802 / 1,235
23章 ようやく少し観光を
決まる事は
しおりを挟む
隣国に対する方針、それに関しては既に決まっている事があるらしい。では、そこに対してオユキが何かを行えるのかと、そうしたことを少しん考えてはみるのだが。
「そうですね、私は少しの間あちらを訪うのはやめましょうか。」
オユキとしての結論は、やはりそれ以外になくなる。トモエには申し訳ないとは思うのだが、今後しばらくは魔国はどうした所で荒れる。はっきり言ってしまえば、危険地帯になる。そんなところに、連れて行きたくもない。今回の事、その発端を作ったのだとかなり恨みを買ってもいる事だろう。魔国で暢気に観光などと言えるような状況ではなくなるだろう。この国にしても、一歩間違えればそうした方向に転がりかねない所はあった。警戒は、常にしていたものだし事が起これば、その前には間違いなくミズキリが気が付いて止めるだろうとそうした信頼もあっての事。
ただ、やはり魔国は違う。
「トモエさんは少し残念に思うかもしれませんが、内情が安定するまではやはり距離を置くのが良いでしょう。私たちは。」
「そうですね。ですが、オユキさん。」
「ええ、流石に早期に安定するように、ある程度の手を打ちたいとは思いますが、そちらは私個人ではなく、この国がとなるでしょう。」
その辺りも含めてレジス候にはかじ取りが難しい、そう判断されたのだろう。それこそ時代の王と王妃、その二人が頼むべき相手は先代アルゼオ公とそう決めたのだろう。マリーア公爵が優先されぬのは、そもそも隣国との関係をこれまで育んだわけでも無いという事と、譲歩を、国内のバランスを整えなければならない層から譲歩をせよと命令されたせいだろう。その辺りは、オユキとしても思うところが無いでも無いのだが脅しの札として実に使いやすいものであるため、一先ず公爵夫人に軽く視線を送って頷きが返ってきたのなら飲み込むしか無い物だ。
「私たちが出来る事というのは、あるようで、無いのです。特に今度ばかりはあちらで派手に動こうとすれば、やはり越権と言いますか、良く思わぬ者達ばかりとなるでしょう。」
「ですが。」
「正直な所、先方から頼まれたという言い訳もなく何かを行う、それではリスクばかりが過剰になりますから。」
オユキの言うところに、トモエとしては納得がいかぬと。
それこそ武器の損耗などあまりない、そうした斬るという考えだけをもって刃を振れば片が付く魔物が多いのだ。ならば乱獲を繰り返し、マナの状態を安定させていけば、トモエが考える事というのは分かりやすい。対症療法として実に有効な手でもある。ただし、勝手な振る舞いをもはや許されない。他国に向かうときには、一個人として振舞うには限度がある。神国の巫女、その肩書きは間違いなくついてくるものであるし、それ以外の名を使おうにも向こうには狩猟者ギルドもまともに存在していない。
過去の事であれば、それこそシステム面として、少ないにしても一応は存在していたはずなのだがこうして王太子妃の話を聞く限りもはやまともに機能はしていないだろう。魔物の種類が、根本から違うのだ。狩猟として得られる物、得たい物と大きく離れた魔物が周囲に大量に現れるというのならば。神国では、日々の糧。しかし魔国では。
「そして、依頼に対して応えるかどうか、その判断は。」
「ええ。やはり未だに陛下もご健在。王太子様は、新年祭の折に新たな国王として立つことが決まっているとはいえ、やはり今は未だというものです。」
王太子妃から、叶うならすぐにでもと。
「全く。私がいた時には、もう少し抑え込んではいたのですけれど。」
「成程。離れてしまっては、流石にどうにもならぬという事ですか。しかし、御身がこちらに来るにあたって、少しは神国からも人員が贈られたかと思うのですが。」
「生憎とそちらは、彼の国の穀倉地を維持する家に。」
「そうなりますか。」
