Defense 2 完結

パンチマン

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長の帰還

46 スカイラインの独断

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 数年前


<メイデイメイデイ!操縦不能!>

<機長!墜落します!>

<態勢を立て直せ!墜落なんてしたら!>

<機長!もうダメです!上がりません!>

<くそ!墜落は回避できない!護衛機は!?いるのか!?>

<な、機長!旋回していってます!>

<なんだと!?>

<もう無理だ!落ちる!>

<上がれ!上がれ!>


機体は無数の警報音と共に公海に墜落した。

<AWACS、任務完遂。機体は海面に墜落した。>

<ラジャー、帰投せよ。>

<了解。>

護衛についていたF22数機は、編隊を組みそそくさと基地へ帰って行った。
 
 ・・・・70分後

墜落地点に向かう1機のCH47チヌークがいた。胴体にはスカイラインの国旗が入っている。ダイバースーツに身を包んだスカイライン海軍のダイバーたちゴムーボートを囲んで座りキャビンで待機していた。

「任務を再確認する。先程オーシア軍がとある作戦により航空機を墜落させた。そしてなにやらあの機体には重要な敵性VIPが乗っていたらしく、俺たちにそのVIPが生きているか死んでいるかの確認をしてくれとの事だ。なにか質問あるか?」

隊長の男が見回して言った。すると1人のダイバーが挙手して質問した。

「仮に生きていた場合はどうするんですか?」

「そうだな、取り敢えずは救出する。」

「了解。あと救出したあとはどうするのですか?」

「それは司令に従うまでだ。」

「了解です。」

<間も無く墜落地点に到着。スタンバイ>

パイロットがキャビンに向かって言った。

「よし。行くぞ!」

全員立ち上がった。後部ドアが開き、ヘリの風圧による水しぶきがキャビンに飛び散ってきた。先にゴムーボート2隻を投下して、その後順々に海にダイブして行った。

「機体はあそこだ!任務開始しろ。」

ダイバーたちは一斉に潜り、泳ぎ、目的の機体を探し回った。すると機体は案外早めに発見することが出来た。
 まだ沈みきってない機体は、差し込んだ陽の光を反射しながら水中に浮いていた。衝撃からか翼はもがれ、胴は二つに割れていた。ダイバーはジェスチャーで指示を飛ばして機内に入った。
 するとダイバー達は座席で息絶えたVIPを見て驚いたようだった。目をまん丸開けて互いに見合っては首を横に振っていた。困ったダイバーは一度海面に出て確認した。

「おい、見たよな?VIPってのはセグワの王家なのか!?」

「ああ、間違いねえ。基地で見た張り紙にあの爺さんの顔があった。」

「待て、だがあそこに女のやつはいたか?」

「女?婆さんならいたような気がするが」

「違う!戦時中の国王の女だよ。」

「わからんな、確認しよう。」

ダイバーは再び潜水して、機内に入った。ライトで照らして確認するが、その女は機内にはいなかった。再度海面に上昇した。

「いないぞ?」

「ヘリから確認してもらおう。」

<隊長?聞こえますか?>

ダイバーの無線に隊長は旋回するヘリから応答した。

<おう聞こえるぞ。どうだ生存者はいたか?>

<いえ、生存者は確認できず、ただVIPというのはセグワ王家なんでしょうか?>

<なに?セグワの王家だと?>

<見たところセグワの王家です。しかし戦時中の王女が見当たりません。>

<なんだと?>

<どうしますか?>

<待ってろ、俺もそっちへ行く。>

そう言って隊長はヘリの操縦士に伝え海面ギリギリを飛行させ、そのまま海へ降りてゴムーボートに乗った。

「取り敢えず遺体を引きあげてくれ!」

隊長はゴムーボートからダイバーに伝えた。ダイバーたちは機内に入り、ナイフでベルトを切り裂き、息絶えたセグワ王家の人間たちをゴムボート2隻に引き上げた。

「間違いねぇ。こりゃ本物のセグワ王家だ。」

「どうなってるんですかね?」

隊長と相乗りしていた兵士が溺死した王家の人間を見て言った。するとその時、上空を旋回していたヘリから無線が入った。

<コリンズ、聞こえるか?隊長?>

<あぁ、聞こえてる。どうした。>

<本機から1時方向。墜落機の残骸が浮かんでるところに人影が見える。もしかしたらその王女って奴じゃないのか?>

すぐに隊長はヘリを見上げた。ヘリから1時方向。すぐに相乗りしていた兵士に向かうよう指示を出し、一気に残骸が浮かんだ地帯に駆けつけた。穏やかな大海原に無数に浮かんだ残骸を掻き分けながら進んでいると、ヘリの通達通りちぎれた翼の根元あたりにぐったりと倒れた人を発見した。隊長はすぐにゴムーボートに引き上げ確認した。

<ダイバー、聞こえるか?>

<聞こえます。隊長どうでしたか?発見できましたか?>

<ああ、間違いない。この人はアレア王女だ。>

<了解です。そっちに向かいます。>

ダイバーはもう一隻のゴムーボートに乗り、隊長の方へと急行した。到着して隊長のボートを覗き込む。

「隊長。どうしますか?」

すると隊長はアレアの口元あたりに耳を当てた。

「待て.....まだ呼吸があるぞ。救い出そう。回収させろ!ヘリをここに呼べ。」

隊長の指示でヘリが近くでホバリングしてその間にボートを引き上げた。しかしキャビンの中で、他のダイバーはすぐに隊長の制止に入った。

「待ってください!オーシアはこの王家を言ってしまえば殺したんですよね。それなのに救出なんかしてしまえば、越権行為になってしまいますよ。」

「そんな事言ってられるか!」

「ですが....」

「つべこべ言うな。取り敢えず緊急搬送だ。ここから一番近い病院はどこだ?」

隊長はパイロットに向かって尋ねた。

「ここからだとオーシア国内になるが。」

「やむを得んだろ。すぐに向かってくれ。」

「分かった。」

ヘリはそのままオーシアの病院へと向かった。

「隊長良いんですか?もしオーシアからいちゃもんつけられたらどうするんですか?」

「そんなもん俺が責任取れば済む話だ。それにこの人までも亡くなってしまえば、それこそオーシアの思い通りになってしまうぞ。」

こうしてスカイラインのダイバー部隊の独断で、アレアはオーシア国内の病院へと緊急搬送された。
 幸い一命を取り留めたものの、昏睡状態へと陥り数年間目覚める事なく眠り続けた。そして隊長の男は懲戒処分を受け職を追われ、他のヘリ操縦士やダイバーも同様に厳罰処分となった。






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