず成し遂げることを約束いたしましょう」
全員の言葉を聞き終えると、レイカは僕のほうへ振り向いた。
獣人族達とレイカの視線を受けた僕は、その迫力に気圧される。
が、今ここでひいては彼らに示しがつかない気がした。皮膚がびりびりするくらいの圧力に耐えながら、僕は一歩を踏み出し口を開く。
「ありがとう……。ここは僕のスキルがつくった世界……。でも、同時にここに住むみんなの世界でもあると思うんだ。虐げられ続けた僕らは、ここで安寧を得る……そのために協力していけたらいいと思っています。どうか……よろしくおねがいします!」
僕が頭を下げると、見えない向こうでレイカが笑ってくれた気がした。
照れくさくて顔を上げると、先ほどまでの緊張感は雲散し、ゆるい空気が流れていた。
「それではエンド様。狐人族の皆が宴の用意をしてくれています。今日はせっかく多くの種族が集まったんですから。一緒に楽しい時間をすごしましょう!」
レイカはそういうと、狐人族達がいる集落へと皆を案内していった。
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