流石に食料が無ければ、一次生産というものが無ければ国の維持などこの世界ではできない。かつての世界では、面積があまりにも、国土が国民を支えるには足りない国家では周囲からの輸入に頼ってという事もままあったのだが、こちらの世界ではやはりそんな事は不可能だ。馬車の輸送では、あまりに分かりやすい限界があり当然現実的ではない。一国を支えるだけの輸送を叶えようと考えれば、あまりに無駄が多い仕組みでは、限度というものがある。だからこそ、橋を架けて少しでも楽にとそんな事を考えた物だしミズキリにしても予定に組み込んでいたのだ。一応は、最低限という意味では風翼の門を使って叶える事も出来るだろうが、生憎とこちらの利用には大量のマナが求められるため日常的に使うという訳にもいかない。商人が運ぶというのであれば、門の利用にかかる費用は当然運ぶもの、商品に上乗せされるのだから。
トモエとしては、自分の楽しみがというわけでもなく、オユキも楽しみにしていただろうからとどうにも納得がいかぬと、此処で我慢をする理由があるのかとそうした視線をオユキに向けてはいるのだが細かい理屈までをこの場で話すのも色々と問題がある。それこそ、オユキの確認というのは王太子妃にとっては己の生まれた国、そこがいまどういった現状なのか、黙っているべきことを離させてしまった事もある。
「さて、少し話過ぎましたか。」
「ええ。予想の確認をして頂いた、そういった形ではありますが。」
既に公開された情報、オユキが確認するためにと重ねた言葉。それに対して、何か譲歩を引き出すつもりなのだとそれはそれは実にわかりやすい前置きを。
ここに来て、トモエとしてもようやくという程でもないが、あまり疑問をこの場で口にするものでは無いのだと気が付く。相手は、あくまで王太子妃。公爵夫人は随分とトモエとオユキに対して好意的ではあるし、公爵その人にしても既に得た物が過剰だといった認識があるからこそ抑えているのだが、生憎とこの人物はそうでは無い。
「オユキとトモエは、公爵家に随分と。」
「はい。常々ご配慮を頂いていますので。」
「そうでしょうとも。私も聞くにつけてもと、そういった物ですから。」
如何に後見とはいえ、高々子爵家の当主がこうして私的な、実のところはそちらの方がよほど危険ではあるのだが、そんな場に呼び出されたとしても公爵夫人がついて来てくれているのだ。こちらの世界では、神職の肩書が重たいのだという事は散々に近いしているのだが、それにしても過分な事ではある。それこそ本来であれば、教会に勤める者達によって守られるべきであり、それ以外の者達が関わるべきでは無いのだから。神職であれば、それこそこれまでに見た事がある司祭であれば、嘘を見破る奇跡すら与えられている。一応、嘘をつかずとも誤認させることなどいくらでも話術として可能ではあるのだが、是非を問えばそれも排除できる。それほどに、神々からも守られている。
「貴女方は、今後、そうですね、今後何処までを考えているのですか。」
「既に、ご存知では無いのですか。」
「貴女方がこちらにいる、それには明確に期限があるのだとその事だけは。」
「はい。後四年程、でしょう。」
全く、誰も彼もが同じことを気にするものだと。オユキとしては、既に少々食傷気味と言えばいいのだろうか、繰り返し語る言葉にどこか己が意固地になっているのではないかと、そんな事すら感じさせられる。どうした所で、決めている事というのは、数少ない決め事というのは今のところそれがある位なのだ。変えるつもりはない、万が一そこを変えてしまえば、オユキとしては己のこれまでについて色々と、そう色々と性急すぎたのではないかと。
「少しは、思い当たる所があるようですね。」
「さて、何の事でしょう。」
「急ぐ理由があるのならば、その理由そのものを。」
陸に顔を合わせてもいない相手に、随分と言われる物だと。
オユキとしては、己の振る舞いというのがそこまでわかりやすいものだろうかと、そうした反省も生まれて来る。ただ、これに関しては以前トモエの用意した席でいよいよ気を抜いて振舞った事、そこでようやく許されていた言葉、そういった物が流れ流れてという程でもなく、アベルからきちんと報告が行っているもらしいと。
