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21章 祭りの日
雪が景色を
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「しかし、こちらの世界では世界の存続というのは異なる理屈に依るのです。」
「ええ、それはそうでしょうとも。」
続くロザリアの言葉に対しては、オユキから返せる返答などそのような物だ。
この世界には、恒星が存在しない。大地はただ平面だ。では、そうした世界で訪れる宇宙の終焉、世界の終焉というのは間違いなく形が異なる。人はどうした所で、宇宙を目指しはしない。ただただ、この世界を探索して、それで終わりとなっていくのだろう。若しくは、この世界で得られる糧をもって、宇宙へその版図を広げるのかもしれない。若しくは、オユキの生きていたころにしても全くもって未解明であった海中や、地中。そうした方向性に向かって行くのかもしれない。どちらにしても、途方もない時間がかかる事だろう。しかし、人々はそれを叶える事だろう。いつの日にか。
「ええ。何時かはこの世界もいよいよ探索がされ尽くすでしょう。」
「そして、それがこの世界の終焉でしょうか。」
「いえ、もっと単純な物です。」
さて、そう言われたところでいよいよ思いつくところが無いというのがオユキの本音ではある。
それこそ、汚物と呼ばれる神のなりそこない。先ほどまで聞いた話によれば、滅ぼした世界で色々と思うところがあった存在も混じっているのだろうが、そうした物が終焉を与えると考える事も出来る。それこそ、こちらの神々であればどうにでもできる存在ではあるのだろうが。
「この世界の終焉、そこで考えられる唯一の物というのが、独立前に試練を達成できない、それに尽きるのです。」
「おや、意外ですね。」
達成できなければ、どうなるのか。それについてはいよいよ考えるまでもないだろう。
「つまり、私達に求められたのは、そこですか。」
そして、オユキとトモエに対して、そこに至るための道筋をどうにかつけろと。
「ええ、それで概ね正解です。」
「概ね、ですか。」
「はい。概ね、です。」
さて、オユキが確認として振ってみたところで、やはり反応は芳しくない。
「では、如何にそれを為すのかと言えば、この世界に存在する淀み。それを払う事によって為されます。」
「独立については、一先ず予想通りでしょうか。」
そういった道筋といえばいいのか、オユキとしては確かに考えた事ではある。そして、それが恐らくは正しくミズキリの考える道筋として存在しているのだろうとも。ミズキリはかつての世界とこの世界、これらを繋ぐことを考えているはずだと考えたときに、オユキはそこに思い至った。
それ以外のいくらかも確かに考えはしたのだが、どれも蓋然性と言えばいいのか、あまりにも道筋として無理があるだろうと。要は、叶えうる中で、人が介入してどうにかなるのではないかとそう考えられる物の中では、恐らくという程ではなく、確かなのは、間違いなく。
「元よりこちらに来る時にかつての世界の神、ええ、いらっしゃったわけですが、その方から話を聞き、こちらの世界の創造神にお会いした時にそれに気が付いたと言いましょうか。」
「ええ、創造神様も言外に幾度も示されたでしょう。」
「そうですね。随分とと言いますか、その辺りは非常に分かりやすく示されていましたし。」
かつての世界の神を姉と呼び、そうした創造神を母とも姉とも呼ぶ柱が多かった。そこから考えが及んだのだ。他に何があったという訳でもなく、見え隠れ数る関係性、力関係。そうした物が確かに存在していて、考えるだけの余地は確かにそこにあった。
「ですから、こちらが確かになるために必要であったのです。そして、お二人に求める役割、与えた試練というのは、それ以上でもそれ以下でもありません。」
「それがどういった形になるか、いえ、トモエさんの事も考えれば、成程。」
つまりは、相応に時間がかかる物なのだ。オユキだけであれば、ともすればと不愉快な想像も脳裏にちらつく。それすらも、今のオユキにとっては煩わしいと、何処か苛立ちを含んだ感情を巻き起こすような。