「そうした報告を受けているというのであれば、ええ、私からお尋ね頂いている事に対してどうお応えさせて頂くのか、それは既にご理解頂けているのでしょう。」
「公爵家よりも、王家の方が手が広いのだとそうは考えませんか。」
「何も、籠に閉じ込められたいという訳でもありませんから。」
他の異邦人たちに対して、どのような振る舞いを行っているのか。それに対しては既に理解している。勿論、流れてきた者達が望んだことを王家として、他の何処かの場所にしても同様に叶えて見せているだけに過ぎないのだが、オユキの望む形というのはそのような物ではない。観光に出かける。それを求めているのは事実なのだが、何も何から何まで手配してほしいなどとは、やはり思わないのだ。何より、それをトモエが喜ぶ事は無いだろうと先の話し合いで既に理解が至っていることもある。
こうして王太子妃が簡単に言葉を作り、そこからさらに追及するでもないというのはいよいよもって彼女に対して色々といった人間がいるのだろう。オユキとしては、王妃に向けて国王とは正直距離を取りたいとはっきりと告げた事もある。その辺りの修復と言えばいいのか、もう少しどうにかとそう言われているからこそこうして特段意味のない会話を繰り返しているだけ。
「全く、理解しているというのなら、もう少し他に在るでしょうに。」
「手続きとして必要だと、それが解るからこそなのですが。」
「そこで己が打つ手を過たぬ、その自信があるという事ですか。」
ただ、こうして結論に至る前に王太子妃からぽつりとそんな事を言われる物だが、オユキとしては己のこれまでを、かつての世界での事ではなくこちらの世界での事を振り返って、思うところもあるのだ。
「いえ、正直な所、反省することはあまりに多くありますから。」
こんなはずではと、さてここに至るまでにオユキは一体どれだけその考えを頭の中で作った物か。数えるのも面倒という程では無いのだが、やはり両手の指では足りぬほどの数がそこにはある。
「そうですね、私は少しの間あちらを訪うのはやめましょうか。」
オユキとしての結論は、やはりそれ以外になくなる。トモエには申し訳ないとは思うのだが、今後しばらくは魔国はどうした所で荒れる。はっきり言ってしまえば、危険地帯になる。そんなところに、連れて行きたくもない。今回の事、その発端を作ったのだとかなり恨みを買ってもいる事だろう。魔国で暢気に観光などと言えるような状況ではなくなるだろう。この国にしても、一歩間違えればそうした方向に転がりかねない所はあった。警戒は、常にしていたものだし事が起これば、その前には間違いなくミズキリが気が付いて止めるだろうとそうした信頼もあっての事。
ただ、やはり魔国は違う。
「トモエさんは少し残念に思うかもしれませんが、内情が安定するまではやはり距離を置くのが良いでしょう。私たちは。」
「そうですね。ですが、オユキさん。」
「ええ、流石に早期に安定するように、ある程度の手を打ちたいとは思いますが、そちらは私個人ではなく、この国がとなるでしょう。」
その辺りも含めてレジス候にはかじ取りが難しい、そう判断されたのだろう。それこそ時代の王と王妃、その二人が頼むべき相手は先代アルゼオ公とそう決めたのだろう。マリーア公爵が優先されぬのは、そもそも隣国との関係をこれまで育んだわけでも無いという事と、譲歩を、国内のバランスを整えなければならない層から譲歩をせよと命令されたせいだろう。その辺りは、オユキとしても思うところが無いでも無いのだが脅しの札として実に使いやすいものであるため、一先ず公爵夫人に軽く視線を送って頷きが返ってきたのなら飲み込むしか無い物だ。
「私たちが出来る事というのは、あるようで、無いのです。特に今度ばかりはあちらで派手に動こうとすれば、やはり越権と言いますか、良く思わぬ者達ばかりとなるでしょう。」
「ですが。」
「正直な所、先方から頼まれたという言い訳もなく何かを行う、それではリスクばかりが過剰になりますから。」
オユキの言うところに、トモエとしては納得がいかぬと。
それこそ武器の損耗などあまりない、そうした斬るという考えだけをもって刃を振れば片が付く魔物が多いのだ。ならば乱獲を繰り返し、マナの状態を安定させていけば、トモエが考える事というのは分かりやすい。対症療法として実に有効な手でもある。ただし、勝手な振る舞いをもはや許されない。他国に向かうときには、一個人として振舞うには限度がある。神国の巫女、その肩書きは間違いなくついてくるものであるし、それ以外の名を使おうにも向こうには狩猟者ギルドもまともに存在していない。
過去の事であれば、それこそシステム面として、少ないにしても一応は存在していたはずなのだがこうして王太子妃の話を聞く限りもはやまともに機能はしていないだろう。魔物の種類が、根本から違うのだ。狩猟として得られる物、得たい物と大きく離れた魔物が周囲に大量に現れるというのならば。神国では、日々の糧。しかし魔国では。
「そして、依頼に対して応えるかどうか、その判断は。」
「ええ。やはり未だに陛下もご健在。王太子様は、新年祭の折に新たな国王として立つことが決まっているとはいえ、やはり今は未だというものです。」
王太子妃から、叶うならすぐにでもと。
「全く。私がいた時には、もう少し抑え込んではいたのですけれど。」
「成程。離れてしまっては、流石にどうにもならぬという事ですか。しかし、御身がこちらに来るにあたって、少しは神国からも人員が贈られたかと思うのですが。」
「生憎とそちらは、彼の国の穀倉地を維持する家に。」
「そうなりますか。」
流石に食料が無ければ、一次生産というものが無ければ国の維持などこの世界ではできない。かつての世界では、面積があまりにも、国土が国民を支えるには足りない国家では周囲からの輸入に頼ってという事もままあったのだが、こちらの世界ではやはりそんな事は不可能だ。馬車の輸送では、あまりに分かりやすい限界があり当然現実的ではない。一国を支えるだけの輸送を叶えようと考えれば、あまりに無駄が多い仕組みでは、限度というものがある。だからこそ、橋を架けて少しでも楽にとそんな事を考えた物だしミズキリにしても予定に組み込んでいたのだ。一応は、最低限という意味では風翼の門を使って叶える事も出来るだろうが、生憎とこちらの利用には大量のマナが求められるため日常的に使うという訳にもいかない。商人が運ぶというのであれば、門の利用にかかる費用は当然運ぶもの、商品に上乗せされるのだから。
トモエとしては、自分の楽しみがというわけでもなく、オユキも楽しみにしていただろうからとどうにも納得がいかぬと、此処で我慢をする理由があるのかとそうした視線をオユキに向けてはいるのだが細かい理屈までをこの場で話すのも色々と問題がある。それこそ、オユキの確認というのは王太子妃にとっては己の生まれた国、そこがいまどういった現状なのか、黙っているべきことを離させてしまった事もある。
「さて、少し話過ぎましたか。」
「ええ。予想の確認をして頂いた、そういった形ではありますが。」
既に公開された情報、オユキが確認するためにと重ねた言葉。それに対して、何か譲歩を引き出すつもりなのだとそれはそれは実にわかりやすい前置きを。
ここに来て、トモエとしてもようやくという程でもないが、あまり疑問をこの場で口にするものでは無いのだと気が付く。相手は、あくまで王太子妃。公爵夫人は随分とトモエとオユキに対して好意的ではあるし、公爵その人にしても既に得た物が過剰だといった認識があるからこそ抑えているのだが、生憎とこの人物はそうでは無い。
「オユキとトモエは、公爵家に随分と。」
「はい。常々ご配慮を頂いていますので。」
「そうでしょうとも。私も聞くにつけてもと、そういった物ですから。」