「それにしても、随分な事を行おうとしているものです。」
「本当に。」
ロザリアは、オユキが色々と飲み込んだうえでため息とともに絞り出した言葉をただ微笑んで肯定するだけだ。
それにつけても、オユキとトモエには確かに大層な試練と言えばいいのか、使命と言えばいいのか、それが与えられているらしい。確かに大層な事は望んでいるのだが、そのためにそこまでを課されるいわれがあるのかどうか。
「実のところ、お望みの事を叶えるだけであれば。」
「まぁ、そうなりますか。」
結局のところ、この世界が独立したとして、やはりそこにはミズキリの願いというものが存在している。世界がつながったというのであれば、オユキもトモエも、ではどちらの世界に魂を返すのかという事を考えるにしても、叶えるにしても。結局どちらも問題なさそうな物ではある。
オユキとしては、それについても気がかかりがある。世界が独立した時に、そこでどうにもならない何かが起こるという訳でもなくなるのだ。目的意識と言えばいいのか、そこに至るだけの動機と言えばいいのか。それがすでに喪失した状況だというのは、オユキとて理解しているのだ。それでも、最初に決めた結末がそれであるからと、ただそこに向かって歩いているだけに過ぎない。それを不安だと思う者達もいるのだろう、悲しい事だと評する者達も多い事だろう。だが、結局のところ人の生き死になど。
「ですが、やはり、そこは変わりません。」
ただ、オユキとしては、意固地になっている己を感じながらも、そればかりは変える気が無い。変えられる気もしない。どこかに終わりを決めなければ、やはり疲れるのだ。既に心は若くない。終わりを見据える事を常として来た。そこについては、もはや見栄を張るだけの、隠して見せるだけの余裕というのが存在しない。その結果がトモエによって止められるという未来。何とも、己の情けなさをまざまざと見せつけられるものだと、こうして話している間にも。
「終わりに向けて、ええ、歩んでいきましょう。」
「本当に、それでよいのですか。」
「良いのかと聞かれれば、勿論良いという訳ではありませんが。」
このあたり、己の考えを口にするにはどうすればいいのだろうかと。それ以外の事であれば、世の理非曲直で有れば、語るに慣れてはいるのだが。それと、企業と言えばいいのか、団体と言えばいいのか、その代表としての振る舞いというのも慣れてはいる。しかし、己の心の形を、己が何をどう考えているのか。そうした漠然としたものを、トモエとの間で決まる事を話すには、やはり慣れていない。
「駄目ですね。甘やかされてきたのでしょう。」
オユキの思考としては、どうした所で自罰的に。ぐずぐずと、いい年をしたものがみっともないと、そうする己に対してさらに思うところが生まれる。何処まで行っても負のサイクルを自身に作るのだから、いよいよ救いようが無い。そう考え、それを見透かしたようにトモエが手を差し伸べてくれることが多かったのだと、今更ながらに思うものだ。かつては、それこそそうして助けられ、互いに手を取りあって。晩年には、子供や孫に囲まれて。そして、巣立っていた者達を見送った後には、トモエとただのんびりと。
こちらに来た時には、そのようにまた過ごせればと。そうして、過去にあったようにあちらこちらに足を延ばして自由にと、そう考えていたものだが。どうにも、縁を得たと言えばいいのか、範を示す為と言えばいいのか。こちらでもやはり身動きがとりにくくなってしまったのだ。
「それが、良くないとは分かっているのですが。」
甘やかされてきた、自分に対してそうした。トモエもオユキに対してそうある。それが、やはりよくないのだろうと分かっていたとして。結局止めるだけの強い動機というのもそこには無いのだ。
「どうにも、難しいものです。」
「それは難しく考えすぎているだけなのでしょう。」
そして、ロザリアは良いですかと、そう一つ言葉を置いて続ける。
「凡そこの世界で生きている生命というのは、他の何かに対して甘える物なのです。」
「それは、ええ、そうなのでしょう。」
「オユキさんも理解されている形として、食物連鎖というものがあるようですが、それも勿論含めてです。しかし、こちらではさらに進めて互いに手をとり合うのだと、それが前提となっているのです。」
手をとり合う、それは何も人同士だけではないのだと。
「神々とて、人々に対して加護を与え、そしてそこから得られる感謝であったり、それらを己の糧とするわけです。」
「確かに、こちらに私共が来てからというもの。」
「特に戦と武技、それから木々と狩猟ですね。ええ、お二方とも非常に喜ばれていますとも。」
喜んでいるのだろうと、それについては色々と便宜を図ってもらっている事から良く分かる。
「では、それを甘えと取るのか、それとも互いに手をとり合っていると考えるのか。そこは最早気の持ちようなのでしょう。与えられた物を返す、お互いに。それを前提としている世界だからこそ、お二方に対しては、色々と返すべきものがあるのだと。」
「それは。」
「あの子たちの事もそうです。あの子たちとて、お二方に返すべきものがあるのだと、そう常々考えていますよ。」
さて、言われた言葉にオユキにしても心当たりがある。しかし、そこに特別何かをして欲しいなどとは考えていないのだ。
「特段、そうですね、特段何をと望んでいるわけでは無いのですが。」
「それがあの子たちにも伝わっているのでしょう。ただ、何かを返そうと、ええ、あの子たちは勿論考えていますよ。」
「さて、何かをと言われましても。」
では、子供たちに、少年たちに何をしてもらえと言われたところで、思いつく事など精々は荷物を拾って集める位だろうか。それにしても今となっては領都や王都で頼んだ人員がいる。こちらにまでついて来てくれている者達であり、生活の面倒にしても初期は見ていたのだが今となっては頼んだ分の金銭を対価に渡すだけ。誰も彼もが、巣立ったと言えばいいのか、己の愛で立つことを選んだと言えばいいのか。
「どうでしょうか。オユキさんの望むこと、その手伝いくらいはあの子達でも出来そうなものですが。」
「望むことの手伝い、ですか。」
「ええ、翼人種の長の方、そちらと真っ向から挑むことをと望まれているのでしょう。」
「ええ、それはそうでしょうとも。」
続くロザリアの言葉に対しては、オユキから返せる返答などそのような物だ。
この世界には、恒星が存在しない。大地はただ平面だ。では、そうした世界で訪れる宇宙の終焉、世界の終焉というのは間違いなく形が異なる。人はどうした所で、宇宙を目指しはしない。ただただ、この世界を探索して、それで終わりとなっていくのだろう。若しくは、この世界で得られる糧をもって、宇宙へその版図を広げるのかもしれない。若しくは、オユキの生きていたころにしても全くもって未解明であった海中や、地中。そうした方向性に向かって行くのかもしれない。どちらにしても、途方もない時間がかかる事だろう。しかし、人々はそれを叶える事だろう。いつの日にか。
「ええ。何時かはこの世界もいよいよ探索がされ尽くすでしょう。」
「そして、それがこの世界の終焉でしょうか。」
「いえ、もっと単純な物です。」
さて、そう言われたところでいよいよ思いつくところが無いというのがオユキの本音ではある。
それこそ、汚物と呼ばれる神のなりそこない。先ほどまで聞いた話によれば、滅ぼした世界で色々と思うところがあった存在も混じっているのだろうが、そうした物が終焉を与えると考える事も出来る。それこそ、こちらの神々であればどうにでもできる存在ではあるのだろうが。
「この世界の終焉、そこで考えられる唯一の物というのが、独立前に試練を達成できない、それに尽きるのです。」
「おや、意外ですね。」
達成できなければ、どうなるのか。それについてはいよいよ考えるまでもないだろう。
「つまり、私達に求められたのは、そこですか。」
そして、オユキとトモエに対して、そこに至るための道筋をどうにかつけろと。
「ええ、それで概ね正解です。」
「概ね、ですか。」
「はい。概ね、です。」
さて、オユキが確認として振ってみたところで、やはり反応は芳しくない。
「では、如何にそれを為すのかと言えば、この世界に存在する淀み。それを払う事によって為されます。」
「独立については、一先ず予想通りでしょうか。」
そういった道筋といえばいいのか、オユキとしては確かに考えた事ではある。そして、それが恐らくは正しくミズキリの考える道筋として存在しているのだろうとも。ミズキリはかつての世界とこの世界、これらを繋ぐことを考えているはずだと考えたときに、オユキはそこに思い至った。
それ以外のいくらかも確かに考えはしたのだが、どれも蓋然性と言えばいいのか、あまりにも道筋として無理があるだろうと。要は、叶えうる中で、人が介入してどうにかなるのではないかとそう考えられる物の中では、恐らくという程ではなく、確かなのは、間違いなく。
「元よりこちらに来る時にかつての世界の神、ええ、いらっしゃったわけですが、その方から話を聞き、こちらの世界の創造神にお会いした時にそれに気が付いたと言いましょうか。」
「ええ、創造神様も言外に幾度も示されたでしょう。」
「そうですね。随分とと言いますか、その辺りは非常に分かりやすく示されていましたし。」
かつての世界の神を姉と呼び、そうした創造神を母とも姉とも呼ぶ柱が多かった。そこから考えが及んだのだ。他に何があったという訳でもなく、見え隠れ数る関係性、力関係。そうした物が確かに存在していて、考えるだけの余地は確かにそこにあった。
「ですから、こちらが確かになるために必要であったのです。そして、お二人に求める役割、与えた試練というのは、それ以上でもそれ以下でもありません。」
「それがどういった形になるか、いえ、トモエさんの事も考えれば、成程。」
つまりは、相応に時間がかかる物なのだ。オユキだけであれば、ともすればと不愉快な想像も脳裏にちらつく。それすらも、今のオユキにとっては煩わしいと、何処か苛立ちを含んだ感情を巻き起こすような。
「それにしても、随分な事を行おうとしているものです。」
「本当に。」
ロザリアは、オユキが色々と飲み込んだうえでため息とともに絞り出した言葉をただ微笑んで肯定するだけだ。
それにつけても、オユキとトモエには確かに大層な試練と言えばいいのか、使命と言えばいいのか、それが与えられているらしい。確かに大層な事は望んでいるのだが、そのためにそこまでを課されるいわれがあるのかどうか。
「実のところ、お望みの事を叶えるだけであれば。」
「まぁ、そうなりますか。」
結局のところ、この世界が独立したとして、やはりそこにはミズキリの願いというものが存在している。世界がつながったというのであれば、オユキもトモエも、ではどちらの世界に魂を返すのかという事を考えるにしても、叶えるにしても。結局どちらも問題なさそうな物ではある。
オユキとしては、それについても気がかかりがある。世界が独立した時に、そこでどうにもならない何かが起こるという訳でもなくなるのだ。目的意識と言えばいいのか、そこに至るだけの動機と言えばいいのか。それがすでに喪失した状況だというのは、オユキとて理解しているのだ。それでも、最初に決めた結末がそれであるからと、ただそこに向かって歩いているだけに過ぎない。それを不安だと思う者達もいるのだろう、悲しい事だと評する者達も多い事だろう。だが、結局のところ人の生き死になど。
「ですが、やはり、そこは変わりません。」
ただ、オユキとしては、意固地になっている己を感じながらも、そればかりは変える気が無い。変えられる気もしない。どこかに終わりを決めなければ、やはり疲れるのだ。既に心は若くない。終わりを見据える事を常として来た。そこについては、もはや見栄を張るだけの、隠して見せるだけの余裕というのが存在しない。その結果がトモエによって止められるという未来。何とも、己の情けなさをまざまざと見せつけられるものだと、こうして話している間にも。
「終わりに向けて、ええ、歩んでいきましょう。」
「本当に、それでよいのですか。」
「良いのかと聞かれれば、勿論良いという訳ではありませんが。」
このあたり、己の考えを口にするにはどうすればいいのだろうかと。それ以外の事であれば、世の理非曲直で有れば、語るに慣れてはいるのだが。それと、企業と言えばいいのか、団体と言えばいいのか、その代表としての振る舞いというのも慣れてはいる。しかし、己の心の形を、己が何をどう考えているのか。そうした漠然としたものを、トモエとの間で決まる事を話すには、やはり慣れていない。
「駄目ですね。甘やかされてきたのでしょう。」
オユキの思考としては、どうした所で自罰的に。ぐずぐずと、いい年をしたものがみっともないと、そうする己に対してさらに思うところが生まれる。何処まで行っても負のサイクルを自身に作るのだから、いよいよ救いようが無い。そう考え、それを見透かしたようにトモエが手を差し伸べてくれることが多かったのだと、今更ながらに思うものだ。かつては、それこそそうして助けられ、互いに手を取りあって。晩年には、子供や孫に囲まれて。そして、巣立っていた者達を見送った後には、トモエとただのんびりと。
こちらに来た時には、そのようにまた過ごせればと。そうして、過去にあったようにあちらこちらに足を延ばして自由にと、そう考えていたものだが。どうにも、縁を得たと言えばいいのか、範を示す為と言えばいいのか。こちらでもやはり身動きがとりにくくなってしまったのだ。
「それが、良くないとは分かっているのですが。」
甘やかされてきた、自分に対してそうした。トモエもオユキに対してそうある。それが、やはりよくないのだろうと分かっていたとして。結局止めるだけの強い動機というのもそこには無いのだ。
「どうにも、難しいものです。」
「それは難しく考えすぎているだけなのでしょう。」
そして、ロザリアは良いですかと、そう一つ言葉を置いて続ける。
「凡そこの世界で生きている生命というのは、他の何かに対して甘える物なのです。」
「それは、ええ、そうなのでしょう。」
「オユキさんも理解されている形として、食物連鎖というものがあるようですが、それも勿論含めてです。しかし、こちらではさらに進めて互いに手をとり合うのだと、それが前提となっているのです。」
手をとり合う、それは何も人同士だけではないのだと。
「神々とて、人々に対して加護を与え、そしてそこから得られる感謝であったり、それらを己の糧とするわけです。」
「確かに、こちらに私共が来てからというもの。」
「特に戦と武技、それから木々と狩猟ですね。ええ、お二方とも非常に喜ばれていますとも。」
喜んでいるのだろうと、それについては色々と便宜を図ってもらっている事から良く分かる。
「では、それを甘えと取るのか、それとも互いに手をとり合っていると考えるのか。そこは最早気の持ちようなのでしょう。与えられた物を返す、お互いに。それを前提としている世界だからこそ、お二方に対しては、色々と返すべきものがあるのだと。」
「それは。」
「あの子たちの事もそうです。あの子たちとて、お二方に返すべきものがあるのだと、そう常々考えていますよ。」
さて、言われた言葉にオユキにしても心当たりがある。しかし、そこに特別何かをして欲しいなどとは考えていないのだ。
「特段、そうですね、特段何をと望んでいるわけでは無いのですが。」
「それがあの子たちにも伝わっているのでしょう。ただ、何かを返そうと、ええ、あの子たちは勿論考えていますよ。」
「さて、何かをと言われましても。」
では、子供たちに、少年たちに何をしてもらえと言われたところで、思いつく事など精々は荷物を拾って集める位だろうか。それにしても今となっては領都や王都で頼んだ人員がいる。こちらにまでついて来てくれている者達であり、生活の面倒にしても初期は見ていたのだが今となっては頼んだ分の金銭を対価に渡すだけ。誰も彼もが、巣立ったと言えばいいのか、己の愛で立つことを選んだと言えばいいのか。
「どうでしょうか。オユキさんの望むこと、その手伝いくらいはあの子達でも出来そうなものですが。」
「望むことの手伝い、ですか。」
「ええ、翼人種の長の方、そちらと真っ向から挑むことをと望まれているのでしょう。」
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