如何に後見とはいえ、高々子爵家の当主がこうして私的な、実のところはそちらの方がよほど危険ではあるのだが、そんな場に呼び出されたとしても公爵夫人がついて来てくれているのだ。こちらの世界では、神職の肩書が重たいのだという事は散々に近いしているのだが、それにしても過分な事ではある。それこそ本来であれば、教会に勤める者達によって守られるべきであり、それ以外の者達が関わるべきでは無いのだから。神職であれば、それこそこれまでに見た事がある司祭であれば、嘘を見破る奇跡すら与えられている。一応、嘘をつかずとも誤認させることなどいくらでも話術として可能ではあるのだが、是非を問えばそれも排除できる。それほどに、神々からも守られている。
「貴女方は、今後、そうですね、今後何処までを考えているのですか。」
「既に、ご存知では無いのですか。」
「貴女方がこちらにいる、それには明確に期限があるのだとその事だけは。」
「はい。後四年程、でしょう。」
全く、誰も彼もが同じことを気にするものだと。オユキとしては、既に少々食傷気味と言えばいいのだろうか、繰り返し語る言葉にどこか己が意固地になっているのではないかと、そんな事すら感じさせられる。どうした所で、決めている事というのは、数少ない決め事というのは今のところそれがある位なのだ。変えるつもりはない、万が一そこを変えてしまえば、オユキとしては己のこれまでについて色々と、そう色々と性急すぎたのではないかと。
「少しは、思い当たる所があるようですね。」
「さて、何の事でしょう。」
「急ぐ理由があるのならば、その理由そのものを。」
陸に顔を合わせてもいない相手に、随分と言われる物だと。
オユキとしては、己の振る舞いというのがそこまでわかりやすいものだろうかと、そうした反省も生まれて来る。ただ、これに関しては以前トモエの用意した席でいよいよ気を抜いて振舞った事、そこでようやく許されていた言葉、そういった物が流れ流れてという程でもなく、アベルからきちんと報告が行っているもらしいと。
「そうした報告を受けているというのであれば、ええ、私からお尋ね頂いている事に対してどうお応えさせて頂くのか、それは既にご理解頂けているのでしょう。」
「公爵家よりも、王家の方が手が広いのだとそうは考えませんか。」
「何も、籠に閉じ込められたいという訳でもありませんから。」
他の異邦人たちに対して、どのような振る舞いを行っているのか。それに対しては既に理解している。勿論、流れてきた者達が望んだことを王家として、他の何処かの場所にしても同様に叶えて見せているだけに過ぎないのだが、オユキの望む形というのはそのような物ではない。観光に出かける。それを求めているのは事実なのだが、何も何から何まで手配してほしいなどとは、やはり思わないのだ。何より、それをトモエが喜ぶ事は無いだろうと先の話し合いで既に理解が至っていることもある。
こうして王太子妃が簡単に言葉を作り、そこからさらに追及するでもないというのはいよいよもって彼女に対して色々といった人間がいるのだろう。オユキとしては、王妃に向けて国王とは正直距離を取りたいとはっきりと告げた事もある。その辺りの修復と言えばいいのか、もう少しどうにかとそう言われているからこそこうして特段意味のない会話を繰り返しているだけ。
「全く、理解しているというのなら、もう少し他に在るでしょうに。」
「手続きとして必要だと、それが解るからこそなのですが。」
「そこで己が打つ手を過たぬ、その自信があるという事ですか。」
ただ、こうして結論に至る前に王太子妃からぽつりとそんな事を言われる物だが、オユキとしては己のこれまでを、かつての世界での事ではなくこちらの世界での事を振り返って、思うところもあるのだ。
「いえ、正直な所、反省することはあまりに多くありますから。」
こんなはずではと、さてここに至るまでにオユキは一体どれだけその考えを頭の中で作った物か。数えるのも面倒という程では無いのだが、やはり両手の指では足りぬほどの数がそこにはある。
0
あなたにおすすめの小説
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる